今回の「福島県お試しテレワークツアー」の募集要項を読み、三年前の思い出が蘇りました。
その時に感じた郡山の皆さんの温かみ、そして復興への想い。その経験は私に地方への目を開かせてくれました。
それ以来、機会があるごとに、福島にできることは何かを考えていました。なので今回のお誘いも、すぐに参加を申し込みました。
https://www.facebook.com/191888961588176/posts/575688259874909

初日(1/16)、郡山で集合した私たちは、今回のツアーを主催する株式会社LIFULLの内田さんの運転で、co-ba koriyamaへと向かいました。
ここは三年前、kintone Café 福島Vol.1が開催され、私が登壇した場所です。
運営されている三部さんからは、co-ba koriyamaのご紹介と、取り組みのご説明を行っていただきました。
今後も農業経営のセミナーや、エストニアの動向の報告会、シェアリング・エコノミーを紹介するイベントなど、面白そうなイベントが開催されるようです。
前回にも感じたco-ba koriyamaの存在感と役割がさらに強く広がり、今の郡山の商業をつなぐハブとなっていることが感じられました。うれしいですね。
https://co-ba.net/koriyama/

続いてはランチトーク「⼆拠点ワーカーの実践者の話を聞こう」です。
普段、co-ba koriyamaを拠点にされている株式会社フリクシーの片岡さんは、実際に二拠点ワークを実践されている技術者です。しかも、株式会社フリクシーさんは医療系のアプリ開発を主な業務とされていらっしゃるとか。
https://www.flixy.co/

医療情報ガイドラインが用意されているとおり、医療情報には機微な内容が含まれます。そのため、まだまだクラウドへの取り組みが遅れている分野です。ネットワークでつながり、クラウドを利用されていても、開発は都心の開発センターでまかなわれている事が多いようです。
ですから、片岡さんのワークスタイルは相当に先進的ではないかと思います。郡山に住むと、首都圏で住むのに比べ生活のレベルが向上することは自明です。そうした実感を語る片岡さんの目は輝いておられました。
私もとても興味をもってお話を伺わせていただきました。たけやさんのお弁当をおいしく頬張りながら。

さて、テレワークを行うには無線LANが欠かせません。なのでタブレットやPCなどはWi-Fi対応が当然です。
ところが、私のノートPCはco-ba koriyamaのステルスSSIDがうまく拾えませんでした。タブレットは速攻でつながってくれたのに。
なので、テレワークをされる方はステルスSSIDもきちんと取れるようにしておいたほうがよいです。
ちなみに私がco-ba koriyamaで挙げた成果は以下の通り。
  ・弊社サイトのSSL化に欠かせない証明書取得のための仕様調査
  ・多数のお客様とのやりとり
  ・Zenrin APIとkintoneの連携の調査
合間には三年前にお世話になった方が二人、私に会いにco-ba koriyamaまで足を運んでくださり、旧交を温められました。ありがたいことです。うれしかった。

18時になり、内田さんの運転で向かったのは磐梯町。まずはLIFULLさんが運営されているLivingAnywhere Commons会津磐梯へ。
ここはとても立派で、仕事にも旅にも住めそうな施設でした。
今は伊豆下田と会津磐梯の二カ所が開設されていますが、今後、全国にLivingAnywhere Commonsのブランドで展開を予定されているようです。私も加入を検討したいと思いました。
https://livinganywherecommons.com

LivingAnywhere Commonsでは福島県の地域振興課の橋本さんと中根さん、さらにお隣の猪苗代町で株式会社アウレを経営されている遠藤さんと石川さんがお出迎えしてくださいました。
ここであらためて、皆さんと仕事を忘れて語らいの場を。

大きなお鍋に盛られた「ちゃんこ やぐら太鼓」さんのちゃんこ鍋と、地元の銘酒七重郎の純米大吟醸と会津ほまれの純米大吟醸。そしてビールのどれもが旅人のこころと初対面のぎこちなさをほぐしてくれます。
https://retty.me/area/PRE07/ARE235/SUB23501/100000362314/
こういう場を設けていただいたことに本当に感謝です。福島を何とか盛り上げたいという気持ちが伝わってきますし、私もなんとかしたいという思いが募ります。
福島県の地域振興課ではさまざまな機会を用意しているそうです。これを見逃すのはもったいない。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11025b/

続いて私たちは、猪苗代町の道の旅籠「椿」へ。こちらが今回、二泊お世話になる宿です。
ゲストハウスには泊まらせていただいた経験がありますが、この椿さんもまた居心地がよく、良い時間を過ごさせていただきました。少々お酒をたしなみすぎましたが・・・・
https://hatago-tsubaki.net/

二日目(1/17)、ご用意いただいた朝ごはんをいただき、まず向かったのは猪苗代町のアスパラ邸。
ここは遊休不動産活用事業のケースとして、コワーキングが可能なように民家をリノベーションした施設です。とてもすっきりとした邸内は仕事にうってつけの様に思えます。
私はアスパラ邸でも作業してみたかったのですが、今回はスケジュールの都合でここでの作業は行いませんでした。
https://m.facebook.com/events/2369790489957237

続いて向かったのは、集まりいなです。
「こどもたちのサードプレイス」と銘打たれたこちら、現在進行形で施設の拡充が進んでいる様子。
今回のツアーの参加者にはお子さんもいましたが、熱心にロボットを組み立てている様子が印象的でした。そして見事に動かしていたことに感心しました。
https://atsumarina.jp/

集まりいなのWi-Fiと私のノートPCは無事につながったので、さまざまな作業が進められました。
  ・前夜、遠隔ミーティングを開きたいとのご要望をいただき、zoomを使って首都圏の方と打ち合わせ
  ・Zenrin APIとkintoneの連携の実装完了
  ・某kintone案件の項目および画面設計(ほぼ完了)

合間には猪苗代町のまるいち食堂でソースカツ丼をいただきました。うまい!!!

お昼を食べた後、LivingAnywhere Commonsと集まりいなの二カ所に分かれて作業することになりました。
私は前者にも惹かれましたが、作業に集中できそうだったので、そのまま後者にとどまりました。
その決断が吉と出たのか、上に挙げたタスクは13:30にはほぼ完了しました。
いくらワーケーションやテレワークといっても、遊んでばかりだと能率が落ちます。
仕事と遊びの両立を行うには、集中力が肝心だと思います。
そうした私のモットーを実証するのに、co-ba koriyamaと集まりいなで集中できた事は、会心の事例となりました。

タスクに一区切りをつけられたことで、猪苗代の街へ散策にでました。
猪苗代駅、猪苗代町観光案内所、猪苗代町役場、猪苗代城を1時間半で巡り、見聞を広めました。そこで感じたことについては、稿をあらためたいと思います。
ただ一つだけ書いておくべきなのは、雪不足で苦しむ猪苗代駅前の閑散とした様子でした。
鉄道が地域交通の主役の座から降りて久しいとはいえ、その様子は、何とかしたいと思わせるに十分でした。

さて、3時過ぎになって合流した私たちが向かったのは、車で三十分ほど離れた中ノ沢温泉の花見屋旅館です。
広大な露天風呂につかり、ボーッとする。これぞ旅のだいご味です。

しかもこの温泉郷は見覚えがあると思ったら、三年前に一人で訪れた達沢不動滝の道中に通っていました。当時はこんなに素晴らしい温泉郷だとは全く気付かずにいました。
豊かな温泉が周囲に点在していることも首都圏ではなかなか味わえない旅の喜びではないでしょうか。

十分に英気を養ったところで、再び道の旅籠「椿」へ。
遠藤さんが猪苗代の夜をご案内してくださるというので、喜び勇んで散策に出かけました。
かつては映画館を擁する繁華街があったそうですが、今は残念なことにそれほどの賑わいは感じられません。
それでも、歴史の重みは感じられます。
  ・郷土の誇り野口英世氏のゆかりの地が点在しています。
  ・松平会津藩祖の保科正之公が眠り、祀られている土津神社(今回、とうとう行かれませんでした)。
  ・伊達軍と蘆名軍がかつて矛を交えた摺上原の戦いもこのあたりが舞台です。
猪苗代町は歴史が好きな方にとって、魅力的なアピールがまだまだ可能だと確信しました。

私たちが訪れたのは「すし割烹 はなまる」さん。
ここでも会津の豊かな農産物や銘酒を心行くまで堪能し、会話に花をまるっと咲かせました。
https://www.inawashiro-hanamaru.jp/

私は、この機会に遠藤さんに猪苗代で住む利点やきっかけや、今の状況などを失礼も顧みず質問しました。
遠藤さんが猪苗代で仕事をしようと思った動機は、
・海外か福島か、今後の身の振り方を考えたとき、地震後の被害に苦しむ福島のためになりたい。
・郡山や会津若松にはない磐梯山の雄大な景色に惹かれた。
・行政の中心福島、商業の中心郡山、ITの中心会津のどこにもアクセスしやすい場所に猪苗代が位置している。
・東京はプレイヤーが多く、やれることが限られている。猪苗代には一人ひとりにやるべき責任ややりがいが多い。
どれもがとても有意義な示唆でした。私にとって移住も視野に入れた情報としてとても参考になりました。
遠藤さんが経営する株式会社アウレさんのサイトはこちら。https://awre.co.jp/

道の旅籠「椿」に戻ってからも、日本酒を相当飲ませていただきました。酒どころ福島を旅する幸せを五臓六腑で味わい尽した二泊でした。
仕事と旅と飲食のどれもに満足できる。これぞワーケーションの妙味ではないでしょうか。

三日目(1/18)、朝ごはんをいただいた後、お世話になった「椿」のオーナーに別れを告げます。ありがとうございました。
続いて私たちが向かったのは「はじまりの美術館」。あいにく、美術館は閉館していましたが、猪苗代の周辺の風景に溶け込んだ外観にとても好感が持てました。
http://www.hajimari-ac.com/

猪苗代の街は、アートの街でもあります。夜の散策でも町のあちこちにアートが点在しています。
これらのアートはドイツをベースに活動するアーティストのTONAさんに猪苗代青年会議所さんが依頼したもののようです。
https://www.instagram.com/tona_one/

こうした活動が、街並みに活気を与えています。こうしたアートを巡るだけでも猪苗代は楽しめそうです。
猪苗代青年会議所には遠藤さんと石川さんも関わっていて、今後の活動が楽しみです。
https://www.facebook.com/647jc/

今回私たちがお世話になった稲川酒造さんを訪れた後、続いて向かったのは雪下野菜の収穫体験です。
会津猪苗代激甘フルーツ雪下キャベツ-猪苗代キャベツ研究会という名前で雪下野菜の栽培と普及を行っていらっしゃる深谷さんと古川さんにご案内いただき、キャベツ畑へ。

その前にご自宅でご用意してもらった長靴に履き替えながら、農家の風情にひたりました。飾られたアンコールワットの拓本が見事で、ネコちゃんやワンちゃんの人懐っこさとともに皆さんの心の温かさが感じられます。
去年も会津若松で会津伝統野菜や無農薬栽培に取り組む方のご自宅にお邪魔させていただきましたが、農家のたたずまいは東京では味わえないゆとりに満ちています。

雪下野菜のキャベツは、本来なら1メートルにもなる積雪の下で甘味を蓄え、収穫されます。
ところがニュースにもなった通り、今年の異常な暖冬は猪苗代にも影響を及ぼし、キャベツ畑に雪はまったく見られません。
ところが、収穫を体験させてもらい、その場でかじったキャベツの甘いこと!
凍って固い歯応えが、口の中で溶けて広がって甘みへと変化します。
雪の下に育つ野菜は徐々に雪の中で甘味を失うそうです。だから、雪の下にあっても甘味を失わないため、甘味に富んだ品種を植えるのだとか。そんな甘みの糖分がキャベツの体内を巡っているため、生命と甘みは維持される。私たちが口にしたキャベツはまさに甘みの結晶でした。
そうした説明を聞くにつけ、植物のたくましさと、それを活かす農家さんの英知が感じられます。そして農業とはつくづく奥深いものだという感慨も。

聞けば雪下野菜は首都圏には出荷されておらず、農協も通らずに直接地元のスーパーに下ろしているとのこと。産地ならではの貴重な体験をさせていただきました。
そして、雪下野菜を育てているのに雪下野菜を名乗れないこの冬の異常。そんな切実な危機感を感じたのも今回の旅の経験として残ることでしょう。

お花や野菜などを栽培しつつ、会津の未来に思いをはせる。お二方の取り組みは今後も応援させていただきたいですね。
会津猪苗代激甘フルーツ雪下キャベツ-猪苗代キャベツ研究会さんのページhttps://m.facebook.com/cabbaken/

そこからいよいよ猪苗代駅へ。ここで内田さんとはお別れです。
運転やアテンドなど、内田さんにはとてもお世話になりました。本当に感謝です。
飲んべえが集ってしまい、さぞ大変だったことでしょう。
https://lifull.com/

郡山へ向かう皆さんとは逆に、私は会津若松へ。
街並みを歩き、飯盛山を訪れ、会津若松への見聞を深めました。が、その内容はまた別の記事に譲りたいと思います。

この旅でご縁をいただいたあらゆる方に感謝です!

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One thought on “福島県お試しテレワークツアー

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