著者の作品は、奇をてらわずに正統な堅実な筆致なんだけど、見事な本格推理を書きつつ、推理小説の中にも主張をこめている作品もありどちらも好きです。

ただ、本格に徹したときの動機などは弱い部分があるなぁと感じていて、それがこの作品のように著者の意見が入ってくるとトリックに関係ない部分までいきいきしてくるから面白い。

地雷という兵器をテーマにした小説って私はまだ読んだことがなく、それを推理小説でとりあげたという着眼点はいいなぁと思う。被害者、作る人、埋める人、取材する人、そういう人間関係が生じるところって他になさそうなので、骨太な小説なんかものにできそうなテーマだと思う。

’11/10/15-’11/10/15


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