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ワーケーションの意味をCLS道東で教わりました


北海道から戻って約二週間がたちました。
東京に一日いただけですぐ大阪へ。十日ほどシステム切り替えやその他の作業でこもっていました。

北海道での交流の日々。そして大阪での仕事の日々。どちらも私にさまざまな気づきを与えてくれました。それらの気づきのうち、最も大きく感じたのはワーケーションの意味でしょうか。

9月26日 何かを変えたい熱意は通じる
9月27日 伸び代は伸び代のある場で
9月28日 ワーケーションは人が必要

ワーケーションは、リアルとオンラインの使い分けを人々に問いかけます。
コロナの流行が始まってから二年半。今更、オンラインとリアルの使い分けを考えることに意味はあるのでしょうか。
確かにオンラインでの働き方は市民権を得ました。ですが、残念ながら人は今もリアルの働き方を最善とし、場合によってはそれを人に強いています。また、オンラインの会議に渋々参加しているものの、本心ではリアルが一番と思っている人も多いはずです。

私が感じたのは、どちらにも優劣はないと言う単純なことです。臨機応変に場面に応じてリアルとオンラインを切り変えればよいだけの話。
むしろ、どちらかに決めてしまうことがおかしいのです。コロナが人々に突きつけたのはこの問いです。TPOに合わせて考えることを放棄してはならないのです。

日々の定型業務のすべてをリアルで行わせたい。
イーロン・マスク氏に限らず、そのような上司や経営者はまだ多いことでしょう。
が、日々の定型業務をこなすため、リアルで出社させる必要は本当に必要なのでしょうか。私はオンラインとリアルのどちらかに決める必然はないと考えます。
今まではアウトプットの質や量の低下を理由に、リアルが圧倒的に有利でした。ですが、時間の自由度がないことや通勤の疲れなど、リアルにこだわる事はインプットの低下をもたらしていました。

一方、すべてをオンラインで済まそうとすることも弊害の元です。
今のオンラインツールは、まだリアルほどには信頼感の醸成ができません。メタバースにしても、人間の五感の代わりにはなりえていません。
また、オンラインでは多くの人と新たに出会えますが、リアルで会う時のような深い関係は築けません。築く以前に、発展的なつながりの構築が難しいことは皆さんが知ってのとおりです。
オンラインは、リアルな距離感を構築できず、人間関係にも見えない壁が残ります。一方、メタバースでアフリカの大地を旅しても、リアルでその場の空気に触れる感動とは比較になりません。今もなお、オンラインツールから得られるインプットは少ないのが現状です。
違う場所へ移動し、そこで新たな人と交流することは心を活性化しインプットを多く増やします。インプットの質に関しては、オンラインはリアルに叶わないことは認めるべきです。

インプットが枯渇すればアウトプットも決まりきった内容になってしまいます。枯渇したまま、オンライン上で業務を続けても、アウトプットの質の低下は否めません。オンラインツールにはまだまだ改善の余地があると割り切った方がよいのです。

人と会い、人と語り、人とつながることはリアルの方が強い。特に新しい人との出会いにおいては。
これを認め、リアルでの場には積極的に参加すべきです。たとえCLS道東のように遠方であろうと。
ただしリアルといっても、毎日、仕事する場には原則として同じメンバーが集います。そこからは新たな発想や新たな行動はなかなか生まれにくいことも認めなければなりません。つまり定型業務こそオンラインで行うべきなのです。
逆に、新たな場所を訪れ、新たな人とご縁を結ぶ機会はリアルの場に積極的に参加することを推奨すべきだと思います。

CLS道東では、そうした観点からのお話が多かったように思います。参加されている皆さんの多くは、仕事しながら旅をするワークスタイルを確立した方ばかりです。とても参考になりました。

私は今までに何度かワーケーションを経験してきました。その中で、どうしても拭えずにいた葛藤がありました。
それはワーケーションにおけるアウトプットの問題です。ワーケーションにおいては、アウトプットの量と質がどうしても低下してしまいます。

ある程度、普段の業務に余裕がある人ならワーケーションは問題ないのでしょう。が、私の場合それが許されません。私のように常にさまざまなタスクを抱えている現状では、アウトプットの減少は由々しき問題です。
ワーケーションには移動が必須です。移動中には通信や電源が確保できず、宿泊先でも会話や飲み会が集中を絶ちます。どう繕っても、ワーケーションの実質は「ケーション」が多めになっていることは認めなければ。

特にシステム構築は、オンラインでできるはずの業務でありながら、集中を求められる作業です。
いつもの作業場で仕事をするよりも、生産性に顕著な低下が生じてしまいます。

今回、CLS道東のセッションの中で話されていたことの多くは私の目を啓かせてくれました。
中でも、ワーケーションのアウトプットは落ちると明確に話されていた八子さんの言葉と、ワーケーションは地元でも出来るとの古地さんの言葉は、ワーケーションについての私のモヤモヤを払拭してくれました。
私の中で今後、ワーケーションはインプットの場として明確にします。もちろんアウトプットも忘れません。連絡や、簡単な設定作業などは積極的に行います。

私は普段から、コーディングや設定の作業が一段落すると散歩に出かけていました。そして、散歩しながら必要な連絡をこなしていました。それは、古地さんがおっしゃっていた「地元でもワーケーション」の実践だったことに気付きました。
私はそのことを普段から無意識でやっていましたが、これからは意識して近所のカフェを使おうと思います。これならば移動時間のロスも減り、ワーケションのアウトプットロスも減らせます。

日々のワーケーションでインプットとアウトプットの両方を満たしつつ、数カ月に一度は遠方へワーケーションに赴こうと思います。
遠方を訪れた際は、ワーケーションでアウトプットの質量が落ちることを自覚します。そして、失われたアウトプットを上回るインプットを得れば良いと割り切ります。それは、仕事上の気づきのインプットであり、日々の仕事に疲れた心を休めるインプットでもあります。
6月の高知と9月の道東で感じたメリットを自覚しながら。

じつは私は、ワーケーションによるインプットの効果は、一介のプログラマーやシステムエンジニアの役割にとどまっている間は、あまり感じられないと見ています。
そもそも、今はオンラインで仕事ができる環境が整いつつあります。かつてのように出勤を強いられ、開発ルームに詰め込まれ、ひたすらタスクをこなすだけの仕事は既に減りつつあります。これからもさらに減っていくでしょう。さらにいうと、今後のシステム業界は単なるコーダーや設計だけしていては生き残っていけない事は明白です。そうした仕事は人工知能がどんどん担っていくことでしょう。
ですが、人とのつながりや、ビジネスのプロセスから新たな価値を見いだす仕事は、まだまだ人が担うべき領域です。今後のエンジニアにはそうしたタスクが求められるはずです。それには想像力が要ります。アウトプットに終始した同じ場所での業務からは、新たな発想を生みだす事は難しい。ワーケーションとは、インプットをどんよくに取りこみ、アウトプットを充実させるだと考えるようにします。
結局、ワーケーションによるインプットのありがたみとは、人との交流が必要になった技術者になるか、メンバーを統括し、導き、プロジェクトを推進する立場、さらに経営する立場になって初めて得られるのではないか。それが私の率直な意見です。

今回、釧路や知床でのリアルのご縁をいただくとともに、知床や大阪ではオンラインやメタバース上で全国各地の人と会話を行いました。
皆さんに感謝するとともに、その触れ合いや交流が、私に上のような思いを強く抱かせました。
ワーケーションには可能性があると。そして、都会の心中からは、もはやイノベーションが生まれにくいと。
地方創生とは無理に都市から人を引きはがすことにあるのではなく、都市ではもはや得られないインプットを得る目的の延長にあるのではないかと。


kintone Café 神奈川 Vol.13を開催しました


六月のkintone café 高知 Vol.16 & SORACOM UG 四国に呼んでいただいた事は、私に複数の気づきと学びを与えてくれました。

・サイボウズ社が築いたkintoneエコシステムの理念に通ずる文化をSORACOM社に感じたこと。
・互いがAPIで簡単に繋げられたので、ハードウエアが苦手な私でも取り扱える手応えを得られたこと。
・kintoneを取り扱うにあたって、入力をもっと考えねばならないこと。

そしてご縁も。

次のkintone Café 神奈川をSORACOM UGさんと共催しようと決めたのは、高知での懇親会の場です。
そこで仲良くなったSORACOM UGのなっちゃんこと藤田さんとコンタクトを取り、後日なっちゃんの会社にもお伺いして打ち合わせを行い、イベントの趣旨を固めました。

一方、次のkintone Café 神奈川の開催地は鎌倉でやると決めていました。そこで私は、鎌倉でkintone Caféを行える場所の選定を始めました。
私は鎌倉とさまざまなご縁でつながっています。カマコンにも参加しました。カヤックさんが運営する「まちの社員食堂」で食事もいただきました。鎌倉商工会議所で登壇したこともあります。
今回、ヒトノコトという屋号で活動している渡辺みさきさんに開催に良い場所がないか相談したところ、推薦していただいたのが安国論寺さんです。
ヒトノコトウェブサイト
みさきさん、ありがとうございました。

早速、安国論寺さんとアポイントを取り、七月の某日にお寺を訪問しました。
同行してくださったのは、一緒にkintone café 神奈川を運営してくださっている藤村さんです。そこで、施設の設備面や接続環境に問題ないことを確認しました。
安国論寺ウェブサイト

そこまで決まったので、あとは登壇者やセッションです。
高知のイベントは完全にオフライン限定でした。そのため、内容が参加者のみしか知らなかったことは好都合でした。
実は高知のイベントとは登壇者が何人か重なっています。が、登壇者が被ってもさほど支障はないと判断しました。
コロナ感染対策も含めて何度も打ち合わせを重ね、登壇内容を徐々に固めていきました。
コロナ感染患者数が増加した際は、完全オンラインに移行することも覚悟しました。ハンズオンもすべてオンラインで行うことも含めて準備を進めました。
告知

ツイートまとめ [~開催前]



当日、曇り時々雨だった予報は外れ、見事に晴れました。
お寺に行くと、安国論寺の平井住職がご用意くださった案内看板が二つも設置されていました。それがお寺の雰囲気に溶け込み、とても良い感じを出していました。
中世からの古都でありながら、ITでも多くの先進的な企業を擁する鎌倉にふさわしいお出迎えです。
kintone Caféでも例のないお寺Café。参加して下さったみなさんの期待に応えなければ。

境内には蝉時雨が響いています。三方を崖に囲まれた安国論寺の境内にはリスが生息しています(視察で訪問した際に何匹も見かけました)。自然の癒しに満ちた場所です。
今回、イベントを開催する場所は、本堂の裏手をぐるりと巡った場所に建つ観音堂です。

観音堂はまだ新しい建物です。Wi-Fi完備。電源や机、椅子もそろっています。
調光も可能で冷暖房も十分に行き渡ります。パントリーも備わっているし、トイレも広い。
堂内には南無幸福観世音菩薩様が安置され、悩める衆生の営みを静かに見守ってくださっています。

ただ一つだけ問題が。
それは夏の陽射しが堂内に差し込み、投影したプロジェクターの映像が鮮明に見えなかったことです。この問題は、光量を最大にし、コントラストを調整しても解決できませんでした。
これによってリアル参加の方々にとって少し画面が見にくかったのが残念でした。

ツイートまとめ [開催前~当日]


他には音声をオンラインと会場にどう配分するかでうまくいかず、ぎりぎりまで調整を重ねました。
13時10分がやってきました、開会の発声を行う時間です。
今回の司会進行は私。
kintone Caféの理念とkintoneの目指す目標を語り、まずは始まり。

ツイートまとめ [当日~kintone Caféとは]





続いてトップをお願いするのはJOYZOの四宮さん。今回、四宮さんに登壇していただいたことによって、kintone café 神奈川にkintone界の三巨頭が揃いました。
ラジカルブリッジの斉藤さんはリアルとオンラインで一回すつ。アールスリーインスティテュートの金春さんにはオンラインで一回。そして、Mr.kintoneの四宮さん。

そもそも今回のイベントをやろうと思った理由は、高知で登壇した四宮さんのセッションをより多くの人に聞かせたいと言う思いでした。
kintoneは概念を座学で聞くより、実例を出した方がよく理解してもらえます。四宮さんによるセッションは、kintoneと IoTをどうつなぐかを実例のイメージとして皆さんに理解してもらえたのではないでしょうか。
なぜIoTが必要なのか。その理由の一つは人のケアレスミスを防ぐためにあります。
冷蔵庫の締め忘れをデバイスで検知し、それを通知する。JOYZOさんが星野リゾートさんで実装されたこの実例は、IoTをどうビジネスや日常に活かすかの良い例となるでしょう。

高知で私は四宮さんのセッションを聴き、kintoneとIoTをどうつなげ、提案するかの知見を得ました。弊社がIoTに可能性を感じる上で励みになりました。目標にしたいと思います。
また、後に登壇する私の話す内容を補強するように、無尽蔵のレコード追加はkintoneの本分ではない、との点を述べてくださったこともありがたかったです。
IoTによって大量レコードを取り扱うことは、今のkintoneには幾分荷が重い部分です。ですが、要件とデバイスの組み合わせによっては、十分kintoneでもIoTと組み合わせて案件がこなせるのです。

四宮さんありがとうございました。

ツイートまとめ [kintone Caféとは~四宮さん]





さて、四宮さんのセッションは質疑も含めて用意していた時間より5分ほど早く終わりました。そこで私は、自分のセッションを少し伸ばそうと決めました。もともと48枚のスライドを作っていたため、伸ばそうと思えば伸ばせます。

今回、私が語ったのは大きく3つです。

・kintoneに関わる方は、そろそろkintoneに入力する手段や方法を考えた方が良いよ。
・kintoneには1アプリごとに1日1万リクエストの制限があって、対策を考える必要があるよ。
・kintoneには1サブドメインごとに同時接続数100の制限があって、対策を打たないと止まるよ。

今回はIoTをkintoneにつなげる上では理解しておいてもらいたい点だったので、ちょっと真面目に。
でも、笑いは高知で登壇した時に比べると、ちょっと取れなかったなあ。
その理由もわかっています。私の登壇の後にMaxさんが立ったまま話しているのを見た瞬間に。
あ、座ったまま喋ってた、と自分のミスに気づきました。悔やまれます。まだまだ未熟です。

質疑の時間も若干余ってしまいました。そこで、愚にもつかない話で場をつなぎました。それがあとあとのペース配分を狂わせました。
まだ私には精進が必要です。

ツイートまとめ [四宮さん~長井]




続いて、Maxさんとなっちゃんによる「SORACOM User Groupのご紹介」と、 「つながっている社会へ!IoTとSORACOM」をMaxさんから。

今回、弊社メンバーやパートナー技術者にも安国論寺に来てもらいました。その狙いの一つこそ、Maxさんのセッションを直に聞いてもらうことでした。

なぜ、コミュニティに私が肩入れするのか。粛々と案件をこなすだけではなぜいけないのか。
その気づきをMaxさんの語りの中から感じ取って欲しかったのです。
どこかの小人さん達がいつのまにか案件や仕事を用意してくれるわけではないこと。こうした場で発信する繰り返しがなければ、今の弊社は案件をもらえていないこと。
エバンジェリストやアドボケイターとはどんな人か。それは、私が何度も内部に向けて話すだけでは伝わっていなかったでしょう。だから、私以外の方が実践する生きた手本を見てほしかったのです。
なっちゃんのようなSORACOMの外側の方がSORACOMを語る。そのコミュニティのあり方は、kintoneでも盛んです。

そのためには、どういう理念のもとでSORACOMさんが活動しているのか。 それを理解しないとコミュニティは成長しません。
私が感じたSORACOMさんとkintoneの相性の良さはどこにあるのか。
四宮さんとMaxさんのセッションから汲み取ってもらいたかったのは、こうした技術以外の部分にもありました。

もはや一部の人たちが技術を独占する時代ではありません。技術は民主化に向かっています。
その流れを読みそこなうと、会社や組織として先細る未来が待っていることでしょう。

エバンジェリストとは、技術を民主的に広めていく存在であるべき。私がサイボウズさんやSORACOMさんに肩入れする理由もそうです。私がエバンジェリストとしてコミュニティに肩入れする理由もそう。
民主化に向けて活動を続けていくと、やがて独占する特権は失います。が、その活動によって民主化された社会は、それを広めた方を放ってはおかないはずです。
民主主義の手続きにのっとり、その立役者にさまざまな役割を期待します。つまり仕事となって戻ってくるのです。
技術を独占すると、かえって衰えていく。これは人類の歴史が証明しています。

高知でも今回もMaxさんはこういう言葉をおっしゃられました「IoTとの言葉は使われなくなる」。
IoTがコモディティ化した時、当たり前になった時。それがエバンジェリストとしてのゴールです。それを教えてくれたセッションでした。

Maxさん、なっちゃんありがとうございました。

ツイートまとめ [長井~Maxさん&なっちゃん]


さて、ここで一度休憩タイムとネットワーキングタイムを挟みました。
せっかく皆さんに来ていただいた以上、ご縁をつないでいただかなければ。

そして続いてはSORACOM UG 東京の三人様にお話ししてもらいました。


まずは和田さんから。

「GPSマルチユニットの紹介 ーいざ鎌倉ー」と題したセッションで紹介されたデバイスは、まさにIoTの王道を往くものでした。
温度と湿度と加速度センサーを備え、GPSも備えたデバイス。それがGPSマルチユニットです。
つまり、これ一台で色んなことができてしまう優れもの。

例えば位置情報を組み合わせて現在地の情報を取得できます。また、その情報をLINEなどで簡単に知らせることができます。
鎌倉に到着し、「いざ鎌倉」を高らかに世界に宣言することができるのです。それを例に挙げて示してくれました。

SORACOMのダッシュボードではそれらの連携を簡単に行えます。それが理解できました。

和田さん、ありがとうございました。

ツイートまとめ [Maxさん&なっちゃん~和田さん]



続いて前嶋さんからは、「簡単にIoTをはじめる方法 (SORACOM LTE-M Button for Enterprise / Button Plusの応用例)」と題したセッションで、ArduinoとSORACOM Buttoを組み合わせ、その場でIoTのセンサーの動きを見せてくださいました。
農家の熱中症防止デバイスや、見守り デバイス。どれもIoTの活用事例として参考になるものばかり。

電子回路図が出てくるあたりで、私の理解力は飽和しそうになりました。
こうした電子回路に普段触れない私のようなソフトウエア・エンジニアはハードウエアにとっつきにくい印象を持ってしまいます。
むしろ、だからこそ私は、この両者をつなげられる技術者が必要とされると思いました。クラウドはそれを可能にします。この両者を結びつける提案ができれば、今後の生き馬の目を抜く情報業界を生きていけるはずです。
ハードウエアに強い方にはハードウエアをまかせてしまう。そこから出てきたデータをどのように加工し、活用するのかを示してあげられれば、お客様のニーズは満たせられます。この道筋が見えました。

前嶋さん、ありがとうございました。

ツイートまとめ [和田さん~前嶋さん]



最後に大口さんからは「SORACOMデバイスで遊ぶ」というタイトルのセッション。
ボタンを使い、ポストに投函されたことを知らせるシステムの実例を示してくださいました。

フレップボードとかジャンパ・スイッチとか、割り込みとかレジスタとか。私が名前ぐらいしかしらない単語が飛び出します。
ですが、こうした高度な部分を見ておかないと、座学や独学を始めたときに先が見えません。すると挫折してしまうのです。

大口さんの処理で実装する部分のうち、AWS以降の処理については想像ができました。それは、私が理解できていない弱点がどこかも明らかにしてくれました。
目指す高みを見せてくれた意味でも、大口さんのこのセッションは参考になりました。
そして、概念を理解した上で、ハードウエア・エンジニアにお任せしたほうがよいという気づきも得ました。まずは私も学ばなくては。

大口さん、ありがとうございました。

ツイートまとめ [前嶋さん~大口さん]



続いては高知でも盛り上がったハンズオンです。
高知から島根経由で駆けつけてくださった片岡幸人さんが事前にkintone・SORACOMの試用環境をご用意していただき、準備は万端。
また、今回もSORACOMさんより事前に人数分のボタンをご用意くださいました。

いざハンズオンのスタートです。kintoneエバンジェリストであり、IoTをビジネスに活用する幸人さんの本領が発揮されます。今回は遠距離の異動にも関わらず、パトランプまで運んできてもらい、本当に頭が下がります。

今回は会場にいる皆さんがハンズオンに参加するだけではありません。同時に、オンラインでもハンズオンを実施しました。
仮想的なボタンを用意することで、オンラインの方にもIoTとkintoneの連携を行ってもらえる。それは、リアルでなければIoTのハンズオンはできないという常識を打ち破る壮挙です。
それだけでも凄いのに、リアル側と同時進行する離れ業は幸人さんが事前にシナリオを作りこんでいてくれたおかげです。

このハンズオンが盛り上がったこと!
皆が一生懸命にチャレンジする姿に主催者の本望が満たされました。

私は高知では真っ先に完走し、ボタン押下回数でも一位を獲ってしまいました。自分の大人げのなさに恥ずかしい思いをしました。
今回、私のノートパソコンはZoom配信用に使っており、私はハンズオンにiPadで参加しました。ツイートもしながら、サポートもしながらのハンズオンでしたが、なんとか完走ができました。
完走した後は、遅れている皆さんのサポートに回りました。
今回のハンズオンは、私や四宮さんやSORACOMのDaisukeさんやDaiさんなど多くの方がフォローを行ってくださいました。
それもあって、会場にパソコンを持ってきている方はほぼ全員が完走できました。スマホしか持ってきていない方はPC版しか用意していなかったため、画面を操作の度にズームする必要があり、参加を諦めた方もいました。

そうした方もいらっしゃいましたが、成功でした。
私の中の印象では、ハンズオンに取り組む皆さんの熱意は高知よりも上回っていた気がします。主催者バイアスがかかっていることは承知ですが。

片岡幸人さん、ありがとうございます。そしてご参加の皆さんも。

ツイートまとめ [大口さん~片岡さん(連携ハンズオン)]


さて、ここからはLTコーナー。


まずは原田さんから。

「サイボウズ災害支援チームとの取り組み(経過報告)」
前々々回のkintone Café 神奈川 Vol.10で語ってくださった、サイボウズ社との防災協定の取り組みの続報です。
カンタンマップとの連携なども含め、災害情報をkintoneで管理する仕組みが出来上がりつつある現状を語ってくださいました。

わが国はこの夏も災害が頻発しました。これから先も同じような事態が各地を襲うことでしょう。
今回のこの協定を基に、災害にあたってのさまざまな情報共有が進むことを願っています。
そして、IoTとkintoneの連携がますます必要になるはずです。

原田さん、ありがとうございました。

ツイートまとめ [片岡さん(連携ハンズオン)~LT(原田さん)]



続いては山崎さんです。
災害協定に続いては、災害についてのソリューションのネタがよいだろうと考え、話してもらいました。

山崎さんは昨年のCybozu Days 2021の弊社ブースにおいて、雨量計をkintoneと連携する出展物を提供してくださいました。
この出展物は、制作した雨量計に水を入れると、センサーからRaspberry Piを通して、その雨量データや緯度経度や時間をkintoneに飛ばします。
それによってkintoneで雨量を管理する仕組みです。

まさに今回のイベントの趣旨にふさわしい内容です。
この秋に予定されているCybozu Days 2022でも山崎さんには何かを作ってもらう予定です。

山崎さん、ありがとうございました。

ツイートまとめ [LT(原田さん)~LT(山崎さん)]



続いては藤村さんです。
藤村さんは安国論寺の視察からイベントに至る部分でご協力をいただきました。
会場の入り口にデジタルサイネージによるウェルカムボードを設置したのも藤村さん。
会場の皆さんが来場した際のアンケートフォームを作ったのも藤村さん。そこでは設置した体温計を書き込み、コロナ感染があった場合の連絡先の取得も含めていました。

藤村さんからはまず、kintone Café 神奈川のメンバー内で立ち上がったkintone Café METAVERSE支部のご紹介。
さらに、安国論寺のお堂内にいるということで、マンダラ思考法をご紹介くださいました。kintoneの画面をカスタマイズし、マンダラ思考法のツールとしてしまうHackです。

これまた、お寺Caféにふさわしい内容でした。

藤村さん、ありがとうございました。

ツイートまとめ [LT(山崎さん)~LT(藤村さん)]





最後にMaxさんがLTネタを二つ持ち込んでくださったので、
締めをMaxさんにお願いしました。

まず「”電波”のちょっとイイ話」です。
私もそうですが、クラウド・エンジニアの多くはWi-Fiをただ単に享受するだけです。
何も意識せずに使っている方がほとんどではないでしょうか。

ですが、当然IoTを実装するにあたっては、デバイスの設置位置が重要です。きちんと正確なデータが定時に飛ばせるように設置しなければなりません。
電波の特性を説明していただくことで、kintone界隈の方にもより具体的な実装方法のTIPSとして届いたと思います。

この電波についてが一番よかったという嬉しいツイートもいただきました。

続いて「アウトプットって、なにそれ美味しいの?ブログとLTのすゝめ」です。

このLTが私にとってはとても刺さりました。上にも書きましたが、なぜアウトプットするとよいのか。
会社のためでもなく、誰のためでもない。自分のためにアウトプットする。

私が弊社メンバーやパートナーさんに伝えたかったことが、このLTに詰まっていました。
もちろん、私にとって学びになったのはもちろんです。というか、私にとってこのMaxさんのLTは何度も聴き直そうと思っています。
「座右のLT」として。

Maxさん、ありがとうございました。

ツイートまとめ [LT(藤村さん)~LT(Maxさん)]



この後、皆さんで集合写真を撮りました。
なっちゃんが音頭をとり、和田さんがセルフタイマーで二枚。kintoneとSORACOMのそれぞれのハンドサインを。

そして無事に撤収作業も終わり、安国論寺の皆さんにもお礼を言いまして。

夜は鎌倉駅前まで移動して懇親会をしました。参加をご希望する方が22名ほどまで膨れ上がってしまったため、収容できるお店が限られてしまいました。
結果、神奈川で展開しているチェーン店に落ち着きましたが、皆さん、三つのテーブルで話に花を咲かせていました。盛り上がってましたねぇ!

さらに10名ほどは二次会の懇親会へ。ここでも百戦錬磨の皆さんにしかできないディープな話が。
こういうバックボーンが明らかになるのも懇親会をやる面白さですね。

リアルとオンラインで参加された皆さん、すばらしい内容を発表してくださった登壇の皆さん、素敵な会場と案内板をご用意くださった安国論寺の皆さん、安国論寺をご紹介くださったみさきさん、スタッフの皆さん、本当に本当にありがとうございました。
とても盛り上がりました。

ツイートまとめ [LT(Maxさん)~それ以降]

皆さんから現時点で四つのブログが!
福井さん
渋屋さん
SORACOMさん
SORACOM UGさん



天津飯の謎


コロナが始まった頃、逼塞を余儀なくされた人々は、さまざまな試みでこの状況をやりすごそうとした。
7日間ブックカバーチャレンジはその一つ。

Facebook上で指名を受け、自分が選んだ七冊の本を紹介するとともに、次の方を指名するというものだ。
私は七冊でそれぞれのジャンルの本を選んだ。その際、最後を飾る一冊に選んだのが本書だ。

その時に書いた内容はこちらのブログに載せている。
そこにも書いたが、著者は私にとって親しい方である。私の周囲にもISBN付きの本を出した方はいるが、最も親しい方かもしれない。
上のリンク先で著者と私の関係には触れているので本稿では詳しくは触れないが、私にとって目標とすべき人であり、実際に幾たびも御恩も受けた方だ。

ブログの中にはこのようなことを書いた。
人生にインプットの努力は当たり前だが、それに見合うアウトプットは必要。多くの人はそのアウトプットを世に出さず、仕事の書類の中だけに終わらせてしまう。どこかで自分の生きた証しを出したいのが人情であり、それを成し遂げた著者はすごい、と。

まさに私にとって導きとなる方であり、それを本書という形で手本としてくださったと思っている。

本ブログは、私が読んだ本の感想を書いている。だから、読者の視点からの文章であることがほとんどだ。
だが、本書は私のよく知る方が書いている。たまには著者の視点で描いてみたいと思う。

著者の視点といってもそう難しいことではない。
要するに面白がることだ。

世の中には無数の情報や事物にあふれている。それをただ眺めて過ごすのか、それともその事物に興味を感じ、より深く調べるのか。二つの態度の間には大きな差がある。

例えば毎日の通勤。電車の中に吊られている広告からその背後にあるつながりに思いを馳せる。
例えば毎日の通学。街の建物の形や姿から、その違いが生じた理由に想像力の翼を広げる。
例えば日々のランチ。メニューに載せられた料理の生い立ちがどこに由来し、なぜ生まれたのかを考える。

本書のテーマである天津飯は、まさにその興味から生まれた題材だろう。

中華料理店は、期限をたどればわが国の発祥の料理ではない。それでいながら、同じ漢字文化圏のよしみで親しみのある中華料理。
叉焼。餃子。焼売。拉麺。搾菜。
この字面だけでもワクワクする。チャーシュー。ギョウザ。シュウマイ。ラーメン。ザーサイ。
どこからこの漢字が当てられ、なぜこのような読み方が定着しているのか。

中華料理といえば誰もが想像するはずの代表的なメニューですら、このような興味が湧く。
本格的な中華料理店にいけば、さらに漢字だけで材料と調理法が字面で並ぶ料理の数々に目が奪われ、興味はつきない。

だいぶ前に読んだ日清食品の創業者である、安藤百福氏の伝記の巻末には、中国の各地で食べ歩いた麺料理の数々が載っていた。
そこには日本にまだ上陸していない麺料理の奥深さがあった。
ラーメン一つだけでもこの奥深さだ。他の料理を考えるとまさに無限の興味が湧いてくる。

ここで天津飯だ。
まず、料理名に地名が含まれる。天津。
北京料理や広東料理、四川料理とは違い、より狭い範囲の地名。
なぜ、天津の名が冠せられているのか。

発祥の地と日本への伝来について、著者は詳細な分析を行う。
発祥の地なのか、発明者の出身地なのか、材料の名産地なのか。
また、いつからわが国の中華料理店のメニューになじみの品となったのか。
天津飯と天津麺はどう違い、味付けにどのような違いがあるのか。

お店のメニューから、無限の可能性が追い求められている。
人の好奇心のあるべき姿を示してくれるよい手本だ。

自分の興味が向いた対象を疎かにせず、そこからより深く調べる。そしてそれを書籍の形で世に問う。
物を書く立場に立ってみると、私たちの誰にも、同じ機会に恵まれているのではないだろうか。

ましてやいまは情報があふれる時代だ。インターネットや大宅文庫、国立国会図書館。調べるための手段に事欠かない。

ところが、その一歩を踏み出す人と踏み出せない人に分かれてしまう。機会も道具も発表媒体も世にはあふれているはずなのに。
なぜだろう。疑問のタネはつきない。
上にも書いた通り、公的なアウトプットを出したいという欲求の有無なのだろうか。

私は、本書を献本して頂いた際、また遠くに置いていかれてしまったと思った。
すごい、と。

私が本書のような書籍を世に問うには何が足りないのか。時間なのか意欲なのか。それともきっかけなのか。
全ては私の怠惰にすぎない。
私には機会も道具も発表媒体もある。
おそらく私は世の中の事物をまだ表面でしか見ていないのだろう。そこを掘り下げると無限の知識と可能性が湧いて出るにもかかわらず。

まずは好奇心の泉を涸らさずにいなければ。
思えば私が大学を卒業した後、初めて仕事をした現場にいたシステム・エンジニアの方がとても強い好奇心の持ち主だった。
私はその方から好奇心の大切さを学んだはず。そろそろこの好奇心を明確なアウトプットとして世に問わねばなるまい。
人生の師匠である早川さんが本書を献本してくださったご厚意にも報いなければ。早川さん、ありがとうございます。

‘2019/12/3-2019/12/3