
6月11日に愛媛県松山市で開催されたkintone hive matsuyama Vol.5に参加しました。
公式サイト
全国六箇所で開催されているkintone hiveですが、今年度は他の地域で行われたkintone hiveには参加できていませんでした。kintone hive matsuyamaが初参加となります。
個人的にも30数年ぶりの松山だったので、朝から気分も高揚していました。松山のあちこちを伊予鉄に乗って巡り、kintone hive matsuyamaの会場であるアイテムえひめまでは、三津浜駅から数キロの道を歩いて向かいました。
会場の入り口では、早速いろいろな知己の方にお会いできました。こうした出会いの場になるのもkintone hiveの良いところです。
特に私の場合、愛媛には知り合いがそう多くいません。が、kintone hive matsuyamaであれば、全国から近い志を持った方が集います。他の地域から来た方も含め、さまざまな方にお会いできました。おかげでさらに新たな知り合いが増えました。素晴らしい機会だと思います。

会場は広々としており、私が着席した席は壇上からすぐでした。各登壇者による盛り上がりも期待できます。

まずはサイボウズの村上さんから、開催の宣言と各種のkintone hiveを楽しむための説明がありました。
各地のkintone hiveでは、その地の営業を担当するサイボウズの拠点の方が司会進行の大役を任されます。愛媛にも村上さんのような方がいるのは心強い限りですね。
余談ですが、このkintone hiveの時は村上さんにご挨拶する機会がありませんでした。大役で大変でしょうし。しかもこの翌々日のkintone Café 高知 Vol.24に村上さんが当初は来られる予定でした。ところが、kintone hiveのMCの大役の後で来られなかったのでしょう。結局、お会いできたのは、さらにその翌週でした。東京で行われたサイボウズパートナーミーティングにおいてです。松山から東京へ、と言う流れでようやくお会いできたので印象深く、記憶に残っています。
さて、ここからは六名の登壇者が発表します。

・株式会社日本エイジェント 中川 楓香さん
「kintoneと一緒に現場と事務所を繋ぐ!」
中川さんの属する日本エイジェントさんは、不動産売買や賃貸仲介や賃貸管理、リフォームなどを行っておられます。そして、賃貸管理業の一環で、えひめレスQセンターという、暮らしのサービスのお困り事を対応する仕事をされておられます。
サービス内容は、水回り、電気、建具、鍵、ガス、ゴミ、建物、そして暮らし全般。なんでもできる分に経験が必要で、平均年齢が60歳で中川さんだけがZ世代だったそうです。
そして現場の数がたくさんあり、管理すべき設備ややるべき業務が多岐にわたる中、現場からひっきりなしに電話による調べ物の依頼が来ていたそうです。
それらが大きい負担になっていたため、物件設備マスターをkintoneで構築しスマホで現場で確認できるようにしたそうです。また、設備点検報告書も従来はExcel/Wordで一つ一つ作っていたのが、現場で入力し、写真を撮ればそれが帳票として出力できるようにしたそうです。

年配の方も含めて、皆さんにkintoneを定着させるために、中川さんは以下の3つの方法で、現場に到着させたようです。
①リーダーとの協力
②環境整備
③マニュアルの共有を徹底

年配の方に丁寧に説明し、味方につける取り組みは、まさに組織内にkintoneを導入する王道のやり方です。年間921時間の短縮を実現されたとか。
皆さんからの抵抗や消極的な意見が、感謝に変わったのは本当にkintoneの良さですね。中川さん自身にも仕事への向き合い方に劇的な変化があったとか。
最初から、素晴らしい登壇者が発表され、私の中でも気分が上がります。

株式会社ランネット 栢野 雅行さん
「”あの人しか分からない”を終わらせたかった ~小さな改善を止めない、私たちの業務改善~」
栢野さんの属するランネットさんは、システム会社だそうです。私にとって、それだけで親近感の元となりました。
またVRChatが趣味で、前職が自衛官として通信インフラ保守をされていた経歴も面白い。

そして、ランネットさんは、案件が多数で皆さんが多忙な故に、案件の情報や経験がチームとして共有されず、属人化されていたそうです。
ん?なんかどこかで聞いたことあるなぁ。え?これ、うちの会社と一緒やん。
うちも正直なところ、社内の情報共有がまだまだです。kintoneの企業番号は2桁なくせに、案件対応に追われて、社内のkintoneがお留守状態でした。ようやく昨年ぐらいから本腰を入れて整備し始めているのがうちです。

さて、栢野さんは、そうした過去の情報ナレッジをkintoneを用いて整えた後、皆さんが毎日入力する日報の粒度がバラバラであることに気づきます。ある上司は「見積依頼」の4文字しか書かれていなかったとか。
ある人は初見や振り返りまで含めて日報を書いているが、別の人は4文字しか書かない。そこでkintoneのレコード一覧分析AIを用いて、追加質問判定機能を追加し、簡単な日報では保存できないようにしたというのが面白いです。
ランネットさんの取り組みは、kintone AIの使い方としても優れています。同じシステム会社として、とても大きな参考になりました。

株式会社五星 小野 奈緒美さん
「「入れた後」の話をしよう kintone導入の向こう側」
一部の業務ではkintone導入に成功したけれど、その次のステップは?というアプローチが良かったです。

具体的には、Cybozu Officeのオンプレミス版をどうするか、という話しです。
Cybozu Officeからkintoneへの移管は私も経験があります。Cybozu Officeのカスタムアプリはkintoneに近い機能が実現できるため、その使用感を生かしたままkintoneに移行したいニーズもわかります。
小野さんの発表で感心したのは、粘り強さです。
粘り強いと思ったのは、1年かけてCybozu Officeのカスタムアプリが使用されてるかどうかを調べたところです。
これ、普通はどこかで妥協します。1年も調べる手間をかける位なら、変えてしまった後に現場から不具合の報告があれば、すぐに直す体制を取ります。
小野さんは現場に負担をかけない確固たるポリシーで全て影響範囲を調べ上げた上で、万全の体制をとった上で移したと言うことです。これはすごいことです。
過去に退職された方の作成した、引き継ぎを忘れたカスタムアプリ。そうしたカスタムアプリが残っていた場合、その影響範囲を調べる事は容易ではありません。

さらにには念を入れてCybozu Officeと同じユーザインターフェース、つまり画面のデザインに近づけるため、こだわりkintone Pluginを入れ、現場の方が戸惑わないように。なるべくインターフェースも合わせた上で移行する。
Cybozu OfficeとKOYOMIのUIの類似性はこの場で小野さんから教わりました。確かに。
むしろ、全くkintoneが入っていない状態で、0から1に作り上げる方がよほど簡単です。既に使われている100のCybozu Officeを100のkintoneにそのまま載せかえる方が、はるかに難しいはず。
そうした現場に徹底して寄り添う姿勢が、会場の皆さんの票を集めたのかもしれません。
中四国代表としてkintone AWARDの場でも頑張って欲しいです。

株式会社きらら 筒井 洸気さん
「人手不足を、人手以外で、解消する。 究極の生産性向上DXを突き詰める物語」
今回のkintone hive matsuyamaにおいて、私が唯一事前に存じ上げていたのがこの筒井さんです。
今回の登壇の中でも筒井さんは、kintone hiveに出ようとしたきっかけが、昨年のkintone Café 山口だったとおっしゃっていました。私はまさにその場にいました。
それどころか、筒井さんに出場をけしかけた一味の中に私も連なっているかもしれません。

ですが、本当にkintone Caféでの筒井さんの発表には驚かされたのです。ノーコードツールとAIの可能性を一つのストーリーとして見せてもらいました。
そして、この先の未来には、筒井さんのような人が少しずつ増えていくのだろうと思いました。
つまり、筒井さんのような全くの非技術者が、AIの力だけでアプリを作り、自社の基幹システムを構築できてしまう世界がすぐそこまで来ていることです。
今回もそのテーマでお話をされていましたが、kintone Café 山口の登壇とは、少し内容を変えておられました。
Caféでは、AIをどう実際に活用しているかについても、実は参考になったのです。しかし、今回のkintone hiveにおいては、そこは割愛されておられました。

そのかわり筒井さんが今回のkintone hiveで訴えたメッセージがとても素晴らしく、私のような開発者の立場にとても刺さるメッセージでした。
それはAIが来ても開発者とはバッティングせず、むしろ共存すべきとの提言です。
開発者側の立場ではこう考えがちです。AIによって開発の仕事がなくなる、と。
筒井さんは違います。AIを巻き込んだ新たなエコシステムを作るべきと言う提言です。
kintone hiveの場においてそこまで踏み込んだ提言をしてくださるのは、本当にありがたいです。票の受けは悪くなるでしょうが、それよりもまず、エコシステム全体を考えてくださる姿勢に、私は大いに感銘を受けました。
まさにこの姿勢こそ、私がkintone Café 山口で感銘を受けた筒井さんの真骨頂だと思いました。

株式会社ISS 山崎機械 恒光 一輝さん
「『現場DX』 kintoneで現場を本気で変えた話」
恒光さんの登壇内容は、現場の視点ならではでした。
ISS 山崎機械社は、鍛造と機械加工が主な業務だそうです。そして、一つの鍛造品ができるまでには主に4つのステップがあるそうです。その中の切断工程の中で起こっていた問題を、kintoneを用いて改善し、そこから作業員の皆さんが改善しようと言う気運が高まった事例です。
山崎さんはそのいきさつを発表してくださいました。
鍛造前の鋼材がメーカーから送られてきます。その際に品質保証書が鋼材と共に送られてきます。
この中のチャージ番号と言うものを鋼材にシールで貼るのですが、ここで見間違いが起こっていたそうです。
現場に置かれている鋼材の番号と鍛造すべき鋼材が間違えてしまうと大変なことになります。つまり、もうその鋼材は使い物になりません。破棄するしかないそうです。

これをkintoneを使って間違わないようにしたことで、3年以上ミスが起きなくなったそうです。ただそれまでも順風満帆ではなく、せっかく作ったkintoneが使われない問題があったそうです。その原因として、滋賀の本社と室戸工場の間で、意思の疎通がうまくいかなかったからだと。
それを解決するため、山崎さんが橋渡しの役となり、改善を行ったということです。

山崎さんの登壇内容で重要なのは、データのみにこだわらなかったことです。紙の運用は紙の運用で引き続き生かし、ただkintoneのデータを生かすところから改善を始め、現場の作業員の皆さんにとってわかりやすいレイアウトを守ったことでしょう。
ここで現場の方にタブレットを持たせ、紙の廃止にこだわると上手くいきません。システムやデータ至上主義だとうまくいかない。
この発想の柔軟性は、私も常々意識しなければと思っています。人の慣れの問題は、きちんと現場の方と話し合って、どちらにするかを決めるべきでしょう。

四国電力株式会社 岡添 圭哉さん、藤原 海杜さん
「みなさんの組織に「夢」はありますか? ~kintoneで「組織風土」が変わった法人営業部の2年間~」
kintoneですごいアプリを作ったとか改善をしたではなく、組織風土を変えたと言う話です。とても私にとって興味深いテーマであり、すぐに引き込まれました。
岡添さんは、自社のことを前例踏襲やExcelなら大得意なお堅い会社、と自虐風に語り、笑いをとります。
岡添さんが4つのアプリを作ったのに、それが全く使われない。
困っていたところに、藤原さんが現場の法人営業部の事なら分かる、ということで、藤原さんを巻き込み、2人で協力して社内に広げていきます。

結局、kintoneをただ作っただけでは、現場の負担になってしまい、活用されないまま沈んでしまう。よくあるパターンです。
「仕組みを作ること」に意識が向き、
「現場に腹落ちしてもらうこと」が足りていなかった。これは、本当によくあることです。
私たちのようなシステム開発会社は、余計にこのことを意識しなくてはなりません。

ところが、そこで藤原さんが一生懸命作っていたデータが、今後の自分たちを楽にするかもしれないと言うことに気づいて、話がガラッと変わってきます。

「kintoneは、営業データを育てる畑だった」
「負担だと思っていた入力が、未来の営業を助ける資産になる」
今回の kintone hive matsuyamaは、この言葉が私の中で最も印象に残りました。自分が普段、考えていたことを、このような巧みな表現で伝えてくれたことによって。
今の負担は、将来の自分を楽にする。大企業は、こうした諦めと恐れが蔓延しているのでしょう。これが変化を阻んでいるのではないか。
それからは、全てを自分たちで変えていく風土が生まれていきます。この流れは本当に素晴らしいと思いました。心を動かされました。
さて、六組の登壇者の皆さんの登壇は終わり、投票タイムです。
そして、その集計の間、壇上には、5名の方が。そのうちの数名は私の知る方。
「kintoneのAI、まず何から使う?現場の実感トーク」と題してのパネルセッションです。
サイボウズの佐藤さんがファシリテーターで、カミノバのじゅんちゃん、アールスリーインスティテュートの沖さん、さくら税理士法人の蒲原 さん、株式会社カワニシの岩木さん。

とにかく、kintoneは堅牢にデータが貯まっていて、AIは信用して使って欲しいということに尽きます。

さて、中四国代表は小野さんになった訳ですが、私、その瞬間の写真を撮り忘れてしまったらしく。
しかも、その後の行動もかなりバタバタでした。
山西駅まで徳島の本橋さんと帰り、駅ホームではカミノバの竹内さんとばったりお会いして、三人で松山市駅へ。ところが、私はそのあと高知に移動する必要があるのに、トランクをホテルに預けていたことに気づき、JR松山駅北のホテルまで電車で戻り、さらに松山から高知のバスを取ろうとしたら、すでにチケットが売ってさえなく、やばいと早足で松山市駅まで戻り、そこでもバスがなく、途方に暮れながら頭をフル回転し、またJRの松山に戻り、最終の高松行きの特急に乗って丸亀で急遽とったホテルに泊まったのでした。Hafh、キャンセル効かなかったので、高知の宿はそのまま。
そんなバタバタはありましたが、楽しく学びました。
会場でお会いした皆さん、ありがとうございました。

株式会社アップルボックス様は、設立以来30数年間、映像機器レンタルを始めとした映像関係の業務に携わっておられます。











株式会社フラン様は、40年以上前の創業時から女性向けランジェリーを扱っておられます。



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