事例:株式会社ファンドレックス様


SalesForceで運用していたリードから商談、受注処理、メール配信をkintoneに移行

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株式会社ファンドレックス様は、ソーシャルセクター(NPO・ソーシャルビジネス、財団、大学、行政、企業など社会にプラスの変化を生み出したいと願う人や組織)の支援を専門としておられます。
・調査・分析
・インパクトマネジメント
・戦略策定
・研修・人材育成
・ICTによる経営の高度化
・実行支援
を業務の軸として、ソーシャルセクターが持続的に活動していくための各種コンサルティング活動を行っておられます。

ソーシャルセクターは、利益だけを目的としていないために課題が多種多様です。ファンドレックス様の的確なコンサルティングによって事業が継続するお客様が、また別の組織や個人に利他の精神を伝達していきます。ファンドレックス様の活動は社会のあらゆる層に価値を届ける起点となるのです。

ファンドレックス様から顧客に対して情報を届けるため、顧客管理はとても大切です。
お問い合わせフォームからのリード(見込み顧客)獲得から、各種セミナー集客、商機をつかむための各種配信。ファンドレックス様の営業活動の肝となるのが顧客管理です。

使っておられたSalesForceからkintoneへ顧客管理を移管したい。弊社にご相談をいただいたのは、この点でした。

SalesForceからのデータ移行

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SalesForceの内容を拝見したところ、カスタマイズはそこまで行われていませんでした。
ただし、カスタマイズオブジェクトやカスタマイズ項目はたくさん追加されていました。

SalesForceからkintoneへのデータ移行については、弊社は何度も経験を積んでいました。
リード(見込み顧客)や商談、顧客情報や担当者情報の構造も理解していました。
そのため、データ移行については初期移行と差分移行を何回か行うことで苦戦せずに完了しました。

苦戦はしなかったのですが、注意を払った点があります。それは項目名です。
SalesForceは項目を区別するためnameプロパティがあります。kintoneでいうところのフィールドコードです。ただし、nameの文字列に使えるのはアンダースコアと英数字のみ。日本語は認められていません。日本語が使えるのは別のlabelプロパティです。kintoneでいうところのフィールド名です。

kintoneはフィールド名とフィールドコードの両方に日本語が使えるため、弊社の開発ポリシーではその二つは原則として合わせます。そうすることで後々のプログラミングの生産性は上げられます。
ですが、移行にあたっては差分取り込みを考慮すると、kintoneとSalesForceの情報を合わせておかねばなりません。そのため、しばらくはkintone上のフィールドラベルと名称をSalesForceの値に合わせておきます。

kintoneのフィールド名とフィールドコードをどの時点で日本語に切り替えるか。
今回はそのタイミングの調整に気を使いました。

外部からのウェブフォームからの取り込みはSalesForceのWeb-to-リードを使っておられました。
フォームについてもkintoneに移行した後も使えるようにする必要があります。
今回は、後々の保守性を考慮してトヨクモ社のFormBridgeを提案しました。

FormBridgeを利用することで、フィールド名とフィールドコードを日本語に切り替えるタイミングで影響が少ないようにしました。

ただ、この後述べるメール配信プログラムとの連携においてはタイミング毎にプログラムの修正が発生しました。

メール配信について各種サービスの検討を行う

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ファンドレックス様はメール配信をSalesForceの機能を使って頻繁に行っておられました。

つまり今回の移行の肝は、メール配信をどうやって円滑に移行させるかありそうです。
SalesForceからkintoneに移管した後も変わらずに、ファンドレックス様の多くの顧客やリードに対してメール配信を行う。それが必ず超えるべきミッションでした。

そこでkintoneのさまざまなメール配信サービスを検討しました。
その結果、Benchmarkを採用しました。kintoneとBenchmarkは双方が持つRest APIを使って連携させることに決まりました。

kintoneエコシステムの中には有名なメール配信サービスがあります。
その中でBenchmarkを採用したのは、ステップメールが送れることや、メール配信・開封状況が管理できることなどが理由です。

メール配信運用について、抱いておられる不安を払拭していただくことに注力

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Benchmarkとkintoneの連携開発は弊社でもすでに実績がありました。
ただ、kintoneに移行した後にもメールの配信が円滑に行えなければなりません。

そのため、メール配信については、運用担当者もまじえて何回か話し合いの機会を持ちながら進めました。
ファンドレックス様はかなり長い期間SalesForceのユーザーでいらっしゃいました。
そのため、弊社ではkintoneやBenchmarkの信頼性がSalesForceに劣らないことを説明し、信頼を抱いてもらうことに注力しました。

また、Benchmarkはメール配信サービスです。重複メールアドレスの扱いなど、メール配信サービス特有の仕様についてもご理解を深めていただきました。
もちろん、弊社でもさらにBenchmark自体の仕様を理解するとともにAPIの理解も深めました。

また、どの項目をメールに埋め込むのかについても様々な工夫を凝らしました。
Benchmarkは埋め込み設定ができる仕様ですが上限が定められています。配信するメールごとに埋め込む項目を考えると上限にぎりぎりになってしまうため、そのやりくりをどうするかはシステム側の課題でした。
そうした連携について、APIを駆使してkintoneからBenchmarkへの連携実装のめどを付けました。

その結果、メール配信の運用開始のテスト期間をへて、無事に移管が完了しました。

弊社がこの部分はまったく関与せず、ファンドレック様によりメールの配信は運用していただいています。

ファンドレックス様ありがとうございました。

ファンドレックス様より

導入までの日々と現在をファンドレックス社の長谷川様はこう語ってくださいました。

私はkintoneへの移管の担当ではありましたが、設計や作業のためのまとまった時間がなかなか取れず、アクアビットさんにはいつも五月雨な相談の仕方でした。それでも
しっかり寄り添ってご対応いただけたことが、大変ありがたかったです。

相談の最初では、kintoneを中心としたシステムでできることと実装としてオススメでないことを分けてお話してくださったので、導入のガイドになりました。
今まで私が経験していたシステム開発では、ウォーターフォール型で最初に要件整理業務設計そして開発と進むものでしたが、kintoneの特性として実装しながら修正していく方法に頭に切り替えるのが大変でした。その中で、色々と相談しながら進めることができたことが、とても良かったです。

kintoneは使いながら育てるシステムなので、今でも業務でやりたいことを考えたり社内の意見を取り入れながら修正しておりますが、行き詰ったらまたアクアビットさんに相談しようと思っております。どうぞ引続き、よろしくお願いいたします。

ファンドレックス様のご紹介

社名 株式会社ファンドレックス
所在地 〒108-0075 東京都港区港南2-16-1 品川イーストワンタワー762号室
連絡先 03-6894-2147
役員 シニアパートナー 井上 義雄
パートナー 平尾 千絵
パートナー 相澤 順也
創業 2008年7月1日
URL https://fundrex.co.jp/

事例:株式会社アップルボックス様


Excelで作り込まれた受発注システムの刷新にあたってkintoneを選定

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株式会社アップルボックス様は、設立以来30数年間、映像機器レンタルを始めとした映像関係の業務に携わっておられます。
メディア業界の進歩とともに映像機器の需要は増大しています。業界の進展と技術の進歩に対応しつつ、さまざまなプロダクションや映像関連企業からのご要望に応えておられます。

CMやPV等の映像制作は、さまざまな関係者の調整が必要になるため現場は多忙を極めます。
見積もりから受注に至った後も、お客様のご要望にあわせてスケジュールの突発的な変更もあります。臨機応変かつ迅速な映像機材の提供が求められます。

アップルボックス様ではそのような業界ならではの事情に合わせ、ご担当者様がExcelで全ての管理を行えるようなツールを作っていました。
そのExcelはブック間、シート間、セル間をまたいだ複雑な処理を制御し、受発注や機材、技術者、在庫管理など、会社の日常業務の大半で欠かせないものでした。実際、かなり作り込まれており、独自のノウハウが組み込まれていました。

ただ、管理すべきデータ量が膨大なため、どうしてもマクロの実行速度が遅くなり、Excelでは動作の安定性に不安があることからツールを開発した入来院様は頭を悩ませておりました。

そのような折、入来院様へ社長の金子様から「キントーンではどうか」とのご提案をいただいたとのこと、サイボウズ社からの紹介で弊社が担当させていただくことになりました。

マスタ整備、機材スケジュール管理および帳票開発が大変

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kintoneの開設から、運用開始までは約9カ月。
時間がかかったのは、マスタ整備が大変だったからです。アップルボックス様にはマスタ整備の作業でご苦労をおかけしました。

管理されている機材の種類が多いため、機材データの整備にも工夫が必要でした。
kintoneの<文字列一行>項目に重複不可の設定を行うと、文字数が64文字に制限されてしまいます。そのため、機材コードと機材名称を連結してユニークな値を作ろうとすると、機材によっては64文字を超えるケースもあります。
そうならないように機材名称を変更し、データとして扱えるようにしなければなりません。マスタ整備についてだけで何度も打ち合わせを行いました。

また、機材スケジュールを確認し、それを柔軟に修正するためのユーザーインターフェースの調整も苦労した部分です。
一つの撮影現場で使われる機材の数は何十種類にもわたります。さらに複数の案件が並行します。一つの案件でさえ、複数の現場が切り替わります。そうした状況でも機材を確実に現場に届けるため、アップルボックス社のご担当者様は、細心かつ迅速な機材スケジュールの調整を行っています。
kintoneの標準の一覧画面だけでは細かい制御ができません。時系列管理もできません。

そのため、ガントチャートを導入しました。Cybozu Developer Network上のサンプルプラグインであるガントチャートプラグインをベースに弊社がお客様向けにカスタマイズしました。

もっとも苦心した実装は帳票でした。
一つの見積書や請求書に載る明細行の多さや、事後見積書といった映像業界ならではの商慣習。
また、一つの案件の中でも複数の場所、日時が分かれます。それに応じて明細をページごとに分けて発行する必要もありました。

これを可能にする帳票ソフトウエアはそれほどありません。帳票にかなりのカスタマイズが求められたため、帳票Online for kintoneを提案しました。弊社は風神レポートという帳票Onlineの帳票を設計するためのソフトウエアも所持しています。それを用いて細かく帳票をカスタマイズしました。
鏡と明細ページを連結し、さらに明細行の表現もさまざまなパターンが実現できるように制御しました。

帳票については弊社メンバーが頑張って実装してくれました。

Excelから脱却した後は、手配についてさらなる改善を加えつつこれからへ

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kintoneによる運用を始めたことで、アップルボックス様の受発注や機材手配はExcel運用から脱却しました。
その後も、受発注や商流だけでなく、機材手配のための改善へのご要望に対応しつつ、今に至っています。



今回の成功の理由は、Excelツールを作ったご本人である入来院様が仕様をすべて把握しておられたことにつきます。
ただし、Excelとkintoneではユーザーインターフェースや操作性に大きな違いがあります。入来院様にはkintoneの操作性やインターフェースの違いを何度も説明し、相互の認識を深めていきました。
入来院様がkintoneならではの操作性やデータ構造を理解していくにつれ、構築に当たって仕様の調整が楽になり、実装速度も上がっていったように思います。

入来院様はExcelで複雑なツールを構築するほどデータの扱いに長けていらっしゃました。ということは、データの動きのイメージを一次元、二次元、三次元、四次元のレイヤーで理解していただけるはず。そのイメージをお互いが理解すれば、複雑なExcelツールであってもkintoneに理解できる。

アップルボックス様側の構築が軌道に乗り始めたのも、相互でもっているイメージが把握できたことが大きかったように思います。
そして、kintoneのテーブル活用やアプリ連携など、kintoneの特性や癖を存分に生かしつつ実装ができたのではないかと思います。

代表は初期構造の設計まで手掛け、その後はメンバーが打ち合わせや実装も含め、かなりの部分を担ってくれました。そして、がんばってやり切ってくれました。
その意味でも弊社にとって重要でかつ思い出深い実装でした。

アップルボックス社の皆様、ありがとうございました。

導入してから

着手から導入までの日々をアップルボックス社の入来院様はこう語ってくださいました。

アクアビットの代表様及び若い開発担当者の方々には大変ご苦労をおかけすることとなりましたが、おかげさまで稼働まで漕ぎつくことができ感謝しております。
よりよいシステムにしたく、今後ともお力をお借りすることになろうかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

アップルボックス様のご紹介

商号 株式会社アップルボックス
本社 〒224-0053 神奈川県横浜市都筑区池辺町4879
代表者 金子 直揮
設立 1989年12月22日
資本金 1000万円
事業内容 映像撮影用照明機材関連業務等
ウェブサイト https://www.applebox.co.jp/

事例:株式会社フラン様


基幹システムと店舗POSレジシステムの刷新にあたって、周辺システムにkintoneを選定

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株式会社フラン様は、40年以上前の創業時から女性向けランジェリーを扱っておられます。
当初は輸入ランジェリーの販売が主でした。その後、各地のショッピングモールにチェーン展開を始めると同時に商品ラインナップを大幅に見直し、今では豊富なデザイン・機能・サイズのランジェリーを展開しています。
本稿を執筆時点では全国にリアル店舗が19店舗。オンラインショッピングモールに11店舗を出店し、順調に成長しておられます。

フラン様を弊社にご紹介くださったのは株式会社スマレジ様及び大幸パートナーズ株式会社様です。
フラン様と弊社のご縁のきっかけとなったのは、フラン様が各店舗のPOSレジシステムの刷新を行うと決めた時点からです。
フラン様はまず、スマレジ社にお声掛けしました。
スマレジ社の運営するスマレジはPOSレジ機能に特化しています。POSレジ機能を補完するため、スマレジにはアプリストアが用意されています。多くのアプリ群がスマレジの機能を支えています。そのアプリ群の一つにスマレジから請求書を出す「セイキューン」があります。大幸パートナーズ様は、この「セイキューン」を開発・運営されておられます。
ところが、フラン様が望む請求書発行の運用は「セイキューン」で満たせたものの、他の店舗運用を満たすためのアプリがアプリストアにはなく、その解決策をフラン様より相談された大幸パートナーズの五十嵐社長が提案したのがkintoneでした。
そして、kintone側を担うシステム開発会社として弊社を推していただきました。

多種多様の品揃えを管理するための設計

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スマレジの標準機能では実現できない運用。フラン様の課題は最初から明確でした。

まず、商品管理です。
フラン様が展開するランジェリー商品のラインナップは、上に書いたとおり多種多様にわたります。そのラインアップを支える上で細かい商品管理が欠かせません。ところが、スマレジの備える商品管理機能はフラン様の要望を完全に満たしていませんでした。
例えば、フラン様のランジェリー品目はサイズごと色ごと品番ごとに設けています。それらの商品管理単位(SKU単位)の数はアクティブな点数だけを数えても五万点を超えています。その入力方法はどのように行うのか。データの関連性はどう設定するか。
さらに、SKUの一つ一つにJanCodeを発番する必要があります。スマレジのPOSレジ機能にはその機能がありませんでした。

次に商品物流管理です。
スマレジのリテールビジネスプランには入庫、入荷、出荷、出庫などの機能が備わっています。また、高度な在庫管理機能も備わっています。
ですが、それらの処理をスマレジに指示する際、一店舗ずつ処理を行う必要がありました。
つまり、多店舗×多品種で運用するフラン様の業務上、入力の手間が生じることが予想されていました。

続いて、売上分析機能です。
スマレジが擁する売り上げ分析機能では、経営のかじ取りを行うための分析ができず、分析をkintoneで代替させたいとのご要望もお持ちでした。

あと一つは、オンラインショップの売上データを変換し、そのデータをスマレジの売上データとして登録する機能です。
これもkintoneを経由させ、データを加工させればよいのではという構想をおもちでした。

最後に、ピッキングリストを発行する機能です。これが一番のフラン様のご要望でした。
ピッキングリストとは、倉庫の担当者が商品を棚から選ぶ際のリストの事です。
つまり出荷/出庫予定に対し、迅速に棚から商品を出すリストの出力が喫緊の課題でした。
スマレジはタブレットから簡単に出庫予定を出せます。が、紙のリストを出す機能はありません。SKU点数が多いフラン様の運用上、より運用に即したピッキングリストを出す必要に迫られていました。
望ましいピッキングリストとは、現在の在庫数に加え、入荷・入庫予定を算出してくれるものです。
店舗ごと、SKUごとに設定した在庫定数を下回るか、または指定した任意の期間の売上数に応じた数量を反映したピッキングリストを出すことは、フラン様の各店舗の在庫管理の肝でした。

スマレジはPOSシステムとして優れた機能を持っています。
ですが、それでも上記のようにフラン様のような多品種を扱う業種では補いきれない点がありました。
これらの機能をkintoneで補完し、スマレジのPOSレジ機能の良さを生かす。これが今回の案件のミッションでした。

SKUの多さを克服することが大変

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開発の期間は約半年。
約半年の間、kintoneのアプリ間の連携や、JanCodeの発番機能の実装など、kintone側で出来ることは順次仕上げていきました。
特に商品管理を実現するため、多くのアプリを組み合わせました。品番やSKU、カラーやサイズなど。そうしたアパレル系のお客様ならではの商品管理を実現することがまず最初の難関でした。
フラン様のご担当者と何度もオンラインで打ち合わせを重ね、kintone自体の癖や特徴もお伝えしながら、より良い商品管理につなげていきました。

また、フラン様が求めるSKU単位で商品管理を行うご要望では、多数のレコードが必要でした。
それは、kintoneのレコード数の増加と、レコード数が多いことによる処理時間の増加に直結します。
処理時間を工夫し、タイムアウトエラーを起こさずに処理を実現する。それが開発上でもっとも苦労した点でした。
どうすれば処理時間を短くし、業務に影響を与えぬように短時間で処理を終わらせられるか。

例えば、新たな商品を登録した場合の処理です。
kintoneには商品データの背後に多くのマスタアプリが連なっています。商品データを登録した際、多くのアプリにデータを連動することが求められました。
さらに、kintoneで作ったデータをスマレジに登録する際も大量データによる問題が発生しました。
そのため、当初はフラン様がCSVを取り込む運用を行う想定でしたがうまく行きませんでした。
そこで、当初は開発範囲外だったkintoneからスマレジへの商品登録の必要が生じました。

また、店舗ごとSKUごとに在庫の定数レコードを作成する処理も必要です。
頻繁に新商品が発生するフラン様の場合、細かいデータの連携が必要となります。
当初はデータを連携するためにkintoneの画面上にボタンを設置していました。ところがボタンを押した後に処理を待つ時間が生じ、さらには大量のデータを処理する間にタイムアウトエラーが生じてしまいました。
これは一件ずつ、追加と更新の判断をしながら、大量のレコードをkintoneで処理する必要があったためです。これをどのように制御するか。処理がタイムアウトしてエラーになる事象をどのようにして回避するか、ここでも開発に腐心しました。
こうした処理はkintone内でJavaScriptに担わせる実装をやめ、サーバー内においたphpプログラムに任せるように処理を変更しました。
その際も、夜間バッチや都度処理の併用を幾パターンも試しました。

大量データに関する課題は、ピッキングリストの発行処理でも生じました。商品データ、在庫定数データ、売り上げデータ、そして入荷/入庫予定データ。ピッキングデータを出すまでにはいくつものアプリで大量のデータを扱う必要がありました。
これらの処理も全てphpに移管しました。しかもkintone画面上でもタイムアウトを生じさせないよう、Ajax処理を時折挟んで制御を行い、タイムアウトが生じないような工夫を行いました。

あと、ご要望としてあったのが、スマレジの各種データをバッチでkintoneに取り込む処理の実装てす。これも何度も調整を重ねました。
バッチ処理を実行するのは一時間おきなのか、それとも一日一回なのか。
スマレジのAPIの条件設定も含めて、その実装にもかなりの創意工夫を凝らしました。

スマレジのデータを追加/更新する際、スマレジ側で処理時間のタイムアウトにならないような工夫も必要でした。
そのエラーを回避する検討にもかなりの時間を掛けました。
ブラウザで制御を行うため、一定期間ごとにAjaxで処理を更新する機構はまさにその一つです。
データ数が何万件にもなる場合、kintoneとスマレジの両方で考慮しなければならない点が多く、それらを満たすための処理にはかなりの時間を掛けました。

お客様にもkintoneに関わっていただきながら運用へ

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並行してフラン様にもkintoneの理解を深めていただきました。
フラン様のご担当者様は、kintoneのコマンドラインツールであるcli-kintoneの使い方を学び、自力で kintoneからの出力処理を実装するまでになりました。
弊社はこうした実装については助言をし、お客様自身で可能なように支援しました。
その助言をもとにkintoneを使いこなしていただけたのは、今回の開発において手応えを感じたことの一つです。

kintoneアプリの修正も双方で連携をとりながら、破綻させずに少しずつ運用開始に向けてkintoneとスマレジの双方で実装を進めていきました。
各店舗のスタッフ様への操作研修も順次実施していただき、無事に11月に運用が開始できました。

特筆すべきは、初めのご挨拶から運用開始まで、一度もフラン様とはオフラインの対面でお会いしていないことです。
全てをリモート(zoomとチャットワーク、たまに電話)の連絡だけでやり切りました。

これは弊社にとっても大きな自信となりました。フラン様の皆様には感謝です。

フラン様より

フラン社の奥村社長はこう語ってくださいました。

「ここまでクライアントの要望を何度もくみ取り対応頂ける開発会社は初めてです!」

弊社のPOSレジの切り替えに伴い、業界でも注目されているスマレジの利用を検討しておりました。機能を調べたところ弊社の運用において不足している機能が多々あり導入を半ば諦めていたころ、ご縁を頂いたのがアクアビット様になります。弊社ではKintoneの利用経験がなく実際の運用にあたり問題が発生しないか心配しておりましたが、アクアビット様の度重なるヒアリングをベースにした開発や問題発生時の素早い対応などにより、当初の心配が嘘のように無くなっていきました。これからも弊社のパートナーとしてサポート頂きたいと思ってます!

フラン社の小林様はこう語ってくださいました。

「kintoneについての知識がゼロの段階から、
毎回のミーティングを通して弊社側の要望や意図を汲み取り、
個別アプリの作成、アプリ間の連携、そしてスマレジとの連携に至るまで、次々と形にして頂けたこと、
またその後大きなトラブルもなく今日まで運用できているのは、
アクアビット様のお力無くしては出来なかったことだと改めて感じています。
運用開始後もエラー発生時の迅速な対応や、改善するために多くのサポート頂き、絶大な安心感を持って日々の運用が出来ていることにも本当に感謝しています。
引き続きどうぞよろしくお願いします。」

フラン様のご紹介

商号 株式会社フラン
本社 〒488-0044 愛知県尾張旭市南本地ヶ原町3-110
TEL 0561-54-6813
代表者 代表取締役 奥村 聡
設立 1981年1月23日
資本金 1000万円
ウェブサイト https://fran-de-lingerie.com/

事例:三宝興隆会様


会員管理の基盤をkintone中心とした構成に変更

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三宝興隆会様は、宗教法人・三宝禅に関わる、または三宝禅に直接管理される全ての活動を支援運営する任意団体です。
宗教法人三宝禅は70年以上前から活動を開始しており、禅の精神を世界に伝えるためにさまざまな活動を行っておられます。

日本を発祥とした団体であり、昨今の世界中への禅の広まりによって、世界各国に会員を抱えておられます。その広がりはアジアだけでなくヨーロッパ諸国にも。
今の人類の悩める状況を禅の精神をあまねく広め、人々の悩みに寄り添う。その意思に賛同した世界各国の会員に向け、会報や書籍などによる活動を展開されておられます。

三宝興隆会様は、三宝禅の会員との会費徴収や連絡などを主な業務としていますが、世界各国に散在する会員との会費徴収に課題を抱えていました。
年会費が原則の会費ですが、途中で入会された方や、退会された方に対する月割りの会費徴収業務の煩雑さ。それが改善を要する課題でした。
会員管理にはMicrosoft Accessで作成したデータベースをお使いでしたが、メンテナンス担当の方が年配になっていたことやクラウド連携の必要性など、今後の保守に不安が生じていました。そこでkintoneの導入を判断されました。

正直にいうと、構築までに難航し、予定よりも時間がかかってしまい、ご迷惑をかけてしまいました。
その反省も踏まえて弊社の事例として投稿したいと思います。

kintoneを中心とした構成

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最初にご連絡をいただいたのは2020年の12月です。代表がちょうどCybozu Days 2020 Osakaに登壇するため大阪に出張に行っていた時期だったので記憶に鮮やかです。

ご連絡いただいた時点で、御担当の山田様の脳裏には全体の構成についてのある程度明確な方針が定まっていました。
・kintoneで全世界の会員名簿を管理する。
・WordPressで会員向けページおよび、入金用のページを実装する。
・入金用のページにはStripeを使った決済処理を表示させ、Stripeに処理を任せることで堅固な決済処理を実現する。

あとは会計処理です。それについては弊社より会計freeeをご提案しました。
会員より会費の入金があった場合の仕訳はfreee側に自動的に登録するように実装すれば、会計処理も運用が回るはず。

freeeとStripeはSaaSです。PaaSのkintoneとはRest APIで手軽に連携できるはず。
特にkintoneと親和性の高いfreeeは弊社代表がオンラインハンズオンの講師も務めたことがあり、連携も簡単に実現できるはず。
そこまでできればあとはWordPress内にkintoneから値を表示させ、Stripeの入金画面を表示させるだけで実装は可能。
そう判断して着手しました。

MemberPressとStripeの仕様理解に苦しむ

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ところが、これがとても難航しました。

2020年の12月。初めにご連絡をいただいた際、弊社は翌年の1月に初めてのメンバー二人の雇用を控えていました。
二人のメンバーのうち一人がWordPressに明るいとのことだったので、実装を任せることにしました。

まず、つまずいたのはMemberPressの理解です。
WordPressはCMS(Contents Management System)です。
その拡張機能は多岐にわたりますが、MemberPressはその一つです。
会員管理や会費納入状況によるコンテンツの表示制御ができるため、海外では比較的導入実績があるようです。

ところが、MemberPressはあまり国内で使われていなかったのか、日本語のドキュメントが少なく、有用な情報が見つけられません。
そこでまず、そもそもの機能の理解に手間取ってしまいました。機能の説明を一生懸命理解しようと努めましたが、言葉の微妙なニュアンスがくみ取れず、この機能や処理の制御がどのようになっているのかあいまいなままでした。
機能の理解がおぼつかない上に、APIのレファレンスやサンプルもすべて英語です。その微妙な機能の制御の理解がまったく進まず、ただ時間だけが過ぎていきました。

Stripeも弊社にとっては初挑戦です。
Stripeもドキュメントの多くが英語です。レファレンスはまだわかりやすかったのですが、テスト用の環境と本番用の環境が別だったため、環境構築やテストの実施などに紆余曲折がありました。

初めに任せていたメンバーは、頑張って実装に向けた作業を行ってくれました。
WordPressのログイン制御など、MemberPressだけで実現できない部分も実装してくれました。

が、時間はあっという間に過ぎていきます。
そうこうしているうちに、そのメンバーはCybozu Days出展を巡る価値観の違いもあって退職してしまいました。

初めて雇用に踏み切った代表にとっても挫折に苦しんだ時期でした。

メンバー交代で実装が前進する

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メンバーの退職の少し前から、開発の遅れは顕著になっていました。
ところが当初の山田様のご要望では、2021年の年末にはリリースしたいとのことでした。その理由は、会費徴収の切り替わりのタイミングです。年末だと切りがよいので、この時までに実装したいとのことでした。

ところが、この時点で実装は間に合わないことが明らかでした。
そこで、弊社に専任で関わってもらっている技術顧問に実装に入ってもらいました。

そして、11月末でメンバーが退職してからは、弊社の技術顧問がバリバリと実装を進めてくれました。

引き継いだ時点で退職したメンバーががんばって仕様の理解を進めてくれていました。それもあって、MemberPressやStripeの仕様の理解も進み、実装のめどがみえました。

さらにはWordPressに表示する文字列もシステムによって切り替える部分を簡単に切り替えられるような仕組みも実装できました。

ただし、年末には間に合わず、運用は後回しをお願いしました。
ご迷惑をお掛けしてしまいました。

なお、kintoneについては早い時期に実装は終えており、
こちらについてはあまり修正の必要がありませんでした。
この時、WordPressのデータベースを使わずにkintoneを使う実装にしていたことが、
データベースを整備する手間を省いてくれました。

会費のほかにも寄付金の入金もできるように

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連携のほとんどはphpを使っています。
kintoneで処理が行われればWebhookでMemberPress(=WordPress)にユーザーを作成すると同時に、Stripeにもアカウントを作成し、さらにfreeeの取引先にもデータを追加します。
WordPress内で入金処理が行われれば、StripeのWebhookを通してfreeeに仕訳登録の処理を行い、kintoneにもその旨の情報を更新します。

それらの仕組みのほとんどは2021年の年末までに実装にめどをつけ、年明けからテストに入りました。
その結果、2月頭には本番環境にプログラムをリリースできました。
なお、山田様と弊社のやりとりは全てオンラインで完結しました。一度もお会いしていません。コロナの中だからこそ、このような複雑な実装がオンラインだけで実現できたことでも
印象に残っています。

結果、今回の一連の仕組みについては、
このような連携となっています。

その後、追加で機能の拡充のご要望もいただきました。
会費だけでなく、任意の金額の寄付金も入金できるようにする機能です。
そちらも無事に納品ができました。

とはいえ、反省点は無数にあります。
今回の遅れについてはメンバーのアサインや指導方法など、ありとあらゆるところで代表である私に非があります。
任せるべきところとフォローすべきところのツボがずれていたこと、英語のドキュメントを通した仕様理解についての見通しが甘かったことです。

あらためて、遅れてしまったことについては三宝興隆会様にはおわびします。
そして、それにもかかわらず事例記事のアップのご快諾をいただいたことに感謝を申しあげます。ありがとうございました。

今後の展開

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これからも会費徴収や税処理、経理処理にあたっての国の制度変更もあり、
改修は発生するとみています。

まずは、現時点で運用に乗っていることに油断せずに行きたいと思います。

そして、弊社にとっても貴重な経験値が得られた結果を無駄にせぬよう、
StripeやMemberPressとkintoneやfreeeとの連携に向けたご要望に対応できるようにしたいと思います。

まとめ

弊社にとって三宝興隆会様はkintoneとStripeやMemberPressの連携など、英語ドキュメントとの戦いでした。これはとても貴重な経験値となりました。それもあってとても印象に残っています。

まずは今後の運用も油断せずにいきたいと考えています。ありがとうございました。

三宝興隆会様のご紹介

名前 三宝興隆会
ウェブサイト http://www.sanbo-zen.org/

事例:法政大学アメリカンフットボール部様


チーム運営の情報基盤をkintone中心とする方法に変更

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法政大学アメリカンフットボール部様は、日本アメリカンフットボール史において屈指の強豪チームとして知られています。
甲子園ボウルに十八回の出場を果たし、五回の優勝を誇ります。幾多もの激闘と熱戦を繰り広げてきた名門チームです。
法政大学ORANGEの名で知られています。

部員は選手だけでなく、スタッフ、マネージャー、トレーナー、マーケティング、アナリストなど多くの方々を擁しています。その数は監督やコーチやチームドクターを含めると約180名ほど。
ほとんどが学生である以上、毎年、選手・スタッフ・マネージャー・トレーナーのかなりの人数が入れ替わります。
その入れ替わりに耐えられる柔軟な情報基盤の構築が課題でした。

もともと法政大学ORANGE様の内部の情報共有は、Google CalendarとSlackとONE TAP SPORTSとGoogle SpreadSheetを組み合わせて運用されていました。
それを今回、kintoneをベースに構築し直すことになりました。

きっかけは、チーム応援カフェに矢澤様が来られ、そこで相談されたことです。そのご縁からサイボウズ社の毛海さんを通して弊社をご紹介いただきました。
弊社の代表は社団法人様や自治会様などへの導入実績ももっています。それも含めて御推奨いただいたのだと思います。感謝申し上げます。

構築の最初のフェーズが一段落して半年。チーム応援カフェに矢澤様が登壇された際(9/21)、弊社代表も一緒に登壇しました。その中で法政大学ORANGE様の取り組みについて、あらためて皆さんにお伝えすることができました。
その時の登壇内容については、サイボウズ社から以下のリンク先に記事をアップしていただいています。
日本一を目指すアメフト部の、強いチームを作るためのキントーン活用術【法政大学体育会アメリカンフットボール部】
本稿の内容はその時の登壇内容やこの記事の内容に被っている部分もありますが、弊社の事例としてご紹介したいと思います。

短い期間で実装する難しさ

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今回のご要望は初めてお会いしてから実装完了までの期間が短く、大胆な伴走開発の提案と実践が必要でした。
記録をたどってみると、2022/1/28にメールでご連絡をいただき、2022/2/3に部室を訪問しています。

訪問し、まず現状の運用を伺いました。
上掲の記事にも書かれているとおり、その時点で法政大学ORANGE様が運用されていた機能を
以下に列挙します。
・Google Calendarでスケジュール管理。
・Slackで日々の連絡。
・ONE TAP SPORTSで体調管理。
・Google SpreadSheetで各種データ管理。

その際、4月から運営を開始したい機能としてご要望された機能を以下に列挙します。
・スケジュール管理
・出欠管理
・体調管理
・Slack連携
・ID管理

また、年度内に実現したい機能としていただいた機能を以下に列挙します。
・テーピング費用請求
・面談管理
・書類管理
・物品在庫管理
・テーピング在庫管理
・問い合わせ対応

この時点で4月の運用開始までに使える日数は57日。にもかかわらず、kintoneであればほとんどの機能は実装できると判断しました。

ただし、Slack連携だけは別です。
ご予算の上限も併せて考えると、全ての連携の実現は難しいと答えざるをえませんでした。
なぜならば、Slackのチャンネルの数が多岐にわたっていたからです。その数は30数個。それらのチャンネルに対し、kintoneアプリの特定の条件を満たした場合に通知を行う実装を全て弊社で行うことは難しいと判断しました。

短時間で実装するための柔軟な開発

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4月からの運用に向け、弊社が提案したのは以下の通りです。
・その時点で運営されていた仕組みをいったんkintoneに集約させることを優先。
・チーム応援ライセンスの利点を生かして全選手やスタッフのアカウントを作成する。
・ID管理はCybozu.comの中で行う。
・Cybozu.comにアカウントを作れば、スケジュール管理/出欠管理/体調管理はkintoneで実現可能。
・Slack文化が根付いていて、チャンネル数も多いため、kintoneと併用する。
・Slackとkintoneを連携させるサンプルプログラムを提供するので、学生さんに実装してもらえないか。

法政大学ORANGE様は、選手以外にもマーケティングやマネージャーなどのバックオフィスを担う方を数多く擁しておられます。しかも皆さんはデジタル・ネイティブの世代であり、ITツールに対して抵抗がありません。普段の連絡もSlackで行うことが定着しています。
そうした学生さんの力を使い、Slackとkintoneの連携をどこまで弊社の手を使わずに実装できるか。それが今回の肝でした。

Slack以外の実装は弊社の作業です。弊社側ではまず部員やスタッフなどのマスタを提供いただき、それを整備するところから着手しました。
情報基盤をkintoneに移すためには、アカウントとして完全な形で整備する必要があります。幸い、チーム応援ライセンスによって900アカウントが使えます。そこにデータを移管すれば、あとは体調管理や出欠管理やその他のkintoneのアプリを実装すれば機能としては実現できます。
その結果、今までサービスが分散していたことによる運用がkintoneに集約されたことで改善されるはず。
あとはkintoneの特徴をどう生かしていくか。
学生さんにもkintoneの説明をしましたし、学生さんも弊社の説明に加えて独学でkintoneを学んでいただきました。

弊社が担った作業は他にもあります。
Google CalendarのデータをkintoneのCalendar Plusのアプリに移行する作業は、
Calendar Plusでもほぼ同じようにスケジュールの運用が可能なことを早めに説明し、ご理解をいただきました。
もちろん、Calendar Plusの見た目はGoogle Calendarとは違います。いくつかの及ばぬ点もあります。が、一旦移行させてしまい、まず運用に乗せましょうと提案しました。

ONE TAP SPORTSもそのサービス内で管理している項目をkintoneで再現しました。
他にも、Google SpreadSheetで運用しているデータをkintoneでアプリとして実現する実例をお渡ししました。

Slack連携やkintoneの条件の肝をお伝えする

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あとはSlack連携です。

Cybozu.comのアカウントを使ってデータのアクセスや運用が回せる基盤はできました。あとはそこからどのようにSlackと連携するか。
この時、Slack連携の実装を自社でやることに固執せず、早めに学生さんの力を借りる提案をしたことが運用開始につながりました。

まず、弊社でサンプルのJavaScriptのファイルを作り、条件やアプリやフィールドの書き方について丁寧に説明をしました。プログラム内のこことここの値を変えれば、kintoneのアプリから任意のSlackチャンネルへ連携できますよ、といった風に。そのことを技術的な補足説明も加えながら説明し、ご理解いただきました。

弊社でコーディングする事は極力せず、学生さんにコーディングをしてもらう。その作業を担った法政大学ORANGE様のマネージャーの学生さんはとても優秀な方でした。
弊社が提供するJavaScriptのサンプルをもとにした説明。それに何回かの質疑を繰り返すことで、多くのチャンネルからkintoneへの通知が実装されていきました。その数は今ではかなりの数にのぼるはずです。
お客様が自立した実装を行っていただく。弊社は質疑を通してそれを支援する。まさに「ともに走る伴走」のあり方ではないでしょうか。

基盤を整えることによって、情報基盤としてのkintoneに命がやどりました。その結果、4月の時点で運用が開始できました。
もちろん、その時点で完全ではありません。そもそもkintoneで作成するシステムに完成はありません。永遠に未完成なのです。それを少しでも業務改善の必要に応じて継続的に改善を繰り返していくべきもの。それがkintoneのよりよい使い方だと思います。
法政大学ORANGE様も常に成長し、勝利を目指されています。それと同じようにkintoneアプリも常に成長していく。
そうした価値観をはじめから法政大学ORANGE様が持っていてくださったこと。それが、4月からの運用開始につながり、それ以降の継続的な修正につながりました。
5月の連休明けごろからは、弊社が何か手を動かすことはほぼなくなりました。

お客様が自立し、自走を始めていただいた後もご縁は続く

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5月以降に弊社が関わらなくなったとはいえ、2カ月に一度ぐらいはkintoneについてご質問をいただいています。そしてその都度、弊社からお応えしています。
開発をしなくなったからといって、ご縁が切れることはないのです。
むしろ、さまざまなイベントのお誘いをいただいています。

たとえば、弊社代表の出身校は関西大学です。
そのご縁を踏まえてか、法政大学ORANGE vs 関西大学カイザースの定期交流戦(6/26)にお招きいただきました。仕事関係の方もお誘いして快晴の中で応援しました。
また、今年の甲子園ボール出場をかけた大一番の試合である法政大学ORANGE vs 早稲田大学 BIG BEARSの試合(11/23)にもお招きいただきました。この時は荒天の中でしたが、家族や仕事関係の方々を連れて応援しました。
残念ながらその試合には敗れてしまい、今年の甲子園ボウルに出場する事は叶いませんでした。

今後の展開

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開発の第一フェーズを終えた後、弊社は法政大学ORANGE様の実装からは離れていました。
が、先日のチーム応援カフェの登壇や本稿のアップと時期を同じくして、次のフェーズに向けて再始動することが決まっています。

上述したとおり、法政大学ORANGE様として考えていらっしゃる機能は他にもあります。より詳しく書くとグッズ販売の管理やその他の備品管理や選手の保護者様への書類提出の管理などです。
まだまだチームを強くするためにやるべき事項は多岐にわたっています。

これからも弊社としては応援していきたいと思っています。また、その改善を通して、わが国のアメリカンフットボールの盛り上がりに少しでも貢献できれば本望です。

そしていつの日か。代表の母校である関西大学カイザースと法政大学ORANGEが甲子園ボウルで激突する日がくればいうことなしです。
その日、代表は実家そばにある甲子園球場に間違いなく応援にいくことでしょう。
その時、弊社代表がどちら側のスタンドに座って応援するのか。それを悩める時が来ることを楽しみにしています。

矢澤様より

導入からの日々について矢澤様はこのように語ってくださいました。

「早い(短期間)、うまい(高品質)、安い(低コスト)という請負泣かせの要求を見事に達成していただきました。特に大きな課題となる「コスト」については、我々ユーザー側が持つ人的資源を活用いただいたことが成功のポイントだったと思います。誠実に、丁寧に、我慢強く。長井代表をはじめとするアクアビット様の指導は本当に素晴らしく、我々も自立運用できるに至りました。
とはいえ、我々のKintone活用は始まったばかりです。引き続き、伴走いただければ幸甚です。」

まとめ

弊社にとって法政大学ORANGE様の案件は伴走の開発形態でもやっていける自信を持つきっかけとなりました。それもあってとても印象に残っています。

まずは次のフェーズを完成させていきたいと考えています。ありがとうございました。

法政大学ORANGE様のご紹介

名前 法政大学アメリカンフットボール部 ORANGE
創部 1935年
ウェブサイト https://www.hoseiorange.jp/football
Facebook https://www.facebook.com/HoseiFootball/
Instagram https://www.instagram.com/hoseifootball/
Twitter https://twitter.com/HoseiFootball
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCCKmy0IBGOrQy6JCFbnJg7g

事例:株式会社ライライ様


既存システムのコスト削減が喫緊の課題に

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ライライ様は、さまざまな撮影現場で活躍されているスタッフと映像プロダクションの間に立ち、両者をマッチングする業務を主に担っておられます。
映像の撮影現場はさまざまなスキルが臨機応援にスタッフに求められる場です。現場によって必要な作業を見定め、その作業に長じたスタッフを迅速に現場に紹介できるライライ様のビジネスは、映像プロダクションに高い価値をもたらします。
ただし、その分、作業指示や報告や請求書の発行作業に煩雑な事務作業が発生していました。それらを管理するための既存のシステムでは膨大な運用コストがかかっており、今回、kintoneを中心とした仕組みに切り替えることで、コストの削減を実現しました。

コスト削減を踏まえた業務要件のヒアリング

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お客様(映像プロダクション)からのご発注を請け、それを案件として作成する。さらにスタッフの空き状況を見ながら案件にスタッフを割り当てる。スタッフはその案件の現場に入り、作業が終われば交通費や経費や作業内容を報告する。その報告内容を基にライライ社はスタッフの支払い書を発行し、映像プロダクションに対する請求書を発行する。
ご発注から請求までの流れは単純に書くとこのような感じです。

一方、映像撮影の現場の業務は多種多様です。ライライ様はそれらの業務や作業による金額設定を細かく定めています。たとえば、スタッフの習熟度による単価設定も二十種類以上の段階を設けるなど。
そうした業務を基にした金額は支払書や請求書に確実に反映させなければなりません。

ライライ様はそれまで、Salesforce+SVF Cloudを使った仕組みでビジネスを回しておられました。
その仕組みを回すために、各撮影現場に派遣されたスタッフは各々で作業報告を行わなければなりません。作業報告のプラットフォームとして、ライライ様はSalesForceを採用されていました。そのため、Salesforceにスタッフの数だけアカウントを作成し、スタッフはSalesforceにログインして報告を行っていたのです。
すると当然、月々のコストは相当な額にのぼります。
月々の支払額が負担になっていたこと。Salesforceの年次契約の更新日が迫っていたこと。さらにSalesForceの中で多くのカスタマイズが必要になっていて、その費用の見積もりももらっていたこと。それらを考えた結果、システム刷新の判断をくだしました。そこから、弊社へのご依頼につながりました。

この時点でライライ様はkintoneを採用すると決めておられました。まずkintoneを使ってアカウントのコストを減らすこと。それが最優先のミッションだったのです。
もちろん、kintoneの導入によって事務の方の各種計算や発行事務の負担を減らすことも求められていました。

kintoneとWordPressと帳票Onlineを提案

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ライライ様から弊社にご連絡をいただいたのは2021/1/28。すぐにZoomで打ち合わせを行い、さらに2/3には訪問して状況を伺いました。
その際、Salesforce社に年間契約の延長か停止かの連絡期限が3/12に迫っていることを伺いました。そこでSalesforceを解約すると連絡した場合、4/12には契約が終わってSalesforceが使えなくなります。
Salesforceからデータを移行させつつ、kintoneの特性を生かしたアプリを設計する。さらにスタッフが報告できるためのプラットフォームを作る。そしてSVF Cloudで出力していた帳票とほぼ同じレイアウトの帳票を出す。それらをSalesforceの契約が切れるまでの間に作り上げる必要がありました。

そこで弊社は、2月の上旬にはスタッフの報告手段をkinconeにした提案書(42P)を提示し、すぐに着手にかかりました。
その後さらに打ち合わせを進めた結果、スタッフとの連絡手段はkinconeでは難しいことが分かりました。そこでスタッフとの連絡手段をWordPressに切り替えた提案書(44P)を提示したのは2月の中旬でした。その際、帳票発行の仕組みはアイ・コン社の帳票Onlineで提案しました。

弊社にとっては、メンバーを増やしてから初の案件

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ライライ様からご連絡をいただく約4週間前。年明けから弊社は二人のメンバーを迎えました。
ライライ様の案件は二人のメンバーに活躍してもらう良いチャンスです。
まず、前の現場でWordPressを扱ったことがあったメンバーに一連のウェブサイトの構築をお任せしました。さらに帳票Onlineの設計はもう一人のメンバーに携わってもらうことにしました。
また、Salesforceからのデータ移行プログラムは代表が作りました。

今回、スタッフのアカウントはすべてWordPressにまとめました。ライライ様の場合、Salesforceに約100名分のスタッフアカウントを割り当てていたことによる月額コストが経営を圧迫していました。そのため、kintoneにもスタッフのアカウントを持たせず、別のやり方を検討したいというのがライライ様のご要望でした。
当初はkinconeで可能かと思いましたが、連携する情報の多さからWordPressに切り替えました。
WordPress内にスタッフのみが見られるページを設け、そこに作業開始時間、終了時間、交通費や作業内容といったこまごました項目をすべて打刻してもらうようにしました。
スタッフが打刻した瞬間、入力した内容はkintoneの作業報告アプリに取り込まれるよう、phpで開発を加えました。

kintoneの設計にあたり、Salesforceからの移行を考える必要がありました。そのため、案件管理や顧客管理、スタッフ管理などについてはSalesforceのフィールドを連携できるように設計しました。
さらに、作業報告アプリはWordPressからの連携に加え、スタッフの支払書や映像プロダクションへの請求書に出力できるような考慮が必要でした。

帳票発行の一連の仕組みについて、ライライ様がMacをお使いだったことから思わぬ遠回りをしてしまいました。そのいきさつについては
この記事に記載しています。
結論として、何とか帳票も出せるようになりました。

もう一つ苦労したのは、さまざまな計算です。内部の計算ロジックはSalesforceの内部でカスタマイズされていたものを流用しました。
ただ、Salesforceの場合、内部のカスタマイズ言語はAPEXというJavaベースの言語です。私もAPEXはあまり詳しくなく、新たに入ったメンバーも同じ。
彼には帳票を設計しながら、この計算ロジックを読み解き、なおかつ計算ロジックをkintoneのJavaScriptに適用してもらう作業に従事してもらいました。

導入してから

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正直にいうと、Salesforceの契約が終わってすぐの月は、帳票出力の運用がまだ不安定なままでした。その際、ライライ様にはご迷惑をおかけしました。
今では上記のリンクに書いたような帳票発行の運用方法を変え、帳票は出せています。また、スタッフの打刻も順調に動いています。

現在は2ndフェーズの開発の真っ最中です。
他の種類の仕事を担っているスタッフさんの打刻ページや、NaviTimeの実装、Rakumo/Google Calendarとのスケジュール連動を行っています。

三島様より

導入からの日々について三島様はこう語ってくださいました。

「経理作業・スタッフ管理等PC作業の自動化は、弊社の長年の課題でした。
特に、請求・報酬金額のまとめ作業は、チェック項目が細かく時間がかかる上に、手作業だとミスも多くなるので、少しでも負担を減らしたいと考えておりました。
Kintone導入後は、スタッフの打刻から帳票作成までの時間が大幅にカットされました。
弊社の規定はかなり細かいため、まだシステムの確認・改修作業は続きますが、それらが終われば、他業務に人員を割けるようになるので、会社全体としての成長につながるのではないかと考えています。
これからもアクアビット様と打ち合わせを重ねて、より良い形にしていきたいと思っております。」

まとめ

弊社にとってライライ様の案件は弊社メンバーが加わって初めての取り組みだったこともあってとても印象に残っています。

私が帳票発行の設計で迷走しかけた後も、変わらずお付き合いくださっていることに感謝いたします。
三島さんはやり取りのレスポンスが速く、同じテンポを感じています。
まずは2ndフェーズを早く完了させてしまいます。

ライライ様のご紹介

商号 株式会社ライライ
本社 〒105-0021 東京都港区東新橋2-7-3 BIZMARKS 新橋汐留 2F
TEL 03-6874-4642
代表者 代表取締役 中田 平
従業員数 従業員3名 / 請負登録スタッフ70名
設立 2017年7月24日
資本金 100万円
ウェブサイト http://www.rightright.co.jp/

事例:某弁護士法人様


事務所の立ち上げにあたって、多忙な先生とスタッフの連携に備える

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利益相反(コンフリクト)の点で具体的な名前を出せないのですが、某弁護士法人様は、高度な専門知識を駆使した法律事務所としてご活躍しておられます。
弊社が初めてお話をいただいた時、事務所開設に向けた準備を行っている最中でした。
代表社員弁護士の先生は、事務所の立ち上げ前から弁護士として幅広く活動されており、そのスケジュールは多忙の一言に尽きました。
スタッフを雇用し、事務所として立ち上げる中、スタッフと先生のコミュニケーションをいかに円滑に回していくかは、喫緊の課題でもありました。
弊社がkintoneを提案した結果、最初の立ち上げ時からスタッフと先生のコミュニケーションロスを抑えながらの運営ができました。

いかにして先生の予定や業務を共有するかのヒアリング

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弁護士とは多忙な職業という印象を持っていましたが、代表の先生がこなすスケジュールの多忙さは私の想像を超えていました。
まさに分刻みという言葉がふさわしい先生のご予定をスタッフとどのように共有するか。予定の共有をせずに事務所の運用は回りません。
先生がご相談したのが、鎌倉に事務所を構えておられるヒトノコト(https://hitonokoto.com/)の渡辺みさきさんでした。
渡辺みさきさんが、なぜ事務所のサポートをしようと思ったかは、代表の先生やオフィスメンバーが働き易い職場を作りたいと思い、そのためには情報共有が欠かせないと判断されたからだそうです。
そこで渡辺みさきさんは、弊社代表の私と知己であったことから、システム構築のご相談を弊社に持ち掛けていただきました。

弊社代表がお話を伺ったところ、代表の先生の多忙なスケジュール管理を行うには工夫しなければ難しいと感じました。
当初、ヒトノコトの渡辺さんはCybozu Officeをご提案しようとされていました。ですが、お話を伺ってみたところ、他システムとの連動を行わずにスケジュール共有を行うのは難しいと判断しました。そこでkintoneをご提案しました。

kintoneについては、弊社は諸アプリの作成には携わっていません。こちらはヒトノコトの渡辺さんから別の方にご依頼していただきました。
その方が事務所の運営に必要な各種アプリを構築し、事務所の方が使えるように作業を行っていただきました。
弊社は標準機能では難しい他システムとの連動に注力し、並列で開発する体制を組んでいただきました。

kintoneとTwillioとGoogle Calendarとカレンダーの連動を提案

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先生はiPhoneを駆使して連絡をとっておられます。スケジュール管理もiPhoneの中に入っているカレンダーが中心でした。
ところが、kintoneはカレンダーとの連動ができません。なぜならiPhoneのカレンダーは外部との連動をそもそも許可していないからです。ただ、唯一連携ができたのがGoogle Calendarです。そのiPhone内の連携オプションを利用し、Google Celanderとkintoneの連動を開発することによって、kintoneとカレンダーの連動を実現しました。
これによって、先生がiPhoneのカレンダーに入れた予定をすぐにスタッフはkintoneでGoogle Calendarからの予定を取得する事で共有でき、スタッフが入れた予定も先生が取得できるようになりました。
なお、事務所が立ち上ってすぐ、もう一人弁護士の先生が入所されたのですが、その先生にも同じような仕組みで予定の共有を可能にしました。

もう一つ、考慮しなければならなかったのが、事務所から先生に連絡を行う場合です。例えば事務所に先生宛の電話があった場合、その要件をすぐに先生に伝える必要があります。
先生からは、kintoneの通知ではなくiPhoneのSMSで連絡をもらったほうがありがたい、というご希望がありました。
そこで、kintoneのアプリ上にボタンを設置しました。そのボタンをスタッフが押すことで、アプリに格納した情報を先生のiPhoneにSMSとして飛ばすように設定しました。その連携にあたってはJavaScriptでTwillioにAPIリクエストを投げることで実現させました。

カレンダーの表示を見やすくするための工夫

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苦労したのは、多忙な先生と予定を合わせることです。というのも、先生の端末をお借りしての操作が必要となったからです。カレンダーとGoogle Celandarの連動設定、Google Calendarの設定、さらに内部のGoogle Cloud Platform上での認証設定などを行う必要があったからです。ガソリンスタンドの休憩スペースで落ち合って作業したのは良い思い出です。
先生の激務のさなか、分で刻まれるスケジュールの合間を縫っての作業でしたが、それ以外にお手を煩わせることがなかったのは幸いでした。
もう一人の先生の端末も後日事務所にお伺いして設定することができました。

もう一つ苦労した点は、カレンダーの見え方です。スタッフの方が日・週・月で先生の予定を把握するためのデザインや色の設定などを工夫しました。
特に二人の先生が抱えたそれぞれの予定に加え、数名のスタッフが入れた予定など、多くの予定が混在する情報をどのように整理するか、色分けの部分は何度か打ち合わせを行わせていただきました。

それと、Google Calendarへのアクセスの際にGoogleから認証を求められますが、このやり方については、動画でマニュアルを作成し、スタッフの皆さんにご理解をいただけるように努めました。
当初はスタッフからの連携方法や先生の端末操作などの操作に慣れていただく必要があり、その間は先生のお手間を煩わせたこともあったかと思います。が、無事に弊社の手を離れて今に至ります。

導入してから

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弊社には時折Twillioからの通知が来ますが、今のところ弊社の手を離れ、自立して動いてくれているようです。
多忙な先生のスケジュール管理にもkintoneが活躍できる場を見いだせたことは、弊社にとっても貴重な知見となりました。

渡辺様より

今の状況について渡辺様はこう語ってくださいました。

「新入社員としてジョインしたメンバーも、最初は使うのをためらっていたけど、使って見たら便利だという事がわかったので使っている、との話も聞いています。
自分で使い勝手を考えて、ある機能を使っているようなので、いいサイクルになってきているのではないかと想像しています。」

まとめ

弊社にとって某弁護士法人様は、iPhoneのカレンダーをどうkintoneにつなげるのか、という点で工夫したことで印象に残っています。

また、多忙な皆さんのスケジュールの合間に伺ったタイミングで的確に作業を終わらせなければならず、とてもメリハリの利いた開発になったことでも思い出に残ります。
今も順調に動いているということで、安心しています。

某弁護士法人様のご紹介

情報については、非公開です。

事例:株式会社テル・コーポレーション様


既存基幹システムで対応できない周辺のシステム管理が課題に

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テル・コーポレーション様は、分譲マンションの開発・販売業務、分譲戸建て住宅の開発・販売業務、居住用・事業用物件の賃貸管理業務、土地・建物の売買仲介業務、不動産の有効利用コンサルタント業務など、幅広い不動産事業を展開されています。1988年の創業以来、着実に業績を積み上げてこられました。
契約や販売など、業務の基幹となる部分は賃貸管理システムで長年運用されていましたが、賃貸管理システムで補えない周辺の管理コストが煩雑になってきました。
もともと、テル・コーポレーション様は社内の連絡手段についてはCybozu Officeのオンプレミス版をお使いでした。周辺の情報共有手段を同じサイボウズ社のkintoneにすることで、近しいインターフェースを持ったシステムで回すことを検討されておりました。
その結果、周辺の管理をkintone中心とした仕組みに切り替えることで、業務の改善を果たすことができました。

煩雑な社内フローをkintoneに置き換えるためのヒアリング

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不動産事業を行う中で、管理が必要な業務は契約や支払だけではありません。
例えば入居されている方からのクレームや要望事項も発生します。また、解約時の諸手続きや、オーナーや仲介業者との金銭の授受、鍵や駐車/駐輪場の管理、保険業者や内装業者、行政とのやりとりも必要になってきます。
テル・コーポレーション様がもともと使われていた賃貸管理システムは、そうした周辺の管理まで対応していませんでした。そのため、Excelを使って管理しており、煩雑な運用をもたらしていました。例えば紙に出力したExcelを基にしたクレーム報告書を社内で回覧し、押印欄に閲覧者が印鑑を押印するワークフローの存在など。
例えばクレームが発生した場合、その状況は物件や入居者の状況、事象によって千差万別です。それらを内部で情報として共有し、きちんとした指示を出す必要があります。

今回、弊社にいただいたご依頼は、Excelで管理していた周辺の業務を全てkintoneに集約すること。それとCybozu Officeをオンプレミス版からクラウド版に移管することでした。

今回はシステムのご担当者様と頻繁に連絡を取り合いながら作業しました。そのため、要件定義の細かい部分にまで弊社で踏み込む必要がありませんでした。

kintoneとRepotoneU Excelを提案

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今回のご依頼で特筆すべきは、既存のExcelで運営していたクレーム報告書をどのようにkintoneで実現するかでした。
クレーム報告書の体裁を保ちながら、内部の仕組みをkintoneに置き換える。そのような方法を採った理由は、テル・コーポレーション様の社内にITに不慣れな方がいらっしゃるため、と伺いました。
そのため、kintoneからクレーム報告書を同じような体裁で出せるようにしました。押印欄を設け、実際の疑似印鑑も出力できるように。

そこでRepotoneU Excelを提案しました。RepotoneU Excelは帳票のテンプレートを登録することで、出力項目とのマッピングが可能です。
その際、テンプレートとなるExcelには拡張子が.xlsm、つまりマクロが可能なワークブックを使用しました。それによって、kintone内で生成されたExcelにマクロが埋め込まれるようにしたのが工夫点です。そのExcelをkintoneからダウンロードし、御担当者様が開いた時点でExcelマクロを動作させることによって、RepotoneU Excelの機能だけでは実現できなかったさまざまな表現を可能にしました。
例えば、あるクレーム報告書の場合、約20カ所の押印欄がありました。これも、kintoneの日時フィールドとユーザー選択項目を組み合わせた結果を疑似印鑑として表示させることで実現しました。
なお、マクロの実行にあたっては、テル・コーポレーション様のセキュリティ・ポリシーに合わせた形で実行できるようにカスタマイズしたことも付け加えておきます。

コロナがまん延する中での開発

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テル・コーポレーション様に初めてお伺いしたのは2020/3/9のことでした。すでにコロナウィルスが世間に深い影響を与え始めていた時期です。
ただ、開発にあたってコロナはあまり影響を与えませんでした。それは、打ち合わせのほとんどをオンラインで完結できたためです。

テル・コーポレーション様はコロナ前からリモートワークへの切り替えをお考えでした。それがコロナによって拍車がかかり、オンラインでの打ち合わせの状況が整いつつあったことが功を奏しました。

さらに、やりとりの記載にあたってはご担当者様と何度か認識を合わせておいたため、複雑なやりとりもkintoneのスペースだけで完結できました。
社内の状況に精通したご担当者様とのやりとりによって、そこまで苦労せずに開発を進めることができたのは良かったです。結果、Zoomなどのオンライン・ミーティングすら二、三回で済みました。
私がテル・コーポレーション様を訪れたのは、初回の打ち合わせを除けば一回のみ(2020/9/28)です。それも、Cybozu Officeのオンプレミス版からクラウド版にデータを移行する作業が主でした。この時はすでに本来の開発は大体終わり、運用に移っていました。

開発で苦労した点があるとすれば、kintoneのプロセス管理を駆使していたため、エラーが発生した場合の再現が難しかったことです。グループやロールや組織、役職も多く作成しましたし、プロセス管理のステータスの数もたくさん作成しました。
特に、プロセスが進んだタイミングや保存時でアプリ間のデータ処理やスペースをまたいだデータ連動を複雑に組んでいたため、不具合があった際の調査に時間がかかり、苦労しました。

導入してから

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プロセス管理のフロー修正や、賃貸管理システムとの連動にあたっての修正など、最初の目的を達成した後もさまざまな修正が発生しました。
が、今年の秋になって賃貸管理システムの入れ替えも終わったことで、いったん当初の目的は終わりました。

今後も新しくなった賃貸管理システムと協力して、kintoneの運用を行っていただく予定です。
今は、ご御担当者によってkintoneのアプリを次々と作成していただいている状況です。

代表取締役 浅井輝彦様より

代表取締役の浅井輝彦社長はこのように語ってくださいました。

「kintoneの導入によって、紙の書類が少なくなり、時間を効率よく使えるようになりました。それによって、テレワークもスムーズに導入出来ました。ありがとうございました。

株式会社テル・コーポレーション 
代表取締役 浅井 輝彦」

まとめ

弊社にとってコロナ禍においてもリモートワークを駆使して作り上げたことで、テル・コーポレーション様の作業は印象に残っています。
特に、リアルで運用されていた帳票をそっくり再現しながら、kintoneでプロセス管理を使いこなせたことでも、弊社にとって貴重な事例となりました。
あらためて、テル・コーポレーション様の皆さま、ありがとうございました。

テル・コーポレーション様のご紹介

商号 株式会社テル・コーポレーション
本社 〒151-0053 渋谷区代々木四丁目42番19号 テルコーポレーションビル
TEL 03-5302-5311
FAX 03-5302-5312
代表者 代表取締役 浅井 輝彦
設立 昭和63年
ウェブサイト https://teru-co.co.jp/

事例:北新海運様


kintoneを導入したことによる日常業務の効率化

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北新海運様は、海運の国内運送を主に担っておられます。
海外の船がコンテナバースに到着し、荷揚げされたコンテナ。この荷物を国内のお客様に運ぶのが北新海運様の業務です。

従来はExcelで運用されていたお客様への請求業務や、ドライバーへの指示、ドライバーの稼働実績の取りまとめ。
それらをリリース間もないkintoneに切り替えることで、運用工数の削減を実現しました。

Excelによる単価管理やドライバーへの指示業務の煩雑化

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お客様からのご発注を受け、それをドライバーへの運行指示書に印刷する。そして、その結果をお客様への請求書として発行する。ご発注から請求までの流れは単純に書くとこのような感じです。
ところが、お客様からの発送指示は千差万別。その発送場所によって単価が変わります。また、コンテナのフィートによっても単価が変わります。
配車指示を的確に行わねば、効率的な運用はできません。
また、案件ごとに単価が変わるので、その単価を的確に反映した請求書を発行し、同時にお客様によっては請求データを一覧表として発行しなければなりません。
そうした複雑な業務が伴う海運業務を行うには、Excelでは限界が生じていました。

また、ドライバーが従事した業務によって手当を計算する作業も負担になっていました。
複数の場所で荷を下ろす場合や、積み場所の変化。さらには、構内業務に従事する場合には別の計算方法が必要です。そして、それらが組み合わさった場合の作業もきちんと集計せねばなりません。そうした複雑な作業実績の集計は業務の負担となっていました。

リリースしたばかりのkintoneを提案し、採用。

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Excelから離れ、新たなシステムを構築しなければ。
北新海運様で事務を統括する立場にあった紀村様は、旧知のデザイナー様に相談しました。
相談を受けた株式会社アトリエmの室井様は、そのご相談を受け、弊社にご相談くださいました。

その当時、まさにリリースされたのがクラウドサービス「cybozu.com」とそのサービスの一つであるkintoneでした。私はこのkintoneのβテスターであり、kintoneがリリースされたタイミングで導入できる機会を待っていました。そこにいただいたのが北新海運様のお話。
2012年の正月明けに北新海運様にお伺いし、紀村様にご要望を伺いました。
そしてご要望がkintoneで実現できると判断し、kintoneをご提案しました。

社長様は初めて会った私と、出来たばかりのサービスであるkintoneを信頼してくださいました。そして、ご発注にいたりました。
それが2012年1月26日のことです。

APIのリファレンスがなかった時期ゆえの苦労

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私の手元には、この当時にサイボウズさんから頂いたMicrosoft Wordの「kintone API マニュアル」があります。表紙にはV0.1と書かれています。
この当時、リリースされたばかりのkintoneにはすでにAPIが実装されていました。とはいえ、レコードの追加・取得・更新・削除ぐらいしかできませんでした。今のリクエスト方法やレスポンス結果とそう仕組みは変わらないとはいえ、今のようなリファレンスは整っておらず、ウェブ上にブログなどの情報もほとんどありませんでした。
加えて、当時の私はRest APIを使った実装の経験がなく、ノウハウも持っていませんでした。

他にも問題はありました。それは、帳票をどうやって出すか、でした。
当時はまだプラグインの仕組みがありません。つまり、今のようなサードパーティーさんによる帳票発行プラグインもありません。
kintoneを使ってどうすれば帳票を出せるのか。まずその調査から始めました。

当時、すでに私は某案件でWeb上のphpライブラリ(TCPDF+FPDI)を使って帳票発行を実装した経験がありました。
そもそも、北新海運様からお話を伺った当初は、Accessによる実装という選択肢も有力でした。kintoneとAccessのどちらを採用するか決めかねていました。
Accessのレポートで帳票を出すのか、それともウェブ上でphpを使って帳票を出すのか。
私はそのどちらでもなく、Excelを使うことにしました。

VBA(Excelマクロ)からRest APIのリクエストを出し、その結果を受け取れれば、Excelで帳票が出せるのではないか。
私はそう判断し、ウェブ上であれこれと調べ、何とか実装にこぎつけられました。

結果、2012年の4月から運用を開始しました。ですが、当初は何度も調整が発生しました。
私自身、まだkintoneを完全に理解出来ておらず、ルックアップフィールドをはじめとしたフィールドの載せ替えなども何度も行いました。
夏前まではさまざまな調整が発生しましたし、帳票の発行についてもレイアウトや表示書式などなんども調整しました。おそらく全て落ち着くまでは1年はかかったように思います。

導入して9年

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その後、当初の実装フェーズには含めていなかったドライバーの実績集計についても実装を終え、そちらも運用を開始しました。
さらに、北新海運様の業務拡張による別会社設立の際も、同じ仕組みの上に若干のカスタマイズを加えて実装し、運用を開始しました。

以来九年、Excelによる帳票発行の仕組みも含め、北新海運ともう一社の仕組みは動いています。

紀村様より

導入からの9年について、紀村様はこう語ってくださいました。

「アクアビット長井さんの原稿を拝見し、9年前の導入当時を思い出します。

弊社 有限会社北新海運は今年で創業17年目の会社になります。
9年前、私は入社3年目で事務全般を担当しておりました。その作業内容は受注・売上・請求だけではなく運賃管理・ドライバーの売上管理、それに伴う給料計算に至るまで殆ど全てでした。さらに車両の増車に伴う業務負担もあり現行をやり過ごすことが出来たとしても近い将来、必ず困った事態に陥る事は目に見えていたのです。

とはいえ当時リーマンショックからやっと立ち直ったばかりの小さな会社、そして海上コンテナ業界は輸出・輸入という特殊な世界のため専門ソフトがない中、システム導入を専門会社に依頼すれば何百万単位の金額が出てくる事は以前に在籍していた他社で見聞きし、十分に分かっていることでした。
コロナ禍における在宅勤務による環境の大きな変化でシステムが予算的にも身近になった昨今と違い、当時はシステムゼロからの依頼は予算の乏しい会社にとっては大きなハードルだったのです。

そこで広告・宣伝・HP作成等々の会社を経営なさっている友人にその問題点を相談をしたところ、アクアビットの長井さんをご紹介いただきました。
長井さんには何度も打ち合わせには来社、この業界の業務の流れをいちから丁寧に聞いてくださり、夜遅くなることもしばしばありました。

当時は長井さんが個人事業主ということもあり少し不安ではありましたが、kintoneを使ってのシステム構築でコストを非常に下げられるご提案を頂いたことで、初期投資として仮にリスクがあっても最小限にとどめられる事も想定し社長が決断して下さいました。
導入事例の中では1年程かかったとの文面がありましたが、kintoneの業務作業を並行・チェックをしながら手直しをし、追加リクエストもあったので、実は2年位はかかったと思います。その後、長井さんとのやり取りも年々少なくなってきましたが、それは業務システムが問題なく動いている証拠だと思います…いや、実はリクエストはまだまだありますが、kintoneバージョンアップがそこまでいっていないというのも本音です(笑)。

大手企業が作るシステムも大事ですが、実は中小企業の“小”の会社こそがこの様なシステムをすぐにでも必要としていると思います。初期投資が大きいために二の足を踏むオーナーさんも沢山いらっしゃると思います。そのなかには直ぐにでも使えるシステムが欲しい中高齢のアナログ世代の方々が相当いらっしゃいます。少なくともコンテナ輸送業界はそうです。
その様な会社を直ぐにフォロー出来るのがkintoneだと私は思います。
そして、この業界を少しでも知る長井さんの様なアドバイザー的な方がもっと増えることも今は大事かと考えます。

長井さんにはずっと以前よりkintoneの講習会参加を勧められておりましたが、今だ実現に至っておりません。コロナ禍収束の折には講習参加を真剣に考えたいと思っている今日この頃です。
有限会社北新海運 紀村多栄」

溝木様より

また、北新海運の溝木社長からはこのようなありがたいお言葉をいただきました。抜粋して掲載させていただきます。

「弊社も今年で創業16年になります。
長井様には色々なご相談に乗って頂き大変助かっております。
最初のころは、私はExcel、Wordも分からず、パソコンには色々苦労しました。

そこでお知り合いになったのが長井様で御座います。
弊社にとって何か良い業務方法ないか、何回も同じことを打つのではなく一回で作業を終わらす方法、当時、長井様は色々な方法を考えて下さいました、弊社の要望を聞きながら猛勉強をされたと思います。弊社の職業柄大変だったと思います。とても使いやすく助かっております。

専門的なことは今でも分かりませんが、長井様のおかげで業務が短縮になったのは確かです、継続は力なりとありますが、今では弊社にとって最高のパートナーです。
私がこれをやりたいとお話すると、私の考えが分かっているかのようにパソコンExcel、kintoneを組んでくれます。

昔の人は、「人は必要だから出会うと言います」必要でないのなら一生出会う
ことはないでしょう。
弊社もこれから色々なことに挑戦していきます、その度に長井様にお願いする
ことが多いと思います。
これからも末長く宜しくお願い致します。

有限会社北新海運 
代表取締役 溝木昭夫」

まとめ

涙が出そうになるほど、感動しました。
お二方より頂いた文章は、段落を整えた以外はなにも直していません。私と弊社にとってとても心強く、嬉しいお言葉です。

私も今までにいくつもの失敗をしてきました。特に、kintoneに出会う前、ホームページ制作を手掛けていた時期は。何度も。
でもこうしたお言葉をいただけると頑張ってきてよかったと思えますし、これからも頑張ろうと思えます。また、kintoneが私のスタイルに合っていたのだと強く思います。
北新海運の皆様、本当にありがとうございます。また、ご紹介を頂いたアトリエmの室井様、本当にありがとうございます。

北新海運様のご紹介

商号 有限会社 北新海運
本社 〒272-0522 千葉県市川市宮久保5-9-7
   
本社営業所 〒143-0001 東京都大田区東海5-4-1 大井海貨5号上屋北側1階
TEL 03-5755-7813
FAX 03-5755-7814
代表者 取締役 溝木 昭夫
従業員数 25名
設立 2005年(平成17年)9月28日
資本金 500万円
ウェブサイト http://www.hokushinkaiun.com/