Articles tagged with: SaaS

2026年の抱負(長井)


明けましておめでとうございます。旧代表の長井です。

昨年末にアップした投稿にも書きましたが、昨年度は皆さま、本当にいろいろと有難うございました。
今年も引き続き、よろしくお願いいたします。

今年も抱負を書きます。
本稿の内容は昨年末から年始にあらためて考えたものです。

「一年の計は元旦にあり」とはよく言ったものです。連絡も来ず、何にも急かされることのない正月だからこそ熟慮できます。
昨年末にまとめをアップする際に反省した内容を生かし、今年一年、軸をぶらさないための指針とします。

反省と対策


まずは反省です。
昨年初にアップした抱負には以下のような反省を述べました。
「単価を上げたことで、メンバーを維持できるだけの経営基盤はできました。
ですが、雇用しているにも関わらず、今の弊社はバラバラの個人事業主の集まりのようになっています。
肝心の開発の手順や規則の遵守がまったくできていません。また、開発に関するコードレビューもデプロイもコード管理も自己流のままです。
これでは弊社メンバーが他の会社に万が一行くことになっても通用しません。何よりも生産性が低いままです。

昨年の正月に作成した「アクアビット蒸留書」で定めた内容もまだ7割もできていません。その後のメンテナンスも滞っています。」

この反省点ですが、昨年も全くできていません。あまりにできなかったので、代表を交代する決断をしました。

これらの施策を私一人でやりきるのはもう時間的にもスキル的にも無理だと判断しました。新代表曰く、内部向けのブランディングができていない、という指摘をもらいました。
であれば内部向けに内部向けブランディングを担ってもらい、私は案件担当や外向けの広告塔的な動きを行い、技術研鑽に専念しようと決めました。

昨年も単価を上げましたが、単価をあるレベル以上に設定するなら、私も含めたメンバー全員のレベルアップが欠かせません。

抱負


一方で、今後の方針ですが、あえて数値目標は設定しません。

昨年の抱負には、六つの柱を書きました。
一つ目は、既存の大型継続kintone案件です。
二つ目は、既存のkintone開発案件です。
三つ目は、共遊開発案件です。
四つ目は、地域活動やコミュニティです。
五つ目は、新規サービスの開発です。
最後に六つ目として、今年度から追加したいことは教育です。

ところが、代表の交代によってさらに柱は増えました。また、昨年は一気に生成AIの業務利用が爆発しました。それによって開発のあり方にも大幅な見直しが求められ、私もいくつかの軌道修正を行いました。

今年は、開発系においては、以下の六つの柱を据えたいと思います。
一つ目は、既存の大型継続kintone案件です。
二つ目は、既存のkintone開発案件です。
三つ目は、共遊開発案件です。
四つ目は、コミュニティです。
五つ目は、地域活性化のためのシステム案件です。
六つ目は、特定業務特化のシステム案件です。

一つ目は、既存の大型継続kintone案件です
大口でかつ継続のお客様は、引き続き単価のアップを交渉して、少しずつ上げていただいています。
こちらは、引き続き単価の向上をしますが、とはいえ、稼働時間が多いことから、単価が上がるとお客様の支出も増えます。

そこで、こうした案件はメンバーの支援の割合を増やし、私は研修講師としての関与に留めようと思います。

もちろん、こうした継続かつ大口のお客様は、弊社の経営の安定に欠かせません。が、それ以上にお客様にとっての負担にならないことが必要です。継続も考慮に入れつつ、弊社のリソースが流出することにならぬよう、バランスをとっていきます。

また、下にも出てくる特定業務特化のシステム案件として考えたいと思います。

二つ目は、既存のkintone開発案件です。
今後もこれらの案件はご相談をいただき続けることでしょう。なるべく共遊開発にしたいところですが、まだお客様のご要望は開発であることが多いです。
こうした案件は、メンバーも望んでいる節があることもあるため、私は最初の上流工程だけに携わり、完全にメンバーに任せます。私がこうした案件で実装に携わると、他の案件が滞ります。

また、こうした案件の仕様書はすべてAIに任せて作成し、メンバーは開発やお客様の要件をヒアリングし、実装することに集中します。また、積極的に弊社に蓄積されているテンプレートやフレームワークで解決し、可能な限り実装時間を最小限にします。
さらに、原則としてカスタマイズはノーコードかスタマイツールを提案し、JavaScriptによるカスタマイズは極力避けます。

三つ目は、共遊開発案件です。
これらは旧代表の私が主に携わります。
共遊開発案件の場合、アプリ構築やカスタマイズはお客様が行います。
カスタマイズを行う際はJavaScriptはなるべく使わず、既存のプラグインやサービスを積極的に提案します。
新たな案件が増えても、うちのメンバーには作業を振りません。一旦、私の方で要件定義や共遊開発を行います。

昨年は共遊開発で複数の実績を作りました。実績もできました。弊社の経営状況の向上に寄与します。今年も積極的に共遊開発を提案していきます。
それには、共遊開発を担当できるメンバーを育成します。ただ、ここまで到達するには容易ではないことも分かっています。弊社メンバーには、お客様のもとで一人で共遊開発が完結できることをスキルの到達点として伝えます。
もちろん、その過程でkintoneスペシャリスト資格やその上の資格が取れているはずです。

四つ目はコミュニティです。
ここは、私と新代表で担当します。まだ未定ですが、もう一人コミュニティ担当を雇用するかもしれません。この辺りは新代表と相談しながら決めます。コミュニティと地域創生は、新代表が主に担っていく業務と認識しています。

また、kintone界隈でのコミュニティ醸成は、kintoneや弊社だけでなく、国内の生産性の底上げのための裾野を広げるためにも必要と考えています。
そして、ほとんどのkintone界隈のパートナーはコミュニティ運営に割ける要員はいないはず。うちの会社も同じです。つまり、コミュニティ系は私や新代表が担うべきと考えています。

また、今年はkintoneだけではなく、別のSaaS/PaaSや地域活動のコミュニティにも積極的に関与します。後述する通り山梨ではすでに地域コミュニティの運営も行っています。もう一つ別のSaaS/PaaSでも存在感を出していきたいと思っています。これらは下で詳述します。

五つ目は地域活性化のためのシステム案件です。
すでに昨年から山梨での実績を積み重ねています。コミュニティ運営、コミュニティ登壇、コミュニティ司会進行、研修講師、案件提案、案件受注、自治体、民間。

都内から山梨に進出することで、システム会社としての在り方を訴求したいと思います。昨年の師走にもこのテーマで登壇させてもらいました。この1月にもおなじテーマによる対談セミナーの収録が控えています。たぶん今後もこうしたテーマでの登壇依頼をいただくことでしょう。
引き続き、山梨での活動の幅と深みを追求し、システム会社としての展開の可能性を示したいと思います。そして、このような形で地方創生に貢献したいと考えます。

また、今年は山梨だけでなく、昨年から取り組んでいる別の地方への展開も考えています。
一か所は昨年に訪れた島根です。あともう一か所、考えています。まだ未定です。

六つ目は特定業務特化のシステム案件です。
ここ数年のCybozu Daysの弊社のブーステーマは業種特化に振っています。たとえば農業。たとえば医療。
このうち医療については、新代表が歯科医であることから、他の会社様にはないアクアビットの利点だと考えています。

この利点に加え、もともと7、8年前から弊社ではある大医療チェーンのお客様に対し、kintoneを用いたご支援を続けています。このお客様は、上にも書いた一つ目の既存の大型継続kintone案件に属します。

ですが、業種特化に焦点をおき、より深く協力する体制をとるため、昨夏からより上のレベルで協業できないか模索を進めています。
また、業種特化に加え、上に書いた地域特化も絡めることで、弊社として別の提供しうる価値を届けたいと考えます。

この業種特化と地域特化は、二つのリスクーkintone頼りとAIの席巻ーに対する私が導き出した現時点での道筋です。

もちろん、これらが正しいとは限りません。また、仮に現時点で最適解だとしても、すぐに陳腐化してしまう可能性が高いです。
状況の変化に対し、臨機応変に対応し、柔軟に路線を変更します。

もう一つのSaaS/PaaS


弊社はサイボウズさんが展開するkintoneを早い時期(αテスト)から推しています。
「チームワークあふれる社会を創る」とは、サイボウズさんの掲げる存在意義です。

サイボウズさんはこの理念にのっとり、100人100通りの働き方から100人100通りのマッチングへと常に新たな組織の在り方を模索しておられます。また、理念や考え方についても、従来のレガシーなシステム会社の在り方を打ち破る試みをされています。
SESの現場で末端のSEとして既存のシステム開発の在り方に疑問を抱き続けていた私にとって、サイボウズ社はお手本となる会社です。また、kintoneは旧態の非合理なやり方が求められるシステム開発を脱却する可能性のあるツールでした。

私にとって単なる商材やシステムツール以上の存在として長らく応援していました。私がkintoneエバンジェリストとして11年もの間活動しているのも、この可能性に賭けたからです。そして、私もその成長の波に乗せてもらい、個人事業主から法人へ。そして今やプロパーと外注先を含めて9人の組織にまで成長できました。

さて、kintoneはテレビCMの効果もあって認知度を上げています。kintoneのことを知らないという人には出会うことも少なくなりました。が、まだまだ国内でも国外でも無名です。kintoneを名前しか知らず、使ったことがないという人にはまだたまに会うことがあります。特にIT業界の技術者にその傾向が強い印象を受けています。

技術者によっては、レガシーなシステム開発の世界から、RPAやSaaS/PaaS(Software as a Service/Platform as a Service)ではなく、一足飛びにAIによる業務改善に進んでいる方も多いようです。その結果、SaaS/PaaSやノーコードツールの価値に重きを置かない技術者も見受けられます。そして、kintoneが属するSaaS/PaaSの世界に賭けている弊社の今後を危ぶむ方もいらっしゃるようです。巨大PaaSはAIを取り込んでおり、AIに代替されることはなさそうですが、SaaSはAIによって代替されてしまうとの悲観的な見方も散見されます。

こうした風潮を受け、弊社として、kintoneの価値やあり方をもう一度考え直す時期にきたようです。

とはいえ、kintoneが弊社の軸であることは変わりません。
ただ、もう一つ軸となるSaaSは持っておこうと思います。PaaSやノーコードツールについても一つずつ。具体的な対象はまだ選定中です。

対象は、できるだけ国産のSaaS/PaaSベンダーであることが望ましいです。いくつかのコミュニティやユーザーイベントに参加し、それらのツールへの解像度を高めたうえで、関与を高めたいと思います。が、まだこれといった出会いに恵まれていません。ユーザーコミュニティに力を入れているツールであることも選定においては大きな条件にしたいです。
コミュニティ文脈からは、国外のSaaS/PaaSですが決済系のStripeやデザイン系のCanvaには惹かれるものがあります。特に後者はkintoneとは補完しあえる存在ではないかと考えています。

それとノーコードでWebサイトが作れるサービス。例えば、ClickやPlatioなどはノーコード推進協会の関係で比較的身近なこともあって検討しています。それとオンプレミスでノーコードツールが作れるPleasanterの動向は追っておきたいと思います。
あらためて、各SaaS/PaaSのもう一つの軸を何に置くかは、もう少し検討したいと思います。

まとめ


これらの施策はAIの台頭に対する私の今の考えを反映しています。

仮にAIを既存の技術にとっての脅威とみなすなら、その脅威から身を守る術を経営者として考えるべき。それは確かですが、まず私たちは顧客への価値提供を最優先にしたいと考えます。これは、決して建前ではありません。旧来のシステム開発の在り方は、国自体の活力を失わせると考えています。ここでいう顧客価値とは、ユーザー自身がシステム構築を行うことを指します。最近の言葉では市民開発がそれを指します(まだこの言葉に違和感を感じているのですが)。
ユーザー自身がシステムに積極的に関与し、自分事として構築できるツールであることが、私にとっての選定の最優先事項です。また、前述のとおり、ベンダーやメーカーがすべてを握ってしまう経済圏ではなく、ユーザーコミュニティが盛んで、ベンダーやメーカーの周囲をパートナーが固めつつ、ユーザーの自主性を後押しするエコシステムの考えが望ましいと考えています。

アクアビットの売り上げ向上や持続は確かに大切です。でも、その前にIT赤字や我が国の生産性をあげていくことも考えなければ、私たちが拠って立つ土台から崩れてしまいます。

そのあたりも踏まえたツールをもう一つの軸に据えたいと考えます。


スマレジアプリコンテストで佳作をいただきました


弊社の応募した「チェアサイドレジ」が第二回スマレジアプリコンテストで佳作をいただきました。
まずはこのような機会を作っていただいた上に、受賞の栄誉までくださったスマレジ社の皆様と審査員の先生方に御礼を申し上げます。

今回、応募したきっかけ。それは、昨年11/26に行われた「スマレジDevelopers Day」への参加でした。コロナでオンラインイベントが続く中、Cybozu Daysを除けば久しぶりのリアルイベントがこの「スマレジDevelopers Day」でした。(サイト)
会場では、第一回のスマレジアプリコンテストのグランプリ受賞者である大幸パートナーズさんが登壇されました。アプリ受賞にあたっての苦労など、スマレジアプリの作成にあたってのノウハウが聞けました。また、主催のスマレジ社からは、スマレジアプリストアの目的や意義についてのお話がありました。その中には、技術者にとってオープンな場を作りたいとの思いがこもっていました。


この中で、第二回スマレジアプリコンテストの募集要項も発表されました。
大幸パートナーズさんの受賞アプリであるcleeeanで実現した機能に感心し、スマレジアプリの仕組みにうなずく私。
その時、私の中にひらめきが降りてきました。
「これ、うちのココデンでも入れられるんちゃう?」と。
矯正歯科にスマレジを導入し、それをkintoneとつなぐ。その場でアプリの連携や構成が頭の中であらかた組み上げられてしまいました。

この頃、私の精神状態は結構参っていました。
それはCybozu Days 2021の出展によって弊社のメンバーと私の価値にずれが発覚したためでした。
人を雇うことの難しさ、経営の奥深さ。
Cybozu Daysではあえて私は経営者として裏方に徹しました。出展するコンテンツの開発も弊社メンバーか協力会社の技術者に委ねました。皆さんの頑張りもあって、Cybozu Daysでは並み居るブースの中で一定の存在感は出せました。成果はあったと思います。

その一方で、Cybozu Daysでは自分の技術者としての証しを封印してまで経営者に徹しようとしたのに、経営者としての能力に自信をなくしてしまった自分がいました。
このまま技術者として衰えていってもよいのか。自己研鑽はしなくても良いのか。技術者としてコンテンツを作る気概は残っていないのか。そんな葛藤と向き合う日々でした。

悩む日々の中で、自分の技術者・経営者としての長所や短所を見直しました。
見直す中で長所に挙がったこと。それは、私の妻が10年前から矯正歯科医院、ココデンこと、ココデンタルクリニックを経営していることです。
世の中には多くの技術者がいます。ですが、妻が歯科医で診療所を経営している技術者はあまりいないはず。その点、私は他の技術者に比べて恵まれているのかもしれません。

ココデンの開業や経営にあたっては、かなりの苦しみと苦労と試練がありました。私は妻の苦労をすぐそばで見ていました。また、歯科経営が家計に与える苦しみを共有しました。
ところが私がココデンの開院にあたって担った作業は、LINE/Facebookページの開設や初代のホームページ作成のみです。診療所のシステムに関する領域には一切関わりませんでした。
なぜ関わらなかったのか。それは、当初の開院時から電子カルテのシステムが業者によって導入されていたからです。それはスタンドアローンのサーバーで動いていました。ですが、アナログな妻はシステムを患者さんの口内写真の保存のみにしか使っていませんでした。
受付も雇っていないため、全ての業務は、妻がワンオペかつアナログ作業で回していました。
患者さんの診断カルテは手書き。支払い授受も現金による手渡し、またはCAFIS端末を利用したクレジットカード決済。
つまり、ココデンにはシステムを導入する余地がなく、私が関わる余地もなかったのです。

開院以来10年、経営で十分に苦しみ、試行錯誤を重ねてきたおかげか、ここに来て患者さんがコンスタントに来るようになりました。少しずつ経営も好転する兆しが見えてきました。
それとともに、妻も年齢を重ねてきました。ワンオペをいつまでも続けるのはしんどい。今回の機会に思い切ってシステムを取り入れるよう、妻を説き伏せられるかもしれない。
また、経営者として反省する中で、自社サービスの開発が必要ではないか、と課題を感じていました。

「スマレジDevelopers Day」の会場で私の脳裏に湧いた着想とは、こんな感じでした。
自分一人で開発し、その成果をスマレジアプリコンテストに応募してみよう!

今年の正月の三日間は、休みを取らずにシカレジ(仮称)の企画や構想に充てました。
正月が明けても、わたしの中からスマレジアプリコンテストへの思いは去りません。
政府の統計情報が蓄積されているサイトを何度も訪問して統計情報を分析しました。図書館では分厚い統計情報の本のページを繰りました。本屋に行くたびに歯科経営の専門書コーナーで長い間立ち読みして知識を蓄えました。
そうした作業の甲斐があって、少しずつシカレジに必要な項目や連携すべき点、オペレーションで改善すべき点について学ぶことができました。
もちろん妻にはどういう項目が必要かを聞きました。受付の運用なども見聞しました。また、妻の弟が埼玉県で歯科医院を経営しているので、訪問して電子カルテシステムの内容を見せてもらいました。

こうした作業から感じたのは、今まで私が有利な立場を活かしていなかったことです。目の前に歯科経営の教材があり、それを技術者・経営者としての糧にできたはずなのに、何の成果も得ていなかったこと。私はとてももったいない日々を過ごしていました。

1月はそんな風に過ぎていきました。開発にも取り掛かっていて、kintone内部やスマレジとの連携はうまく行きそう。
そんな中、1月の半ばにスマレジ社のご担当者様からいただいたのは、患者さん向けの情報ページをLINE ミニアプリで実装してみないかというお話です。
さらに、妻からはシカレジはダサいから、名前をチェアサイドレジに変えたほうがいいんじゃない?という提案まで。

ここでシカレジ、あらためチェアサイドレジについて概要を説明します。

チェアサイドレジの中で、患者さんが診療情報を確認する手段として私が考えていたのは、ウェブサーバーに認証付のページをおくことでした。
CMSでページを構築し、それをkintoneやスマレジと連動する。それらを連携する開発は経験済みなので可能。それが私の当初の目論見でした。
ところが、ここでLINEミニアプリという提案が登場します。私は、この時にご提案をいただくまでLINEミニアプリのことを全く知りませんでした。そもそもLINEと連動させるシステムすら全くご縁がなく、未経験でした。
でも、LINEのユーザー認証を取り入れられれば、セキュリティはさらに強化できそうです。セキュリティだけが弱いと感じていたので。残り時間は少ないけれど、チャレンジしてみよう、と決断しました。

ところが間の悪いことに、1月の末頃から本業の方で案件の引き合いを連日のようにいただくようになりました。
案件が来ると私が対応しなければなりません。要件定義やヒアリング、さらには上流工程などの調整。一方では既存の案件のコーディングの指導や指示を弊社メンバーに行います。案件の難易度によっては私が手を動かす必要が生じます。その合間には機密保持契約や基本契約の締結を行い、見積書や請求書の提示などの作業もこなします。もちろん経理業務や雑務も頻繁に発生します。それらが怒涛のように一気に押し寄せてきました。
私からチェアサイドレジに携わる時間が顕著に奪われていきます。

そのような案件の活況は、第二回スマレジアプリコンテストの締め切りの3月末どころか4月半ばまで続きました。
そのような状況に追われる中、私は正直、3月初旬の時点ではもう応募すらできまい、と半ばあきらめかけていました。
でも、気力を出し、わずかな合間に資料やアプリをまとめて応募にこぎつけられました。妻がロゴの原案を考え、イラストレーターの長女がそれをロゴデータにしてくれました。

受賞した時の思いは、この記事の中にも書いています。

率直に打ち明けると、「スマレジDevelopers Day」の時点で、私はヤマっ気を持っていました。
雇用やコロナ感染によって悪化してしまった財務状況を、スマレジアプリコンテストでグランプリをとることによって解消しようという欲。
ところが、案件の引き合いが増える中で、なんとか財務を持ち直すことに成功しつつありました。
そのため、4月の末にスマレジアプリコンテストで佳作を受賞したご連絡をもらった時、グランプリの1000万円を逃した悔しさはありませんでした。純粋にアプリが評価されたことへの感謝だけがありました。

5/26には第二回スマレジアプリコンテストの授賞式がありました。
最初のユーザーはココデンタルクリニック、つまり妻を予定しています。そのため、妻にはきちんとスマレジの仕組みを知ってもらう必要があります。そこで一緒に授賞式に来てもらいました。



授賞式は動画配信の予定があったのですが、機材のトラブルによって、私が登場するのは講評の部分からです。
ただし、妻が動画を撮影してくれていました。

なお、この時のスピーチで私は大したことを話していません。
むしろ、この後の座談会で話したことのほうが重要です。ただし、残念なことに動画は残っていません。
座談会では、各社さんの応募したアプリの工夫や思いも伺えました。また、店舗に訴求するスマレジの可能性を感じました。店舗オペレーションに特化したスマレジをkintoneが補完できる可能性も含めて。
弊社の価値は、kintoneの中だけに閉じていては発揮できません。kintoneをベースにした、他のPaaS/SaaSと連携するところにあると確信しています。

まだまだチェアサイドレジには直すべきところが残っています。それはこの記事でも書いた通りです。
これは私が引き続き開発していきます。自分でやるべきタスクだと思っています。
上に書いた通り、私自身に技術者としての可能性が尽きていないことの証し。それがこのチェアサイドレジだと信じているからです。

そして、弊社の将来のことを考えると、自社サービスの展開にチャレンジし経験を積んでおくことは、将来への布石としてやらなければいけないことももちろんです。

それらも含めて弊社にとってはとても重要な受賞だったと思います。
あらためて授賞式に来てくださった方、皆様、スマレジ社、審査員の皆様、ありがとうございました。


Cybozu Days 2020に三日間出展しました


2020年11月11日から11月13日まで幕張メッセで催されたCybozu Days 2020に弊社も出展いたしました。https://cybozuconf.com/

今まで、弊社はCybozu Daysも含め、あらゆる展示会に出展した経験がありませんでした。
そうした経験の不足に加え、今回は世の中がコロナウィルスに振り回されています。そんな世相の中、そもそもCybozu  Days開催されるかすら定かではありません。
さらに、多数のkintone案件を受注し、開発に従事していた弊社にとって、並行してCybozu Daysの出展準備などとても無理。そう思っていました。

そう思っていた一方で、昨年のDaysの後、サイボウズオフィシャルパートナーとして任命いただきました。また、長らくエバンジェリストとして任命されていながら、ステージにも立ったことがなければブース出展の経験もなかった私。いつもオーディエンスのままだったことに自分でも飽きたらないものを感じていました。
パートナーになってブース出展の資格を得たところで、一つブース出展をやってみようか。
ところが弊社は、kintone連携ソリューションを持っていません。ブースに出展しても、出せるのはパートナーとしての開発実績か、エバンジェリストとしての立場のみ。そんな手持ちの札が少ない状態でブースを出展したところで、会場の隙間を埋めるだけに終わってしまうのでは、と懸念していました。

そんな私に心強い助っ人が。
Polaris Infotech社の情報親方こと東野さんです。
https://www.polarit.co/

kintone界隈の方々には、サイボウズ社が発行しているkintone導入ガイドブックはおなじみですが、そのコンテンツは東野さんによって作られています。
さらに東野さんは、新規技術やガジェットを導入するのが好きで、その進取の気性は、私をはるかに上回っています。
弊社はサイボウズオフィシャルパートナーであり、出展資格を持っていますが、Polaris Infotech社はパートナーでないため出展できません。

二社が共同出展することにより、互いに足りないところを補い合い、なおかつ二社にとってWin-Winの結果が見込まれる。
そんなわけで、共同出展に踏み込みました。

二社で共同出展することにしたとはいえ、来場者の目を引くにはもう一つ決め手が薄いことは否めません。なにしろ、kintone界隈で著名な連携サービスを持っていないのですから。そのような状態で出展するには決め手が足りない。もう一つ柱が欲しい。

そこで東野さんが提案したのが、アバターによる音声応答のソリューションです。
名古屋のRAKUDOさんが運営するAI Interfaceというサービスがあります。
https://www.ai-interface.com/
http://rakudo.io/homepage/
AI Interfaceが備える音声応答のソリューションの背後にkintoneを組み合わせれば、音声による応答を実現しつつ、背後のデータベースも備えられる。しかもkintoneの場合、簡単にデータベースが構築できる。より良いソリューションになるはず!

そんなわけで、他の案件との並行に疲弊しながらでしたが、アプリの連携に成功しました。

あとはブースの展示パネルやちらしや名刺の手配です。ここは出展経験を持つPolaris Infotechさんの経験に全面に依存しながら、無事に当日に間に合わせることができました。東野さんには感謝です。
スタッフも両社の関係会社やビジネスパートナーさんにご協力を仰ぎ、三日間で延べ11名のスタッフに手伝っていただきました。皆さんにも感謝です。
また、二日目の最後のほうにこうした素敵な動画を撮影し、すぐにYouTubeにアップしてくださったキンスキの松井さんにも感謝です。

こうして三日間の出展を無事終え、感じることは来場者の皆さんへの感謝です。
沢山の方が訪れてくださいました。埋め草ブースどころか、私たちの思った以上に。
二社の知己の方はもちろん。弊社が過去に手掛けさせていただいたお客様や、私が前月に登壇したセミナーで私に興味を持ってく出さった方や、サイボウズ社員の方など。
もちろん、初めてお会いする方も多くが私たちのブースに立ち寄ってくださいました。

もちろん、無名の私たちのブースは、ほとんどの方にとっては興味を引く対象になりえず、一瞥して通り過ぎてしまう方も多かったです。
それでも、私たちのブースに目を止めて下さった方がいたことは、とてもありがたく思いました。

なぜ目にとめてくださったのか。kintone連携ツールのパネルが掲げられてもおらず、ノベルティで客引きできるほど資金力もない我々のブースに。
それはおそらく、アバターの画面がブースの中で異彩を放っていたからでしょう。
アバターの女の子にならんで検索の応答結果として東野さんの顔が大きく映し出されたディスプレイ。それはなかなかのインパクトでした。東野さんの打った手が見事に功を奏しました。

今回のCybozu Days 2020は、EGO & PEACEというテーマでした。
わがままと平和。
その一見すると相反する二つのテーマは、今の多様化が求められる社会において、誰もが両立に悩んでいます。

私にとっても同じです。今までの私の生涯は、まさにEGOを追い求めてきたものでした。
ラッシュがいやだ、毎朝毎夕の通勤の繰り返しがいやだ。それは間違いなくEGOです。
では、そのEGOをどうやって実現し、人に迷惑をかけずに自分にとって平和な毎日を呼び入れるか。

そもそも私がなぜkintoneのエバンジェリストになっているか。
その主な理由は、こうしたサイボウズ社の理念に共感していることです。
毎年のCybozu Days で打ち出されるテーマが、私にとって刺さります。
今年もそれは変わりませんでした。

ただ、今年はブースに三日間のほとんどを立つことに決めており、セッション聴講はあきらめていました。
ですが、三日目のセッションが聞けたのはうれしかったです。(初日のkintone Hackもほぼ見ることができました)

まさにそこで展開されていた議論は、私と弊社の抱えるテーマに即しており、そうした場に出展社として参加できたことがとても誇らしかったし、得るものが多かったです。

弊社は大阪のCybozu Days 2020には出展しませんが、私は登壇のために初めて参加する予定です。今から楽しみでなりません。

最後になりましたが、来場者の皆さん・サイボウズの皆さん・弊社ブースのスタッフの皆さん・東野さん。ありがとうございました!