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スマレジアプリコンテストで佳作をいただきました


弊社の応募した「チェアサイドレジ」が第二回スマレジアプリコンテストで佳作をいただきました。
まずはこのような機会を作っていただいた上に、受賞の栄誉までくださったスマレジ社の皆様と審査員の先生方に御礼を申し上げます。

今回、応募したきっかけ。それは、昨年11/26に行われた「スマレジDevelopers Day」への参加でした。コロナでオンラインイベントが続く中、Cybozu Daysを除けば久しぶりのリアルイベントがこの「スマレジDevelopers Day」でした。(サイト)
会場では、第一回のスマレジアプリコンテストのグランプリ受賞者である大幸パートナーズさんが登壇されました。アプリ受賞にあたっての苦労など、スマレジアプリの作成にあたってのノウハウが聞けました。また、主催のスマレジ社からは、スマレジアプリストアの目的や意義についてのお話がありました。その中には、技術者にとってオープンな場を作りたいとの思いがこもっていました。


この中で、第二回スマレジアプリコンテストの募集要項も発表されました。
大幸パートナーズさんの受賞アプリであるcleeeanで実現した機能に感心し、スマレジアプリの仕組みにうなずく私。
その時、私の中にひらめきが降りてきました。
「これ、うちのココデンでも入れられるんちゃう?」と。
矯正歯科にスマレジを導入し、それをkintoneとつなぐ。その場でアプリの連携や構成が頭の中であらかた組み上げられてしまいました。

この頃、私の精神状態は結構参っていました。
それはCybozu Days 2021の出展によって弊社のメンバーと私の価値にずれが発覚したためでした。
人を雇うことの難しさ、経営の奥深さ。
Cybozu Daysではあえて私は経営者として裏方に徹しました。出展するコンテンツの開発も弊社メンバーか協力会社の技術者に委ねました。皆さんの頑張りもあって、Cybozu Daysでは並み居るブースの中で一定の存在感は出せました。成果はあったと思います。

その一方で、Cybozu Daysでは自分の技術者としての証しを封印してまで経営者に徹しようとしたのに、経営者としての能力に自信をなくしてしまった自分がいました。
このまま技術者として衰えていってもよいのか。自己研鑽はしなくても良いのか。技術者としてコンテンツを作る気概は残っていないのか。そんな葛藤と向き合う日々でした。

悩む日々の中で、自分の技術者・経営者としての長所や短所を見直しました。
見直す中で長所に挙がったこと。それは、私の妻が10年前から矯正歯科医院、ココデンこと、ココデンタルクリニックを経営していることです。
世の中には多くの技術者がいます。ですが、妻が歯科医で診療所を経営している技術者はあまりいないはず。その点、私は他の技術者に比べて恵まれているのかもしれません。

ココデンの開業や経営にあたっては、かなりの苦しみと苦労と試練がありました。私は妻の苦労をすぐそばで見ていました。また、歯科経営が家計に与える苦しみを共有しました。
ところが私がココデンの開院にあたって担った作業は、LINE/Facebookページの開設や初代のホームページ作成のみです。診療所のシステムに関する領域には一切関わりませんでした。
なぜ関わらなかったのか。それは、当初の開院時から電子カルテのシステムが業者によって導入されていたからです。それはスタンドアローンのサーバーで動いていました。ですが、アナログな妻はシステムを患者さんの口内写真の保存のみにしか使っていませんでした。
受付も雇っていないため、全ての業務は、妻がワンオペかつアナログ作業で回していました。
患者さんの診断カルテは手書き。支払い授受も現金による手渡し、またはCAFIS端末を利用したクレジットカード決済。
つまり、ココデンにはシステムを導入する余地がなく、私が関わる余地もなかったのです。

開院以来10年、経営で十分に苦しみ、試行錯誤を重ねてきたおかげか、ここに来て患者さんがコンスタントに来るようになりました。少しずつ経営も好転する兆しが見えてきました。
それとともに、妻も年齢を重ねてきました。ワンオペをいつまでも続けるのはしんどい。今回の機会に思い切ってシステムを取り入れるよう、妻を説き伏せられるかもしれない。
また、経営者として反省する中で、自社サービスの開発が必要ではないか、と課題を感じていました。

「スマレジDevelopers Day」の会場で私の脳裏に湧いた着想とは、こんな感じでした。
自分一人で開発し、その成果をスマレジアプリコンテストに応募してみよう!

今年の正月の三日間は、休みを取らずにシカレジ(仮称)の企画や構想に充てました。
正月が明けても、わたしの中からスマレジアプリコンテストへの思いは去りません。
政府の統計情報が蓄積されているサイトを何度も訪問して統計情報を分析しました。図書館では分厚い統計情報の本のページを繰りました。本屋に行くたびに歯科経営の専門書コーナーで長い間立ち読みして知識を蓄えました。
そうした作業の甲斐があって、少しずつシカレジに必要な項目や連携すべき点、オペレーションで改善すべき点について学ぶことができました。
もちろん妻にはどういう項目が必要かを聞きました。受付の運用なども見聞しました。また、妻の弟が埼玉県で歯科医院を経営しているので、訪問して電子カルテシステムの内容を見せてもらいました。

こうした作業から感じたのは、今まで私が有利な立場を活かしていなかったことです。目の前に歯科経営の教材があり、それを技術者・経営者としての糧にできたはずなのに、何の成果も得ていなかったこと。私はとてももったいない日々を過ごしていました。

1月はそんな風に過ぎていきました。開発にも取り掛かっていて、kintone内部やスマレジとの連携はうまく行きそう。
そんな中、1月の半ばにスマレジ社のご担当者様からいただいたのは、患者さん向けの情報ページをLINE ミニアプリで実装してみないかというお話です。
さらに、妻からはシカレジはダサいから、名前をチェアサイドレジに変えたほうがいいんじゃない?という提案まで。

ここでシカレジ、あらためチェアサイドレジについて概要を説明します。

チェアサイドレジの中で、患者さんが診療情報を確認する手段として私が考えていたのは、ウェブサーバーに認証付のページをおくことでした。
CMSでページを構築し、それをkintoneやスマレジと連動する。それらを連携する開発は経験済みなので可能。それが私の当初の目論見でした。
ところが、ここでLINEミニアプリという提案が登場します。私は、この時にご提案をいただくまでLINEミニアプリのことを全く知りませんでした。そもそもLINEと連動させるシステムすら全くご縁がなく、未経験でした。
でも、LINEのユーザー認証を取り入れられれば、セキュリティはさらに強化できそうです。セキュリティだけが弱いと感じていたので。残り時間は少ないけれど、チャレンジしてみよう、と決断しました。

ところが間の悪いことに、1月の末頃から本業の方で案件の引き合いを連日のようにいただくようになりました。
案件が来ると私が対応しなければなりません。要件定義やヒアリング、さらには上流工程などの調整。一方では既存の案件のコーディングの指導や指示を弊社メンバーに行います。案件の難易度によっては私が手を動かす必要が生じます。その合間には機密保持契約や基本契約の締結を行い、見積書や請求書の提示などの作業もこなします。もちろん経理業務や雑務も頻繁に発生します。それらが怒涛のように一気に押し寄せてきました。
私からチェアサイドレジに携わる時間が顕著に奪われていきます。

そのような案件の活況は、第二回スマレジアプリコンテストの締め切りの3月末どころか4月半ばまで続きました。
そのような状況に追われる中、私は正直、3月初旬の時点ではもう応募すらできまい、と半ばあきらめかけていました。
でも、気力を出し、わずかな合間に資料やアプリをまとめて応募にこぎつけられました。妻がロゴの原案を考え、イラストレーターの長女がそれをロゴデータにしてくれました。

受賞した時の思いは、この記事の中にも書いています。

率直に打ち明けると、「スマレジDevelopers Day」の時点で、私はヤマっ気を持っていました。
雇用やコロナ感染によって悪化してしまった財務状況を、スマレジアプリコンテストでグランプリをとることによって解消しようという欲。
ところが、案件の引き合いが増える中で、なんとか財務を持ち直すことに成功しつつありました。
そのため、4月の末にスマレジアプリコンテストで佳作を受賞したご連絡をもらった時、グランプリの1000万円を逃した悔しさはありませんでした。純粋にアプリが評価されたことへの感謝だけがありました。

5/26には第二回スマレジアプリコンテストの授賞式がありました。
最初のユーザーはココデンタルクリニック、つまり妻を予定しています。そのため、妻にはきちんとスマレジの仕組みを知ってもらう必要があります。そこで一緒に授賞式に来てもらいました。



授賞式は動画配信の予定があったのですが、機材のトラブルによって、私が登場するのは講評の部分からです。
ただし、妻が動画を撮影してくれていました。

なお、この時のスピーチで私は大したことを話していません。
むしろ、この後の座談会で話したことのほうが重要です。ただし、残念なことに動画は残っていません。
座談会では、各社さんの応募したアプリの工夫や思いも伺えました。また、店舗に訴求するスマレジの可能性を感じました。店舗オペレーションに特化したスマレジをkintoneが補完できる可能性も含めて。
弊社の価値は、kintoneの中だけに閉じていては発揮できません。kintoneをベースにした、他のPaaS/SaaSと連携するところにあると確信しています。

まだまだチェアサイドレジには直すべきところが残っています。それはこの記事でも書いた通りです。
これは私が引き続き開発していきます。自分でやるべきタスクだと思っています。
上に書いた通り、私自身に技術者としての可能性が尽きていないことの証し。それがこのチェアサイドレジだと信じているからです。

そして、弊社の将来のことを考えると、自社サービスの展開にチャレンジし経験を積んでおくことは、将来への布石としてやらなければいけないことももちろんです。

それらも含めて弊社にとってはとても重要な受賞だったと思います。
あらためて授賞式に来てくださった方、皆様、スマレジ社、審査員の皆様、ありがとうございました。


サイボウズユーザフェスティバルに登壇してきました


先日、7/20にサイボウズユーザーフェスティバルが開催されました。
https://page.cybozu.co.jp/-/userfes

弊社代表が、その中のセッション「kintoneエバンジェリストが厳選 教えて!今知っておくべき活用術ランキング」に登壇したので、そのレポートをお送りしたいと思います。

今、kintoneエバンジェリストは全国で19名が活動しています。
このセッションでは、その19名のエバンジェリスト全員がアイデアを持ち寄り、kintoneを使う上でこれだけは知っておいた方がよいと考える活用術のうち投票で上位に選ばれた五つを紹介しました。

紹介するのは、弊社代表も含めた四名のkintoneエバンジェリスト。サイボウズ東京オフィスと福岡オフィスの二拠点に二名ずつに分かれて連携しながら、オンラインで配信する。
そんな試みにあたって、弊社代表は東京オフィス側で登壇しました。

コロナ以降、オンライン配信は普通になりつつあります。代表もZoomなどで配信は何度も行っています。個人で簡単に配信することができるようになってきたのです。

ですが、今回のサイボウズユーザーフェスティバルは、きちんと配信用のコンソール卓が用意された本格的な配信です。東京と福岡で交互に連携をとりながら、タイミングを合わせて配信するにはそれなりの装備が必要です。
こうしたきちんとした配信は、代表は昨年の12月にCybozu Days 2020 Osakaで経験済みです。とはいえ、やはり緊張しますね。今回、最初は少しだけ硬かったように思います。

でも、大丈夫。東京にはニ名の、福岡では一名のサイボウズ社の方がフォローしてくださったことで順調に進みました。ありがとうございます。

さて、今回のセッションで選ばれた五つの活用術は、投票で上位に選ばれただけのことはあります。皆様にとってためになったのではないでしょうか。

「意外と知らない?!グラフの便利術!」
グラフで凡例をクリックすることで表示を切り替えられる。実はこれ、代表も知らなかった機能でした。
kintoneの標準機能にもまだまだ知らない便利な隠し技があるのかも。そう思わせてくれるすてきな活用術でした。

「迷子にならないためのkintone活用術」
こちらは代表が挙げた活用術です。ポータルのカスタマイズは奥が深く、弊社もまだまだこれからの部分です。今後、皆さんから多彩な技が報告され、ノウハウがたまっていくだろうと思っています。
私の前に用意されたモニターの文字がよく見えず、一緒に登壇した松田さんからの振りに見当はずれの返しをしてしまった気がしますが、そこはうまく松田さんがフォローしてくださいました。ありがとうございます。

「エバだからこそ伝えたい!kintone前提で考えないこと」
これも重要な活用術です。あえてkintoneを使わないのに活用術!?
私たちも構築する際、ついkintoneで完結させようと頑張ってしまいます。実際、ユーザー様からもなるべくkintoneで操作をまとめたいとのご要望をいただくからです。
ですが、無理やりkintone上でカスタマイズしてしまうことが正しいとは限らない。そうなのです。そこに完璧な正解はありません。
代表自身、あらためて深く考えさせられました。

「kintoneの活用情報に出会うコツ」
サイボウズユーザーフェスティバルの前日に、kintoneコミュニティ案内版が正式にリリースされました。弊社代表の記事が最初にアップされた五本の記事に選んでいただいています。
kintoneのコミュニティは活発です。並み居るPaaS/SaaSの中でも屈指だと言えます。ですが、活発であるが故に、増えてきたコミュニティをどのように乗りこなしていくかは迷います。
初めての方にとってまずTwitterでハッシュタグをつけて発信することの大切さも含め、とっかかりとなる情報がお届けできたのではないかと思います。

「標準機能で「計算」する際に知っておくべきポイント」
kintoneの関数を使いこなし、関数だけでデータを加工してしまうお見事な皆さん。いわゆる関数芸の使い手の方々です。
最近のアップデートで拡充されたkintoneの関数は、関数を究める楽しみを与えてくれました。

ですが、関数もコツを抑えておかねば、困ったことになってしまいます。Excelのように。
Excelを個人が囲い込んで育てるとアンタッチャブルな闇ブックが多数生産される。まさにブラックボックスのように。
代表もかつて、某銀行の中で無数のExcelツールを整理し、汎用化する仕事に携わっていました。Excelは簡単にダークサイドに堕ちるのです。
kintoneも同じ。この活用術は、kintoneを闇堕ちさせないための貴重な情報が込められていました。

「kintoneの禁断カスタマイズに気をつけて!!」
これもまたkintoneを使う上で陥りがちなワナです。
HTMLとJavaScriptとCSSで表示するシステムであるが故に、やろうと思えばどんなことだってできてしまいます。
ですが、無思慮にDOMを変えてしまうと、kintoneのバージョンアップに伴ってそれらのカスタマイズがバグを生む可能性は十分にあります。
これは、技術者のサガとして突っ走ってしまいがち。その懸念をきちんとした形でエバンジェリストから発信できたことはよかったと思います。

「ルックアップフィールドの落とし穴に気をつけて!!」
この活用術は、私が動画の作成も含めて担当しました。自分で録画したとはいえ、動画にナレーションを充てるタイミングが不安でしたが、何とかやり遂げられたように思います。
ルックアップフィールドこそは、kintoneを初めて扱うシステムエンジニアがまず戸惑う部分です。kintoneはルックアップを理解できれば大丈夫。
その際に陥りがちなワナを説明できたのではないかと思います。

さて、配信も無事に終わりました。まずは安心。
こちらは当日のスライドです。

この日は上に書いた通り、サイボウズ社の本社からの発信でした。
そのため、代表と一緒にうちの社のメンバーにサイボウズ社を案内できるよい機会でした。今年から参画してもらってからというもの、一度もつれてきていなかったので。

サイボウズ社のオフィスに広がる遊び心にあふれた設えの数々。そこから、サイボウズ社の社風や考え方の一端を感じてもらえるのではないかと思いました。
kintoneを単なるツールとして扱ってほしくない。機能とその背景となる考え方についても理解し、愛着を持ってほしい。

いわゆるよくあるオフィスとはかけ離れた様子に、興味津々のうちのメンバーたち。今回は二人のパートナー企業の方にも来ていただきました。
サイボウズ社の社風や、kintoneの可能性について理解してもらえたのであればよいのですが。

ただ、フェスティバルの日は弊社の毎週行っている対面開発の日に充てさせてもらいました。それもあって、登壇の直前まで内部で打ち合わせを行っていましたし、終わった後もそれぞれの作業のフォローに勤しんでいました。
それもあって、代表もメンバーもサイボウズユーザーフェスティバルのセッションはあまり聞けていません。

ですが、代表が登壇している間はセッションに集中してくれていたと聞いています。
うちのメンバーがサイボウズ社やkintoneに愛着を持ってくれたと確信しています。そしてもちろん、サイボウズユーザーフェスティバルをご覧いただいた皆様も!
皆様!ありがとうございました!

そうした見学の機会も含め、サイボウズ社のうっし-さん、かんちゃん、関根さん、配信ご担当の方、ありがとうございました!


Cybozu Days 2020に三日間出展しました


2020年11月11日から11月13日まで幕張メッセで催されたCybozu Days 2020に弊社も出展いたしました。https://cybozuconf.com/

今まで、弊社はCybozu Daysも含め、あらゆる展示会に出展した経験がありませんでした。
そうした経験の不足に加え、今回は世の中がコロナウィルスに振り回されています。そんな世相の中、そもそもCybozu  Days開催されるかすら定かではありません。
さらに、多数のkintone案件を受注し、開発に従事していた弊社にとって、並行してCybozu Daysの出展準備などとても無理。そう思っていました。

そう思っていた一方で、昨年のDaysの後、サイボウズオフィシャルパートナーとして任命いただきました。また、長らくエバンジェリストとして任命されていながら、ステージにも立ったことがなければブース出展の経験もなかった私。いつもオーディエンスのままだったことに自分でも飽きたらないものを感じていました。
パートナーになってブース出展の資格を得たところで、一つブース出展をやってみようか。
ところが弊社は、kintone連携ソリューションを持っていません。ブースに出展しても、出せるのはパートナーとしての開発実績か、エバンジェリストとしての立場のみ。そんな手持ちの札が少ない状態でブースを出展したところで、会場の隙間を埋めるだけに終わってしまうのでは、と懸念していました。

そんな私に心強い助っ人が。
Polaris Infotech社の情報親方こと東野さんです。
https://www.polarit.co/

kintone界隈の方々には、サイボウズ社が発行しているkintone導入ガイドブックはおなじみですが、そのコンテンツは東野さんによって作られています。
さらに東野さんは、新規技術やガジェットを導入するのが好きで、その進取の気性は、私をはるかに上回っています。
弊社はサイボウズオフィシャルパートナーであり、出展資格を持っていますが、Polaris Infotech社はパートナーでないため出展できません。

二社が共同出展することにより、互いに足りないところを補い合い、なおかつ二社にとってWin-Winの結果が見込まれる。
そんなわけで、共同出展に踏み込みました。

二社で共同出展することにしたとはいえ、来場者の目を引くにはもう一つ決め手が薄いことは否めません。なにしろ、kintone界隈で著名な連携サービスを持っていないのですから。そのような状態で出展するには決め手が足りない。もう一つ柱が欲しい。

そこで東野さんが提案したのが、アバターによる音声応答のソリューションです。
名古屋のRAKUDOさんが運営するAI Interfaceというサービスがあります。
https://www.ai-interface.com/
http://rakudo.io/homepage/
AI Interfaceが備える音声応答のソリューションの背後にkintoneを組み合わせれば、音声による応答を実現しつつ、背後のデータベースも備えられる。しかもkintoneの場合、簡単にデータベースが構築できる。より良いソリューションになるはず!

そんなわけで、他の案件との並行に疲弊しながらでしたが、アプリの連携に成功しました。

あとはブースの展示パネルやちらしや名刺の手配です。ここは出展経験を持つPolaris Infotechさんの経験に全面に依存しながら、無事に当日に間に合わせることができました。東野さんには感謝です。
スタッフも両社の関係会社やビジネスパートナーさんにご協力を仰ぎ、三日間で延べ11名のスタッフに手伝っていただきました。皆さんにも感謝です。
また、二日目の最後のほうにこうした素敵な動画を撮影し、すぐにYouTubeにアップしてくださったキンスキの松井さんにも感謝です。

こうして三日間の出展を無事終え、感じることは来場者の皆さんへの感謝です。
沢山の方が訪れてくださいました。埋め草ブースどころか、私たちの思った以上に。
二社の知己の方はもちろん。弊社が過去に手掛けさせていただいたお客様や、私が前月に登壇したセミナーで私に興味を持ってく出さった方や、サイボウズ社員の方など。
もちろん、初めてお会いする方も多くが私たちのブースに立ち寄ってくださいました。

もちろん、無名の私たちのブースは、ほとんどの方にとっては興味を引く対象になりえず、一瞥して通り過ぎてしまう方も多かったです。
それでも、私たちのブースに目を止めて下さった方がいたことは、とてもありがたく思いました。

なぜ目にとめてくださったのか。kintone連携ツールのパネルが掲げられてもおらず、ノベルティで客引きできるほど資金力もない我々のブースに。
それはおそらく、アバターの画面がブースの中で異彩を放っていたからでしょう。
アバターの女の子にならんで検索の応答結果として東野さんの顔が大きく映し出されたディスプレイ。それはなかなかのインパクトでした。東野さんの打った手が見事に功を奏しました。

今回のCybozu Days 2020は、EGO & PEACEというテーマでした。
わがままと平和。
その一見すると相反する二つのテーマは、今の多様化が求められる社会において、誰もが両立に悩んでいます。

私にとっても同じです。今までの私の生涯は、まさにEGOを追い求めてきたものでした。
ラッシュがいやだ、毎朝毎夕の通勤の繰り返しがいやだ。それは間違いなくEGOです。
では、そのEGOをどうやって実現し、人に迷惑をかけずに自分にとって平和な毎日を呼び入れるか。

そもそも私がなぜkintoneのエバンジェリストになっているか。
その主な理由は、こうしたサイボウズ社の理念に共感していることです。
毎年のCybozu Days で打ち出されるテーマが、私にとって刺さります。
今年もそれは変わりませんでした。

ただ、今年はブースに三日間のほとんどを立つことに決めており、セッション聴講はあきらめていました。
ですが、三日目のセッションが聞けたのはうれしかったです。(初日のkintone Hackもほぼ見ることができました)

まさにそこで展開されていた議論は、私と弊社の抱えるテーマに即しており、そうした場に出展社として参加できたことがとても誇らしかったし、得るものが多かったです。

弊社は大阪のCybozu Days 2020には出展しませんが、私は登壇のために初めて参加する予定です。今から楽しみでなりません。

最後になりましたが、来場者の皆さん・サイボウズの皆さん・弊社ブースのスタッフの皆さん・東野さん。ありがとうございました!


RPA界の技術者の皆様にお話しをしました



今月、唯一のお話の機会をいただきました。
お招きくださったのはPeaceful Morning株式会社様です。

Peaceful Morning株式会社様は、RPAの界隈のメディアを運営し発信しておられると同時に、RPAに知見のある大勢の技術者を擁し、RPAのツールやサービスを提供されています。
Peaceful Morningという社名にも見られる通り、従来の働き方に一石を投じる理念は、私が推すkintoneやサイボウズ社にも通ずるところがあります。
https://peaceful-morning.com/

今回は、一時間程度のお時間をいただきました。
一時間のすべてを座学形式ではなく、技術者の皆様から事前に質問を募り、それに答える構成でした。

事前にいただいた皆さんの質問内容を拝見すると、kintoneとは何かを知りたいというのは当然として、機能の詳細よりもむしろkintoneの概要や競合ツール、さらにコロナ禍におけるkintoneの需要や今後の展望など、kintoneを扱うことの可能性にご興味がおありの様子でした。
また、kintoneを扱うことによる働き方の変化や、エバンジェリストである私自身がkintoneを推す理由など、技術者としてのキャリアの可能性の一つとしてkintoneを検討したいとの意識を感じました。

事前の質問だけでも十二問に達し、質問に答えるだけで一時間が過ぎることは確実でした。
そのため、kintoneエバンジェリストとして登壇する私は、kintoneそのものの機能よりも、私の個人的な思いや、kintoneのどこに可能性があるのかといった本質的な部分を語ろうと決めました。

折悪しく本番直前になって私のPCの処理が終わらず、kintoneの画面イメージが映せなかったため、kintoneの紹介すらも口頭のみで済ませてしまいましたが(終わりの方で処理が終わったので画面共有で3,4分ほどお見せできました)。

私からの回答の中では、kintoneはREST APIが使えればほかのシステムとも連動が可能とお伝えしました。RPAでいうとUiPathはREST APIが扱えるので、kintoneとは相性が良いですよ、ということも。
おそらくRPA界の皆様には、データベースのバック/フロント構築が簡単にできるツールですよ、という視点で深く掘り下げたほうがより響いたのかもしれません。

参加者の皆様からのアンケートも開示していただきました。
kintoneの画面の動きやRPAとの連動の実例をもっと見たかったというご意見もありました。当然ですね。私の不手際があり、失礼いたしました。
また、私のkintone愛を感じた、といったご意見も数点ほどいただきました。それはまさに狙い通りのご感想だったのでうれしかったです。これを機会にkintoneに興味を持ってもらえればなおさらうれしいです。
RPAとkintoneの連携事例はまだ世に出ていないと思っているので、皆さんと一緒に事例を増やしていきたいです。

こうやって分野の違う技術者の方を前に語るといつも感じることがあります。
それは、kintoneのすそ野がユーザー部門には広がっているとはいえ、まだまだ技術者への浸透には至っていないということです。
技術者の中にはスクラッチ開発に価値を感じる方もいらっしゃれば、基盤から構築してすべてを統制することに意義を認めていらっしゃる方もいます。
もちろん、それは人それぞれなので自由です。ですが、No-Code/Law Codeといった従来のシステム開発の概念と違うツールへの使わず嫌いがあるとすればもったいないと思うのです。

ここ一年、私の中でエバンジェリストとしての活動の主眼の一つを技術者さんへの伝道に置こうと決めました。
それは、私がkintoneに賭けようと思った時期を見つめなおしたことで気づいたことです。
その時期、私には常駐現場を渡り歩く中で感じた既存のシステム開発への疑問が渦巻いていました。それは、人月換算や多層契約によるSES業務の課題、膨大なドキュメントの山、そして作った設計書や仕様書やプログラムが現場のオペレーターさんに直接届かないもどかしさなどほんの一部でしかなく、とても悶々としていました。
その時期の私がkintoneに感じた可能性とそれに賭けようとしたことで、今の私はあります。
それを考えると、技術者の方々が今の開発環境やツールから別のステップに進みたいと感じたときに、kintoneを開発ツールの一つとして選択肢に含めてもらえれば、私がkintoneに身を投じたモチベーションも共有できると考えたのです。

RPA界の技術者の皆様には、また機会があればkintoneを中心としたPaaS/SaaSの可能性について語ってみたいですね。今度はきちんと画面の動きもお見せしながら。今回の処理の遅れを機会にノートPCを新調したことですし。

まずは、今回のご参加者の皆様、ありがとうございました。
また、セミナーを運営してくださったPeaceful Morning株式会社の皆様、ありがとうございました。