6月4日に大阪のZepp 難波で行われたkintone hive 2024 Osakaに参加・登壇してきました。

https://kintone.cybozu.co.jp/jp/event/hive/

昨年に続いての参加です。ところが、昨年は開演の直前まで商談していて、終わってからもすぐにトラブル対応が舞い込み、てんてこ舞いでした。

今年は直前の商談もなしにし、午前中に甲子園の実家で済ませていました。
夜もトラブルさえなければ、どこかの飲み会に参加できそう。楽しみです。

さて、楽しみと書いている私ですが、実はkintone hiveについては経験がそこまでありません。
一昨年までは地方で行われるhiveには一度も参加していませんでした。11月に幕張で行われるkintone AWARDを参加するだけで満足していました。
昨年のブログにも書いたと思いますが、開発会社としては、kintone AWARDだけ観覧すればそれで良いという気持ちがどこかにあったのでしょう。

ところが昨年、仙台/大阪/東京と参加してみたことで、各地域でのhiveのレベルの高さに舌を巻きました。そして、今までの自らの不明を恥じました。そこで、なるべく地方のhiveにも参加しようと決めました。

ところが今年は、仕事のスタイルが変わりました。それによって、私の時間の使い方にも変化が生じ、参加したくてもできていません。当初は、kintone hive 2024 Osakaへの参加も難しいと考えていました。
ところがスケジュールを確認すると、名古屋(kintone Night Nagoya)、山口(kintone Café 山口)と移動した後、数日を実家に泊まらせてもらい、その間の打ち合わせを全てオンラインに調整すれば、kintone hive 2024 Osakaへの参加ができるかもしれない。そこでスケジュールを調整しました。

11月に行われるCybozu Daysはkintone界隈のプレーヤーが全国から集う一大イベントです。
が、kintone hiveもその地域並びに近隣地域からプレーヤーが集います。普段は首都圏にいる私にとっても、関西のプレーヤーと旧交をあたためる良い機会です。今回も会場の入り口付近でいろんな方にお会いして旧交を温めました。
皆さん、これから会場で目撃する内容にワクワクしています。

ここで念の為、kintone hiveについて説明しておきます。
kintone hiveとは、kintoneを使って社内の業務改善に取り組む各企業様が、自社の取り組みを登壇し、発表するイベントです。今年は全国の六カ所で催されています。書類審査の上、登壇される各企業様の取り組みは、ユーザーとしても導入に参考になりますし、kintoneを用いたビジネスを展開する各企業にとっても参考になります。

ただ、それだけの説明では、なぜそこまで皆を惹きつけるのか、わからないかもしれません。

kintone hiveで登壇されるのは、業務改善を切実に必要とする企業や個人が、kintoneを使ってチームを構成し、そして会社の業務を変えていくストーリーです。
各社さんは登壇する今も現在進行形で業務改善を進めておられます。そして、会場で参加する方々は自社または他社に対して業務改善を行っている真っ最中。つまり、同じ時間軸でkintoneを用いた業務改善の同士です。
同士が試みた業務改善のありように私たちは共感し、応援します。そして、成功に至るまでのプロセスを自分たちの会社の参考にし、生かそうとします。

kintone hiveとは、ある種のエンターテインメントです。
エンターテイメントとは人々を楽しませる娯楽のことです。
人々は、共感や応援など、喜怒哀楽の感情も含めて心が動かされることも娯楽としてとらえます。
登壇者がうまくいかない経験を語る時、観客の多くも自らの苦労に思いを馳せ、心を痛めます。そして、成功体験が語られる時、登壇者の語る喜びを観客は追体験します。
kintone hiveとは、登壇者と観客が場で一体となって感情を共有する場です。
会場がライブハウスであるのも、場の一体感を醸成するためには必須の装置です。だからこそ、kintone hiveはある種のエンターテインメントであるといえます。


さて、サイボウズの山田さんによるkintone hive 2024 Osaka大阪の開会宣言に続いては、登壇者の皆さんによる熱いセッションの開始です。


おのえメモリアル株式会社/森垣さん

まずはおのえメモリアル株式会社/森垣さんから。

いきなり私の知っている方の登壇です。
森垣さんとは今年の1月に城崎で行われたkintone Café HYOGO Vol.2にてお会いしました。しかもお隣の席同士でした。
その際に聞いた森垣さんのセッションは、私の中で鮮やかですが、今回その内容をさらにバージョンアップさせておられました。
人の目を見て話すことが、大切な人を亡くされた葬祭業の打ち合わせでは必須。そのため、パソコンに目を落とす頻度は減らさなければならない。つまり、kintoneの操作をなるべく簡単にする。
その思想は変わらず。今回は冒頭に合掌があり、新しい掴みの要素も加えておられました。そして、随所には森さんの人柄を感じさせる素晴らしい登壇でした。

無趣味な人に出来た趣味がkintoneと言う自己紹介も良かったです。
そして、登壇の背後に通底する思想、つまり本来は業務に紙もシステムもいらない、人との触れ合いに時間を割きたいというその姿勢が会場にしみわたりました。
システムとは人のためにあるものです。


BABYJOB株式会社/長野さん塩澤さん


BABYJOB株式会社/長野さん塩澤さん
私の娘たちも、もう2人とも20歳を超えました。娘たちが小さい頃、私が妻と同じぐらい育児をこなしていたというつもりはありませんが、育児の大変さは私もよく知っていました。

その大変さを少しでも楽にするためのサービス、そしてそこにkintone使う組み合わせは、まさに多くの人の共感を呼んだのではないでしょうか。

すごいと思ったのは、入社してわずか一週間でkintone hiveへの登壇を会社に相談したそのエネルギーです。
わずか一週間で登壇を決断した事例は私も今まで聞いたことがなく、すばらしいと思いました。

お二人の話を聞いていると、システム開発の従来のやり方は本当に変わってしまっていることに気づかされます。
4ヶ月かかるシステムがわずか1週間で担当者によって実装されてしまう。この脅威を技術者は真摯に受け止めねばなりません。この流れはkintone界隈の人には当たり前でも、まだまだその変化に気づいていないシステム開発業者や技術者がたくさんいるのです。


株式会社オーシン/藤田さん


株式会社オーシン/藤田さん

いわゆる職人芸と言われるものは、暗黙知の集合です。
一子相伝や徒弟制度は、確かに言語化できない暗黙知を伝えるためには有効な制度だったのでしょう。
ですが、今のスピードが優先される世の中にあって、背中で語って伝えるやり方はもう難しいでしょう。残念ながら。
もちろん暗黙知が必要な部分はまだ多いと思います。が、それとて、内情を良く調べてみると、ただ単にテキストや言葉の伝達のプロセスの問題だったりします。暗黙知でなければ伝えられない部分はより深い部分にあり、それ以外はkintoneで代替可能です。
藤田さんの登壇はまさにその辺の伝達の課題をkintoneの特性を持ちいて解決した好事例です。マスタ整備をきちんとするだけで情報の伝達は改善できるのです。
タグ付けプラグインの活用など、私にとっても参考になる点が多々ありました。kintoneの使い方に工夫の種は尽きないなぁと思いました。

藤田さんの登壇を聞いていて、知識の伝達と蓄積こそがシステムの本質なのだとあらためて腹落ちしました。


株式会社ワイドループ/川咲さん


株式会社ワイドループ/川咲さん

冒頭の自己紹介から紆余曲折、七転び八起きの人生模様が展開され、インパクトは抜群。
その後の導入の経緯もスピーディーで、観客は一気に川咲さんワールドへと引き込まれていきました。

ただ、その話術とテンポに幻惑されていては本質を見失います。語っている内容にこそ、川咲さんの業務改善の本質が詰まっています。
それは、業務改善をする側にも本気度がないと成功しない真実です。


自社の業務を徹底的に理解し、そこから業務改善の糸口を見出す熱量。
業務改善を進めるにあたって、計画やプロセスにおざなりな点はないか。
一度は川咲さんから相談を受けたアールスリーさんが断り、そこから再度計画を作り直した上で、アールスリーさんの支援を受けるに至る流れは、私たちシステム開発業者にとっても襟を正すケースです。安易に相談を受けてはならず、まず、本気で改善する気がなければ、システム業者にとってもあとあと苦しむことになりますから。
それには、業務改善をする当事者こそ、もっとも本気で取り組む姿勢を見せなければなりません。

社内への周知方法や仲間づくりなど、テンポの速いスライドとトークの中で内容も濃い目に詰め込んでおられました。また、効果検証をやる暇があれば、kintoneアプリを一つ作る方がよいとの割り切りも印象に残りました。
今回のkintone hive 2024 Osakaで優勝したのは川咲さんです。kintone AWARDでもご活躍を願っています。


株式会社パトライト/三井さん


株式会社パトライト/三井さん

私の中で、印象を受けた一人が三井さんです。
仕事に魅力を感じられず、転職を考えていた三井さんがkintoneに出会い、kintoneで改善を実現することによって自分の力を役立て、人から頼られる喜びに目覚めてゆくストーリー。

実際、こうなることが望ましい姿です。ただ、人によっては理想論として捉えるかもしれません。なぜなら、そういう機会をもらえることはそうそうないからです。
ですが、三井さんが語った「頼られる歓びが仕事への活力になる経験」は、私にも覚えがあります。むしろ、私自身がそうやって次のステップに進んでいきました。なので、我が事のように三井さんのストーリーが私の中に吸収されていきました。
三井さんが目覚めていったいきさつは、私が経営者として、どうすればメンバーに味わってもらえるかを常に考えている課題でもあります。経営者としてメンバーのモチベーションアップは切実な課題です。特に2023年にそれで失敗した私としては。
どうすればやりがいを感じてもらえるのか。仕事に対してやりがいや実感を持てることが都市伝説でも幻想ではなく実感なのだ、三井さんの経験が実際に起こったストーリーなのだと教えられれば、従業員はやる気を持ってもらえます。
絶対的な安定や高給を保証できない零細企業の経営者としてはなおさらです。まずは、経営者としては従業員への何よりの福利厚生こそ、やりがいの提示だと思ってます。


ですが、それが難しいこともよくわかっています。やはり仕事は仕事。現実には苦難も試練も待っています。
楽しいことばかりが仕事ではないから。三井さんはそれらを乗り越えるための工夫も含めて話されておられました。だからこそ、私は共感しました。


阪急阪神不動産株式会社/川本さん。


阪急阪神不動産株式会社/川本さん。

西宮市で20年以上を過ごした私にとって、阪急阪神はいろんな意味で郷愁を与えてくれる存在です。
ここ数年では阪急側の某歌劇団ともいろいろとご縁がありました。
実は昨年秋にも六本木でソラコムの皆さんと飲んだ後も、阪急阪神不動産の方と数名お会いしました。

なんだかんだとご縁がある会社がkintoneを使っている。そして、kintone hiveに登壇する。これだけで私のテンションはあがります。


その構築内容は、参考になるところが多かったです。
何よりも、弊社が今目指さなければならない、JavaScriptを使わない構築をポリシーとして謳っておられましたから。
同様のポリシーはエン・ジャパンさんが謳われておられます。


私も今後のkintone開発とはかくあるべき、と切り替えるのに努力しています。
が、なかなか完全にJavaScriptを100%根絶した提案を当初からできるまでには至っていません。
それはおそらく私の努力と知識が足りないのでしょう。

そうした意味でもまだまだの精進が必要なのだ、ということを胸に刻めたのはよかったです。


特別セッション


さて、そこで六社の登壇が終わり、私は諸連絡のためパソコンに向かっていました。
すると、いつの間にか壇上にはゆっきーときったんさんと中尾和尚のお姿が。

そこで話されている内容は、私があまりログインしていないキンコミ。
キンコミを通じた情報が数年たって別の方の悩みを解消させる事例や、ブックマーク機能がいつの間に出来ていたことなど、私不覚にも自分が使っていなかったことへの不明を恥じました。

さっきのJavaScriptを無くす前提の見積を行うためにも、私もまずキンコミを見なければと思った次第です。
と思いつつ、kintone hive から本ブログをアップするまでの二十日間の中でまだ見られていません。まずいので、まずはこの後必ずログインは果たします。


さて、私がログインを果たす前に、別のミッションは終えてしまいました。
kintone hiveの会場に設置されていたプリクラで、きったんさんと中尾師匠との3ショットを撮ってもらったのです。
私だけ、いかにもプリクラに慣れていないことがまるばれで、全く違う場所を見つめているのはご愛敬。

今回、こんなアトラクションが用意されていたのですね。その時に聴いた情報では、kintone hive Tokyoでも用意されているとか。楽しみです。


懇親会

さて、優勝者が川咲さんであると発表された後、私が座っていた席の近くにトーヤマンさんがおられ、ご一緒に夕飯と懇親会にお誘いいただきました。数日前にもkintone Night Nagoyaでもご一緒していたこともあって。

ところが、私がきったんさんと中尾和尚とプリクラを撮っている間に迷子になってしまい、一緒に会場に出た一群と一緒に歩いていたら、実は登壇者の皆さんの飲み会に合流していたことに気づきました。

これはいかんと、あわててトーヤマンに連絡をとり、大国町駅で合流。さらに動物園駅、天王寺駅と二回降りて、合流した皆さんはなかなかのレアメンバー。
少なくとも私はこのメンバーでの集合は初めてです。


しかも私、この中でイビサさんとは初めてお会いしたので、とても貴重な機会になりました。
前からもちろん一方的に片思いだったわけですが、まさかここまでホスピタリティ溢れるカレーの求道者だったとは・・・。まさに仏でした。
四天王寺まで足を運んで訪れた「虹の仏」は残念ながらカレーが品切れだったそうですが、私には十分な仏の恵みでした。

もちろん、皆さんで訪れたカンデグランデのカレーのとってもおいしかったです。
このメンバーであれば、また目黒辺りでお会いできる機会もあるかも。
kintoneはカレー色。またカレーでも誘ってください。街をカレーとkintoneで染めていきましょう。

私はそこから田村さんと大阪までご一緒しました。
思ったより早く解散になってしまったので(昨年はなんばウォークの公衆電話機の上にパソコン広げてトラブル収束の指示を出していました。しかももっと遅い時間に)、さすがにもう一軒行こうかと。


いつも行く梅田のHarbour Innでもよかったけど、たまには違う街を歩いてみたいと思い、来るときに通って少し気になった西九条駅へ。環状線をもう15分角度を伸ばして、駅前を少し散策。
ふらっと訪れたBar SandKさんでバーテンダーさんとの会話を楽しみ、夜をしめました。

kintone hive Osakaなどの機会にふるさとに帰れるのはありがたい。ふるさとの風を感じ、若い時には訪れられなかったさまざまな街を訪れるのもありがたい。

また来年もkintone hive Osakaには来られるようがんばります。

今回お会いしたすべての皆様に感謝です。


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