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初めてでもグングンわかる経理・簿記のツボ


本書は、先日に読んだ「一番やさしい簿記」に続いて読んだ会計の一冊だ。

「一番やさしい簿記」は、仕訳について重きを置いていた。何度も何度も読者に仕訳の練習問題を解かせることで、基本を理解させることに重きが置かれていた。(一番やさしい簿記レビュー
おかげで私は、かつて取得した簿記三級の知識を思い出すことができた。

本書はより専門的に経理業務を解説した本だ。本書が取り扱う経理業務の範囲は、経理業務の全体に及んでいるように見受けられる。
本書はもちろん仕訳についての説明がなされている。だが、「一番やさしい簿記」に比べるとその割合は少ない。せいぜい、本書全体の五分の一程度だろうか。

その分、本書は、仮払いや取引、預金取引、手形管理、販売管理、与信管理といった各勘定科目の内容について説明する。

売上や仕入の管理、消費税や役員報酬、給与支払、保険給付、請求書、減価償却、固定資産の管理など、経理の業務には仕訳以外にも覚えることが多い。
「一番やさしい簿記」を読んでから、本書を手に取った私の順番は間違っていなかった。

経理の各勘定科目の種類。技術者としてクラウド会計ソフトを操るにあたっては知っておくべきだ。他のクラウドシステムと連携させる際は特にこの知識が求められる。
そうした意味でも本書は役に立った。
特に弊社が採用している会計freeeは、左右の貸方借方を釣り合わせる複式簿記とは違う設計思想で作られている。ということは、そもそもの貸方借方の概要を知っておく必要がある。
セミナー登壇、ブログ執筆、動画作成と私自身が会計freeeの解説者のような立場である以上は。

取引をどのように仕訳として連動させるのか。
会計freee内で導かれた最終的なアウトプットを、どのように他のシステムにつなげれば良いのか。
会計を扱う技術者として、覚えるべき知識は多い。

そこで疑問が生じる。
経営者としては、どこまで経理の実務に精通すべきか。
私のような半人前の経営者にとっては悩みどころだ。

当然、本来ならば経理も経理の専門家に任せるべきだろう。
弊社の場合、顧問税理士の先生に経理の処理はすべてをお任せしている。

経理のデータは経営上の判断のために必要だ。その元となるデータは仕訳の作業の積み重ねから生まれる。その仕訳処理は経理ソフトやクラウド会計ソフトが自動的に行ってくれるようになった。
さらに、上に挙げた各勘定科目の内容については、税理士の先生がすべてを取り仕切り、しかるべき科目に振り分けて決算資料に導いてくれる。

では、経営者が本書から学ぶべき内容はどこにあるのだろう。
技術者として本書から得るべき要は何なのだろう。

経理の実務に経営者自らがあたる必要はない。それにもかかわらず経営者は、その勘定科目が何を表しているのか程度の最低限の知識は持っておくべきだと思う。
なぜなら、財務諸表は会社の状況を見るために欠かせない項目だからだ。
財務諸表の各勘定科目が何を意味しているのかわからなければ、会社の状況もわかるはずがない。
そして会社の状況が把握できなければ、会社を誤った方向へと進めかねない。それは経営者としての命取りとなる。

だから本書を読むことで、経営者は経理の実務よりも、勘定科目が何を対象とし、どういう目的で行われているのかを理解することが肝要だと思う。

当然のことだが、営業活動によって生まれた売上はすぐに入金とはならない。売掛金として収益に計上されるが、手元で自由に扱える資産にならない。
買掛金も支出になるが、負債にならない。
後日、入金があり次第、仕訳のルールに基づいてしかるべき勘定科目に記載される。売掛金は収益から資産へと。買掛金は負債から支出へと。

同様に、そのことは会社のキャッシュフローを把握する考えにもなる。
キャッシュフローを見誤って投資のタイミングを誤れば黒字なのに倒産してしまう。

また、投資する際も経理上の勘定科目の場所を間違えると、財務諸表で会社の財務に誤ったインパクトを与えてしまう。
もちろん、そうした事態を未然に防ぐために税理士の先生がいる。弊社も顧問料をお支払いしている。
だが、そこで顧問契約を結んでも、何をしてもらっているのかわからないようなら、支払う意味が半減する。
そうした意味からも、本書が扱う程度の知識は経営者として把握しておくべきなのだろう。

本書を読むきっかけとなったfreee & kintone BizTech Hackは四回に渡って催され、オンラインハンズオンの講師を二度、スタッフを二度務めた。任務は無事に終了した。
ハンズオンの中では、kintoneで作った取引データのステータスを請求まで進め、その時点でfreee上に取引データを作った。勘定科目を売掛金として。
ところが、参加してくださっていた税理士の方から、勘定科目は売上高の方が良いのでは、という意見をいただいた。
つまり、私自身の理解はまだまだ足りていない、ということなのだろう。
実際、上で偉そうに経営者が持つべき財務諸表の知識を語ったが、私が持つ経理の知識は足りない。私の財務の知識など、まだ個人の家計の延長でしかない。
経営者として学ぶべきことは多い。

さらに、私は技術者としてどういう知識を学ぶべきか。会計や経理の知識を今後どう学んでいけば良いのか。それをfreeeにどう活かしていけば良いのか。
それには経理や簿記を学ぶしか道はないと思っている。

その結果、私は簿記二級の取得にチャレンジすべきか。
そして、そもそも本書の内容に熟達すれば、簿記二級は合格できるのだろうか。

おそらくそうした点まで理解して初めて本書を読み切ったと言えるはずだ。
今の私にはまだまだ遠く及ばぬ域だ。

‘2020/02/18-2020/02/18


平成30年10月のまとめ


この5月から毎月のまとめを弊社ホームページ上でアップしています。

この10月を一言で言うなら、小休止といったところでしょうか。作業の体制を切り替えるにあたっての過渡期といいかえてもよいです。常駐先での作業が主だったころと変わらぬ額の売り上げは確保しましたが、大きなSES案件が一つ、9月で終わったこともあって10月は少し売上が落ちています。

ただ、唯一のSES案件が終わろうとも、粗利率の向上を目指す施策に変わりありません。私自身が携わり、開発に手を染める案件を増やす―粗利率を上げる―方向に変わりありません。 また、10月に手掛けた案件の多くはkintone案件を中心とした、集中した作業によって実を結べる類の案件でした。そのため、SES案件を除いた売上額では、従来の売上額からの落ち込みはありません。まずは一安心しています。

一方で、11月はいろいろな案件が始まります。今まで種々の集いに顔を出したことが実を結んだ案件もあります。また、既存のお客様のフォローに動いたことから別のお話をいただいた案件も数個あります。kintone案件の外にもいろいろと受注をいただいています。イノベーションプラス様とはパートナー契約を締結させていただきました。11月はさらに忙しくなりそうです。下半期の開始としては上々のスタートかもしれません。

あとはたくさんいただいた案件を粗利率を下げずにどうやってこなしていくかです。11月に始まる案件の一つにSES案件があります。これを完全に技術者さんに任せてしまうと、弊社の粗利率が減ってしまいます。5~9月に粗利率を悪化させた同じ轍を踏むことは避けなければ。なのでこの案件については週一、二ペースで私も携わろうと思っています。また、以前の反省点として色々な案件に手を出したことで、工数が想定を超えてしまった反省がありました。ですが、今回はその時に手を染めたことにより、ノウハウを得ている話が来ました。これでかつての苦労も投資として振り返れるかもしれません。

大きなお客様が増え、弊社にとって安定度が増してきました。ただ、今月は一つだけ弊社の歴史にとって記憶しておくべき出来事もあります。それは10年に渡ってホームぺージ製作や保守を担当していたお客様との契約が今月で終わってしまうことです。個人事業主になった私がSESを除いて請け負った二件目のお客様でした。それから10年。弊社の歴史とともに歩んで頂いたので、少し感傷的にもなります。ですが、弊社としては、ホームページ製作の割合を減らしていくつもりでした。無料で簡単に作れるホームぺージ製作ツールも多数ある中、今やホームページの製作で粗利をあげる難しさをつくづく感じていましたので。円満に新たな業者様に引き継いでいるので、これからもご縁は続くと信じています。

10月は、弊社の発信の仕方を、Twitterを中心にして少し変えてみました。DevRelJp Meetup in Tokyoというイベントにも参加し、有益な情報もいただきました。それをいかしつつ、引き続き試行錯誤してみたいと思います。あとニコニコ動画で伝統工芸の世界を発信するハロー職1にも参加し、新たな情報発信のあり方を学んだ月でもあります。また、会津では地元の魅力を伝える取り組みに触れることができました。臺灣では日本と変わらずに仕事や作業を行える方法を会得してきました。あと、今月はAWS Loft Tokyoのオープニングイベントにも参加し、AWS Loft TokyoやDeNAのShibuya Studioといった作業場も使わせていただけるようになりました。それらも含めて、10月はインプットという意味でも有益な月となったように思います。

慢心することなかれ、安住することなかれ、変化を恐れることなかれ、今に満足することなかれ。


平成30年9月のまとめ


この5月から毎月のまとめを弊社ホームページ上でアップしています。

粗利率の向上がここ二、三カ月のテーマでしたが、今月は改善ができたように思います。

それは、私自身が携わり、開発に手を染める案件を増やしたからです。また、それが売り上げとして結実したからです。
しかも、その多くはkintone案件を中心とした、作業を集中することで実を結ぶことができる案件でした。実はもう一つkintone案件がありましたが、それは9月中に売り上げを立てられるまでに至りませんでした。でも、ほぼめどがついたので来月に結果を出せそうです。

他にも今月は上半期のまとめとして、下半期につなげられるような動きに心を配りました。
それも結実しそうな予感がします。売上を確保しつつ、粗利率を挙げられるような方向で。

たとえばAWS社に訪問し、クラウド上に作成するデータベースの開発・保守についてお話を伺えたことも大きい話です。

あと、大きなお客様が増えてきたことで、弊社にとって安定度が増してきました。
もう一つ、書くことを中心にした発信の仕方を、Twitterを中心にして少し変えてみました。
その成果が今後どう出るか。引き続き試行錯誤してみたいと思います。

慢心することなかれ、安住することなかれ、変化を恐れることなかれ、今に満足することなかれ。


平成30年8月のまとめ


先々々月から毎月のまとめを弊社ホームページ上でアップしています。

粗利率の向上がテーマのここ二、三カ月のテーマです。粗利率をどうやって向上させるか。

先月、税理士の先生の下で財務計画を検討したときにいただいたアドバイスは二つ。売上を増やすか外注率を下げるかのどちらかです。実は売上については今年の上半期の状況が続けば、最終的には前年度をかなり上回れそうな見込みです。今月も水準は超えています。ところがそこには外注率の高い案件が含まれています。粗利率を向上させるには、外注率を下げるしかありません。ということは、外注率の低い案件を増やすしかありません。そして、外注率を下げれば、現時点の弊社の体制では自動的に私に負担がかかることを意味します。

今までの私の反省。それは、あれこれの技術に面白がって手を出してしまったことです。そのため、スキル取得のコストが生産性の足かせになっていました。生産性を上げれば、外注費を掛けずに私一人でこなせる案件も増やせます。では、私一人でいくつも案件をこなすためには何をすればよいか。私にとっての得意分野をやっていくしかありません。新規スキル習得を後回しにしても、既存のスキルで回せる案件を増やしていく。私にとって既存のスキルで回せる案件とは、デザインスキルがさほど要らず、基盤構築が不要なクラウド上での開発案件です。特にkintone。

7月のまとめでいくつかkintone案件で受注が採れたと書きました。実は今月も新たなkintone案件の受注をいただきました。しかも名の通った会社様からのkintone案件が増えています。おかげで営業をせずに次の案件を請けられるようになりつつあります。これはとても嬉しいことです。今まで、弊社が口コミ以外で新規に受注できた案件の多くは、マッチングサイトからのものでした。ところがマッチングサイト経由だとクラウド案件はあまりなかったのです。それどころか、新たたスキルを求められる案件が多く、それが新規スキルの習得コストに跳ね返っていたのです。それがkintoneだけを極めていけば、次々と案件が来るような兆しができたのは大きい。ようやく弊社にとって望ましい状況が見えてきたのが今月だといえます。

8月はkintoneの多重Promise処理が求められる案件もこなし、だいぶスキルがあがりました。でも、まだまだです。そのためにも勉強は欠かせません。そのため、kintone dev camp 2018にも参加しました。その時のご縁でTwilioビジネスセミナーにもお呼ばれし、kintone Café 東京にも参加しました。kintone連携のサービスの営業パートナーにもなり、今もお客様のもとでkintoneソリューションを組み合わせた案件の仕様策定に関わっています。ようやくkintoneエバンジェリストとしてお役が立てそうな気がしています。これを機にTwitterの弊社アカウント(@akvabit_llc)でもkintoneネタをつぶやいていきますので、フォローをお願いします。

ただ、まだまだ弊社の売上の中でkintone案件の割合は3割ぐらい。これをもっともっと上げていかねば。弊社も願わくはkintone専業をうたってみたいもの。そのためにもやるべきことはまだまだ多い。

九月は新たなkintone案件に注力しつつ、売上よりも粗利率を考慮しながら経営したいと思います。少しでもkintone率をあげられるように。もちろん、プライベートの生活も大切にしながら、体も大切にしつつ。読書ブログもたくさん書いて。

慢心することなかれ、安住することなかれ、変化を恐れることなかれ、今に満足することなかれ。