Cybozu Days 2022のブース出展でソラカメとkintoneの連携にチャレンジしました。


SORACOM Advent Calendar 2022の21日目の記事です。

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今年のCybozu Days 2022(幕張メッセ 11/10-11)で弊社は3年連続のブース出展をしました。

弊社ブースは、昨年に続いてIoTとkintoneの連携をテーマに打ち出しました。
しかも今年はSORACOMさんのデバイスを中心に据え、さらに業種を絞ってみました。あえて農業に特化した農夫/農婦ルックのわれらがブースは全くの異世界。
毎年、出展するごとに増すばかりの手応えを嬉しく思います。異彩・異色・尖っている・変態。どれもありがたいお言葉です。

今年のSORACOMさんにとって大きなトピックの一つはソラカメの発表でしょう。七月のSORACOM Discoveryでの発表も聞いていました。SORACOMさんのイベントにもいくつか参加し、その掲げる理念や風通しの良さに共感しました。SORACOMエバンジェリストであるMaxさんとも複数の場所でともに登壇しました。
そのご縁をきっかけとし、弊社もSORACOMとkintoneをつなげてみよう、と思ったのも今回の出展の原動力です。

会場ではこんなご縁も仲立ちできました!kintone界とSORACOM界の「会」がスパークして次のイベントへ!嬉しいですね~

今年の弊社ブースは全部で五つの出展物を出していました。他の四つは、SORACOM UGではおなじみの前嶋さん(@anysonica)にご協力をお願いしました。
前嶋さんはSORACOM UGの今年のMVPにも選ばれたすごい方です。前嶋さんにお手伝いいただいた四つの出展内容については前嶋さんのブログをご覧いただくのが良さげです。


2.前書きその2

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本稿ではソラカメの動画をkintoneの画面に出した方に絞って書いてみます。
実装はシンボ技研の山崎さん(@ryoyamazakiwork)にお願いしました!

実は、この出展で苦労したのは、ソラカメの動画を連携させる部分ではなく、動画をkintone内でストリーミング再生を行う実装です。そっちのほうが苦労しました。

kintone内で動画ストリーミングを再生する件については、kintone界隈が舌なめずりしそうなネタなので、このブログの前の日にkintone Advent Calendar 2022にアップしてしまいました(ブログ)。
すみません。
というわけで本稿ではソラカメとの連携についてを書きます。

ソラカメのAPIレファレンスはとても見やすく使いやすいと感じます。
弊社はkintoneがメインなので、kintoneとさまざまなSaaS/PaaSをつなぎます。APIの構造やドキュメントの見やすさはとても重視します。良いですね。


3.認証の実装

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コードも簡潔に実装できます。
まず、認証方法。
SORACOMダッシュボードにアクセスし、認証キーを生成します。
以下に五つの画像を連続で出します。




4.コードの説明(認証)

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ここからはコードの実装(kintoneなのでJavaScriptを例に挙げます)について説明します。kintoneからSORACOMに認証をおねがいする部分はたったこれだけです。

まず、SORACOMダッシュボードで得た
・認証キーID
・認証キーシークレット
の二つをまとめたJSONを作ります。
こんな風に。

authKeyIdが認証キーID。
authKeyが認証キーシークレット

この時、SORACOMから入手した認証キーIDと
認証キーシークレットの値はkintoneのレコードのフィールドに値として保存しておきましょう。JavaScriptに値を直書きしちゃだめですよ(^_^)。

このJSONやその他の情報をkintone.proxyの各パラメーターに渡してあげます。
こんな風に。

上で設定したauthdata(変数名はお好みで)は4番目のパラメータとして渡しましょう。
3番目のパラメーターにはヘッダ情報を作成します。前もってauthhdという名前の変数に格納しています。2番目のパラメーターはメソッドです。’POST’にしてあげましょう。
そして1番目のパラメーターはUrlです。これは SORACOMの認証エンドポイントである https://api.soracom.io/v1/authを指定すればばっちりです。

これで実行すれば、https://api.soracom.io/v1/authに対してkintoneからリクエストが渡せてしまいます。

認証のエンドポイントのリクエストについて、より詳しく知りたい方はレファレンスを見るとマスターへの道の第一歩です。

ここまでの流れをもう一回おさらい。

くれぐれも、認証キーIdと認証キーシークレットはJavaScript内に直書きしないでくださいね。
該当するkintoneアプリのフィールド「認証キーID」「認証キーシークレット」に入力した値を呼び出しています。
sessionStorageに入れるよりもkintoneのアプリに保存すると夜の寝つきがよくなります。

つづいて、kintone.proxyを使ったリクエストに対してSORACOMから返される値は、argsの中に入ってきます。
argsの中に入っている値については、
レファレンスのレスポンスの項に書かれています。これも読むとマスターへの道がなだらかになります。

この中から
・apiKey
・Token
を変数に保存しておきましょう。

5.コードの説明(動画)

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さて、次にするのは該当するソラカメ端末(デバイス)に対して、動画ファイルをくださいと懇願することです。
先ほどと同じくkintone.proxyを使ってソラカメ様にお願いしましょう。

kintone.proxyの各パラメーターに渡してあげます。
こんな風に。

4番目のパラメータはソラカメに対して何か追加するのではなく、単にデータをいただくだけなので、空のオブジェクトとして渡してあげてください。
3番目のパラメーターにはヘッダ情報を作成します。これもhdという名前の変数で作成しています。
この時、X-Soracom-API-Keyには上の処理で変数に格納したapiKeyを使います。
また、X-Soracom-tokenには上の処理で変数に格納したTokenを使います。
2番目のパラメーターはメソッドです。今回は取得するだけなので’GET’にしてあげましょう。
そして1番目のパラメーターはUrlです。これは ソラカメの動画データを扱うエンドポイントである ’https://api.soracom.io/v1/sora_cam/devices/{devicesID}/stream’ です。

これで実行すれば、https://api.soracom.io/v1/sora_cam/devices/{devicesID}/streamに対してkintoneからリクエストが成立します。
なお、もちろん{devicesID}にはデバイス番号を事前に取得しておきましょうね。上の例ではkintoneのアプリのフィールド「デバイスID」に事前に値を入力してあります。

このリクエストに必要な値は レファレンスを見るとより賢くなれます。

ちなみにデバイス番号を調べるには、
ダッシュボードのメニュー→ソラコムクラウドカメラサービス→デバイス管理


の右端に書かれていますよ。

さて、リクエストをすると、返ってきた値はargsの中に書かれています。

このargsはJSONですが、その中には複数のplayListというキーが配列で含まれています。
その0番目の値が最新なので、その中にあるurlキーの値こそが、ソラカメの動画を再生するためのUrlになるわけです。

どうですか?
ソラカメ様にお願いすれば、簡単に値が取れますよね。
ソラカメ様は時間単位でも切り出してくれます。先日実装されたイベントAPIを活用すれば、必要な部分だけの動画も切り出してくれるはずです(ブログ)。

あとは、そのurlをkintoneの任意フィールドの値として更新すればよいのです。

そのUrlの動画をkintoneで再生するには、最初に申し上げた kintone Advent Calendar 2022の記事をご覧いただければ!

すると、Cybozu Days 2022の弊社ブースのように、お子様が興味を持ってもらえます!

皆さんも、IoTとkintoneをつなげて遊んでみてくださいね!


Cybozu Days 2022のブース出展でkintoneにメディアプレーヤーを設置しました。


kintone Advent Calendar 2022の20日目の記事です。

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今年もこの季節がやってまいりました。Advent Calendarです。
11月のkintone月間が終わると、間髪を入れずに師走のAdvent Calendarです。
そのkintone月間に行われたのがCybozu Days 2022でした。弊社は3年連続のブース出展をしました。

弊社メンバーが書いた振り返りブログはこちら。
Cybozu Days 2022の今年のテーマはDX(デジタルトランスフォーメーション)でした。
Cybozu Days 2022を終えて[ブースで交流]
Cybozu Days 2022を終えて[出展までの準備]
Cybozu Days 2022を終えて[まとめ]

今年の弊社ブースは、昨年に続いてIoTとkintoneの連携をテーマに打ち出しました。
しかも今年はSORACOMさんのデバイスを中心に据え、さらに業種を絞ってみました。農業!

今年の弊社ブースは全部で五つの出展物を出していました。他の四つは、SORACOM UGではおなじみの前嶋さん(@anysonica)にご協力をお願いしました。
前嶋さんはSORACOM UGの今年のMVPにも選ばれたすごい方です。前嶋さんにお手伝いいただいた四つの出展内容については前嶋さんのブログをご覧いただくのが良さげです。

本稿ではソラカメの動画をkintoneの画面に出す。つまり、メディアプレーヤーの出し方に絞っています。
その実装はシンボ技研の山崎さん(@ryoyamazakiwork)にお願いしました!


これはCybozu Days 2022の弊社ブースの一コマです。動くソラカメの動画がkintoneに映る様子を興味深げに見ているのは瀧村さん(@kinbozuu)のお子さんたちです。とてもかわいらしかった。


2.完成したコード

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実は、この出展で苦労したのは、ソラカメの動画を連携させる部分ではなく、動画をkintone内でストリーミング再生を行う実装です。そっちのほうが苦労しました。
本稿ではその部分を取り上げてみようと思います。
ただし、苦労したといっても、結果として落ち着いたコードのステップ数はとてもシンプルです。

たったこれだけ。

ただし、以下のライブラリをCDNから呼んでいます。
https://cdn.dashjs.org/latest/dash.all.min.js


3.コードの説明

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上に挙げたコードを要約すると、
スペースフィールドに対してinnerHTMLでhtmlとして描画し、videoタグで動画を表示する領域を確保しています。あとはdashjsに備わっているオブジェクトやメソッドを呼び出します。
たったこれだけです。

    kintone.app.record.getSpaceElement('dash').innerHTML =
     '<video data-dashjs-player="" autoplay="" width="800" height="600" src=" + url + " controls="true"> ';

続いて読み込んであるdashjsのMediaPlayerオブジェクトのcreateメソッドを呼びます。

 const player = dashjs.MediaPlayer().create();

すると、ストリーミングプレーヤーが使えるように内部で設定されます。
あとはinitializeメソッドで描画するvideoタグや対象となるurlを呼び出せば、ストリーミングが呼び出せます。

 player.initialize(video, url, false);

この時、video要素はdocument.querySelectorを使って変数に格納しておきましょう。

 const video = document.querySelector('video');

すると、こんな感じでkintone上でメディアプレーヤーが使えるようになるのです。

4.dashjsの説明

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このdashjsはメディアプレーヤーとしての機能をほぼ備えています。たとえば早送りや巻き戻し、テキストの埋め込みなど。
このdashjsを使えば、簡単にkintoneの各項目の値を使ったさまざまな動画へのアプローチが可能になると思われます。
例えば、IoTデバイスで得た動画を基に、動的にkintoneでアクションをつなげることができます。
また、オンラインミーティングをしながら、画面上でkintoneの画面から動的にアクションを起こすこともできるはずです。

dashjsのライブラリの中身やドキュメントは
https://github.com/Dash-Industry-Forum/dash.js
をご覧いただくことをお勧めします。

また、dashjsはBSDライセンスなので、そのライセンスに従っていればほぼ自由に使えます。
kintone内に組み込むことも自由。

5.kintoneでメディアを再生できればさらなる可能性が!

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動画を起点としたアクション。それはkintoneに限らず、まだ他のシステムやプラットフォームでもそれほど盛んではないようです。(長井意見)
ということは、kintone上で動画を使った業務改善の手法が確立できれば、新たな業務改善の手法として脚光を浴びるかもしれません。
例えば作業マニュアルの動画をkintoneにアップし、その動画内のテキストテロップでコメントを入れる機能をkintone内で行ってしまうなど。
それは、kintoneの業務改善ツールとしての優位性を示す機会になりそうです。

Cybozu Days 2022では弊社にさまざまな可能性を開いてくれました。
IoTとkintoneの可能性。さらには、動画とkintoneのコラボレーションにおいても、
この記事では動画を撮影するためのデバイスにSORACOM社のソラカメを使っています。
ソラカメで撮った動画をkintoneに表示する実装。実はこの実装はすでに案件として進んでおり、来年度に着手することになりそうです。

そのソラカメから動画を取得し、kintoneにUrlとして連携する部分。
その実装については、明日アップする予定のSORACOM Advent Calendar 2022の記事内で書く予定です。
あわせてご覧いただければと思います。


弊社のアドベントカレンダー歴


弊社代表の長井が参加してきたアドベントカレンダーもだいぶ年数がたちました。
何を書いたか忘れつつあるので、ここに残しておきます。

2022年
Adventar 「すごくない」kintone Advent Calendar 2022
・kintoneの機能をコミュニティに例えてみた
Qiita kintone Advent Calendar 2022
・Cybozu Days 2022のブース出展でkintoneにメディアプレーヤーを設置しました。
Qiita SORACOM Advent Calendar 2022
・Cybozu Days 2022のブース出展でソラカメとkintoneの連携にチャレンジしました。


2021年
Qiita kintone Advent Calendar 2021
・私、Mac方面については素人なのですが、、、


2020年
Qiita kintone Advent Calendar 2020
・kintoneにシステム移したいんや
Qiita kintone 2 Advent Calendar 2020
・パート2は痛恨の欠席。
Adventar カレンダーPlus Advent Calendar 2020
・Cybozu OfficeのスケジュールをCalendar Plusで(だいぶ)再現!


2019年
Qiita kintone Advent Calendar 2019
・ワーキングツリーにはkintoneとboxをお飾り!
Qiita kintone 2 Advent Calendar 2019
・コーチングのグラフってkintoneで出せるんやって!


2018年
Qiita kintone Advent Calendar 2018
・ライフログのkintone盛り alasql仕込みのGoogle Chart添え


2017年
Qiita kintone Advent Calendar 2017
・Save The Live!~サイボウズLiveを救え~


2016年
Qiita kintone Advent Calendar 2016
・kintoneとWordPressの連携ネタ三題噺


2015年
Qiita kintone Advent Calendar 2015
・年賀状の宛名書きをkintoneにお願いする。WordとAccessを和えて


kintone café 高知 Vol.16 & SORACOM UG SHIKOKUで登壇しました


およそ32年ぶりの高知市への訪問。
私にとって久しぶりの高知は、kintone café 高知 Vol.16とSORACOM UG SHIKOKUの共催イベントへの登壇として実現しました。
告知ページ

三日間に及ぶ高知の旅は、友人との再会や、2日連続での交流会でのさまざまなご縁、自然の豊かさなど、語ることに事欠かない旅でした。
本稿では、kintone Café 高知とSORACOM UGのイベントについてのみに絞ります。

イベント当日はあいにくの雨でした。とは言え、私が泊まっていた紺碧の湯 ドーミーイン高知からイベント会場のオーテピアまでは、帯屋町通りのアーケードを通ればすぐ。今回、じゅんちゃんこと片岡淳さんに教えてもらった宿に泊まって満足でした。

会場には事前に押さえておいた時間の5分前にならないと入れず、設営の関係で開催時間が少しだけ遅れました。とは言え、会場の広さやAV機器の豊富さと会場全体の新しさは、5分の遅れを補って余りあるものでした。
オーテピアは高知市の再開発の主軸とも言える施設です。すぐそばにある「ひろめ市場」とともに、人々の流れと賑わいを高知城の周辺に取り戻すことに貢献しています。

イベントは、じゅんちゃんによる開会の宣言から始まりました。じゅんちゃんが今回のイベントの企画者だと聞いています。
昨年の冬、向ケ丘遊園でkintone Café 神奈川を開催しました。そこに高知から駆けつけてくれたのがじゅんちゃんです。であれば、私も高知に行かねば。行かない選択などありえません。それはkintoneエバンジェリスト、いや、人の道に反します。じゅんちゃんからのお誘いを受け、行くと即答しました。
並走する複数の案件の間を縫って参加することになった私ですが、今回のイベントはとても楽しめました。登壇者としてだけでなく、参加者としても。これは参加者や登壇者が豪華だったからでしょう。じゅんちゃんありがとうございました。

じゅんちゃんに続いて登壇したのは、サイボウズの毛海さんです。毛海さんとは昨年のCybozu Days 2021でご挨拶して以来です。
全国で20数名しかいない毛海エバンジェリストとしての自己紹介のつかみもばっちり。
kintoneを中心としたサイボウズのサービスの数々や、毛海さん自身が手掛けられた構築事例などの紹介がありました。
事前にいただいていた登壇スケジュールでは、私の前に話すのが毛海さんだったので、私も毛海さんがkintoneのご紹介をしてくださる前提で登壇スライドを組み立てました。
毛海さんがkintoneの良さをコンパクトに伝えてくれたので、私もやりやすかったです。ありがとうございました。

続いて私の登壇です。

登壇にあたってのネタはすでに5月の半ばにめどをつけていました。6月の初めにはスライドもほぼ書き終えていました。
それでも、小心者の私は心配していました。SORACOMボタンを押してもkintoneに飛ばなかったらどうしよう、と。
そこで、じゅんちゃんが話している際にボタン押下。うむ、問題なし。

スライドは以下のURLをベースに話しました。

スライドでデモする順番を間違えたり、ボタンを押したら押した座標をGoogle Mapに表示するはずが、ピンが立った場所がオーテピアではなく窓の外に見える追手前高校の時計台だったり、投下したネタの数々に皆さんが笑ってくれたのは良かったです。
私、二年半前からボタンを袋に大切にしまっており、袋の上から壇上でボタンをポチッと押しました。あとでSORACOMさんからは、いやせめて袋から出そうよ、という突っ込みが。しまった!ここで笑いとれたんやった。

私もテストの時点で、Googleの座標がずれるのは気になっていました。これ、懇親会の時に聞こうかなと思っていたのですが、次の斎藤さんのセッションが始まる前に、SORACOMの伊佐さんからご指摘をいただきました。
伊佐さんによると簡易座標取得を使った場合は、近隣の基地局の位置、つまり時計台に依存してしまうそうです。
伊佐さんとお会いするのは、伊佐さんがサイボウズからSORACOMに移ってからは初めてのはず。さすがのご指摘が嬉しかったです。これぞリアルイベントの良さですね。ありがとうございました。


さて、私の次に登壇したのは札幌からやってきたクラウドおじさんこと斎藤さん。斎藤さんのセッションは、完全にkintoneに特化した内容でした。SORACOMさんには一切忖度せず、kintone一本で勝負するところはさすがです。
じゅんちゃんもSORACOMさんには気遣わず、kintoneの事を話してもらって大丈夫、というスタンスだったようです。私はその真意を汲み取れずにSORACOMさんに寄せてしまいましたが。

斎藤さんのセッションは、今までにkintoneが出した全てのバージョンアップを順におさらいするもの。これがなかなか興味深く面白い内容でした。
私はkintoneのβテスターで、当初からkintoneの歴史には参加していたつもりでした。が、すっかり忘れているバージョンアップばかり。次々と繰り出されるバージョンアップに、あらためてこの10年のkintoneの歴史を振り返ることができました。kintoneも最初はあまり機能が入っていなかったのですね。フィールドの初期値設定がなかったり、CSV読込による更新ができなかったり。
今となってはもう異世界のサービスのよう。

斎藤さんとはイベントの前夜の交流会でもご一緒し、当日夜の交流会でも、さらに宿に帰った後も夜中の2時半近くまでお風呂の中でお話させていただきました。
法人を立ち上げた今でも一人で運営されていることなど、私の目標とするワークスタイルを実現していることが素晴らしい。筋の通し方に今さらながらに感銘を受けました。ありがとうございました。

さて、斎藤さんの次に登壇したのはミスターkintoneこと、JOYZOの四宮さんです。
私は事前に四宮さんのセッションタイトルだけ聞いていました。そのため、四宮さんのセッション内容は私の内容と被るのではないかと心配していました。私は最初だからよいけど、四宮さんには迷惑にならないかな、と。そこでじゅんちゃんには事前に私のスライドの内容を送ろうか?とお伝えしていました。ですが、私の心配は杞憂でした。
私のセッションの内容など軽く凌駕してくるあたり、さすがJOYZOさんであり、四宮さんです。私がセッションでやったこととほぼ同じような連携を以前に運用されていたそうです。それだけでなく、さらに高度な連携の事例を見せてくださいました。SORACOM連携プラグインの画面や、それを使った連携事例など、私にとってはどれもがとても参考になりました。弊社も早くSORACOM案件をとれるようにならないと。ありがとうございました。

あと、四宮さんのセッションの中でめっちゃ役に立ったのは、高知に宿泊すると5000円がキャッシュバックされる情報です。これは!と思ってメモしていたのですが、宿に申請するのを忘れてしまいました。5000円どころか30000円以上は高知県に、しかもチェーン店でないお店に還元したはずなのに。

ここで休憩、いや、ネットワーキングタイムが入りました。休憩の合間に皆さんと交流を深めてほしい、とあえて休憩といわずネットワーキングタイムと呼ぶあたり、交流を重視するじゅんちゃんの心意気を感じます。
私もさまざまな方と名刺交換をしました。その日の夜の交流会でも。

さて、再開してすぐ登壇してくださったのは、SORACOM UGのなっちゃんこと藤田さんとMaxこと松下さん。
「推しエバンジェリスト」という新たなワードも登場したそのセッションは、SORACOMさんのオープンかつフラットな企業風土が感じられるセッションでした。
SORACOMさんはお互いにニックネームで呼び合っているようです。松下さんはMax、伊佐さんはMartin。
弊社も外の商談の場でも身内を呼び捨てにせず、さんづけで呼ぶようにしています。ですが、ニックネームの方がさらにフラットな感じになってよいですね。

その風通しの良さは、SORACOM UGのなっちゃんとMaxさんのやりとりからも感じられました。ユーザー会も含めたフラットな関係が築けている証しですね。
そもそも今回のイベント、企画者こそじゅんちゃんですが、発案者はなっちゃんだと聞いています。オープンかつ、外部との交流を良しとする価値観。サイボウズさんやkintoneのそれに合致しています。もちろん私の価値観にも。

また、Maxさんが説明するSORACOMさんのビジネスモデルやビジョンなどにも興味を持ちました。
特に「「IoT」という言葉は早晩なくなる。なぜならモノに回線が通じることは当たり前になるから」との言葉にはしびれました。IoTの分野もkintoneとの連携の可能性は無限にありそうです。

夜の交流会でもMaxさんやMartinさんとは語る機会を持ちました。SORACOMさんとは早速、kintone Café 神奈川で共催しようという話につながりました。詳細はまたご連絡できると思います。とても楽しみです。引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

その後はハンズオンの時間です。SORACOMのボタンの実機を全員に配り、皆さんにSORACOM コンソールにログインし、操作してもらいながら、kintoneとの連携を皆さんに体験してもらおうという企画です。これがとてもよかった。

このハンズオンですが、私が登壇して説明した内容とほぼ一緒。つまり、私のセッションの内容を皆さんに追体験してもらえるのです。登壇者としてこれほどありがたいことはありません。一部、私が使ったSORACOMコンソールのサービスとは違うサービスを利用していましたが、それさえも私にとっては学びでした。私もまだSORACOMコンソールの機能に関しては知らないことが多く、可能性を感じます。

ハンズオンを司会した片岡幸人さんからは、皆さんがハンズオンを最後までやり遂げられるよう、サポートしてほしいという話を事前にもらいました。私もハンズオンに参加しつつ、サポート役を担いました。皆さんはフライングしてましたが、私は順序を守ってフライングもしませんでした。本当ですよ。
ここで面白かったのは、パトランプを使ったところです。皆さんの押した内容に応じてパトランプが点滅する。しかもプロンプトにImsiの番号が流れるので、自分のボタンが押されたエビデンスが画面に出てくる。ハンズオンに参加する実感をビジュアルで見せる趣向はリアルハンズオンならではです。さすがです。幸人さん、ありがとうございました。

ハンズオンはこれだけでは終わりません。さらに、ハンズオンの理解度を試してみましょう、と言う余興が。
私はすぐに答えがわかったので、一番にボタンを押すことができました。その後も、合間にボタンをポチポチ押していたら、なぜか私が連打回数でぶっちぎりの一位になってしまいました。ハンズオンではフライングしなかったのに、ここではフライアウェイ。自分の大人げのなさにきまり悪い思いをしたのも良い思い出です。

賞品としてSORACOMさんのバンダナをいただいたので、私もこれを機会にSORACOMさんにも何か恩返しせねば。と思いました。
実際、SORACOMさんの掲げるビジョンには共鳴するところも多いので。私にとってもやりがいのある分野になりそうです。

さて、続いては三名の方によるLT祭りです。
最初は、M-SOLUTIONS社の岸田さんから、M-SOLUTIONSさんが展開するプラグインのご紹介でした。
実は前日の夕方にカミノバさんが運営するCafé NOVAで岸田さんによるプラグイン勉強会があり、私も参加させてもらっていました。参加だけでなく、質問までさせていただきまして。
弊社もkintoneの内部カスタマイズについては自社で内製するよりも、プラグイン活用の方向に進もうと考えています。それもあって岸田さんの勉強会はとても参考になりそうです。ありがとうございました。

続いては、STNet社の野口さんから。
野口さんは以前、kintone Café 香川を立ち上げられたとのこと。そして今はSORACOMさんのIoT機器を使って多様なご研究をされているそうです。タニシを電気で集めたり、豚の健康状態をIoTのデータから調べたり。そうした研究内容にとても興味を惹かれました。
研究者の現場にもkintoneやSORACOMが活用される。そんな時代がやってきたことに感慨もひとしおでした。
また機会があれば、野口さんの実験の今後を知りたいと思いました。IoTの取り組みとしても良いモデルケースになりそうな感じ。ありがとうございました。

LTの最後を締めたのは、kintoneエバンジェリストの沖さんです。沖さんにリアルでお会いするのは多分数年ぶりのはず。最初はエバンジェリストポロシャツを着ている沖さんが誰だか分かりませんでした。そのぐらいスリムな体形に変身しておられました。
そのダイエットに関する知見が盛り込まれたLTは、システム開発者側としての姿勢とユーザーの関係を、顧客である沖さんと沖さんがお金を払うRIZAPさんの関係に置き換えていました。その視点の切り取り方がとても斬新でした。
確かに私たちシステム提供者は、システムを内製のみに限定するのではなく、きちんと投資すべきところに投資する事を薦めます。それなのに、自分の体については内製でなんとかしようと足がきます。その矛盾に気付かされました。

沖さんには夜の交流会の二次会でもその部分について深掘りさせてもらいました。システム提供者として学ぶところが多く、勉強になりました。ありがとうございました。

夜の懇親会では、葉牡丹へ。ここは、なかなか風情のあるお店です。ここでも多くの方とお話をさせていただきました。高知の習わしや風土、ポテンシャルなどは、現地に行かねば聞けません。そうした話を伺えたのはリアルのイベントならではです。前日は三次会、この日も四次会まで長く楽しい夜を過ごしました。

今回のkintone Café 高知はオンライン配信をせず、その内容も一切録画していません。現地に来た人のみが、現地の空気や熱気を体験できる。それがじゅんちゃんのポリシーです。筋が通っています。
地名をつけるのなら、その地でやる。旅を愛する私としても賛成です。
オンラインの環境がここまで整った今、リアルを見直し、リアルでしかできないことを考える時期にきています。その上でリアルとオンラインの真の価値が実現できるはず。
これはイベント運営者の端くれとして、とても参考になりました。

私がなぜこうした無償の活動に力を注げるのか。ここできれいごとを述べても仕方がありません。
私や弊社にとってこうした活動が、巡り巡って何年後かの仕事のご依頼につながっていることは事実です。ですが、旅が何よりも好きな私が、こうした活動を通して各地を訪問できる。それこそが、最大のモチベーションてす。

仕事と旅を絡めたい。それが実現できる手段こそ、お客様への案件で地方に行ったり、kintone Caféで登壇したりすることです。
案件で伺う旅は、ともすれば仕事モード一色になってしまいます。行ったけれども、観光も何もせずに帰るなんてこともあります。
ですが、kintone Caféは案件よりもゆるいため、旅に気持ちを集中できます。
さらに、kintone Caféで登壇することで地方に知識を還元し、夜の懇親会では地方にお金を還元できます。そして、自分自身には知見がたまり、私の知名度も上がります。その観点からのメリットは見逃せません。
今回の高知でもそのことを再認識しました。

私にとって仕事とは何か。人生とは何か。今回のkintone café 高知 Vol.16とSORACOM UG SHIKOKUの共催イベントは、それを考える良い機会となりました。
今後もこうしたイベントに呼ばれれば、なるべく参加できるようにしたいと思います。そして、私も何か還元できるような価値を提供できるよう、切磋琢磨したいと思います。

今回運営してくださったじゅんちゃんや片岡幸人さん、スタッフの皆様、カミノバ社の皆様、SORACOM社やSORACOMUGの皆様、また登壇者の皆様、さらに参加者の皆様、会場や飲み会やその他、旅の中でご縁をいただいた皆様、本当にありがとうございます。