It is a period of civil war. Rebel spaceships, striking from a hidden base, have won their first victory against the evil Galactic Empire.
During the battle, Rebel spies managed to steal secret plans to the Empire’s ultimate weapon, the DEATH STAR, an armored space station with enough power to destroy an entire planet.
Pursued by the Empire’s sinister agents, Princess Leia races home aboard her starship, custodian of the stolen plans that can save her people and restore freedom to the galaxy….

ここに掲げた文はStar Wars Episode Ⅳの冒頭、あのテーマ音楽の調べとともに奥へと流れていく文章だ。本作は、ここに記されたエピソードが描かれている。

直訳がパンフレットに載っていたので転載させて頂く。

大戦のさなか。
秘密基地を発った反乱軍の複数の宇宙船が、邪悪な銀河帝国に対して初の勝利を収めた。この戦いの中で、反乱軍スパイは帝国の究極兵器の秘密設計図を奪うことに成功する。それはデス・スターと呼ばれる、惑星をも破壊するのに十分な威力を備えた、武装宇宙ステーションだった。
設計図を受け取ったプリンセス・レイアは、人々を救い、銀河に平和を取り戻すべく、自身の宇宙船で故郷へと向かうが、帝国の邪悪な特使に追いつかれてしまったのだった・・・

Star Wars Episode Ⅳは、1977年に封切りとなったシリーズ第一作。第一作にしていきなりエピソードⅣというのも意外だった。しかしエピソードⅣから始めることによって、第一作でありながら練り上げられた世界観を観客に期待させる効果はあった。その広がりが世界の映画ファンによって支持され、空前のヒット作となったことは周知の事実だ。

後年、エピソードⅠ~Ⅲも映画化されたのだが、それはダースベイダーという稀代の悪役の誕生に焦点が当てられていた。それによって、肝心のエピソードⅣの冒頭に流れたプロローグが宙ぶらりんになったままだった。しかも大仰な割にはミサイル一発で木っ端微塵になってしまうなど、最終兵器にしてはデス・スターってもろすぎちゃう? という観客からの突っ込みどころも満載の一作だった。

本作は、そういったエピソードⅣの矛盾や忘れられていた点を全て解消する一作だ。外伝という形にはなっているが、エピソードⅣ~Ⅵのファンにとっては、エピソードⅠ~Ⅲよりも重要な一作かもしれない。

だが、本作にとっては外伝という体にしてよかったのではないだろうか。Star Warsサーガというプラットホームに載りながら、新たな作品世界を作り出すきっかけになったのだから。

私は例によって一切の事前情報無しに観にいった。事前にあれこれ情報を仕入れると、無心に観られない。そして、無心な私が観た本作は、期待に違わぬ思いと、物足りない思いの半々だった。

期待に違わぬ点とは、本作が忠実にエピソード3.5としての役割を果たしていたこと。エピソードⅣに矛盾点が残されたままであったことは上に書いた。その点が本作で払拭されたことはとても大きい。また、エピソードⅣで登場した懐かしい人物が現れたことにも嬉しい思いがある。まさか出てくるとは思っていなかったし、本当にそっくりだったから。

物足りない思いとは、Star Warsの枠組みにあまりにも忠実であったことだ。昨年、エピソードⅦ-フォースの覚醒が公開された。このときに思ったのも同じく、Star Warsの世界観からはみ出ることに臆病になってはいないか、ということだ。せっかく外伝という位置づけを与えられたのだから、もう少し枠組みを外すような冒険があっても良かったように思う。

しかも、フォースの覚醒と同じく、こちらも女性が主人公となっている。正直なところ、本作があまりにもStar Warsの世界観を踏襲していたことで、フォースの覚醒の印象が少し薄らいでしまったようにすら思っている。

ただ、フォースの覚醒の印象が薄らぐぐらいに、本作のキャスティングは良かったと思う。主人公のジン・アーソを演ずるフェリシティ・ジョーンズはとても良かった。フォースの覚醒でレイを演じたデイジー・リドリーの印象を薄めるほどに。さらに共演者たちもいい感じの演技だった。なかでもチアルート・イムウェを演じたドニー・イェンと、ベイズ・マルバスを演じたチアン・ウェンがとても印象的だった。元々Star Warsには日本の侍や武士道、時代劇が影響を与えていることは有名だ。だが、このところ公開されたエピソードⅠ~ⅢやⅦからはその要素が薄れていたのではないだろうか。ところがこの二人の東洋的な容姿、とくに禅にも通ずるジェダイ・マスターの神秘的思索的な雰囲気を纏ったチアルート・イムウェの登場は、東洋的な思想を漂わせていた旧三部作を思い出させる。このキャスティングと彼ら二人の演技によって、本作がエピソードⅣの正統なプロローグであることが証明されたように思う。

あと、本作のラストでは旧三部作でお馴染みのあの方が当時と変わりない様子で登場する。実際には別の俳優が演じたらしいのだが、そのメイク技術には驚くほかはない。その方のお名前はエンド・クレジットのSpecial Thanksに登場していた。おそらく本作にもなんらかの形で協力したのだろう。

それにしても、本作でもっとも印象に残ったのは、デス・スターの攻撃が惑星に与える影響だ。惑星の一点に攻撃が行われただけで、核爆発のようなきのこ雲が沸き立ち、衝撃波が惑星の表面を全て壊滅させてしまう。これは、地球に巨大隕石が落ちたときの地球破滅のCGのようだ。今までのStar Warsに出てくる爆破シーンは、通常の戦闘の爆撃や宇宙空間での爆発、あとはデス・スターによる星の丸ごと爆破だろうか。今回、デス・スターによる惑星表面への攻撃が、星を木っ端微塵にせず、惑星表面を全て覆うような破滅の表現で描かれたのは印象に残った。多分それがリアルな惑星破壊の有様なのだろう。

’2016/12/18 イオンシネマ新百合ヶ丘


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