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75年目に社会活動に思いをいたす


原爆が落ちて75年目の今日。

切りの良い数字だと思い出したところで、被爆者の方の無念は晴れません。
それは分かっているのですが、切りの良い数字は、自らの人生を振り返るきっかけにもなります。

25年前の今朝は、私は原爆ドームの前にいました。そして、世界中の人たちとダイ・インに参加していました。
(ちなみにその前日は原爆ドームの前にテントを立て、友人達と野宿していました。)

当時、私は大学の政治学研究部の部長を退任した直後だったので、国際関係や政治には深い関心を持っていました。
ですが、今や疎くなってしまいました。会社を経営しながら自分でも商談や設計やコーディングに携わっていると、そんな時間はなかなか取れません。
私の中の関心も当時に比べて隔世の感があります。

ですが、それでは駄目なんですね。経営者の立場としても、そして年齢の上でも、こうした問題にもっとコミットしなければ、と反省しています。
なぜなら、今の複雑に絡み合った動きの速い社会に対して、官僚や政治家が有効な政策を迅速に立案できるとは、とても思えなくなっているからです。
つまり、私たち民間の人間がもっと自覚し、民間で世の中を回すようにしなければなりません。
小さい政府を想定し、それに備えた動きをしなければならない。そう思うようになってきました。

忙しい毎日。
そんな中でも、どこかで理想を追う自分を維持し、どこかで社会のために役立つ自分を持っておく。
そうでないと、日々の売上や支出や進捗に自分が引き裂かれてしまいそうです。

ですが、私は今、そうした政治や国際関係を語るだけの知識や見識が失われています。
少なくとも大学時代に比べると。

だから、今の私は、自分にできることをしようと考えを変えています。
それは地道な方法で社会貢献することしかないです。

昨日は生まれて初めてクラウドファンディングに寄付しました。
町田市地域活動サポートセンターさんが今、実施されているものです。
https://camp-fire.jp/projects/view/305818

また今夜、行われるfreee & kintone Biztech Hackも活動自体は無償です。
https://page.cybozu.co.jp/-/fk-biztech/
私には一銭も入りません。
これも技術を社会に広める意味では、社会貢献の一つだと感じています。

そもそも、日々の仕事を正直に公正に行うことも、立派な社会貢献だと思います。
それが社会を回し、人々の役に立っている限り。
だから、ことさら社会貢献にとらわれなる必要はないと思います。

ですが、せっかくの仕事も、組織のためだけで完結してしまうとなると、社会に及ぼす効果は薄いです。
管理のための管理、時間をつぶすための仕事になっていないか。そこは気を付けたいですね。
日々の行動を外部に直接的な影響を及ぼす。それが結果として社会貢献につながればよい、と思っています。

75年前に非業の死を遂げた方々のためにも。


ラグビーワールドカップがくれたもの


ラグビーワールドカップが南アフリカの優勝で幕を閉じましたね。
開幕戦から優勝戦まで、ほんとうにたくさんの感動をもらえました。選手の皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました。

私は、多くの人たちと同じくラグビーのにわかファンです。
ジャパン・ラグビー・トップリーグは六~七年前に秩父宮で一度だけ観戦したきり。前回のイングランド大会で南アフリカを破ったブライトンの奇跡でラグビーの面白さに目覚め、その直後にさいたまブリティッシュ・フェアで日本大会を告知するブースをみて、寄せ書きを書くほど盛り上がったにもかかわらず、結局それ以降、ジャパン・ラグビー・トップリーグも見ることなく、今回の大会のチケットも購入しませんでした。
しょせんは私もにわかだった、ということでしょう。

でも、にわかでもいいと思うのです。
誰でも最初はにわか。これから好きになればよいのです。にわかを恥じることもなければ、揶揄されるいわれもありません。

今回のラグビーの何が良かったって、多様性を実現しながら、日本の良さを体現していたからでしょうね。
それは多くのブログや記事でも指摘されていたから、詳しくは繰り返しますまい。
多国籍でありながら君が代をうたい、献身的なプレイで組織の力を見せつけてくれた。その姿は、今の閉塞する日本をうちやぶる可能性に満ちていました。
だからこそこれだけ国民が熱狂したのでしょう。

これからの日本は移民に頼らなければ立ちいかなくなる。これは明らかです。
もう、今の出生率では日本の国力が高度経済成長期のような発展を見込むことは無理でしょう。技術によって生産性が上がったとしても、既存の経済理論が需給の活性化に依拠しているからです。
どうやって移民を受け入れ、しかも日本の良さを維持するのか。そのヒントをラグビー日本代表「ブレイブ・ブロッサムズ」は与えてくれました。

ヘッド・コーチとコーチは試合中、スタンドから指示をだすだけ。事前の練習やフォーメーションを決めるだけで、実業務は現場の判断に任せる。
そして、15人の選手はキャプテンも含めて全てフラット。等しく走り、汗を流す。ポジションによって役割はあるけれど、そこに上下はなく、皆が目的に向けて奉仕する。

思うに今のわが国は、階層を分けすぎたのでしょう。いわゆる大企業病というやつです。
そこから脱し、再び日本に活力を与えるためには、ブレイブ・ブロッサムズの姿を参考にするのが良いはずです。
多様性をもったメンバーが一つの目的のために集まる。
上下関係をなくし、フラットに目的にまい進する。
そして経営層は過度に現場に介入しない。スタンドから指示を出すようにITを活かしてリモートで指示を出す。

今回のラグビーは競技としての感動だけでなく、組織のあるべき姿に多大なヒントを与えてくれました。
私を含めたにわかファンは、ジャパン・ラグビー・トップリーグの試合に足を運ぶべきです。私もがんばって試合を見くようにします。今回、やっぱりチケット買えばよかったーと後悔したので。
きっと個人としての生き方、組織の中での生き方にヒントをもらえるはずだから。