何か月か前に雑誌歴史人で忍城の攻防戦が取り上げられていた際に、著者のインタビューも掲載されていて興味を持っていた本。

この本は面白い。歴史小説はそれほど読みつくすようにして読んでいないけれど、隆慶一郎氏の作を初めて読んだときのようなすぐれた娯楽小説として一気に読み終えました。

もともとは脚本で、その舞台作品が映画化されるにあたりノベライズとして書かれたこの本。ノベライズというだけで何やら薄っぺらな印象がありがちだけれどそんなことはなく、何よりも話の筋として肝心な成田長親の性格の多彩な点、陰影を書くことに成功している。映像作品に対して小説がなしうる意義を、目に見えない心のうちを描くことにあると定義するならば、この本はノベライズ、または単なる小説化というだけではなく、異なるメディアとして小説の可能性を示してくれていると思う。

映画も機会があれば観てみようと思う。

’11/9/27-’11/9/28


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