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本格小説 上


本書のタイトルは簡潔なようでいて奥が深い。
小説とは何か。そうした定義に思いが至ってしまう。むしろ、何も考えない人はどういう心づもりで本書を読むのかを聞いてみたい位だ。
そんな偉そうなことをいう私も、そのようなことを普段は一切考えないが。

小説だけでも多様なジャンルがある。私小説や、童話、SF小説、ミステリー、純文学。
そのジャンルの垣根を飛び越えた普遍的なものが本格なのだろうか。

それともジャンルに関わらず、プロットや構成こそが本格を名乗るのにふさわしい条件なのだろうか。
または、『戦争と平和』や、『レ・ミゼラブル』のような長い歴史をつづった大河小説こそが本格の名に値するのだろうか。

書き手と読み手の二手にテーマを設定するとさらに解釈は広がる。
「本格」とはその語感から連想される枠の窮屈さではないように思う。むしろ逆だ。受け取り手の解釈によってあらゆる意味を許される。つまり「本格」とは曖昧な言葉ではないだろうか。

読者は本書を手に取る前に、まずタイトルに興味を持つはずだ。
そして、上に書いたような小説とは何か、という疑問をかすかに脳内で浮かべることだろう。それとともに、本書の内容に深い興味を持つはずだ。
いったい、本格小説と自らを名付ける本書はどのような小説なのか。この中にはどのような内容が書かれているのか、と。

本来、小説とは読者にある種の覚悟を求める娯楽なのかもしれない。今のように無数の本が出版され、ありとあらゆる小説がすぐに手に入る現代にあって、その覚悟を求められることがまれであることは事実だが。
時間の流れのまま、好きなだけ視覚と思考に没入できるぜいたくな営み。それが読書だ。読者は時間を費やすだけの見返りを書物に期待し、胸を躍らせながらページをめくる。
例えばエミリー・ブロンテによる『嵐が丘』が世界中の読者の感情をかき乱したように。
本書のタイトルは、そうした名作小説の持つ喜びを読者に期待させる。まさに挑戦的なタイトルだと言えるだろう。

ところが、本書は読者の期待をはぐらかす。
著者による「序」があり、続いて「本格小説の始まる前の長い長い話」が続く。
前者は5ページほど、本書の成り立ちに関わる挿話が描かれている。そして後者は230ページ以上にわたって続く。そこで描かれるのは著者を一人称にした本編のプロローグだ。
読者はこの時点でなに?と思うことだろう。私もそう思った。

本書の主人公は東太郎だ。アメリカに単身で流れ着き、そこから努力によって成り上がった男。

著者は長い長い話の中で東太郎と自らの関係を述べていく。
親の仕事の関係で12歳の頃からアメリカで住む著者。そこにやってきたのがアメリカ人実業家の家に住み込んでお抱え運転手をすることになった東太郎。
そこから著者と東太郎の縁が始まる。
やがてアメリカで成功をつかみ、富を重ねていく東太郎。ところがその成功のさなかに、東太郎はアメリカから忽然とその姿を消してしまう。
成功から一転、その不可解な消え方についてのうわさが著者の耳にも届く。

ところがその後、著者の元に東太郎の消息が伝えられる。
伝えたのは祐介という一読者。東太郎に偶然会った祐介は会話を交わす。そこで祐介は東太郎から著者の名前を聞く。かつてアメリカで知り合いだったことを教わる。
そのご縁を著者に伝えるため、祐介は著者のもとにやってきたのだ。

著者は東太郎とのアメリカでの日々から祐介に出会うまでの一連の流れを「本格小説の始まる前の長い長い話」に記す。
そしてこの長い前書きの最後に、著者が考える「本格小説」とは何かについてを記す。

「「本格小説」といえば何はともあれ作り話を指すものなのに、私の書こうとしている小説は、まさに「ほんとうにあった話」だからである」(228ページ)

「日本語で「私小説」的なものから遠く距たったものを書こうとしていることによって、日本語で「本格小説」を書く困難に直面することになったのであった」(229ページ)

「なぜ、日本語では、そのような意味での「私小説」的なものがより確実に「真実の力」をもちうるのであろうか。逆にいえば、なぜ「私小説」的なものから距だれば距たるほど、小説がもちうる「真実の力」がかくも困難になるのであろうか」(231ページ)

「日本語の小説では、小説家の「私」を賭けた真実はあっても、「書く人間」としての「主体」を賭けた真実があるとはみなされにくかったのではないか。」(232ページ)

続いて始まる本編(235ページから始まる)は、祐介の目線から語られる。
軽井沢で迷ってしまい、道を尋ねた民家。そこで出会ったのがアズマという動物のように精悍な顔をした男。冨美子という老女とともに住むその男のただならぬ様子に興味を持った祐介。
後日、軽井沢の街中で冨美子と出会ったことをきっかけに、祐介は老いた三姉妹に別の別荘に招待される。そこで冨美子や老いた三姉妹と会話するうちに、彼女たちにタローとよばれるアズマの事が徐々に明かされていく。

本編に入ると、ところどころに崩れかけた家や小海線、軽井沢の景色が写真として掲げられる。
それらの写真は、本編が現実にあったことという印象を読者に与え、読者を下巻へといざなう。

2020/11/1-2020/11/5


kintoneについての紹介とデモのイベントを行います



弊社が出展するイベントの情報です。

来たる6/21(日)、町田市鶴川にあるポプリホールの多目的室において、ココデンタルクリニックさん主催のイベントの1部として
「ぶきっちょさんでも出来る?! デジタル健康管理とお財布の健康」
というお題でデモをさせて頂くことになりました。

30分程度の同じ内容を午前中に2回ほどやらせて頂こうと考えています。
kintoneの紹介を10分、残り20分でその場でアプリを作成し、簡単にアプリが出来る様子を見て頂ければと思います。
技術者向けの内容ではないため、やさしくゆっくりめのご説明を心がけたいと思います。また詳細については、変更があるかもしれませんので、追ってご連絡させて頂きます。なお、個別にお話を伺ったりデモさせて頂くことも可能です。当日は16時近くまでイベントに参加しておりますので。

また、午前の1部ではライフプランナーさんがこっそり教える
「お財布の健康」
についての講演を行います。

第2部
お昼からは、
ゲストに、東京なちゅらるぐるめのオーナー宮地祥子さんと、タロットコーチングの佐々木美保さんをお迎えして
「お口から考える、心と身体に良いこと」
をテーマに講演を行います。
ココデンタルクリニック院長(弊社代表の妻です)も、参加いたします。

そして…
会場内では1日を通して、お子様を対象にkao*kaoさんの簡単なワークショップコーナーも設けております。

会場への入場は無料となっておりますので、日曜日のひと時是非足をお運びください✨

本日より、詳細を順次アップして参ります( ´ ▽ ` )ノ


vol.3 小田急小田原線 東北沢駅


2013/8/10の仕事帰りに通りがかった東北沢駅。通勤の際に通過する駅でありながら、3,4度乗り降りの経験もある駅です。今回は、地下化工事の進展を収めるために駅鉄にアップします。

[3-1]工事中の様子へ

[3-2]駅入口へ

[3-3]駅舎内へ

(写真をクリックすると拡大します)

工事中の様子

[3-2]次章へ

2013-08-10 16.45.34かつて踏切だった場所もこのようになっています。

2013-08-10 16.45.41踏切の痕跡は跡形もありません。通りも道路拡張でかなり立ち退きが進んでいました。

2013-08-10 16.45.53見事に線路の痕跡が消えています。

2013-08-10 16.46.03柵越しに代々木上原方面を撮ってみました。

2013-08-10 16.46.22旧駅舎も柵越しに撮ってみました。ほぼ痕跡が残っていません。

2013-08-10 16.48.09と思ったらわずかに線路際に旧駅の痕跡が残っていました。

2013-08-10 16.48.21代々木上原の高架化で近隣住民の方と諍いがあったからか、近隣住民への配慮には相当気を遣っている様子です。これは工事状況の説明板。

2013-08-10 16.50.32下北沢側に回り、柵越しに旧駅舎を撮ってみたところ、まだ駅ホームの痕跡が残っていました。

2013-08-10 16.50.25工事の用具置き場となっていますが、ぎりぎりまでホームを残すつもりのようです。

2013-08-10 16.50.18下北沢方面はかなり線路の痕跡が消えています。

2013-08-10 16.49.46わずかに残る旧駅もかなりの部分が遮音壁に囲まれています。

2013-08-10 16.49.12ここにも近隣住民への案内が。小田急の並々ならぬ配慮を感じます。

[3-1]前章へ

駅入口

[3-3]次章へ

2013-08-10 16.51.15仮の駅入り口です。

2013-08-10 16.51.23それほど不便にはなっていない様子。

2013-08-10 16.53.36仮とはいえ、それなりの面構えです。

2013-08-10 16.51.56でも仮の姿はあくまで仮。本物はこのようになる予定のようです。

2013-08-10 16.51.49工事ステップも図式化されています。広報誌その他でも数年前から見ていますが、小田急の気を遣っている姿勢が見えます。

[3-2]前章へ

駅入口

2013-08-10 16.55.09ホームへ降りる階段。

2013-08-10 16.55.15階段の途中からエレベーターなどを仰いで。

2013-08-10 16.59.49駅構内図はこのようになっています。

2013-08-10 16.55.37島式ホームですが、内側に囲いがあります。

2013-08-10 16.57.09外側の線の内側にある囲いはなんでしょうか。

2013-08-10 16.57.05線路です。将来敷設される線路が既に敷かれています。

2013-08-10 16.55.41これは将来的には外側の通過線として、内側の線に停車するということだと思われます。

2013-08-10 16.57.22将来の活用に向け、着々と準備は進んでいるようです。

2013-08-10 16.56.12駅名標はこのままなのでいけそうです。

2013-08-10 16.58.20ホームから代々木上原方面を望むとこのような感じです。おそらく変更はないものと思われます。

2013-08-10 17.02.03下北沢方面をホームからみるとこのような感じ。より深く、地下へとつながっています。

2013-08-10 17.00.07駅にはPRのパネルがあちこちにあります。

東北沢駅先頭へ


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Wikipediaの東北沢駅