2/5にfreee Biztech Frontier 2021に参加しました。その中で得た気づきと感想を書きたいと思います。

昨年のBiztech Frontier 2020に参加し、とても大きな知見と人脈を得た私。
昨年は一参加者でしたが、今年は少しステップアップができました。
freeeアプリアワード 2020でIBM賞を受賞したからです。

弊社とPolaris Intotech社で共同応募した「アバターコンシェル for freee」がよもやのIBM賞をいただいたこと。
それは、昨年、弊社にとってのトピックの一つでした。
12/10に受賞のご連絡をいただき、12/16にfreee社のサイトで受賞が発表されました。

freeeアプリアワードのIBM賞をいただきました

今回のBiztech Frontier 2021では、freeeアプリアワード 2020の表彰式が行われました。
それに先立つキーノートセッションでは、freee社の佐々木CEOが「アバターコンシェル for freee」に触れ、SaaSの可能性の一つとしてご紹介くださいました。
IBM社の萩野さんは、表彰式の講評の中だけでなく、セッションの中でも「アバターコンシェル for freee」を取り上げてくださいました。
とてもありがたいことです。弊社とPolaris Infotech社にとっておめでたいことです。

ただ、今回のfreee Biztech Frontierでは、それ以上のおめでたさを感じました。
それは、いよいよSaaS、PaaSが世の中に浸透してきたことを実感できたからです。

私は9年以上前、kintoneに出会った時、大きな希望を感じました。
ただ、それは自分で基盤を用意せずに済み、ドラッグアンドドロップでテーブルが作れるといった技術者としての観点からでした。技術者の無駄な工数が減らせる。そこにkintoneの大きな可能性を感じました。

ですが、その当時の私は、SaaSやPaaSという言葉は知りませんでした。Software as a Service、Platform as a Service。
その言葉には、当時の私が感じていた以上の可能性が秘められていたのです。
サービス同士で簡単にデータをつなげられる可能性が。

Rest APIを使えば、ほぼ標準となった方法を使い、互いのサービス同士で簡単にデータが連携しあえる、連動しあえる。
この度に応募した「アバターコンシェル for freee」も、内部でRest APIを使っています。
そして、弊社以外に入賞したサービスのほとんどが、Rest APIを使って実装されていたはずです。

kintoneをめぐるエコシステムの世界にどっぷりはまっていると、PaaSやSaaS、Rest APIといった観念が当たり前であると錯覚しがちです。
ですが、世間にはまだオンプレミスのシステムが現役で使われています。CSVをインポート/エクスポートすることでデータが交換されています。
特に驚いたのは本稿を書く前日のhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOFB160VR0W0A211C2000000/の記事です。
まだフロッピーディスクが使われている! これには驚きました。

こうした現実を前にすると、PaaSやSaaSやRest APIがスタンダードであるという思い込みは慢心であり、厳に慎まねばならないと思わされます。
ですが、物理的な手間やデータの流れの合理性を考えると、より合理的な方法に移っていくのは必然の流れだと思っています。

そうしたSaaS同士のつながりと、PaaS同士の連携が必須になっていく上で、ある“常識”の壁が立ちはだかっています。
それはセキュリティや費用の問題です。クラウドはセキュリティが不安で、費用も余計にかかるという誤解です。
普段、SaaSやPaaSを扱っていると、そうした古い常識からはとっくに自由になっています。
ところが、上に例に挙げたフロッピーの例などを見かけると、古い常識がまだまかり通っていることを思い知らされます。
特に、クラウドがオンプレミスに比べてセキュリティに不安を抱えているという誤解。それは、医療や経理・財務へのクラウドの普及を妨げてきました。

freeeは会計・経理や人事・労務のデータを全てクラウド上で処理しています。
そうしたデータは、セキュリティの観点からはもっとも注意すべきデータのはずです。
ところが、freee Biztech Frontier 2021では、さまざまな連携事例や可能性として示されていました。それも、freee社ではなく、freee社をめぐるパートナー企業が積極的に進めているのです。
freee社の掲げるオープンプラットフォームの理念が、会計という業務でここまでの支持を得ていること。そればかりでなく、他のサービスとRest APIを通じてやり取りされていること。
これこそが、freee社が到達した位置であり、他のPaaSやSaaSも含め、すでに市民権を得た証しではないかと思うのです。

kintoneはすでに医療分野でも着々とクラウド利用の実績を積み上げています。
同じく会計freeeや人事労務freeeも、会計・経理や人事・労務の分野で実績を積み上げています。
昨年のfreee Biztech Frontier 2020から今年のBiztech Frontier 2021までの一年を比べても、その進化は明らかです。おそらく来年は、さらに進化していることでしょう。
PaaSやSaaSはより幅広い企業に利用され、さらにRest APIを使った連携も今とは比べ物にならないほど世の中を支えていることでしょう。

リモートワークやテレワークが広く行き渡った世の中で、CSVを出し入れし、フロッピーディスクを郵送する作業の非合理性。
それを考えると、その流れは明らかです。
ただ、今のPaaSやSaaSも今と同じではないはずです。より進化していくはずですし、より合理的で堅牢な仕組みに切り替わっていくはずです。

弊社もPaaS、SaaSやそれを取り巻くエコシステムの構築と、これからの発展に少しでもお役に立ちたいと思っています。

最後になりましたが、ご参加くださった皆さまと登壇者の皆さま。さらに司会の皆さま、ライツアパートメント社の皆さま。そしてfreee社の皆さま。誠にありがとうございました。
そして、当初は応募に消極的だった私の後押しをしてくださったPolaris Infotech社の東野さん、ありがとうございました。
案件を多数抱え、さらにCybozu Days 2020の出展も控えていた私も、東野さんの後押しがあったからこの日が迎えられたと思っています。
さらに、実装の上で多大な貢献をしてくださった斉藤さんにも感謝です。当時の私のリソースだけでは到底足りなかったので、とても助かりました。


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