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雲の上Talking〜プリントクリエイターNight〜に参加・登壇しました


久々に雲の上Talkingにお誘いいただき、LTに登壇しました。

今回は、プリントクリエイターがテーマということです。

トヨクモ社の中井さんからは、登壇にあたって以下の指示をいただきました。

時間:5分~7分
テーマ:「わたしとプリントクリエイター」
内容:
1.プリントクリエイターを使う前
2.プリントクリエイターと出会ったきっかけ
3.プリントクリエイターを使っている現在(運用状況)

このテーマなら、すぐに登壇資料を作成できそうだと思いました。
そう、私が黎明期のkintoneで案件を帳票出力も含めて実装した時の苦労を思い出せばよいのですから。

実際、スライドは、すらすらと書けました。
スライドは(https://www.canva.com/design/DAF_XS5ZMVI/ux_5Tvf371r8SPm-pk9jnw/view)、左のリンク先です。

当時と違い、今はkintoneから帳票を発行するプラグインはいくつもあります。
正直にいうと、今、弊社がkintoneから帳票を出す際に提案するプラグインは、プリントクリエイター一択ではありません。
適材適所で複数のプラグインを提案しています。

そのため、弊社にとってもプリントクリエイターの設定・運用ノウハウは必要です。
今回は、私としても他社さんのプリントクリエイターの使用例を知る絶好の機会でした。
登壇するよりも学びたい。

神戸さんの発表と上原さん・関さんの発表は私にも様々なことを教えてくれました。

神戸さんは産業廃棄物処理業者として、帳票をベースとした環境構築の重要性など。
産廃業者向けのkintone基幹システムは弊社も経験しているだけに、神戸さんの苦労もよくわかりました。

神戸さんの登壇で聞きたいことがありましたが、以下に書く通り、懇親会に出られなかったので聞けませんでした。
聞きたいこととは、産廃業務につきもののマニフェスト印刷はプリントクリエイターでしなかったのか、ということでした。
偶然にも翌日のkintone Café 栃木 Vol.1でも私とペア登壇を果たしたので、その際に聞きました。基幹システムが出力してくれるとのことでした。


上原さん・関さんの登壇もお見事。
目からうろこのプリントクリエイターの活用事例が連続し、自分のアイデアの乏しさに大いに反省させられました。

弊社のお客様にも弁護士事務所様が複数いらっしゃいますが、すぐにも活用できそうです。
上原さんの登壇を脇で声援する関さんとのコンビも新鮮でした。
kintone hiveやkintone hackではステージ前方でそのような声援を見かけたことがありますが、こういうイベントであえてわき役として応援に徹するスタイルがとても新鮮でした。

各テーマについて内容を振り返り、各島で議論した後、LTタイムが始まりました。


まずは、かのってぃさんのLTから。
QRコード出力機能を使って、簡易受付システムを作った事例です。

私、正直にいうとQRコード出力機能を知りませんでした。
https://note.com/kano_tty/n/n41c4462a32af
機会があればこの実装、使わせてもらいたいと思います。


続いて、吉原さんのLT。

吉原さんの成田デンタル社では、基幹システムの入力を行うのに、RPAを使わず、一度紙に出した後、それを転記入力するオペレーションが行われているそうです。そこで、入力画面を基幹システムの入力画面をそのままに出力し、オペレーターさんはそのまま入力すればよいようにしたということです。

なるほど。これはRPAやAPI出力に慣れてしまった私にはとても新鮮でした。まだまだこうしたRPAも使えず転記せざるを得ないオペレーションの際に喜ばれるはず。


続いては小泊さんのLT。

給食の献立をプリントクリエイターで作ってしまうというものです。
私にとってkintoneと出会ったときはもう娘たちがだいぶ大きくなりつつあり、私が本格的にkintoneで商売をするようになった時に下の娘も中学校も半ばになっていたため、kintoneと学校行事の組み合わせの季節は逃してしまいました。

これは、より世間のお母さま方に訴求すべき活用例ですね。

最後のトリは私でした。内容は冒頭に書いた通りです。


さて、皆さんで写真撮影をしましたが、私は結構焦っていました。
というのも、このあと19時から東陽町に移動し、スナックジョイゾーに出る必要があったからです。しかも、お客様をお呼びしていました。なので遅れるわけにはいきません。

写真撮影後、速攻で地下鉄に乗りました。
ちなみに東陽町の駅で待ち合わせ場所をはぐれてしまい、7時前に着いたのに、会場には遅れて入場。
でも、それもまたよしです。

まとめサイトはhttps://togetter.com/li/2337896です。
まずはご参加の皆さま、ありがとうございました。


事例:株式会社アップルボックス様


Excelで作り込まれた受発注システムの刷新にあたってkintoneを選定

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株式会社アップルボックス様は、設立以来30数年間、映像機器レンタルを始めとした映像関係の業務に携わっておられます。
メディア業界の進歩とともに映像機器の需要は増大しています。業界の進展と技術の進歩に対応しつつ、さまざまなプロダクションや映像関連企業からのご要望に応えておられます。

CMやPV等の映像制作は、さまざまな関係者の調整が必要になるため現場は多忙を極めます。
見積もりから受注に至った後も、お客様のご要望にあわせてスケジュールの突発的な変更もあります。臨機応変かつ迅速な映像機材の提供が求められます。

アップルボックス様ではそのような業界ならではの事情に合わせ、ご担当者様がExcelで全ての管理を行えるようなツールを作っていました。
そのExcelはブック間、シート間、セル間をまたいだ複雑な処理を制御し、受発注や機材、技術者、在庫管理など、会社の日常業務の大半で欠かせないものでした。実際、かなり作り込まれており、独自のノウハウが組み込まれていました。

ただ、管理すべきデータ量が膨大なため、どうしてもマクロの実行速度が遅くなり、Excelでは動作の安定性に不安があることからツールを開発した入来院様は頭を悩ませておりました。

そのような折、入来院様へ社長の金子様から「キントーンではどうか」とのご提案をいただいたとのこと、サイボウズ社からの紹介で弊社が担当させていただくことになりました。

マスタ整備、機材スケジュール管理および帳票開発が大変

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kintoneの開設から、運用開始までは約9カ月。
時間がかかったのは、マスタ整備が大変だったからです。アップルボックス様にはマスタ整備の作業でご苦労をおかけしました。

管理されている機材の種類が多いため、機材データの整備にも工夫が必要でした。
kintoneの<文字列一行>項目に重複不可の設定を行うと、文字数が64文字に制限されてしまいます。そのため、機材コードと機材名称を連結してユニークな値を作ろうとすると、機材によっては64文字を超えるケースもあります。
そうならないように機材名称を変更し、データとして扱えるようにしなければなりません。マスタ整備についてだけで何度も打ち合わせを行いました。

また、機材スケジュールを確認し、それを柔軟に修正するためのユーザーインターフェースの調整も苦労した部分です。
一つの撮影現場で使われる機材の数は何十種類にもわたります。さらに複数の案件が並行します。一つの案件でさえ、複数の現場が切り替わります。そうした状況でも機材を確実に現場に届けるため、アップルボックス社のご担当者様は、細心かつ迅速な機材スケジュールの調整を行っています。
kintoneの標準の一覧画面だけでは細かい制御ができません。時系列管理もできません。

そのため、ガントチャートを導入しました。Cybozu Developer Network上のサンプルプラグインであるガントチャートプラグインをベースに弊社がお客様向けにカスタマイズしました。

もっとも苦心した実装は帳票でした。
一つの見積書や請求書に載る明細行の多さや、事後見積書といった映像業界ならではの商慣習。
また、一つの案件の中でも複数の場所、日時が分かれます。それに応じて明細をページごとに分けて発行する必要もありました。

これを可能にする帳票ソフトウエアはそれほどありません。帳票にかなりのカスタマイズが求められたため、帳票Online for kintoneを提案しました。弊社は風神レポートという帳票Onlineの帳票を設計するためのソフトウエアも所持しています。それを用いて細かく帳票をカスタマイズしました。
鏡と明細ページを連結し、さらに明細行の表現もさまざまなパターンが実現できるように制御しました。

帳票については弊社メンバーが頑張って実装してくれました。

Excelから脱却した後は、手配についてさらなる改善を加えつつこれからへ

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kintoneによる運用を始めたことで、アップルボックス様の受発注や機材手配はExcel運用から脱却しました。
その後も、受発注や商流だけでなく、機材手配のための改善へのご要望に対応しつつ、今に至っています。



今回の成功の理由は、Excelツールを作ったご本人である入来院様が仕様をすべて把握しておられたことにつきます。
ただし、Excelとkintoneではユーザーインターフェースや操作性に大きな違いがあります。入来院様にはkintoneの操作性やインターフェースの違いを何度も説明し、相互の認識を深めていきました。
入来院様がkintoneならではの操作性やデータ構造を理解していくにつれ、構築に当たって仕様の調整が楽になり、実装速度も上がっていったように思います。

入来院様はExcelで複雑なツールを構築するほどデータの扱いに長けていらっしゃました。ということは、データの動きのイメージを一次元、二次元、三次元、四次元のレイヤーで理解していただけるはず。そのイメージをお互いが理解すれば、複雑なExcelツールであってもkintoneに理解できる。

アップルボックス様側の構築が軌道に乗り始めたのも、相互でもっているイメージが把握できたことが大きかったように思います。
そして、kintoneのテーブル活用やアプリ連携など、kintoneの特性や癖を存分に生かしつつ実装ができたのではないかと思います。

代表は初期構造の設計まで手掛け、その後はメンバーが打ち合わせや実装も含め、かなりの部分を担ってくれました。そして、がんばってやり切ってくれました。
その意味でも弊社にとって重要でかつ思い出深い実装でした。

アップルボックス社の皆様、ありがとうございました。

導入してから

着手から導入までの日々をアップルボックス社の入来院様はこう語ってくださいました。

アクアビットの代表様及び若い開発担当者の方々には大変ご苦労をおかけすることとなりましたが、おかげさまで稼働まで漕ぎつくことができ感謝しております。
よりよいシステムにしたく、今後ともお力をお借りすることになろうかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

アップルボックス様のご紹介

商号 株式会社アップルボックス
本社 〒224-0053 神奈川県横浜市都筑区池辺町4879
代表者 金子 直揮
設立 1989年12月22日
資本金 1000万円
事業内容 映像撮影用照明機材関連業務等
ウェブサイト https://www.applebox.co.jp/

事例:株式会社フラン様


基幹システムと店舗POSレジシステムの刷新にあたって、周辺システムにkintoneを選定

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株式会社フラン様は、40年以上前の創業時から女性向けランジェリーを扱っておられます。
当初は輸入ランジェリーの販売が主でした。その後、各地のショッピングモールにチェーン展開を始めると同時に商品ラインナップを大幅に見直し、今では豊富なデザイン・機能・サイズのランジェリーを展開しています。
本稿を執筆時点では全国にリアル店舗が19店舗。オンラインショッピングモールに11店舗を出店し、順調に成長しておられます。

フラン様を弊社にご紹介くださったのは株式会社スマレジ様及び大幸パートナーズ株式会社様です。
フラン様と弊社のご縁のきっかけとなったのは、フラン様が各店舗のPOSレジシステムの刷新を行うと決めた時点からです。
フラン様はまず、スマレジ社にお声掛けしました。
スマレジ社の運営するスマレジはPOSレジ機能に特化しています。POSレジ機能を補完するため、スマレジにはアプリストアが用意されています。多くのアプリ群がスマレジの機能を支えています。そのアプリ群の一つにスマレジから請求書を出す「セイキューン」があります。大幸パートナーズ様は、この「セイキューン」を開発・運営されておられます。
ところが、フラン様が望む請求書発行の運用は「セイキューン」で満たせたものの、他の店舗運用を満たすためのアプリがアプリストアにはなく、その解決策をフラン様より相談された大幸パートナーズの五十嵐社長が提案したのがkintoneでした。
そして、kintone側を担うシステム開発会社として弊社を推していただきました。

多種多様の品揃えを管理するための設計

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スマレジの標準機能では実現できない運用。フラン様の課題は最初から明確でした。

まず、商品管理です。
フラン様が展開するランジェリー商品のラインナップは、上に書いたとおり多種多様にわたります。そのラインアップを支える上で細かい商品管理が欠かせません。ところが、スマレジの備える商品管理機能はフラン様の要望を完全に満たしていませんでした。
例えば、フラン様のランジェリー品目はサイズごと色ごと品番ごとに設けています。それらの商品管理単位(SKU単位)の数はアクティブな点数だけを数えても五万点を超えています。その入力方法はどのように行うのか。データの関連性はどう設定するか。
さらに、SKUの一つ一つにJanCodeを発番する必要があります。スマレジのPOSレジ機能にはその機能がありませんでした。

次に商品物流管理です。
スマレジのリテールビジネスプランには入庫、入荷、出荷、出庫などの機能が備わっています。また、高度な在庫管理機能も備わっています。
ですが、それらの処理をスマレジに指示する際、一店舗ずつ処理を行う必要がありました。
つまり、多店舗×多品種で運用するフラン様の業務上、入力の手間が生じることが予想されていました。

続いて、売上分析機能です。
スマレジが擁する売り上げ分析機能では、経営のかじ取りを行うための分析ができず、分析をkintoneで代替させたいとのご要望もお持ちでした。

あと一つは、オンラインショップの売上データを変換し、そのデータをスマレジの売上データとして登録する機能です。
これもkintoneを経由させ、データを加工させればよいのではという構想をおもちでした。

最後に、ピッキングリストを発行する機能です。これが一番のフラン様のご要望でした。
ピッキングリストとは、倉庫の担当者が商品を棚から選ぶ際のリストの事です。
つまり出荷/出庫予定に対し、迅速に棚から商品を出すリストの出力が喫緊の課題でした。
スマレジはタブレットから簡単に出庫予定を出せます。が、紙のリストを出す機能はありません。SKU点数が多いフラン様の運用上、より運用に即したピッキングリストを出す必要に迫られていました。
望ましいピッキングリストとは、現在の在庫数に加え、入荷・入庫予定を算出してくれるものです。
店舗ごと、SKUごとに設定した在庫定数を下回るか、または指定した任意の期間の売上数に応じた数量を反映したピッキングリストを出すことは、フラン様の各店舗の在庫管理の肝でした。

スマレジはPOSシステムとして優れた機能を持っています。
ですが、それでも上記のようにフラン様のような多品種を扱う業種では補いきれない点がありました。
これらの機能をkintoneで補完し、スマレジのPOSレジ機能の良さを生かす。これが今回の案件のミッションでした。

SKUの多さを克服することが大変

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開発の期間は約半年。
約半年の間、kintoneのアプリ間の連携や、JanCodeの発番機能の実装など、kintone側で出来ることは順次仕上げていきました。
特に商品管理を実現するため、多くのアプリを組み合わせました。品番やSKU、カラーやサイズなど。そうしたアパレル系のお客様ならではの商品管理を実現することがまず最初の難関でした。
フラン様のご担当者と何度もオンラインで打ち合わせを重ね、kintone自体の癖や特徴もお伝えしながら、より良い商品管理につなげていきました。

また、フラン様が求めるSKU単位で商品管理を行うご要望では、多数のレコードが必要でした。
それは、kintoneのレコード数の増加と、レコード数が多いことによる処理時間の増加に直結します。
処理時間を工夫し、タイムアウトエラーを起こさずに処理を実現する。それが開発上でもっとも苦労した点でした。
どうすれば処理時間を短くし、業務に影響を与えぬように短時間で処理を終わらせられるか。

例えば、新たな商品を登録した場合の処理です。
kintoneには商品データの背後に多くのマスタアプリが連なっています。商品データを登録した際、多くのアプリにデータを連動することが求められました。
さらに、kintoneで作ったデータをスマレジに登録する際も大量データによる問題が発生しました。
そのため、当初はフラン様がCSVを取り込む運用を行う想定でしたがうまく行きませんでした。
そこで、当初は開発範囲外だったkintoneからスマレジへの商品登録の必要が生じました。

また、店舗ごとSKUごとに在庫の定数レコードを作成する処理も必要です。
頻繁に新商品が発生するフラン様の場合、細かいデータの連携が必要となります。
当初はデータを連携するためにkintoneの画面上にボタンを設置していました。ところがボタンを押した後に処理を待つ時間が生じ、さらには大量のデータを処理する間にタイムアウトエラーが生じてしまいました。
これは一件ずつ、追加と更新の判断をしながら、大量のレコードをkintoneで処理する必要があったためです。これをどのように制御するか。処理がタイムアウトしてエラーになる事象をどのようにして回避するか、ここでも開発に腐心しました。
こうした処理はkintone内でJavaScriptに担わせる実装をやめ、サーバー内においたphpプログラムに任せるように処理を変更しました。
その際も、夜間バッチや都度処理の併用を幾パターンも試しました。

大量データに関する課題は、ピッキングリストの発行処理でも生じました。商品データ、在庫定数データ、売り上げデータ、そして入荷/入庫予定データ。ピッキングデータを出すまでにはいくつものアプリで大量のデータを扱う必要がありました。
これらの処理も全てphpに移管しました。しかもkintone画面上でもタイムアウトを生じさせないよう、Ajax処理を時折挟んで制御を行い、タイムアウトが生じないような工夫を行いました。

あと、ご要望としてあったのが、スマレジの各種データをバッチでkintoneに取り込む処理の実装てす。これも何度も調整を重ねました。
バッチ処理を実行するのは一時間おきなのか、それとも一日一回なのか。
スマレジのAPIの条件設定も含めて、その実装にもかなりの創意工夫を凝らしました。

スマレジのデータを追加/更新する際、スマレジ側で処理時間のタイムアウトにならないような工夫も必要でした。
そのエラーを回避する検討にもかなりの時間を掛けました。
ブラウザで制御を行うため、一定期間ごとにAjaxで処理を更新する機構はまさにその一つです。
データ数が何万件にもなる場合、kintoneとスマレジの両方で考慮しなければならない点が多く、それらを満たすための処理にはかなりの時間を掛けました。

お客様にもkintoneに関わっていただきながら運用へ

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並行してフラン様にもkintoneの理解を深めていただきました。
フラン様のご担当者様は、kintoneのコマンドラインツールであるcli-kintoneの使い方を学び、自力で kintoneからの出力処理を実装するまでになりました。
弊社はこうした実装については助言をし、お客様自身で可能なように支援しました。
その助言をもとにkintoneを使いこなしていただけたのは、今回の開発において手応えを感じたことの一つです。

kintoneアプリの修正も双方で連携をとりながら、破綻させずに少しずつ運用開始に向けてkintoneとスマレジの双方で実装を進めていきました。
各店舗のスタッフ様への操作研修も順次実施していただき、無事に11月に運用が開始できました。

特筆すべきは、初めのご挨拶から運用開始まで、一度もフラン様とはオフラインの対面でお会いしていないことです。
全てをリモート(zoomとチャットワーク、たまに電話)の連絡だけでやり切りました。

これは弊社にとっても大きな自信となりました。フラン様の皆様には感謝です。

フラン様より

フラン社の奥村社長はこう語ってくださいました。

「ここまでクライアントの要望を何度もくみ取り対応頂ける開発会社は初めてです!」

弊社のPOSレジの切り替えに伴い、業界でも注目されているスマレジの利用を検討しておりました。機能を調べたところ弊社の運用において不足している機能が多々あり導入を半ば諦めていたころ、ご縁を頂いたのがアクアビット様になります。弊社ではKintoneの利用経験がなく実際の運用にあたり問題が発生しないか心配しておりましたが、アクアビット様の度重なるヒアリングをベースにした開発や問題発生時の素早い対応などにより、当初の心配が嘘のように無くなっていきました。これからも弊社のパートナーとしてサポート頂きたいと思ってます!

フラン社の小林様はこう語ってくださいました。

「kintoneについての知識がゼロの段階から、
毎回のミーティングを通して弊社側の要望や意図を汲み取り、
個別アプリの作成、アプリ間の連携、そしてスマレジとの連携に至るまで、次々と形にして頂けたこと、
またその後大きなトラブルもなく今日まで運用できているのは、
アクアビット様のお力無くしては出来なかったことだと改めて感じています。
運用開始後もエラー発生時の迅速な対応や、改善するために多くのサポート頂き、絶大な安心感を持って日々の運用が出来ていることにも本当に感謝しています。
引き続きどうぞよろしくお願いします。」

フラン様のご紹介

商号 株式会社フラン
本社 〒488-0044 愛知県尾張旭市南本地ヶ原町3-110
TEL 0561-54-6813
代表者 代表取締役 奥村 聡
設立 1981年1月23日
資本金 1000万円
ウェブサイト https://fran-de-lingerie.com/

kintone hive osakaに参加しました


5/23にZeppなんばにて行われたkintone hive Osakaに参加しました。

先日、kintone hive sendaiに参加しましたが、その記憶も新しいうちに、また貴重な経験ができました。

Zeppなんばは私も初めての訪問です。学生時代に何度となく訪れたこのあたりも年月に応じて一新されました。しかし、裏通りに行くとかつての雰囲気が残されていて、少し郷愁に浸る事ができました。

そばのタリーズでギリギリまで打ち合わせしていたため、私が会場に入った時は、始まってから5分近く経過していました。

壇上ではサイボウズ関西支社の松森さんがkintone hive Osakaを楽しむためのお話をされていました。
各地のhiveでサイボウズの社員さんが登壇し、会場の盛り上げに貢献しておられます。背景にはサイボウズの各社員さんの準備もあって、いろいろ大変なんだろうなぁと想像します。ロビーでも社員のみなさんとお会いする事ができました。


一人目の登壇者は認定NPO法人おてらおやつクラブ 桂 浄薫さんと茶円 春希さん。
桂さんは奈良天理にある善福寺の住職を務めておられます。袈裟を着ての登壇はなかなか新鮮。

おてらおやつクラブさんは、お寺にお供えされる檀家さんからの食料などを貧困に苦しむ家庭におすそ分けする活動をしておられます。
https://otera-oyatsu.club

今回の登壇では、そのあたりについての貴重なお話を伺う事ができました。

ポイントは大きく二つに分けられます。
一つは、困っていらっしゃる方にどのようにして匿名で届けるか。
もう一つは、多数のkintoneへのリクエストをどうやってさばくか。
この点が聴きどころでした。


WordPressを絡めてウェブからデータを取り込む事例は弊社でも多くを手掛けております。
おてらおやつクラブさんの事例が秀逸なのは、kintoneの一日一万リクエストの制限を間にWordPressに備わっているデータベースを挟んでのバッチ処理で行っている事です。

桂さんの思いをkintone未経験だった茶円さんが形にした。
まさに技術者として望ましい形だと思いました。

「たすけて」のハードルを下げられる。
「たすけたい」をごく自然にできる。

私も去年、kintone Café 神奈川を鎌倉の安国論寺さんで開催させてもらいました。kintoneとお寺は相性がよいことは実証済みです。

桂さん、茶円さん、ありがとうございました!


続いては、八代製薬株式会社 喜田 晃大さん。
なんときったんさんではないですか!
私、登壇を促す声を聞くまできったんさんが登壇することを知りませんでした。事前にhiveの資料を見ていなかったので。

言うまでもなく、きったんさんはkintone エバンジェリストとしてともに活動する仲間であります。

きったんさんはこの度の登壇で、エバンジェリストであってもkintone hiveに参加できる、と言う新たな可能性を見せてくれました。
私の中に巣食っていた「kintoneエバンジェリストはkintone hiveに出られない」という思い込みに対して、きったんさんはNOを突きつけてくれました。

きったんさんの成功ストーリーは明確です。
コロナを機に、在宅勤務の仕組みを進めるためにkintoneを導入し、規定も含めて水面下で調査しました。
まずは目的を明確にするステップです。
続いて、どの業務からkintoneに置き換えるかの洗い出しをしました。
これも目的を明確にするステップです。
そして、やりがいと楽しさを伴った形で、業務改善の成果を出しました。
目的が明確になった事で、経営層や上司への説明も容易になり、モチベーションにもつながります。

見事なkintone導入の成功事例です。
実は八代製薬さんの事例は、krewDataを駆使した在庫管理の好事例であることも見逃せません。

今後もきったんさんとは各地のkintoneイベントでご一緒できそうです。
一緒に盛り上げていきましょう!

きったんさん、ありがとうございました!


続いては、関西電力株式会社 藤井 伸弥さんと中野 一高さんです。

関西電力さんといえば、日本のインフラを担う大企業です。関西で育った私の体の何割かは、関電成分からできています。

これほどまでの大企業で、しかも、社会のインフラを担っていらっしゃる関西電力さんが万が一にも停電などの事態を招こうものなら、社会に与える影響は必至です。

つまり、基幹システムは必須です。ですが、基幹システムだけだと小回りが効きません。硬直した仕組みになってしまいます。


そこで関電さんはRPAをうまく活用し、基幹システムに影響を与えず、基幹システムのデータをうまくkintoneに取り入れる仕組みを構築されています。

こうした企業でも、顧客との関係は欠かせません。
外部のウェブサービスからどのようにしてデータを持ってくるか。その活用方法において、kintoneと基幹システムを組み合わせることはできるはず。
そのモデルケースと言える取り組みを見せてもらえました。

お二人の掛け合いで進む登壇は、台本を読んでいるようなぎこちなさもありました。でも、それがまたこ愛嬌です。
私はまだkintone hiveに登壇した事がなく、多くの観客の前にkintoneの事例を話す緊張を知りません。その決断と勇気に敬意を表します。

インフラを担う大企業がここまでkintoneを使っている事例を見せてくれたことに、日本の変化を感じました。

藤井さん、中野さんありがとうございました!

続いては、神戸市役所 小阪 真吾さんと小寺 有美香さんです。

神戸市の方がkintoneのイベントに出るのは二回目です。
かつて、神戸市の教育委員会でAccessのフォームにデータを入れるオペレーターをやっていた私にとっては、特に感慨深いです。

コロナによる自治体の取りまとめ対応が大変だったことは、私たちの記憶にも新しいです。
神戸市でも同じ悩みがありました。

神戸市が有利だったのは、kintoneをコロナ前から導入していたことです。
そして、小阪さんの立場が企画調整局のデジタル戦略部だったことも有利に働きました。
混乱の極みにある西区保健福祉部に対し、お手伝いしましょうか?と申し出たやり方も良かったのでしょう。

小阪さんの上から目線でもなく、押し付けがましくない接し方が現場の抵抗感を和らげたことは間違いありません。
コミュニケーションを頻繁に取ることで保健福祉部の現場の皆さんからの信頼を勝ち得たそうですが、最初の入り方もコミュニケーションとしてこういるべき形だったのでしょう。

私としては、小阪さんがおっしゃっていたスクラム開発が印象に残りました。
弊社もそれに近いことをやっているのですが、なんちゃってスクラムになっているため、結果としてスクラムの可能性を活かしきれていません。
スクラムを深く理解し、実践することも必要なのでは、と言う気づきを得ました。

小阪さん、小寺さん、ありがとうございました!


続いては、有限会社アートワークス 宗政 伊織さんです。

「家具工房がkintoneを入れてみたハナシ」というタイトルです。

スライドにも登場する稲沢さんが伴走支援で入られているそうです。稲沢さんがおっしゃるには、タイトルのハナシがカタカナになっていることもポイントだとか。

スライドを紹介する宗政さんは新卒二年目。初々しさが際立っていました。話す間合いも壇上の動作も独特の間合い。その立ち居振る舞いが会場を癒やし、かつ共感を集めていました。

この宗政さんの間合いは、伴走支援をされた稲沢さんの柔らかい印象と合っていました。相性が合うとはこのことでしょうか。
稲沢さんは対面の打ち合わせの際に大量のお菓子をお持ちするそうです。頭を使うから甘いものを持ち込む配慮が素晴らしい。
とても和やかな対面開発の雰囲気が想像できます。私も参考にしたいと思いました。

宗政さんの壇上の振る舞いも、単に癒やされるだけではありません。やるべきところはやる。作ったアプリは正義と言い張る強気。押すべきところは職人さんに入力を指示する芯の強さも感じさせました。
私たち観客は、宗政さんの壇上からの癒やしと、稲沢さんの和やかな対面開発の雰囲気。それに対照となる業務改善を進める信念の強さのコントラストに強い印象を受けたのでしょう。
多くの支持を集めたのもわかります。

宗政さん、ありがとうございました!


続いては株式会社神戸製鋼所 今井 健太さんと田淵 裕子さんです。

神戸製鋼所さんも大企業です。

私もかつての常駐先で神戸製鋼所出身の方と数年間一緒に仕事をしていたので、その社風は少しだけ知っていたつもりでした。
日本の高度成長期を担った企業であるがために、最近のクラウドやノーコードの流れとは対極にある企業だと勝手に考えていました。
しかし、その考えは改めなければなりません。

むしろ、kintoneで商売をしている弊社にとっては、神戸製鋼所さんの事例から学ぶべき点が多くありました。

昔話の花咲か爺さんをモチーフにストーリー仕立てにした内容もわかりやすかったし、
業務部門と導入部門の思惑の乖離から、一度は挫折し、そこから復活を遂げるストーリーもわかりやすく、共感を呼びました。

現場にフィットさせることは、製造ラインが確立している神戸製鋼所のような会社では最優先事項のはずです。


そのために企画部門とシステム部門、そして現場に納得してもらうために、さまざまな手法をメソッドとして確立しておられます。

それらは理にかなっていると思いましたし、現場の方に共感を呼ぶための心配りが至る所に見られました。

神戸製鋼所さんの場合、取り組みにも秀でた点がありました。例えば、社内で独自に設けたkintone資格の制度などはその筆頭に挙げられます。

私は神戸製鋼所さんの発表を聞きながら、非常に感銘を受けました。
今、弊社がご協力させていただいているお客様にこの内容を一刻も早く聞いてほしい。そして、7月に行われるkintone hive Tokyoを聞いていただきたいとも。

今井さん、田淵さん、ありがとうございました!


さて、投票結果の集計中は、サイボウズのゆっきーさん、ぽえみーさんが関西でkintone Café を主宰するyamaさん、がっきーさん、中尾さんの3名をパネリストに迎え、関西のkintone コミュニティの現状を紹介する「kintone Caféってなんなん?」です。

私自身、関西で20数年を育ちながら、関西のリアルkintone Caféに参加した経験はありません。このkintone hive Osakaの翌日にkintone Café Osakaに参加したのが初めて。
なので、まだまだこれから何度も参加しなければ、という決意が募るセッションでした。

夜は、私がAfter hive 交流会に申し込んでいなかったことと、そもそもトラブルが勃発してしまい、22時半ごろまでなんば近辺にいました。

でも、それも含めてもよい関西kintoneの夜を過ごせました。
出会った皆様、本当にありがとうございました!


kintone hive sendaiに参加しました


4/13に仙台PITにて行われたkintone hive sendaiに参加しました。

私にとって、初めてのkintone hiveへの現地参戦。
それまで、私にとってのkintone hiveといえば、幕張メッセで行われるCybozu Daysの中で開かれるkintone AWARDでした。

各地のkintone hiveで選ばれた方によるえりすぐりの大会。毎年そのレベルの高さは知っていました。
ところが、ここ三年、私はkintone AWARDをよくみられていません。それは、Cybozu Daysでブースを出展するようになり、ブースの対応で見られなくなったからです。

そんな私が初めて予選であるkintone hiveを観戦したのは昨年。kintone hive tokyoでした。
今、ジョイゾー社にいらっしゃる根崎さんが感動的な登壇を成し遂げた日とした記憶にも鮮やかです。
他の登壇者のレベルも高い。
そこで気付かされたのは、幕張のkintone AWARDだけでなく、各地で行われるkintone hiveも見なければ、ということです。

そこで今年は、kintone hive sendaiに合わせて東北からの複数のご縁を調整しました。
前々日には郡山市で。そして前日は米沢市で商談。その流れで最終日には仙台市で。kintone hive sendaiに参加できることになったのです。
それまでの二日間、頭の中はkintoneにどっぷりつかっていました。そして、会場の仙台PITの熱気や雰囲気は、kintoneにまみれた頭をさらに活性化させてくれました。


プライベートでライブハウスには何度も行ったことがあります。が、kintone hiveのようなIT系イベントてライブハウスに来るのは初めて。
会場の雰囲気はまさにライブ。心は湧き立つ一方。
やはり来て良かったと思わされました。

冒頭に登場したサイボウズ東北支社の田澤さんの話もバッチリ。メリハリの利いた話は、盛り上げ方を指南しつつ、会場の気持ちを高め、ライブ感をさらに盛り上げる名MCです。


一人目の登壇者は株式会社グローバルフィールドの保坂 梨恵さん。インパクトのあるいでたちで登場。
少し緊張していらっしゃるようですが、それがまたライブ会場の良さです。緊張していらっしゃる様子は、ディスプレイを通して見ると気づきません。会場の肌感覚とでもいいましょうか。
慰謝料のかわりに会社を受けついだというくだりでは、聴衆の心も鮮やかにつかんでいらっしゃいました。

保坂さんの登壇は、kintoneの良いところ、つまり簡単にレポートが表示できる利点を活かしている点で分かりやすかったです。
kintoneに変えたことでご本人が出産された際も、数カ月の間、会社に一切出社せずに業務が回せたそうです。引き継いだ時は紙の山だった業務を解きほぐし。

その結果、社員の皆さんの仕事も週休2.5日で回せるようになったそうです。kintoneの導入効果をフルに享受していらっしゃいます。
同じ経営する身として、社長がいなくても会社が回る体制はまさに理想。

保坂さんの属しておられる業種は、弊社にとってもなじみのある業界です。
その観点から拝聴した保坂さんの登壇内容からは、お客様はどういうところをkintoneの価値として置かれているのかがわかり、とても参考になりました。

保坂さん、ありがとうございました!


続いては、旭川信用金庫 古田 真之さん。
なんとkintone hiveに信用金庫の方が登壇されるのは初めてだそう。
こちらも私にとってはとても興味深いお話でした。というのも、弊社でも今、まさに信用金庫さんに近しい案件を担当させていただいているからです。

どのようにセキュリティやコンプライアンス上の懸念を払拭し、未知のツールを導入するのか。
それをどのようにして稟議を通し、組織全体に広めていくのか。
私もその難しさを感じながら、日々の提案や作業を行っています。

実際、旭川信用金庫さんでも、一度は導入に挫折したそうです。
そこで終わらずに、再び細かいアプリの作成からやり直し、徐々に組織内部で認知度を高め、ついには、当初挫折したアプリの再構築に取り掛かってらっしゃる最中だそうです。
まさにkintoneの導入のお手本ともいうべき内容。
話の構成がきっちりしているところは信用金庫さんの堅確性を持たせつつ、合間に笑いを入れる構成も素晴らしい。


ここに書かれている通り、金融機関とクラウドデータの組み合わせは、今後、私たちとしてもさらに社会に向けて働きかけていかなければならない部分だと思っています。
今後、旭川信用金庫さんがどのように導入してゆくか。その行く末が楽しみでなりません。

古田さん、ありがとうございました!


続いては、株式会社ニイヤマハウス 長南 卓弥さんです。
こちら、今回の登壇された方の中では、もっとも技術者に寄った内容でした。何しろ、長南さんはもともとパチンコなどの遊技機のプログラミングを行っておられたそうです。

ゲーム業界出身である長南さんのプレゼンは、ドット絵をうまく取り入れつつ、動きがあってとてもわかりやすい内容でした。プレゼンの妙味を感じさせてくれました。
Google CalendarとExcelと紙と基幹システム。まさにkintoneに切り替えると効果が発揮しやすい取り合わせです。
長南さんが素晴らしいのは、プログラミングができるIT経験者でありながら、アナログでのコミュニケーションをおろそかにせず、根気よく導入に向けて努力されたところです。

その苦労が実り、kintoneの導入が軌道に乗り始めるとよくあること。それはポータルサイトが大渋滞する件です。
ポータルを整理してあげると、お客様の満足度があがる。私もそんな経験を何度もしてきています。
ところが、なかなかポータルサイトの整備に手が回らないのも事実。これは、デザインが苦手な私にとっても由々しき問題です。

長南さんのkintone portal desingerを使った改善は、このところkintone portal desingerを全然使っていなかった私にとって大いなる気づきを与えてくれました。
長南さん、ありがとうございました!


続いては、東北特殊鋼株式会社 桜井 利江さん/木田 司さんです。

kintone導入歴一年と一年半という二人の掛け合いは、先輩と後輩のほほえましい関係を思わせて楽しかったです。
私もまだ掛け合いプレゼンはやったことがありません。一度はやってみたいと思います。プレゼンに躍動感が出ますから。

さて、お二人の登壇の何が素晴らしかったって、こちらの会社様は社長様からの声掛けが絶妙だったことです。
トップが業務改善へのやる気を持ち、そこから社内にkintone喫茶を結成し、多様な立場で情報共有する体制を作った。


私の中で今回のkintone hiveで刺さった言葉は数多く挙げられます。その一つはこちらで紹介されていたkintone喫茶。もちろんkintone Caféを運営する身としては見逃せません。

kintone喫茶によって現場の中で情報共有の機運を高め、業務改善につなげる。
素晴らしいと感じたのは、kintoneから帳票を出せるようにした後、その内容をもとに現場からのフィードバックをもらい、リスクアセスメントの評価につなげたところです。
出した帳票をもとに、現場から安全性を高めるためのフィードバックを受け、それをアプリや帳票に反映する。まさにあるべき業務改善のスパイラルです。
安全は全てに優先される。この言葉はあらゆる業種に通じるはずです。kintoneは安全管理にも使えるよい事例でした。

社内をkintone 喫茶で改善した東北特殊鋼さんの事例は、kintone Café運営にとっても役立つことでしょう。

桜井さん、木田さん、ありがとうございました!


続いては、株式会社昇栄 山崎 梨英さんです。

プレゼンのタイトルを見た瞬間、私のボルテージは上がりました。
「ライトコースでどこまでできるか、基本機能の極限活用が生み出したものとは!?」
私が苦手意識を持っているのはライトコースです。苦手というより、手がけたことがない、というのが正解です。

何しろ、今まで自社や多くのお客様の環境でkintoneに触れてきましたが、ライトコースはまだ一度も使ったことがないのです。
先日に開催したkintone Café 神奈川でも懇親会でその話題が出て、次のお題はライトコースハックに決まりました。そのタイミングの良さもあって、山崎さんの登壇でボルテージが上がりました。

スタンダードコースに頼ってしまうのはシステム開発会社の弱み。
工夫次第では関数だけでやり切れる。

と言いつつ昇栄さんも、ついにスタンダードコースに舵を切られるそうです。
うーむ、私としては納得ができる結末。
ですが、ライトコースではやはり限界があるのか、という割り切れなさが残ります。

むしろライトコースを突き詰めて、そこからスタンダードコースに舵を切るのがkintoneを提案する身としては正しい在り方なのか。
そもそも、最初からスタンダードコースがありきで提案する弊社のやり方が正しいのか。
ライトコースを突き詰めたからこそ、スタンダードコースに上げる際に発生する費用を捻出するための不要な業務やサービスが抽出でき、社内の稟議も通りやすいのか。

私の中でもっとも考えさせられたのが山崎さんの登壇でした。
私もそうですから、山崎さんがkintoneを導入するにあたってのいきさつや苦労は皆さんにとって、興味津々のはず。

アンケートでもぜひkintone Café 神奈川で話してください、とむちゃぶりを書いてしまいました。
ぜひまた、お話を伺えればと思います。

山崎さん、ありがとうございました!


続いては有限会社光成工業 畠山 成光さんです。

それまでに五組の登壇を聞いて少々疲れ気味の観客に向かって、ハイテンションで登壇する畠山さん。「Let’s kinjoy!」の決めゼリフとポーズを武器に、会場の反応が薄くとも孤軍奮闘する姿に最初は若干の痛々しさを感じました。
が、それをものともせず、会場の空気を徐々に自分のものにしていく姿はまさにライブ!この会場の雰囲気が変わっていく熱が感じられるのがライブ会場の良さなのですね。これはオンラインでは体験できません。あらためて、来てよかったと思いました。
会場の聴衆を味方につけ、会場の雰囲気をライブで変えた畠山さんの打たれ強いメンタルとkintoneが大好きな熱量。
この熱さがあってこそ、光成工業さんは変わったのだと強く納得できました。そして、これは畠山さんが選ばれるのではないかと、登壇されている途中から感じました。

でも、聴衆の皆さんは決して畠山さんの「Let’s kinjoy!」の決めゼリフや熱量に幻惑されたわけではないのです。
実際、光成工業さんの取り組みは、参考になるべき点がとても多くありました。

まず、一部メンバーだけで動いて失敗した後、社長様から言われた「全員でやれ」の言葉。
早いうちから一部の方だけでやってしまい、実際に使う方に最後に伝えてしまうと、kintone導入は失敗はせずとも必ず苦労します。私も今までに何度か、失敗をやらかしたことがあります。

そして全員でやるようになってからの畠山さんの動きが素晴らしい。あさっての全体朝礼までに宣言するように、との指令を基に、告知動画を四人で作ってしまうのです。
しかもキックオフイベントではそれまで使っていた紙の日報の原本を現場のリーダーが破る姿を示す。その結果、日報のデジタルへの切り替えが一気に進んだそうです。


さらに、現場の年配の社員さんの声を生かした専用アプリ。これ、なかなかできるようでできないです。でも、それをやってしまったところが素晴らしい。
私たち導入側も、ここまで全ての社員さんを巻き込めた導入ができているのだろうか。すべての社員さんの声が聞けているのだろうか。プロジェクトメンバーだけで完結していないだろうか。
とても勉強になりました。

畠山さん、おめでとうございました!

東北・北海道地区代表には畠山さんが選ばれましたが、6組の皆さんの中で優劣があったのではなく、東北・北海道からの代表としてAWARDを勝ち取ってくれるのではないか、そんな期待があったからこその選出理由だったのでしょうね。


さて、投票結果の集計中は、サイボウズ東北支社の大越さんをファシリテーターとし、
社会保険労務士法人めぐみ事務所の原 和也さんと信幸プロテック株式会社村松 直子さんの鼎談です。
題して「スペシャルセッション「もっぺん、聞かせでけねが?おめほのきんとーん!」」

各お題が東北弁で書かれ、それを読み上げる大越さんの東北弁が流ちょうなのがよかった。

このマトリクスに出ているとおり、それぞれの導入経緯の違いが対比できているのがよかったです。

私も、こうと決めつけず、お客様の内部をよく把握し、お客様に適した提案をしていかなければ。学びが大きすぎます。

公平に。そして透明性をもって。
【kintoneは「楽しい」を大切に】 2023/4/13 kintone hive sendai2023 まとめ – Togetter


夜はアフターhive交流会。
今回、前日の米沢での商談に一緒にいった頼りになるパートナーさん二人と。


冒頭にすがわらさんと水沢さんによるhiveの振り返り。
この場で水沢さんからは弊社で副業も込みで働いていることをカミングアウトしていただきました。

今後とも東北を一緒に盛り上げていきましょう!

続いては、6班に分かれての業務改善ワーク。私もかつてこのワークはサイボウズさんのオフィスで取り組ませていただいたことがあります。それ以来、数年ぶりに模造紙と付箋とマーカーを駆使し、私の中で錆びついた学びを新たにしました。
私たちの班にいらっしゃった方がまさにkintone導入前。これからkintoneの社内提案に入られるそうです。同じ班の私たちにとってはkintone hiveで学んだ成果をお見せできる格好の場です。
学んですぐに実践。とても貴重な場となりました。

埼玉、東京、神奈川に帰らねばならない私たちは、二次会以降はご遠慮しました。
仙台駅から乗った新幹線では、今回のhiveでの学び。商談で出た課題やこれからの進め方など、存分に語り合えました。

商談をご一緒した郡山、米沢のみなさま。kintone hive sendaiの会場やアフターhive懇親会で出会った皆様、本当にありがとうございました!

そして充電器を託してしまった松井さん、次回どこかのhiveで必ずや!


事例:三宝興隆会様


会員管理の基盤をkintone中心とした構成に変更

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三宝興隆会様は、宗教法人・三宝禅に関わる、または三宝禅に直接管理される全ての活動を支援運営する任意団体です。
宗教法人三宝禅は70年以上前から活動を開始しており、禅の精神を世界に伝えるためにさまざまな活動を行っておられます。

日本を発祥とした団体であり、昨今の世界中への禅の広まりによって、世界各国に会員を抱えておられます。その広がりはアジアだけでなくヨーロッパ諸国にも。
今の人類の悩める状況を禅の精神をあまねく広め、人々の悩みに寄り添う。その意思に賛同した世界各国の会員に向け、会報や書籍などによる活動を展開されておられます。

三宝興隆会様は、三宝禅の会員との会費徴収や連絡などを主な業務としていますが、世界各国に散在する会員との会費徴収に課題を抱えていました。
年会費が原則の会費ですが、途中で入会された方や、退会された方に対する月割りの会費徴収業務の煩雑さ。それが改善を要する課題でした。
会員管理にはMicrosoft Accessで作成したデータベースをお使いでしたが、メンテナンス担当の方が年配になっていたことやクラウド連携の必要性など、今後の保守に不安が生じていました。そこでkintoneの導入を判断されました。

正直にいうと、構築までに難航し、予定よりも時間がかかってしまい、ご迷惑をかけてしまいました。
その反省も踏まえて弊社の事例として投稿したいと思います。

kintoneを中心とした構成

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最初にご連絡をいただいたのは2020年の12月です。代表がちょうどCybozu Days 2020 Osakaに登壇するため大阪に出張に行っていた時期だったので記憶に鮮やかです。

ご連絡いただいた時点で、御担当の山田様の脳裏には全体の構成についてのある程度明確な方針が定まっていました。
・kintoneで全世界の会員名簿を管理する。
・WordPressで会員向けページおよび、入金用のページを実装する。
・入金用のページにはStripeを使った決済処理を表示させ、Stripeに処理を任せることで堅固な決済処理を実現する。

あとは会計処理です。それについては弊社より会計freeeをご提案しました。
会員より会費の入金があった場合の仕訳はfreee側に自動的に登録するように実装すれば、会計処理も運用が回るはず。

freeeとStripeはSaaSです。PaaSのkintoneとはRest APIで手軽に連携できるはず。
特にkintoneと親和性の高いfreeeは弊社代表がオンラインハンズオンの講師も務めたことがあり、連携も簡単に実現できるはず。
そこまでできればあとはWordPress内にkintoneから値を表示させ、Stripeの入金画面を表示させるだけで実装は可能。
そう判断して着手しました。

MemberPressとStripeの仕様理解に苦しむ

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ところが、これがとても難航しました。

2020年の12月。初めにご連絡をいただいた際、弊社は翌年の1月に初めてのメンバー二人の雇用を控えていました。
二人のメンバーのうち一人がWordPressに明るいとのことだったので、実装を任せることにしました。

まず、つまずいたのはMemberPressの理解です。
WordPressはCMS(Contents Management System)です。
その拡張機能は多岐にわたりますが、MemberPressはその一つです。
会員管理や会費納入状況によるコンテンツの表示制御ができるため、海外では比較的導入実績があるようです。

ところが、MemberPressはあまり国内で使われていなかったのか、日本語のドキュメントが少なく、有用な情報が見つけられません。
そこでまず、そもそもの機能の理解に手間取ってしまいました。機能の説明を一生懸命理解しようと努めましたが、言葉の微妙なニュアンスがくみ取れず、この機能や処理の制御がどのようになっているのかあいまいなままでした。
機能の理解がおぼつかない上に、APIのレファレンスやサンプルもすべて英語です。その微妙な機能の制御の理解がまったく進まず、ただ時間だけが過ぎていきました。

Stripeも弊社にとっては初挑戦です。
Stripeもドキュメントの多くが英語です。レファレンスはまだわかりやすかったのですが、テスト用の環境と本番用の環境が別だったため、環境構築やテストの実施などに紆余曲折がありました。

初めに任せていたメンバーは、頑張って実装に向けた作業を行ってくれました。
WordPressのログイン制御など、MemberPressだけで実現できない部分も実装してくれました。

が、時間はあっという間に過ぎていきます。
そうこうしているうちに、そのメンバーはCybozu Days出展を巡る価値観の違いもあって退職してしまいました。

初めて雇用に踏み切った代表にとっても挫折に苦しんだ時期でした。

メンバー交代で実装が前進する

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メンバーの退職の少し前から、開発の遅れは顕著になっていました。
ところが当初の山田様のご要望では、2021年の年末にはリリースしたいとのことでした。その理由は、会費徴収の切り替わりのタイミングです。年末だと切りがよいので、この時までに実装したいとのことでした。

ところが、この時点で実装は間に合わないことが明らかでした。
そこで、弊社に専任で関わってもらっている技術顧問に実装に入ってもらいました。

そして、11月末でメンバーが退職してからは、弊社の技術顧問がバリバリと実装を進めてくれました。

引き継いだ時点で退職したメンバーががんばって仕様の理解を進めてくれていました。それもあって、MemberPressやStripeの仕様の理解も進み、実装のめどがみえました。

さらにはWordPressに表示する文字列もシステムによって切り替える部分を簡単に切り替えられるような仕組みも実装できました。

ただし、年末には間に合わず、運用は後回しをお願いしました。
ご迷惑をお掛けしてしまいました。

なお、kintoneについては早い時期に実装は終えており、
こちらについてはあまり修正の必要がありませんでした。
この時、WordPressのデータベースを使わずにkintoneを使う実装にしていたことが、
データベースを整備する手間を省いてくれました。

会費のほかにも寄付金の入金もできるように

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連携のほとんどはphpを使っています。
kintoneで処理が行われればWebhookでMemberPress(=WordPress)にユーザーを作成すると同時に、Stripeにもアカウントを作成し、さらにfreeeの取引先にもデータを追加します。
WordPress内で入金処理が行われれば、StripeのWebhookを通してfreeeに仕訳登録の処理を行い、kintoneにもその旨の情報を更新します。

それらの仕組みのほとんどは2021年の年末までに実装にめどをつけ、年明けからテストに入りました。
その結果、2月頭には本番環境にプログラムをリリースできました。
なお、山田様と弊社のやりとりは全てオンラインで完結しました。一度もお会いしていません。コロナの中だからこそ、このような複雑な実装がオンラインだけで実現できたことでも
印象に残っています。

結果、今回の一連の仕組みについては、
このような連携となっています。

その後、追加で機能の拡充のご要望もいただきました。
会費だけでなく、任意の金額の寄付金も入金できるようにする機能です。
そちらも無事に納品ができました。

とはいえ、反省点は無数にあります。
今回の遅れについてはメンバーのアサインや指導方法など、ありとあらゆるところで代表である私に非があります。
任せるべきところとフォローすべきところのツボがずれていたこと、英語のドキュメントを通した仕様理解についての見通しが甘かったことです。

あらためて、遅れてしまったことについては三宝興隆会様にはおわびします。
そして、それにもかかわらず事例記事のアップのご快諾をいただいたことに感謝を申しあげます。ありがとうございました。

今後の展開

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これからも会費徴収や税処理、経理処理にあたっての国の制度変更もあり、
改修は発生するとみています。

まずは、現時点で運用に乗っていることに油断せずに行きたいと思います。

そして、弊社にとっても貴重な経験値が得られた結果を無駄にせぬよう、
StripeやMemberPressとkintoneやfreeeとの連携に向けたご要望に対応できるようにしたいと思います。

まとめ

弊社にとって三宝興隆会様はkintoneとStripeやMemberPressの連携など、英語ドキュメントとの戦いでした。これはとても貴重な経験値となりました。それもあってとても印象に残っています。

まずは今後の運用も油断せずにいきたいと考えています。ありがとうございました。

三宝興隆会様のご紹介

名前 三宝興隆会
ウェブサイト http://www.sanbo-zen.org/

事例:法政大学アメリカンフットボール部様


チーム運営の情報基盤をkintone中心とする方法に変更

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法政大学アメリカンフットボール部様は、日本アメリカンフットボール史において屈指の強豪チームとして知られています。
甲子園ボウルに十八回の出場を果たし、五回の優勝を誇ります。幾多もの激闘と熱戦を繰り広げてきた名門チームです。
法政大学ORANGEの名で知られています。

部員は選手だけでなく、スタッフ、マネージャー、トレーナー、マーケティング、アナリストなど多くの方々を擁しています。その数は監督やコーチやチームドクターを含めると約180名ほど。
ほとんどが学生である以上、毎年、選手・スタッフ・マネージャー・トレーナーのかなりの人数が入れ替わります。
その入れ替わりに耐えられる柔軟な情報基盤の構築が課題でした。

もともと法政大学ORANGE様の内部の情報共有は、Google CalendarとSlackとONE TAP SPORTSとGoogle SpreadSheetを組み合わせて運用されていました。
それを今回、kintoneをベースに構築し直すことになりました。

きっかけは、チーム応援カフェに矢澤様が来られ、そこで相談されたことです。そのご縁からサイボウズ社の毛海さんを通して弊社をご紹介いただきました。
弊社の代表は社団法人様や自治会様などへの導入実績ももっています。それも含めて御推奨いただいたのだと思います。感謝申し上げます。

構築の最初のフェーズが一段落して半年。チーム応援カフェに矢澤様が登壇された際(9/21)、弊社代表も一緒に登壇しました。その中で法政大学ORANGE様の取り組みについて、あらためて皆さんにお伝えすることができました。
その時の登壇内容については、サイボウズ社から以下のリンク先に記事をアップしていただいています。
日本一を目指すアメフト部の、強いチームを作るためのキントーン活用術【法政大学体育会アメリカンフットボール部】
本稿の内容はその時の登壇内容やこの記事の内容に被っている部分もありますが、弊社の事例としてご紹介したいと思います。

短い期間で実装する難しさ

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今回のご要望は初めてお会いしてから実装完了までの期間が短く、大胆な伴走開発の提案と実践が必要でした。
記録をたどってみると、2022/1/28にメールでご連絡をいただき、2022/2/3に部室を訪問しています。

訪問し、まず現状の運用を伺いました。
上掲の記事にも書かれているとおり、その時点で法政大学ORANGE様が運用されていた機能を
以下に列挙します。
・Google Calendarでスケジュール管理。
・Slackで日々の連絡。
・ONE TAP SPORTSで体調管理。
・Google SpreadSheetで各種データ管理。

その際、4月から運営を開始したい機能としてご要望された機能を以下に列挙します。
・スケジュール管理
・出欠管理
・体調管理
・Slack連携
・ID管理

また、年度内に実現したい機能としていただいた機能を以下に列挙します。
・テーピング費用請求
・面談管理
・書類管理
・物品在庫管理
・テーピング在庫管理
・問い合わせ対応

この時点で4月の運用開始までに使える日数は57日。にもかかわらず、kintoneであればほとんどの機能は実装できると判断しました。

ただし、Slack連携だけは別です。
ご予算の上限も併せて考えると、全ての連携の実現は難しいと答えざるをえませんでした。
なぜならば、Slackのチャンネルの数が多岐にわたっていたからです。その数は30数個。それらのチャンネルに対し、kintoneアプリの特定の条件を満たした場合に通知を行う実装を全て弊社で行うことは難しいと判断しました。

短時間で実装するための柔軟な開発

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4月からの運用に向け、弊社が提案したのは以下の通りです。
・その時点で運営されていた仕組みをいったんkintoneに集約させることを優先。
・チーム応援ライセンスの利点を生かして全選手やスタッフのアカウントを作成する。
・ID管理はCybozu.comの中で行う。
・Cybozu.comにアカウントを作れば、スケジュール管理/出欠管理/体調管理はkintoneで実現可能。
・Slack文化が根付いていて、チャンネル数も多いため、kintoneと併用する。
・Slackとkintoneを連携させるサンプルプログラムを提供するので、学生さんに実装してもらえないか。

法政大学ORANGE様は、選手以外にもマーケティングやマネージャーなどのバックオフィスを担う方を数多く擁しておられます。しかも皆さんはデジタル・ネイティブの世代であり、ITツールに対して抵抗がありません。普段の連絡もSlackで行うことが定着しています。
そうした学生さんの力を使い、Slackとkintoneの連携をどこまで弊社の手を使わずに実装できるか。それが今回の肝でした。

Slack以外の実装は弊社の作業です。弊社側ではまず部員やスタッフなどのマスタを提供いただき、それを整備するところから着手しました。
情報基盤をkintoneに移すためには、アカウントとして完全な形で整備する必要があります。幸い、チーム応援ライセンスによって900アカウントが使えます。そこにデータを移管すれば、あとは体調管理や出欠管理やその他のkintoneのアプリを実装すれば機能としては実現できます。
その結果、今までサービスが分散していたことによる運用がkintoneに集約されたことで改善されるはず。
あとはkintoneの特徴をどう生かしていくか。
学生さんにもkintoneの説明をしましたし、学生さんも弊社の説明に加えて独学でkintoneを学んでいただきました。

弊社が担った作業は他にもあります。
Google CalendarのデータをkintoneのCalendar Plusのアプリに移行する作業は、
Calendar Plusでもほぼ同じようにスケジュールの運用が可能なことを早めに説明し、ご理解をいただきました。
もちろん、Calendar Plusの見た目はGoogle Calendarとは違います。いくつかの及ばぬ点もあります。が、一旦移行させてしまい、まず運用に乗せましょうと提案しました。

ONE TAP SPORTSもそのサービス内で管理している項目をkintoneで再現しました。
他にも、Google SpreadSheetで運用しているデータをkintoneでアプリとして実現する実例をお渡ししました。

Slack連携やkintoneの条件の肝をお伝えする

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あとはSlack連携です。

Cybozu.comのアカウントを使ってデータのアクセスや運用が回せる基盤はできました。あとはそこからどのようにSlackと連携するか。
この時、Slack連携の実装を自社でやることに固執せず、早めに学生さんの力を借りる提案をしたことが運用開始につながりました。

まず、弊社でサンプルのJavaScriptのファイルを作り、条件やアプリやフィールドの書き方について丁寧に説明をしました。プログラム内のこことここの値を変えれば、kintoneのアプリから任意のSlackチャンネルへ連携できますよ、といった風に。そのことを技術的な補足説明も加えながら説明し、ご理解いただきました。

弊社でコーディングする事は極力せず、学生さんにコーディングをしてもらう。その作業を担った法政大学ORANGE様のマネージャーの学生さんはとても優秀な方でした。
弊社が提供するJavaScriptのサンプルをもとにした説明。それに何回かの質疑を繰り返すことで、多くのチャンネルからkintoneへの通知が実装されていきました。その数は今ではかなりの数にのぼるはずです。
お客様が自立した実装を行っていただく。弊社は質疑を通してそれを支援する。まさに「ともに走る伴走」のあり方ではないでしょうか。

基盤を整えることによって、情報基盤としてのkintoneに命がやどりました。その結果、4月の時点で運用が開始できました。
もちろん、その時点で完全ではありません。そもそもkintoneで作成するシステムに完成はありません。永遠に未完成なのです。それを少しでも業務改善の必要に応じて継続的に改善を繰り返していくべきもの。それがkintoneのよりよい使い方だと思います。
法政大学ORANGE様も常に成長し、勝利を目指されています。それと同じようにkintoneアプリも常に成長していく。
そうした価値観をはじめから法政大学ORANGE様が持っていてくださったこと。それが、4月からの運用開始につながり、それ以降の継続的な修正につながりました。
5月の連休明けごろからは、弊社が何か手を動かすことはほぼなくなりました。

お客様が自立し、自走を始めていただいた後もご縁は続く

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5月以降に弊社が関わらなくなったとはいえ、2カ月に一度ぐらいはkintoneについてご質問をいただいています。そしてその都度、弊社からお応えしています。
開発をしなくなったからといって、ご縁が切れることはないのです。
むしろ、さまざまなイベントのお誘いをいただいています。

たとえば、弊社代表の出身校は関西大学です。
そのご縁を踏まえてか、法政大学ORANGE vs 関西大学カイザースの定期交流戦(6/26)にお招きいただきました。仕事関係の方もお誘いして快晴の中で応援しました。
また、今年の甲子園ボール出場をかけた大一番の試合である法政大学ORANGE vs 早稲田大学 BIG BEARSの試合(11/23)にもお招きいただきました。この時は荒天の中でしたが、家族や仕事関係の方々を連れて応援しました。
残念ながらその試合には敗れてしまい、今年の甲子園ボウルに出場する事は叶いませんでした。

今後の展開

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開発の第一フェーズを終えた後、弊社は法政大学ORANGE様の実装からは離れていました。
が、先日のチーム応援カフェの登壇や本稿のアップと時期を同じくして、次のフェーズに向けて再始動することが決まっています。

上述したとおり、法政大学ORANGE様として考えていらっしゃる機能は他にもあります。より詳しく書くとグッズ販売の管理やその他の備品管理や選手の保護者様への書類提出の管理などです。
まだまだチームを強くするためにやるべき事項は多岐にわたっています。

これからも弊社としては応援していきたいと思っています。また、その改善を通して、わが国のアメリカンフットボールの盛り上がりに少しでも貢献できれば本望です。

そしていつの日か。代表の母校である関西大学カイザースと法政大学ORANGEが甲子園ボウルで激突する日がくればいうことなしです。
その日、代表は実家そばにある甲子園球場に間違いなく応援にいくことでしょう。
その時、弊社代表がどちら側のスタンドに座って応援するのか。それを悩める時が来ることを楽しみにしています。

矢澤様より

導入からの日々について矢澤様はこのように語ってくださいました。

「早い(短期間)、うまい(高品質)、安い(低コスト)という請負泣かせの要求を見事に達成していただきました。特に大きな課題となる「コスト」については、我々ユーザー側が持つ人的資源を活用いただいたことが成功のポイントだったと思います。誠実に、丁寧に、我慢強く。長井代表をはじめとするアクアビット様の指導は本当に素晴らしく、我々も自立運用できるに至りました。
とはいえ、我々のKintone活用は始まったばかりです。引き続き、伴走いただければ幸甚です。」

まとめ

弊社にとって法政大学ORANGE様の案件は伴走の開発形態でもやっていける自信を持つきっかけとなりました。それもあってとても印象に残っています。

まずは次のフェーズを完成させていきたいと考えています。ありがとうございました。

法政大学ORANGE様のご紹介

名前 法政大学アメリカンフットボール部 ORANGE
創部 1935年
ウェブサイト https://www.hoseiorange.jp/football
Facebook https://www.facebook.com/HoseiFootball/
Instagram https://www.instagram.com/hoseifootball/
Twitter https://twitter.com/HoseiFootball
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCCKmy0IBGOrQy6JCFbnJg7g