著者の作品はスペインものを中心に色々と読んできたが、本シリーズは未読であり、ヒトラー暗殺を取り上げたと知って本書を読んだのだが、読み終えるまで本書がシリーズものと気付かないままであった。

つまり、シリーズに馴染みのないかたにも読み通せる内容の本ということである。とはいっても、過去の経緯について触れた箇所が随所にあり、経緯を知らないとつらいところがあるが。

ヒトラー暗殺とそれに絡むスペインとドイツ国内のスパイの暗躍がテーマであるが、そのあたりの取り上げ方は淀みなくストーリーが進んでいき、ストーリーテラーとしての力量やさすがというべき。

ヒトラー暗殺というと、どうしてもシュタウフェンベルク大佐にスポットがあたりがちだが、本書ではシリーズものという体裁であるため、主役には持ってこれず、それがちょっとストーリーの構成のバランスに影響を与えているような気もする。

’12/06/20-12/06/21


カテゴリ: 読ん読く.
最終更新日: 7月 30, 2014

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