昨年末から今年にかけ、サッカー観戦の集まりに参加する機会を何度も頂き、今年はサッカーじゃ!と燃えていた時期に読んだのが本書。

この本を読んでから7か月が経つが、予想以上の残業の日々で観戦の機会がせいぜい2,3度しか取れず、本書から得た知見を活かせる機会がないのは残念としかいいようがない。

だが、本書から得た知見は古びた訳ではなく、日本代表が4-2-3-1の布陣に変えたことで、本書の分析が的を射ている証左になったと思う。

サッカーの戦術面について多くを割いている本書だが、戦術、ひいては規律の重要性を強調し、そこからビジネスの話につなげるといったつまらない内容ではない。サッカーのダイナミズム、華麗な個人プレイと並び称されるべき布陣、戦術の魅力を、豊富な試合例から解説している。

サッカーの布陣というとなんとなく4-3-3とか5-3-2とか、数字だけが独り歩きしている印象が強いが、なぜそうでなければならないのかを正確に語れる人は少ない。少なくとも本書を読むまでの私はそうであった。

本書を読むと、なぜ一時代を築いたあのチームは強かったのか、また、あの大会あの試合でジャイアントキリングがなぜ起きたのか、について興味深い知見が得られるだろう。また、上に書いたことと矛盾するが、ビジネスや人生の上で組織を築く役割に就く際にも本書は参考となると思われる。実際に本書を読んで少し後に、総務部長として組織を作りあげる必要があったが本書から得た知見も参考になった。

最近は時間がなくYouTubeやスポーツ番組でダイジェストを見るだけの関わり合いに甘んじているが、布陣を理解するには一試合通した観戦が必要であり、自分の人生を豊かにするためにも、観戦の機会を作らねばとつくづく思う。

’12/03/27-12/03/28


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