2.phpを利用したAmazonへのパラメーターの生成方法について

 最初に一言申し添えておかねばなりません。なぜkintoneからAmazonの情報を取得するのにphpを介さなければならないか、について。

 cybozu.com developer networkをご覧の皆様は、すでに有識者の皆様が執筆された、秀逸なTipsの数々にも目を通されたことでしょう。Tipsの中には

  外部APIの同期処理をつかってみよう!

  他サービスのAPIからデータを取得してkintoneに表示してみよう

 という2つのkintoneから外部APIに接続するTipsも挙げられています。私も本稿を書くにあたって参考にしました。ありがとうございますm(_ _)m。

 これらのTipsはkintoneのJavaScript APIを使用しています。JavaScript内に外部APIのURLを直接書き込み、その結果を表示させる方法です。一方、Amazon APIを呼び出す際のURLですが、その中には全章で取得したAmazonの「Access Key ID」「Secret Access Key」「トラッキングID」の3種類から生成した署名文字列を含める必要があります。つまり、署名文字列を生成するにあたっては、JavaScript内に「Access Key ID」「Secret Access Key」「トラッキングID」という機密情報を埋め込まねばなりません。それを避けるために、外部のphpに署名文字列の生成や機密情報の扱いを任せようというのが狙いです。

 能書きが長くなりました。それでは実装に移らせて頂きます。

 まず、kintoneに埋め込むJavaScript内で呼び出すAPIのURLを記します。

パラメーターは ?code=ISBN&no='+Isbn としています。Isbnとあるのは、kintoneのフィールドに入力された本のIsbnを変数化したものです。Amazon認証情報に関する情報の一切はJavaScriptからは省かれています。

 次にパラメーターを受け取ったAmazonBookInfo.phpの中身を示します。

 JavaScriptに値を返すための各種ヘッダの記述と、Amazonから情報を取得する本体のphpであるSetBookByAmazon.phpの呼び出しが書かれています。ヘッダについてはGoogle ChromeとFirefox、そしてInternet Explorer 9で正常にデータが渡せることが確認できています。これは環境によって違いますので、工夫してみてください。特に4番目のヘッダで application/xml となっています。これはJavaScriptに対して渡すデータの種類を xmlとして規定する部分ですから、重要です。

 最後にパラメーターを受け取ったSetBookByAmazon.phpの中身を示します。

 これで動くはずです。あ、Access Key IDとSecret Access Key IDとアソシエイトTagはこんなふざけたものではなく、きちんとAmazonで取得した文字列を使って下さいね^^。

  define('AssociateTag','anatanoiddesu-99'); の赤字の部分を前章で取得した「トラッキングID」で置き換えてください。

  define('AccessKeyId','ICHIBANSAISHINNOAKUSESUKII');  の赤字の部分を前章で取得した「Access Key ID」で置き換えてください。

  define('SecretAccessKey','DAIJINADAIJINASIIKURETTOAKUSESUKIIDESUNENN');   の赤字の部分を前章で取得した「Secret Access Key」で置き換えてください。

 それ以外は、この内容でデータが取得できるはずです。このphpをサーバーにアップし、URLをアドレス欄に打ち込んでみてください。例えば以下のように。

 どうでしょう。XML形式でデータが表示されたのではないでしょうか。そう、あの本の情報が\(^o^)/

 なお、渡すパラメータや取得できる情報の種類はかなり多岐に亘っています。本稿ではISBNのみに焦点を当て、ISBNから取得可能な書籍情報のみについて紹介したいと思います。上に挙げたphpの内容もISBNによる取得に対応しています。Amazon Products Advertising APIの単一商品取得の ItemLookUpはこちらのリンクが公式情報となっています。

 上のphpの内容に ・・・・・・あ といった記述があります。くれぐれもこの部分はphpファイルからは除いてくださいね。動かなくなってしまいますので^^。

 以下は、その あ~か についての説明を記します。

 ・・・・あ その上の行と共にJavaScriptから渡ってきた変数が格納される場所です。

 ・・・・い Amazonから取得する情報の種類を指定します。ItemAttributesは商品詳細、Imagesは画像情報。このように複数の種類を指定する場合 , カンマでつなげます。

 ・・・・う 指定した各種パラメーターをそのパラメーター名称で並び替えます。署名作成時に必要な処理です。

 ・・・・え 指定した各種パラメーターをエンコードします。RFC3986で定められた方法に準じています。

 ・・・・お 署名文字列の生成部分です。ここで初めてSecret Access Keyの活躍の場が与えられます。ハッシュ関数によって、容易には結果から元々の文字列が推測できないような文字列に変換されます。

 ・・・・か 組み立てられたUrlから取得した文字列を取得します。結果文字列はXML形式で帰ってきています。

 ・・・・き 帰ってきた文字列を表示します。この表示処理によって、呼び出し元へ文字列が戻されます。

 これで、Access Key ID と Secret Access Key、トラッキングIDの3種類の情報とISBNからAmazonの書籍情報がデータ取得できました。あとはこれをJavaScriptで加工するだけです。あと一息です!もうしばらくご辛抱ください!!

 最後に、こちらで作成した SetBookByAmazon.php と AmazonBookInfo.php ですが、サーバーにアップする際、https://の領域ではなく、https:// の方にアップされたほうが良いかと存じます。

なぜかというと、呼び出し元となるkintoneのURLは https://******.cybozu.com/k/12/ とhttps://から始まります。これに対し、上記2つのphpファイルが https:// から始まる領域から始まると、ブラウザによっては好ましからざる動きをするからです。


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