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ワーケーションの意味をCLS道東で教わりました


北海道から戻って約二週間がたちました。
東京に一日いただけですぐ大阪へ。十日ほどシステム切り替えやその他の作業でこもっていました。

北海道での交流の日々。そして大阪での仕事の日々。どちらも私にさまざまな気づきを与えてくれました。それらの気づきのうち、最も大きく感じたのはワーケーションの意味でしょうか。

9月26日 何かを変えたい熱意は通じる
9月27日 伸び代は伸び代のある場で
9月28日 ワーケーションは人が必要

ワーケーションは、リアルとオンラインの使い分けを人々に問いかけます。
コロナの流行が始まってから二年半。今更、オンラインとリアルの使い分けを考えることに意味はあるのでしょうか。
確かにオンラインでの働き方は市民権を得ました。ですが、残念ながら人は今もリアルの働き方を最善とし、場合によってはそれを人に強いています。また、オンラインの会議に渋々参加しているものの、本心ではリアルが一番と思っている人も多いはずです。

私が感じたのは、どちらにも優劣はないと言う単純なことです。臨機応変に場面に応じてリアルとオンラインを切り変えればよいだけの話。
むしろ、どちらかに決めてしまうことがおかしいのです。コロナが人々に突きつけたのはこの問いです。TPOに合わせて考えることを放棄してはならないのです。

日々の定型業務のすべてをリアルで行わせたい。
イーロン・マスク氏に限らず、そのような上司や経営者はまだ多いことでしょう。
が、日々の定型業務をこなすため、リアルで出社させる必要は本当に必要なのでしょうか。私はオンラインとリアルのどちらかに決める必然はないと考えます。
今まではアウトプットの質や量の低下を理由に、リアルが圧倒的に有利でした。ですが、時間の自由度がないことや通勤の疲れなど、リアルにこだわる事はインプットの低下をもたらしていました。

一方、すべてをオンラインで済まそうとすることも弊害の元です。
今のオンラインツールは、まだリアルほどには信頼感の醸成ができません。メタバースにしても、人間の五感の代わりにはなりえていません。
また、オンラインでは多くの人と新たに出会えますが、リアルで会う時のような深い関係は築けません。築く以前に、発展的なつながりの構築が難しいことは皆さんが知ってのとおりです。
オンラインは、リアルな距離感を構築できず、人間関係にも見えない壁が残ります。一方、メタバースでアフリカの大地を旅しても、リアルでその場の空気に触れる感動とは比較になりません。今もなお、オンラインツールから得られるインプットは少ないのが現状です。
違う場所へ移動し、そこで新たな人と交流することは心を活性化しインプットを多く増やします。インプットの質に関しては、オンラインはリアルに叶わないことは認めるべきです。

インプットが枯渇すればアウトプットも決まりきった内容になってしまいます。枯渇したまま、オンライン上で業務を続けても、アウトプットの質の低下は否めません。オンラインツールにはまだまだ改善の余地があると割り切った方がよいのです。

人と会い、人と語り、人とつながることはリアルの方が強い。特に新しい人との出会いにおいては。
これを認め、リアルでの場には積極的に参加すべきです。たとえCLS道東のように遠方であろうと。
ただしリアルといっても、毎日、仕事する場には原則として同じメンバーが集います。そこからは新たな発想や新たな行動はなかなか生まれにくいことも認めなければなりません。つまり定型業務こそオンラインで行うべきなのです。
逆に、新たな場所を訪れ、新たな人とご縁を結ぶ機会はリアルの場に積極的に参加することを推奨すべきだと思います。

CLS道東では、そうした観点からのお話が多かったように思います。参加されている皆さんの多くは、仕事しながら旅をするワークスタイルを確立した方ばかりです。とても参考になりました。

私は今までに何度かワーケーションを経験してきました。その中で、どうしても拭えずにいた葛藤がありました。
それはワーケーションにおけるアウトプットの問題です。ワーケーションにおいては、アウトプットの量と質がどうしても低下してしまいます。

ある程度、普段の業務に余裕がある人ならワーケーションは問題ないのでしょう。が、私の場合それが許されません。私のように常にさまざまなタスクを抱えている現状では、アウトプットの減少は由々しき問題です。
ワーケーションには移動が必須です。移動中には通信や電源が確保できず、宿泊先でも会話や飲み会が集中を絶ちます。どう繕っても、ワーケーションの実質は「ケーション」が多めになっていることは認めなければ。

特にシステム構築は、オンラインでできるはずの業務でありながら、集中を求められる作業です。
いつもの作業場で仕事をするよりも、生産性に顕著な低下が生じてしまいます。

今回、CLS道東のセッションの中で話されていたことの多くは私の目を啓かせてくれました。
中でも、ワーケーションのアウトプットは落ちると明確に話されていた八子さんの言葉と、ワーケーションは地元でも出来るとの古地さんの言葉は、ワーケーションについての私のモヤモヤを払拭してくれました。
私の中で今後、ワーケーションはインプットの場として明確にします。もちろんアウトプットも忘れません。連絡や、簡単な設定作業などは積極的に行います。

私は普段から、コーディングや設定の作業が一段落すると散歩に出かけていました。そして、散歩しながら必要な連絡をこなしていました。それは、古地さんがおっしゃっていた「地元でもワーケーション」の実践だったことに気付きました。
私はそのことを普段から無意識でやっていましたが、これからは意識して近所のカフェを使おうと思います。これならば移動時間のロスも減り、ワーケションのアウトプットロスも減らせます。

日々のワーケーションでインプットとアウトプットの両方を満たしつつ、数カ月に一度は遠方へワーケーションに赴こうと思います。
遠方を訪れた際は、ワーケーションでアウトプットの質量が落ちることを自覚します。そして、失われたアウトプットを上回るインプットを得れば良いと割り切ります。それは、仕事上の気づきのインプットであり、日々の仕事に疲れた心を休めるインプットでもあります。
6月の高知と9月の道東で感じたメリットを自覚しながら。

じつは私は、ワーケーションによるインプットの効果は、一介のプログラマーやシステムエンジニアの役割にとどまっている間は、あまり感じられないと見ています。
そもそも、今はオンラインで仕事ができる環境が整いつつあります。かつてのように出勤を強いられ、開発ルームに詰め込まれ、ひたすらタスクをこなすだけの仕事は既に減りつつあります。これからもさらに減っていくでしょう。さらにいうと、今後のシステム業界は単なるコーダーや設計だけしていては生き残っていけない事は明白です。そうした仕事は人工知能がどんどん担っていくことでしょう。
ですが、人とのつながりや、ビジネスのプロセスから新たな価値を見いだす仕事は、まだまだ人が担うべき領域です。今後のエンジニアにはそうしたタスクが求められるはずです。それには想像力が要ります。アウトプットに終始した同じ場所での業務からは、新たな発想を生みだす事は難しい。ワーケーションとは、インプットをどんよくに取りこみ、アウトプットを充実させるだと考えるようにします。
結局、ワーケーションによるインプットのありがたみとは、人との交流が必要になった技術者になるか、メンバーを統括し、導き、プロジェクトを推進する立場、さらに経営する立場になって初めて得られるのではないか。それが私の率直な意見です。

今回、釧路や知床でのリアルのご縁をいただくとともに、知床や大阪ではオンラインやメタバース上で全国各地の人と会話を行いました。
皆さんに感謝するとともに、その触れ合いや交流が、私に上のような思いを強く抱かせました。
ワーケーションには可能性があると。そして、都会の心中からは、もはやイノベーションが生まれにくいと。
地方創生とは無理に都市から人を引きはがすことにあるのではなく、都市ではもはや得られないインプットを得る目的の延長にあるのではないかと。


amazon 世界最先端の戦略がわかる


私はあまりamazonで買い物をしない。
そもそも私は物欲よりも知識欲のほうが勝っている人だ。そのため、普段はオンライン・ショッピングすらあまりしない。amazonもたまに本を買う程度だ。
だが、amazonのすごさについては十分に理解しているつもりだ。

あらゆる商品を扱うamazon世界の豊かさ。家にいながらにして世界中の品物が手に入るのだから、現代のサンタクロースと呼んでも過言ではないだろう。

2018年から世界の長者番付の筆頭に就いたのはamazonの創業者であり、今もamazonを率いるジェフ・ベゾス氏だ。
世界中のオンライン上の流通をほぼ一手に握ったのだから、氏が世界一になった理由もわかる。

だが、私のような技術者にとって、amazonのすごさは別にある。それはAWSだ。
AWSこそはクラウドの雄だ。情報技術の基盤サービスとして必要なあらゆるサービスを網羅されている。おそらくGoogleやMicrosoftの同種のサービスよりも。
そのすごさは、技術者の誰に聞いても証言してもらえることだろう。
あえて弱点をあげるとすれば、英語ベースのドキュメントが多いため英語圏以外の人にはとっつきにくいことだろうか。

本書はAWSを含めたamazonのビジネスモデルについて解説する。
著者は日本マイクロソフトの社長として名の知れた方だ。その視点は、amazonと同じGAFAMを構成するMicrosoftの経営を知っている。
だが、そのような上を見た人の視点でありながら、著者はamazonに対して驚嘆を隠さない。
その結果、本書は全体としてamazon礼賛の論調が勝っている。

だが、それもうなずける。それほどにamazonのすごさが圧倒的なのだ。そのすごさは本書を読めば読むほどに感じられる。
規模が巨大なだけでなく、その成長の速さこそがすさまじい。世界史の上でもamazonほどに急成長を遂げた企業は見つけにくい。おそらくダントツだろう。
しかもamazonは自らの企業情報をあまり公表しない。そのため、本当の規模がどれぐらいなのかはもはや誰にも分らない。おそらく創業者のジェフ・ベゾス氏でさえも。

その秘密として著者はいくつかの切り口から語る。
まずは、徹底した投資主義だ。
儲けや利潤を留保せず、全て拡大のための投資に振り向ける。それによって税金の支出を抑え、自社の規模を拡大することに専念する。
また、amazonが各事業体ごとに自由意志を持ち、ジェフ・ベゾスですらも統制していない。統制をやめることによって管理コストを抑える。
管理のための管理には一切の無駄金は使わない。その金はすべて拡大のための投資に振り向ける。その徹底は見事だ。
それによって組織は肥大しない。しかも、防御のための費用が節約できるだけでなく、企業の活力は維持される。
これが普通の会社であれば、規模の拡大と同時に統制や管理にも気を配る。だが、amazonはそれをしない。だから他社と違って拡大の規模とスピードが違う。それが他社のサービス規模を凌駕し、サービス内容でも優位に立てる。

全ての利潤を自社でまなかうサービスや体制の増強に回す。
本書を読むと、amazonとは徹底した自前主義であることが理解できる。
物流やシステム回りを自社で構築することにより、他社の都合や支払いを気にせずに社業の拡大に専念できるのだ。
その構築のノウハウを研ぎ澄まし、クラウドとして全世界に広げたのがAWSということだろう。

物流網の構築やシステムの内製により、世界中に兵站の網の目を張り巡らせたamazon。
いまや、圧倒的な商品点数と物流網を確保することで認知度は圧倒的になり、さらに潤沢なキャッシュフローを擁するまでになった。
著者はそのキャッシュフローの潤沢さこそがamazonのすごさだという。

仕入れた商品が手元でキャッシュになるまでのキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)という指標がある。
amazonは小売業でありながら、その値がマイナスなのだ。ウォルマートでさえCCCは12日なのに。普通、CCCがマイナスになるのは飲食業などその場で現金払いがされる業態に限られる。それなのに小売でそれを実現したamazon。
つまり仕入れの前に現金を手に入れてしまう。それにより、キャッシュの流れが後手後手に回らず、先手を打てる。
著者はそのキャッシュフローにこそ、amazonが次々と規模拡大にまい進できる秘密があると指摘する。

どのようにして先手を打てるようなキャッシュフローを構築したか。それは、amazonが開設したマーケットプレイスの仕組みによるところが大きい。マーケットプレイスの開設により、決済までの間、顧客から預かり金を受け取ることができる。この預かり金こそamazonのキャッシュフローの源泉だと著者はいう。
プラットホームを開設することの利点は、預かり金を自由に扱えることにある。それによってキャッシュフローを潤沢にする。それこそがamazonの経営の秘密だろう。そのあたりの仕掛けが本書では学べる。

ここまで巨大な体制を構築したamazon。だが、今のamazonに硬直の兆しはない。むしろ積極的に他分野に打って出ている。生鮮流通・無人店舗・自動配達・宇宙・AI・顔認識など。
そうした活力は、管理部門にコストをかけない社風が大きく影響を及ぼしているはずだ。

おそらく、今後とも私たちはamazonとは無縁でいられないだろう。
私が推しているkintoneもアメリカ版は全てAWSを基盤として動いている。

ここまで大きくなると、amazonから学べる部分はあまりないように思える。
だが、ヒントはある。
例えばamazonの会議でプレゼン資料が禁止されていることはよく知られている。その趣旨は資料を作っている暇があればアイデアを出し合う時間に使え、ということだろう。

そうした無駄を徹底的に省くamazonの経営手法。私たちがそこから学ぶとすれば、「協調は必要とせず、個のアイデアが優先される組織であれ」の精神だろう。
amazonにとってはコミュニケーションすらも無駄だとされている。コミュニケーションが必要なうちは、組織は未熟というわけだ。
個人が自立し、研修や社風の醸成などが不要な社風。
もちろん、それには社員一人一人に組織への依存があっては成り立たないはずだ。

この考え方に立てば、私の経営などまさに未熟に違いない。
顧客ごとに個別の対応をしているうちは規模の拡大など難しいことはわかっているつもりなのだが。

‘2019/9/13-2019/9/19


freee & kintone BizTech Hackでオンラインハンズオンの講師を務めました


4/24(金)に行われた「freee & kintone BizTech hack」で、セミナーとハンズオンを弊社代表が担当させていただきました。
今回、初めての開催でありながら、全てがzoom上で行われました。100%ピュアのオンラインです。

ハンズオンとは講師が壇上に立ち、スクリーンに映した作業の一部始終を参加者に見てもらいながら、参加者にも同じ操作を再現してもらうセミナーの形態です。

ハンズオンは、どこか一つでも参加者が手順を誤るとうまく動きません。ですから通常は数名のメンターやサポートスタッフが会場を巡回し、参加者が課題を完遂できる様に導きます。
それでも多くの方が途中で脱落してしまいます。
私も参加したハンズオンのうち、完遂できなかったことがあります。

今回はそのハンズオンをオンライン上で行いました。つまり、難しさはさらに上がります。

弊社代表は、参加者を会場に集めてのハンズオン講師の経験は持っていましたが、オンラインハンズオンの講師は初めてです。
初めてだったのは弊社代表だけではありません。運営側の全員がほぼ未経験でした。
そのため、リハーサルは三回行いました。

皆さんにどうやったらわかりやすく内容を伝えられるか。どうやれば皆さんにハンズオンの課題を完遂してもらえるか。
手順を省くことは許されません。参加者がどこまで理解しているかも予断できません。

矛盾のない内容になっているか。話す速度は大丈夫か。提供するプログラムは破綻していないか。
リハーサルではそうした確認を行い、運営者の皆さんから指摘してもらいました。KPT法にのっとり、keep、problem、tryを繰り返しつつ。

結果として、15名の参加者の皆さんに最後まで完遂してもらうことができました。これも運営の皆さんと参加者の皆さんのご協力のたまものです。ありがとうございました。
公式開催報告:(https://fk-biztech.qloba.com/activities/7256

私にとって、今回の経験はとても得難いものでした。
ハンズオンの講師は、内容を完全に理解していなければ務まりません。
今回、ハンズオンでOAuthの仕組みを扱うにあたり、今まで何となく扱っていたOAuthについてさらに理解を深めました。
学びを通して自分の中にOAuthの仕組みをきちんと落とし込めたことは、今後の業務にとって助けとなるはずです。

ハンズオンの前のセミナーでお話しした通り、これからはSaaS同士の連携が欠かせません。
セミナー資料:(https://slides.com/yoshikazunagai/freee-kintone-biztech-hack-seminar
既存の構成から、新たな仕組みへと。
技術者に求められる役割はこれからも多岐にわたることでしょう。私たち技術者が学ぶべきことは多く、しかも新たな技術を取り入れねばなりません。

今後もオンラインでハンズオン講師を務める機会はあるでしょう。
私もできる限り、力を尽くしたいと思います。
より多くの人にエコシステムを使ってもらうために。より多くの技術者にオープンプラットホームの世界で活躍してもらうために。

すでに今回、ご好評をいただいたことで、次回の開催が決まっています。
freee & kintone BizTech Hackの二回目が5/22に行われます。
申込サイト:(https://fk-biztech.qloba.com/
次回は私は登壇しませんが、スタッフとして皆さんをサポートさせてもらえればと思います。
よろしくお願いします。


freee Open Guild トライアルに登壇しました


3/26にfreee Open Guildトライアルを開催しました。

今、世間は新型コロナウィルスの猛威に直面しています。
感染の機会を防ぐため、リアルイベントが中止となることなど珍しくありません。
2/27に予定されていたfreee Open Guild #09も中止を余儀なくされました。それもまた仕方のないことです。
ただ、そこで手をこまねいているのではなく、情報技術の進歩を活かし、オンラインでのセミナー開催を考えるのは必然の流れでしょう。

freee Open Guild #09は、私にとって初めてfreee Open Guildに運営側として参加する機会でした。
そんな私にfreee Open Guildのトライアルをやらないか、と声をかけてくださったのがfreee株式会社でDevRelを推進してらっしゃる長内さんでした。
ただ、お声をかけていただいたのは3/5です。開催まで三週間しかありません。
なので、セッションの内容は前回freee Open Guildで登壇した内容を再演することに決まりました。
私の場合、昨年12/18に登壇した「kintone エバンジェリストがfreee APIを触って見た!
を再び使うことにしました。
そしてこちらが今回の登壇内容です。

kintone エバンジェリストがfreee APIを触って見た!
アプリ作成から連携まで

前回から3カ月がたち、その間にfreeeさんによるBiz Tech Frontierが開催され、freee APIにも見積書APIが備わりました。私の肩書にもkintone Sales Advisorが加わりました。そうしたアップデートを今回の資料には盛り込みました。

とはいえ、登壇で語った内容自体は、freee Open Guild #07と変わりありません。

今回はトライアルと銘打っただけあって、完全オンラインで開催ができるか、という検証に重きをおいていました。
そのため、トライアルのトライアルということで、トライアルの十日前にも事前にリハーサルを行いました。
私と長内さん、そして一緒に登壇するビットリバー株式会社の安藤さんとともに。
事前トライアルと本番トライアルを行ったことで、オンライン・セミナーの開催にはさまざまなノウハウが必要なことが理解できました。

今回のfreee Open Guild トライアルで得た知見は、いくつも挙げられます。

まず、zoomにはミーティングとウェビナーの二種類があります。
zoom社の当該サイト
私も普段、打ち合わせにはzoomミーティングを使っていました。
自分でもミーティングを開催したことも何度もありますし、ある程度はやり方を分かっていたつもりでした。
ですが、ウェビナーについては今回が初めてでした。
上のリンクにも出ている通り、ウェビナーにはいくつかの違いがあります。
例えば今回のトライアルでは、ウェビナーで開催したのですが、ギャラリービューに私たちパネリストの3人しか登場しません。10数人の参加者がギャラリービューに表示されないのです。

なので、スピーカーである私からは皆さんの反応が見えません。ただ、長内さんと安藤さんのうなづく姿が見えるだけ。

トライアルでは最後に8名ほどでオンライン懇親会を開催しました。
その際、参加者の皆さんにもパネリストに昇格してもらいました。すると、ギャラリービューにも私たち三人以外の顔が載りました。
ところが、それまでは三人しか参加者がいないと錯覚してしまいます。とにかく、登壇しているという実感が湧きにくかったです。

結論として、人数にも左右されますが、ウェビナーにするかミーティングにするかは、事前に考えたほうがよさそうです。

それとはまた別にスピーカーとして感じたことがあります。
それは、リアルの登壇との違いです。これは、実際にオンラインで登壇してみないと、理解は難しいと思います。
リアルの場で話すこと。それは、スピーカーの想像以上に会場の空気に左右されています。
会場の参加者の皆さまの反応とは、質問や笑い声だけではありません。一人一人の視線が、スピーカーに向けて目に見えない圧力となって迫ってきます。
この圧力は場のエネルギーと呼びましょうか、それともオーラとでも呼べばよいでしょうか。
このオーラはオンライン・セミナーでは決して受け取ることができません。
そしてこの違いは、オンライン・セミナーに聴衆として参加するだけでは、決して気づかないと思います。

スピーカーとして、普段は身の回りにあるはずの場の空気を味方に付けられない。そのため、喋っていても、上滑りしている感じに常に襲われました。
もちろん、zoomにも挙手の機能があります。
ですが、リアルの場の雰囲気は挙手機能をもってしても再現できません。
今後、zoomがどれだけリアルの場の雰囲気を醸成できるかは、将来の改修を待つしかなさそうです。オーディエンスの反応を救いとるような仕組みづくりの重要さは、当然認識されているでしょうから。

結論として、今回のようなオンライン・セミナーの特性に慣れるためには、引き続きオンライン上での登壇経験が欠かせない。私はそう思いました。

まだまだ新型コロナウィルスによる影響は尾を引くでしょう。コロナだけでなく、わが国にとってまだなじみのない病原菌は無数に存在します。間違いなく、それらの病原菌は地球の温暖化にあわせて北上してくるはずです。
そもそも、未知のリスクは、地震や火山の噴火、温暖化、宇宙からの予期せぬ来襲など枚挙にいとまがありません。
そうしたリスク以外にも、わが国の通勤という慣習が生産性の向上に寄与するどころか、阻害していたともいえるフシがある現状では、オンラインのイベントは必須だといえます。
もちろん、そうしたイベントを運営する側としても経験を積んでおかねばなりますまい。

今回、来てくださった15+αの皆様、登壇してくださった長内さん、安藤さん。会場を提供してくださったzoom様。皆さま、本当にありがとうございました。