Articles tagged with: 伴走開発

事例:合同会社TOMONEEL様


Excelのみで内製開発していたヘルパーのシフト管理をkintoneに組み替えて効率化しました

  Topへ↓

合同会社TOMONEEL様は、三重県の亀山市、鈴鹿市にお住まいの方々に対して訪問介護、居宅介護、重度訪問介護、移動支援をはじめ、要支援1~2の方が利用できる総合事業を提供しています。

今、全国的に介護支援に携わるスタッフの方が不足しています。
その上、高齢化が進むわが国においては、合同会社TOMONEEL様のような介護ステーションを展開する事業者様が社会的に求められています。

サイボウズさんが「サイチャレ」という制度を作りました。
サイチャレとは、Cybozu for Challengersの略称で、起業家や事業承継者など変革期にある中小企業の経営者を対象とした、新しい支援プログラムです。

弊社はその支援事業者として手を挙げました。合同会社TOMONEEL様もこの制度に応募しました。
サイボウズさんによって弊社と合同会社TOMONEEL様をマッチングしていただいたことから、今回のご縁が始まりました。


伴走支援を始めたものの

  Topへ↑

サイボウズさんが仲立ちに立っての初回のオンライン打ち合わせや、私たちだけの初回打ち合わせまでは、予定通りに進みました。
ところが、ここからが難航しました。

上記の通り、介護業界は人手不足が深刻です。合同会社TOMONEEL様も例外ではありません。
需要の増加に反比例して、ヘルパースタッフの数が足りなくなり、代表の細川様ご自身が、連日介護活動に注力する必要が生じました。つまり、サイチャレどころではなくなってしまったのです。

数ヶ月もの間、細川様と全く連絡が取れない状況が続きました。
サイチャレの当初のスケジュールでは、8、9月の2ヶ月で伴走支援を行う予定でした。しかし、細川様と連絡がつながり、再度伴走支援を開始できたのは11月を過ぎてからでした。

責任感の強い細川様は、この間にも、介護を求める方々の要望に応えるべく、必死になって働いておられました。
企業経営者として見習うべき姿勢ですし、今の介護業界の現実を間接的に体感しました。

kintoneの使用方法を伴走支援によって説明しつつ、Excelとの違いについても説明しました

  Topへ↑

合同会社TOMONEEL様の場合、業務に必要なシステムとは、ヘルパーの管理、被介護者の管理、シフト管理、さらに支援実績やその支援実績をもとにした自治体への報告業務などです。

合同会社TOMONEEL様は、これらの業務を全てExcelで管理されておられました。細川様は、自力でExcelのマクロを習得し、マクロを駆使して、月々のシフト管理などを行っておられました。

初回の打ち合わせで示していただいたExcelで作成したシステムのメニュー

詳細はこちら



マクロがわかる、つまり、データの行と列の構造を、シートを含めた3次元で理解できるということです。さらに、マクロを駆使して自分でデータを加工できることは、kintoneを導入する上でも大きな手助けになります。

さらに細川様は、データ加工の利便性を追求し、Accessにも一部のデータを置き、そこで加工を実践しておられました。
ExcelとAccessが使える方であれば、kintoneの特性を理解し、使いこなしてもらうハードルは低いはず。

初回の打ち合わせで示していただいたExcelのシフト管理画面

詳細はこちら

初回の打ち合わせで、プログラミングの素養を細川様がお持ちであることを把握しました。そのため、その後の伴走支援についても問題がないだろうと思っていました。

仕様決めのアイデアだしの様子

詳細はこちら

11月に伴走支援を再開した後は、kintoneのデータの持ち方やExcelとの違いについて集中的にお伝えしました。

サイチャレには、提供プログラムの中にスタンダードコースの社員分のアカウントの付与が含まれていましたが、プラグインや外部連携サービスは含まれていません。
つまり、アプリとアプリの連携にあたっては、自力で標準機能を使って実装するか、別にサービスの契約を行うしか選択肢がありません。

しかし、シフト作成などの連携に関しては自動化が必要でした。
マスタを作成し、さらにそのデータをシフトデータや支援実績データとして作ることはできますが、それらのデータをどのように月毎に一括で作成するか。
データ管理をただkintoneに移すだけでは業務改善にはなりません。データの作成の自動化まで支援しなければ、kintoneに乗せ換えた効果は薄れてしまいます。

シフトのデータの持たせた方を決める様子

詳細はこちら

そこで伴走支援にあたっては、JavaScriptの作り方をお伝えするやり方を取りました。VBAマクロが理解できるのであれば、JavaScriptも簡単なプログラムであれば、ご理解と実装を行ってもらえるのではないかと考えました。

そこで、kintoneの特有の癖などを踏まえたご説明を念入りに行い、ご理解の状況を踏まえた上で、いくつかサンプルとなるJavaScriptをお渡しし、それをもとにアプリを作成してみてほしいとお願いしました。

kintoneの特性をご理解し、弊社が支援した内容以上の実装を行ってくださいました

  Topへ↑

さて、しばらく間を置いて、年が明けてから打ち合わせをした際、細川様の実装された内容に驚きました。

弊社が提案した部分だけでなく、他の機能にもアプリが作成され、一部の機能については既にヘルパーさんも加わっての運用が開始されているではありませんか。

伴走支援とは、未来永劫、伴走を続けることを意味しているわけではないと思っています。
ある程度経てば自立し、自発的に活動してもらう支援が目的のはずです。その後も必要に応じて随時アドバイスを行えばよいのです。

その意味でも、今回は当初の弊社のアドバイス以上にどんどんと脚力をつけて自力で改善を始めてくださったことに、とても感動しました。
最初の頃に連絡が取れない時期もあったため、なおさら感動しました。

2024/2/16にサイボウズさん主催で「伴走パートナー様向け共有会」が行われ、事業者さんによる成果の発表会がありました。弊社も参加しました。
事前に細川様には、今の実装内容であれば自信を持って共有会で発表できるはずだとお伝えしていました。

サイボウズさんの担当者様も、連絡が取れなかった時期を把握されておられたので、合同会社TOMONEEL様の実装が無事に順調に進んだことを喜んでいただけました。
ご参加された各社様にも、記憶してもらえたのではないかと期待しています。

さらに5/21にはサイチャレの最終報告会がありました。
その際も弊社は参加しましたが、4月に打ち合わせた際は、すでにこちらからお手伝いすることもなさそうでした。
むしろ、どんどんとkintoneのアプリを作成し、運用に載せておられる様子に安堵しました。一段とレベルアップしたkintoneの形が拝見でき、弊社の手を離れて自社でkintoneを内製できることを確信しました。

そして、5/21の最終報告会では、自力でモバイル対応とモバイル版でのカスタマイズまで手を染めておられる姿に驚嘆しました。私以外の参加者の方からも驚きの声が上がっていたことが思い出されます。
私としても誇らしい瞬間でした。

最終報告会でのスライドの抜粋

詳細はこちら

運用中の運転日報の抜粋

詳細はこちら

運用中のkintoneメニューの一部

詳細はこちら

2月の「伴走パートナー様向け共有会」の時点では、合同会社TOMONEEL様はご利用者様の情報をきちんと管理するため、権限設定もきちんとされておられました。
つまり、弊社でもアプリ群は見られない形になっていました。そのため、この記事には今の最新の構成は載せられません。
それはつまり、完全に弊社から自立したことを意味しています。実に喜ばしいことです。
今や、弊社が伴走支援をしていた時以上に進化したkintoneが展開され、介護を求める利用者様のために活躍していることでしょう。

最終報告会では、細川様自身に属人化している開発の部分を打破したいことや、支援者の家族にも公開したいなどといった意欲的な目標も掲げておられましたので。
楽しみです。

まとめ

弊社としても、伴走支援を業務の一つとして加えるにあたり、合同会社TOMONEEL様との取り組みは大きな自信につながりました。
今回は全てがオンラインで完結し、一度も対面ではお会いしていません。それでも伴走支援がやり遂げられることに大きな自信が得られました。
もちろん、今回の事例は全てのお客様にとって適用できません。細川様が自分で構築できる調査能力や意欲をお持ちだったことと、ExcelやAccessでの構築経験があったためです。
別のお客様にはそもそもサービスやプラグインありきの提案の方が適していた可能性もあります。
弊社もそのあたりの見極めはこれからも間違えないようにしたいと思います。

細川様、合同会社TOMONEELの皆様、ありがとうございました。

合同会社TOMONEEL様のご紹介

会社名 合同会社TOMONEEL
所在地 〒519-0124 三重県亀山市東御幸町97番地1
TEL 0595-98-6909
FAX 0595-98-6908
事業内容 訪問介護、居宅介護、重度訪問介護、移動支援、総合事業
代表FAX 細川薫
URL https://www.tomoneel.co.jp/

2025年の抱負


明けましておめでとうございます。

昨年末にアップした投稿にも書きましたが、昨年度は皆さま、本当にいろいろと有難うございました。
今年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。

今年も抱負を書きます。
本稿の内容は年始にあらためて考えたものです。

一年の計は元旦にあり、とはよく言ったもので、急かされることのない正月に計画しないと熟慮できません。
昨年末にまとめをアップする際に反省した内容を生かし、今年一年、軸をぶれさせないための指針とします。

まずは反省です。
単価を上げたことで、メンバーを維持できるだけの経営基盤はできました。
ですが、雇用しているにもかかわらず、今の弊社はバラバラの個人事業主の集まりのようになっています。
肝心の開発の手順や規則の遵守がまったくできていません。また、開発に関するコードレビューもデプロイもコード管理も自己流のままです。
これでは弊社メンバーが他の会社に万が一行くことになっても通用しません。何より生産性が低いままです。

昨年の正月に作成した「アクアビット蒸留書」で定めた内容もまだ7割もできていません。その後のメンテナンスも滞っています。
まずこの反省点を正すことが元旦に当たって書く抱負の大筋です。

「教育」。それが私の中で今年のテーマとして挙がっています。
弊社メンバーに対してコーディング規則の遵守を求めること。
仕様書や設計書の執筆ができるようになること。
この二つが私に頼らずにできるようになるよう、教育する必要があると思っています。
ノーコードによるカスタマイズが主流になるこれからは、コーディングの機会は減ります。機会が減ったからこそ、コーディングはきっちりESLintに沿った内容で品質が求められます。それは大前提であり、その上で仕様書を弊社の標準で書くことが求めたいと思います。

これは弊社メンバーだけでなく、この先に雇用する予定のメンバーに対しても当てはまります。
また、外注先に対しても同等のレベルを求めます。

その教育のため、一月の中旬を目処に新事務所を設けます。
私が新事務所に常駐することはできないでしょう。ただ、週2日はいるようにします。その中で、今までリモートワークの制約や忙しさにかまけて指導しきれなかったコーディング規約や開発プロセスの標準化を進めます。

まずやるべき事を以下に書きます。

1.ガイドライン作成

一昨年の5月の連休に作り、昨年の正月にもメンテナンスしたガイドライン「アクアビット蒸留書」をこの正月に修正します。

修正するのは、開発ガイドラインのさらなる精緻化と、コード開発の一連のプロセスです。
これらは作るだけでなく、メンバーにも遵守してもらいます。
JavaScript開発、プラグイン開発、php開発が対象です。python開発もやがては必要になるはずですが、現時点ではpythonはまだ研究レベルにとどめます。
これらのチェックプロセスを生成AIの力を借りて自動化することが今年の目標です。

また、仕様書や設計書の執筆ルールについては全く手が付いてません。
これからはノーコードツールによるkintoneカスタマイズが主流になるはずです。つまり、コーディング量よりも仕様書の執筆の作業量が増えていくとみています。それを弊社として統一した品質で書き切ることが全メンバーに求められます。

あと、バックオフィス系の諸作業についても手が付いていません。
昨年末に総務人事経理のメンバーと1on1で話した際、全くスキルが追いついていないと反省の言葉を述べていました。であれば、共に作っていくべきです。

いうまでもなく、アクアビット蒸留書は読むためにあるのではありません。各自が作り上げていくためのものです。
つまり、アクアビット蒸留書は永遠に未完成です。常にドラフト版でありながら、全員でこれを磨き続け、少しでも正規版になるようにします。そしてその内容を全員が遵守します。
書いたら終わりでありません。

また、作業そのものをまねるためにやり方が逐一書かれたマニュアルは必要ありません。
それよりも、誰がなんのために、いつやらなければならないのか。なぜそれをするのか。そうした作業の目的を明確にし、個人に視点が固定されないためのガイドラインとして定める必要があります。

そのため、アクアビット蒸留書は月一度、定期的に更新していきます。個人のノウハウややり方がアクアビット蒸留書に書かれているよりも優れているのなら、個人のノウハウをアクアビット蒸留書のやり方に変えるのではなく、むしろ個人のノウハウをアクアビット蒸留書に取り込んで全員で共有します。
アクアビット蒸留書がその純度を増すごとに、余分な作業で時間を使うことが減るでしょう。そして、案件の実装が円滑にいき、納品までの速度が増えるはずです。

2.弊社の業務の六分割

昨年の抱負でも、弊社の業務を大きく五つに分割し、担当者と目的を整理しますと書きました。

その分割はある程度機能し、弊社の経営の安定に寄与しました。ただ、一部の案件では過去の失敗の負債が残り続け、メンバーの不満と負担の原因となっています。
そこでもう一度その方針を定めなおします。
そして、最後に一つ、六つ目の業務を付け加えたいと思います。

一つ目は、既存の大型継続kintone案件です。
大口でかつ継続のお客様は、昨春にも単価を上げていただきました。
ただ、その時に上げてもらったにもかかわらず、下に定める共遊開発の単価に比べると段違いに低い額にとどまっています。
この春からの単価の改定はすでにお願いしています。適正な単価のもと、弊社の経営基盤が安定できるように動きます。
その上で、上記のアクアビット蒸留書に沿った開発品質、仕様書や設計書に沿った作業の提供を行います。

おかげさまでご評価はいただいていて、今後の展望についても前向きなお話をいただいています。
ただ、拡大した場合も、私自身の関わりは共遊開発にとどめます。開発を担うことによって代表のリソースが減ってしまうことは避けなければなりません。

こうした継続かつ大口のお客様は、弊社の経営の安定に欠かせません。が、それ以上にお客様から信頼をいただき続けることが重要です。
今年もこうした案件は重視し、やがては全国に弊社の名前を轟かせるように力を尽くします。

二つ目は、既存のkintone開発案件です。
これらの案件は、共遊開発のやり方ができず、既存のJavaScriptカスタマイズによるやり方で追加スポット保守や追加開発を続けています。
その中には、以前の失敗が尾を引いたまま、無償でカスタマイズを行い続けている案件すら散在しています。それらは弊社メンバーの心理的な負担になっています。

まず、今年はこうした無償案件については、3月までに保守契約に移行するか、一旦終了とするようお客様にお伝えします。
また、今後発生するであろう開発案件は、ズルズルと時期が遅れることのないよう、開発内容をきっちりと定めます。

この後に定義する共遊開発の進捗によっては、JavaScript開発が必要になることもあるでしょう。それらは随時kintone開発案件としてお客様に提案し、見積もりを出します。その結果、必要になった場合は開発案件として加えます。
なお、原則としてカスタマイズはノーコードカスタマイツールを提案し、JavaScriptによるカスタマイズは極力避けます。

まず、弊社メンバーには上記の一つ目と二つ目に集中してもらいます。
メンバー一人当たり、多くても四つの案件に絞り、集中して担当してもらえるように体制を整えます。

三つ目は、共遊開発案件です。
これらは代表の私が主に携わります。
共遊開発案件の場合、アプリ構築やカスタマイズはお客様が行います。
カスタマイズを行う際はJavaScriptはなるべく使わず、既存のプラグインやサービスを積極的に提案します。
新たな案件が増えても、うちのメンバーには作業を振りません。一旦、代表の私の方で要件定義や共遊開発を行います。

昨年は共遊開発に舵を切ったことが、弊社の経営状況の向上に寄与しました。今年も積極的に共遊開発を提案していきます。
それには、共遊開発を担当するのが私一人では回らなくなります。そのため、弊社メンバーにもお客様のもとで一人で共遊開発が完結できることをスキルの到達点とします。もちろん、その中ではkintoneスペシャリスト資格が取れるようになるでしょう。

四つ目は地域活動やコミュニティーです。
代表の私は今年もまだkintoneエバンジェリストを続ける予定です。引き続きkintoneエコシステムの拡大に向けて貢献したいと思います。
ただ、代表のコミュニティ活動やkintoneエバンジェリスト活動は、会社の活動とは切り分けました。昨年の11月から、代表の個人的な趣味やkintoneエバンジェリストとしての活動、コミュニティ活動は全て別のサイトで記しています。

その分、弊社メンバーには昨年から取り組んでくれているコミュニティへの参加を励行してもらいます。
役員の妻は地域クラウド交流会の認定オーガナイザーとして3/22に予定されている甲府ちいクラに向けて動いてもらいます。
また、総務人事経理を担ってくれている娘は、kintone若手交流会やkintone Café TOKYOの運営スタッフとして頑張ってもらいます。
あとは、イラストレーターとしての自分の得意分野に加え、好きなことで何かのコミュニティ立ち上げも考えて欲しいと思います。

五つ目は新規サービスの開発です。
一昨年、3つの新規サービスをリリースしました。
また、昨年のCybozu Days 2024ではメディキンやチェアサイドレジを打ち出しました。
役員が現役の歯科医師で歯科診療所を経営していることは、依然として弊社ののアドバンテージであると考えています。

今年はそれらのサービスをより拡充していきます。そしてサービサーとしての認知度を上げていきます。

弊社の強みは、外部のSaaS/PaaSとの連携実績が多数あることです。そこに弊社の価値を打ち出し、アピールしていきます。

さらにその体制を強化すべく、昨年末に新たな開発パートナーとの機密保持契約を結びました。
そのパートナーと上のサービス開発を推進していくつもりです。

最後に六つ目として、今年度から追加したいことは教育です。
代表の私自身が教育者として振る舞う機会を作ります。

具体的には新事務所を活用して弊社メンバーへの教育を行います。
そして、共遊開発の一環としてお客様のリテラシー養成に携わります。
さらに、研修メニューだけの業務を作ろうと考えます。
研修メニューは有償とします。月一回、土曜日に実施します。場所は弊社の新事務所を使おうと思います。
研修コンテンツは、kintoneの仕組みとカスタマイズの方法、さらにコーディングのやり方やノーコードツールの活用方法など、私の今までの技術者経験を惜しみなく提供します。また、これからの技術者が生き残るために必要なコミュニケーションや考え方も伝える予定です。

ただし、弊社の新事務所は規模が小さいので、数人規模から始めます。

上記全てにおいて、生成AIの助けは欠かせません。
積極的に弊社でも活用を進めていきます。すでにAI Forward HubやOpenAIについては昨年から活用しています。さらにGeminiやClaudeをはじめ、生成AIサービスは特定のサービスに限定せず、LangChainも含めて自社でも研究を重ねます。

3.評価制度・賃金テーブル・人事計画

昨年、できなかったことの一つは評価制度の確立です。
そればかりか、アクアビット蒸留書の中に載せるべき評価制度についての記述はまだ未着手です。

弊社がまだ個々人でバラバラな理由の一つは、評価制度が未熟なためです。ここを整備しないと会社として成長できないと思っています。
弊社はそもそもKPI(重要業績評価指標)設定がまったくできていません。評価制度以前の問題です。そのため、何を目標とし、個々のメンバーは何をすれば達成感や成長を感じられるのかがあいまいになっていました。

そこで、昨年作成した人事計画と給与テーブルを元に、評価制度を考え直します。
すでに作成したビジョン・ミッション・バリューや人材育成や課題に加え、5年先の財務計画や人員構成計画や、評価制度・賃金テーブル・人事計画も全て見直します。

メンバーのモチベーションが持ちにくい状態になっていた状態を改善します。

今年からは人事評価について、アクアビット蒸留書に書かれた内容をベースに考えていきます。
アクアビット蒸留書の中では、KPIの設定とその基準について詳しく決めていきます。

もちろん、評価や人事制度については、引き続き外部の力が必要です。
外部業者の協力も募りたいと思います。

4.コミュニティ・出展

コミュニティへの関与やCybozu Daysをはじめとした展示会への出展は弊社にとって大きなアピールの機会です。

まずは今年のCybozu Days 2025への出展を予定しています。開催日は10月27-28に決まっていますので、やるべきことは明確です。
出展にあたっては昨年度と同じく、弊社の役員や経理人事担当が企画から当日まで積極的に関わります。また、代表の私もフルに参加してブースを盛り上げます。

出展にあたっては、上に書いた六つに分けた弊社業務のうち、新サービスをメインに打ち出します。

また、代表のネームバリューよりも弊社のサービスで勝負します。
そのためにも、既存の案件の事例を積み上げます。また、弊社としてのコミュニティ関与を弊社メンバー含めて増やします。
例えば、セミナー開催や展示会出展の機会があれば会社として積極的に関わります。この1月と2月にもすでに一件ずつ弊社としての出展の予定が立っています。
他にもノーコード推進協会の正会員加入や、埼玉DX、千葉DX、やまなしDXエンジンなどの会員であるメリットも活かしたいと思います。

また、昨年、役員の妻が地域クラウド交流会(ちいクラ)の認定オーガナイザーとして認定されました。今年の3/22には第二回の甲府ちいクラの開催を控えています。
各地で開催されるちいクラには役員だけでなく、なるべく代表の私も参加するようにします。
また、役員の妻は山梨で別会社を立てます。山梨で広げたご縁をもとに、弊社の認知度を広げてもらうことを期待しています。

5.ビジョン・ミッション・バリュー

昨年に再度修正した弊社の企業理念・経営理念・経営方針・目標は以下の通りです。

企業理念
「一期一会の儲けよりお互いが継続して協業できる幸せを」

経営理念
「最新技術をお客様、地域に提供し、メンバー、家族、パートナーと輪になって幸せになる」

経営方針
①システムを継続してもらえる品質と対応を行います
②技術に偏らず、お客様ビジネスの現場を尊重します
③経営を継続するための自社サービスを生み出します
④社員・協力社・技術者・家族の事を大切に考えます
⑤顧客とともに一期一会でない継続の関係を築きます
⑥技術の進化に先手を打ちながら、自社も進化します
⑦世の中の働き方改革に貢献する手本となり続けます
⑧地域の非営利組織・団体のために技術で貢献します

目標
「2027年3月までに
・正社員8名 外注パートナー10名に
・社員一人当たりの粗利を 150万円に
・サイボウズパートナーの賞を受賞
・他SaaS/PaaSでももう一つ今のkintone並みの知名度を得る」

また、サイボウズオフィシャルパートナーとしての星評価がもらえるよう、さらに努力します。
また、それらを念頭に置いたより具体的な経営計画をこの正月に作り込む予定です。

6.ワークライフバランス

代表の私の拡大・新規志向は、メンバーのワークライフバランスと乖離を招く可能性があります。
というのも、メンバーにとっては安定して同じような作業が定期的にあり、時々刺激が与えられれれば満足します。それは人間の本能です。
ですが、そうした安定志向は会社の持続性にとっては悪影響をもたらします。

そこで、ワークライフバランスへの考え方を整理します。

弊社に関わる全ての方が公私の充実を両立させてほしいとする私の価値観はいささかも揺らいでいません。
ただ、昨年は残念ながら私の日常は全て仕事に割かれてしまいました。それは誰の責任でもなく、私の招いた因果です。

その一方で、弊社のメンバーには無理な残業や休日の仕事はほぼさせていないつもりです。ただ、ストレスフリーの働き方だけではメンバーの成長になりません。成長しないと、この先に待ち受けているだろう激変する環境の変化に個々人がついていけない可能性が高いです。そのため、適切な負荷を与えながら、無理なく働ける環境を作ります。
しかもその時は率先して仕事がしたくなるような動機づけが欠かせません。新事務所を活かして、1on1を繰り返し、メンバーの個人的な思いと会社の期待が離れないようにします。

また、代表の私自身がプライベートを犠牲にしており、代表の私のワークとライフのバランスが崩れていました。
先ずは隗より始めよ。その言葉通り、私から率先してワークライフバランスを整えます。

私のワークライフバランスが整うときは、弊社の経営も軌道に乗った証しです。

7.事業継続のためのその他の施策

経営を継続させるため、BCP計画(事業継続計画)も定めます。

富士山噴火や首都圏直下型地震、東南海地震が起こる確率は高く、弊社の拠点はそれらが起こると甚大な被害を受ける事でしょう。つまり、災害が起こった時に備えて、業務の体制を整えておくべきです。
役員の妻が事業を継続するため、昨年山梨に拠点を設けました。BCP計画に山梨の拠点を組み込み、有事の際の行動手順を定めます。

8.個人的な抱負

代表の個人的な抱負は今年はこの記事からは割愛し、別に立ち上げた個人サイトに記します。
上にも書いた通り、弊社の経営が回るようになれば、代表の個人的な充実も実現できることでしょう。

上記、1ー8までが2025年の抱負です。
ガイドライン(アクアビット蒸留書)を修正し、そのためにも弊社の業務を六つに分割します。ビジョン・ミッション・バリューも定め、コミュニティや出展の目標も掲げます。
これらを実現させるために今年一年、懸命に努力します。

これらが実現した暁には、弊社の経営は好転するはずです。


事例:公益社団法人かながわ福祉サービス振興会様


kintone、FormBridge、kViewer、krewDataを組み合わせた伴走支援開発により会員管理システムを構築しました

  Topへ↓

公益社団法人かながわ福祉サービス振興会(以下かなふく)様は、神奈川県の高齢福祉事業、障害福祉事業、子育て支援事業、その他事業を展開している公益社団法人です。
かなふく様は、利用者の介護・障害サービス選択に資する情報システムの開発・運用や、サービスの質向上に向けた介護サービス認証・評価制度事業、介護・福祉専門職の教育事業等、多岐にわたる事業を行っておられます。
「県民とともにつくる新しい公共」を理念として、県や市町村、民間企業やNPO等を会員とするかなふく様において、その会員管理システム及び会員専用サイトを構築するタイミングで、弊社にお声掛けをいただきました。

かなふくの瀬戸理事長は、山北町で実施したkintone Café 神奈川にも登壇いただき、ノーコード・ローコードツールによるDXの推進に精力的に取り組まれていらっしゃいます。
その時のご縁がもとで、今回会員管理システム構築の伴走支援のお話をいただきました。

会員サイトの構築に苦戦する

  Topへ↑

かなふく様では、kintoneの導入をされており、多岐にわたる業務効率を上げるために活用されていました。トヨクモ社の製品を用いたデータ連携により、帳票出力等も実装済でした。
会員管理は旧来Accessで管理しており、昨年度kintoneにデータ移行したものの、情報量が多く扱いにくく汎用性が低い状態でした。
そのため、会員情報の修正作業や変更履歴の管理、請求・入金管理に多くの工数がかかっている状態でした。

今回は、汎用性の高いデータベースにし、煩雑な請求・入金管理を自動化、マイページによりユーザーが情報更新を行う会員管理システムを構築することが課題でした。
会員の申込みや情報更新・修正、請求書・領収書の自動発行等を会員専用サイト上で行えるようにすることで、会員の利便性は向上し、かなふく様の管理事務の負担は減ります。

かなふく様では一部の職員がJ Campに参加したり、ベンダーとの協働によるシステム設計・運用経験もおありであったため、DX推進への機運もお持ちでした。
そのため、会員管理システムをkintoneとトヨクモ製品等の組み合わせによる内製構築を考えておられました。

会員管理システム構築にあたって発生していた問題点は下記の通りです。

1. かなふく様のセキュリティポリシー上、Toyokumo kintoneApp認証が適合しない

Toyokumo kintoneApp認証とは、トヨクモ社の製品を利用する際の認証手段です。ページ上のボタンをクリックすることで送信されるメールが受信できれば認証完了となります。つまり、Toyokumo kintoneApp認証はメールを送受信できるのが本人であることを前提としています。
上記方法は、かなふく様のセキュリティポリシーに合わず、IDとパスワードによる認証が必要というご判断でした。

2. 会員によって変動する請求額の計算方法

かなふく様の会員は、市町村会員、法人会員(正会員・賛助会員)、個人会員に分かれています。
さらに、会員の中にはロボット協議会委員と呼ばれる会員もおります。

会費は法人種別毎に異なるだけでなく、入会初年度と継続とでも請求方法や金額が異なります。
さらに、法人会員の入会は理事会の決議を経る必要があり、入会月が変動するため、これらの会費請求のタイミングを踏まえたアプリ構成にする必要がありました。

3. どのように請求書に反映させるか。

かなふく様はPrintCreatorを使っておられたので、帳票設計のスキルはお持ちでしたが、データ構造が決まらないため、帳票の設計も決められずにいました。

4. 会員情報の変更履歴管理

これまでは、会員情報の登録や更新、変更は、旧来の書面受理の方法にて受付、処理を行っていました。
今回マイページ上のWEBフォームにて、会員様自身により手続きができるようになると、かなふく様側で変更履歴が埋もれてしまい、把握が困難となります。
kintoneは標準機能で変更履歴を蓄積しますが、それは一覧では見られません。
かなふく様のご要望は、会員情報の変更履歴を一覧表示して、どのように変更されたかが埋もれることなく確認できるようにしたいというものでした。

5. 会員サイトのプラットフォーム

会員専用サイトを載せるウェブサイトのプラットフォームも未決定でした。


Google Workspaceを活用する方向で決定

  Topへ↑

弊社が支援を開始した際、最初に提案したのは「チーム応援ライセンス」の活用でした。
900アカウントが格安で利用できるこのライセンスならば、会員様にkintoneライセンスを与えるだけで会員専用サイトに等しい機能が実現できるのではないかと考えました。
ところが、サイボウズさんからの回答で、かなふく様はチーム応援ライセンスの適用対象外という結果でした(弊社としては、公益社団法人であれば適用されると見込んでいたのですが)。

そこで、かなふく様から提案されたアイデアが、Google Workspaceを利用する方法です。
もともとかなふく様はGoogle Workspaceをご利用でした。つまり、会員様にGoogle アカウントを付与する上での追加費用が不要です。
その利点を活かし、Google WorkspaceのGoogleサイト上にFormBridgeやkViewerを導入すれば、かなふく様のセキュリティポリシーを満たした状態でトヨクモ製品が使えます。このアイデアが秀逸でした。
これによって公開のプラットフォームや、Googleアカウントを使用してのToyokumo kintoneApp認証を実現しつつ、かなふく様が内製できる目途がつきました。

会員情報はkintoneで管理し、申し込みフォームはトヨクモ社のFormBridgeを用いて、kViewerのマイページ機能を活かします。さらにPrintCreatorを使って請求書を発行し、kMailerでメールを送信します。
この構造の最大の効果は、かなふく様内でkintoneとトヨクモ社の製品群を利用して、会員専用サイトが内製できる道が開けたことです。
Googleサイト上にFormBridge、PrintCreator、kViewerを駆使した会員サイトを構築することはそれほど難しくありません。
会員サイトのコンテンツ自体は、弊社からの支援の時間や手間がかからず、実装工数の圧縮が実現できました。

初回打ち合わせ時のイメージ

詳細はこちら


kintoneのサブドメインの変更

  Topへ↑

会員専用サイトを構築するkintoneの環境は、かなふく様が以前から契約されていたサブドメインを利用する想定でした。
ところが、検討を進める中で、他の部署の取り扱う情報がより高度な機密管理を必要とすることが明らかとなり、弊社がkintoneシステム管理アカウントでログインすることが適当でないことがわかりました。

今回、弊社が関わるのは伴走支援開発、つまり、JavaScript開発やプラグイン開発は行わない支援です。スペースや組織間アクセスや権限設定を緻密に設計すれば、既存のサブドメインのままでもできたかもしれません。しかし、それを検証する時間はなく、確実なセキュリティ担保を前提とするため、今回の会員管理システムや付随する業務用に別のサブドメインを契約することとなりました。

幸いなことに、サブドメイン間でアプリのレコードの連動が不要であったため、システムを構築する上で問題はありませんでした。
弊社もさまざまなkintone構築案件に携わってきましたが、契約の途中でサブドメインが増えたケースは初めてでした。

kintoneのデータ連動の特性を説明する

  Topへ↑

弊社が支援すべき点は、会員専用サイトの裏側にあるkintoneアプリ群のデータ構成を検討することでした。
会員情報や会費請求、入金情報について、業務フローと合わせて検討を行い、対面で議論しながら、検討を進めました。
この部分の認識が一致しないと、会員サイトに表示するFormBridgeやkViewerにも影響が生じます。また、請求書を発行するPrintCreatorのレイアウトも定まりません。

このデータ構造の構築に時間をかけて支援いたしました。何度もお伺いし、またはオンラインで対応しました。

これらの作業は、伴走支援の一環として取り組んでいます。
弊社では7月より、伴走支援開発を『共遊開発』と呼ぶことにしています。
和気あいあいと楽しみながら、真剣に同じ目標に向けて実装を進めることを表しています。かなふく様との今回の開発もそのような内容になったのではないかと思います。

会員管理アプリのデザイン

詳細はこちら

かなふく様との伴走開発支援の手応えが、共遊開発という名前にヒントを与えたのかもしれません。

krewDataを用いて会員更新履歴の管理を行う

  Topへ↑

会員情報の変更履歴を一覧で表示する。
今回、弊社は伴走支援での契約であったため一切のJavaScriptやプラグイン開発は行いませんでした。そこで、履歴管理機能を実現するため、プラグインを駆使することを提案しました。
残念なことにトヨクモ社のDataCollectでは今回のご要望は実現できないと判断し、弊社は早い時期からkrewDataを提案していました。

構成としては、会員専用サイト経由で会員情報の追加や変更が行われる度に、FormBridgeの回答保存プロセスで設定した別アプリに、処理ごとの最新データを保存します。
あとは蓄積された履歴アプリのデータをkrewDataで差分抽出し、それをまた別アプリに蓄積します。

krewDataの該当機能のフロー

詳細はこちら

これによって一覧上で必要な項目すべての変更情報を閲覧できるようになりました。

当初予定していた期日より前に会員管理システムの構築完了

  Topへ↑

当初、会員専用サイトのリリースは10月を目標に設定していました。
予定通り、10/15に会員皆様にお知らせが送付され、無事にリリースできたようです。
会員サイト入り口

会員サイトの入り口ページ

詳細はこちら

それに先立ち、9/12の時点で会員管理システムの目途がついたとのことで、9月のご支援は延期のお知らせを頂いていました。
つまり、今回のミッションは、初めての訪問である2月から8月まで、月当たり1回の訪問またはオンライン合計7回の支援で完了することとなったのです。
それぞれ2時間なのでかかった時間の合計は14時間。それに加え、kintoneスペース上での質疑も随時行いました。その時間内で成果が挙げられたのは良かったと思います。

短期間で実装に持ち込めたことは、弊社としても貴重な事例となりました。

まとめ

今回は、Google Workspace上の構築を決めるまでの一連のプロセスが、弊社にとっても初めての事例でした。
それを含めても、何度も協議と議論を重ねて、目標の時間内に会員専用サイトの構築が実現できたことは、とても良かったと思います。

このあとも、かなふく様全体にDXが実現できるよう、弊社としても引き続きご支援を続ければと考えています。

かなふくの皆様、ありがとうございました。

公益社団法人かながわ福祉サービス振興会様より

企画、システム管理、経理、異なる部署の職員が集まり、それぞれの持ち味を発揮して目的を達成することができました。
長井様、この度は、会員管理システムの構築ならびに会員専用ウェブサイトの開設にお力添えいただき、ありがとうございました。
(理事長・担当職員一同)

公益社団法人かながわ福祉サービス振興会様のご紹介

名称 公益社団法人かながわ福祉サービス振興会
社団、財団の別 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)に規定する公益社団法人
所在地 〒231-0023
神奈川県横浜市中区山下町23番地 日土地山下町ビル9階
TEL:045-671-0294
FAX:045-671-0295
目的 高齢者や障害者が心身の健康を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、地域福祉サービスの振興と質の向上を図るとともに、子育て支援を推進することにより地域福祉の増進に寄与することを目的とする。
事業内容 (1) 介護・福祉サービスに関する情報の提供
(2) 介護・福祉サービス評価の推進
(3) 介護・福祉に関する各種相談
(4) 介護・福祉人材の確保及び育成
(5) 介護・福祉に関する調査研究
(6) 指定情報公表センターの業務
(7) 指定調査機関の業務
(8) 指定都道府県事務受託法人及び指定市町村事務受託法人にかかる要介護認定業務
(9) 行政機関その他の関係団体との連携並びに介護・福祉の振興施策等に関する提言
(10) 高齢者及び障害者の社会参加並びに就労支援に関すること
(11) その他公益目的を達成するために必要な事業
設立許可年月日 平成24年4月1日(平成9年3月31日に設立した社団法人かながわ福祉サービス振興会から左の期日に公益社団法人に移行)
規模 職員数 常勤職員80名(令和6年11月1日現在)
令和5年度 経常収益 1,011,005千円
会員数 216団体(正会員43、賛助会員139、県市町村会員34) 令和6年9月19日現在
URL https://www.kanafuku.jp/

事例:株式会社丸正田中様


Excelのみで行っていた温泉旅館のバラバラのデータ管理運用をkintoneとfreeeとスマレジを組み合わせて効率化

  Topへ↓

初回訪問時に撮影した晩成温泉から見える太平洋の景色

株式会社丸正田中様は、北海道十勝の南部を中心に様々な業務を行っています。
主な業務の一つとして、晩成温泉の運営管理があります。
大樹町にある晩成温泉は、太平洋に面しており、世界でも屈指のヨウ素濃度を誇っています。
太平洋を眺めながらの温泉体験は、全国の温泉ファンや地元の方に喜ばれています。


晩成温泉の指定管理者としての運営から得た経験を活かし、中札内村のかつら旅館の事業を譲り受けるなど、十勝での観光振興に一役かっています。

十勝は、日本の農業の中心です。
いくつかの観光施設は散在していますが、道外からの観光客需要は北海道全体が対象です。
十勝の場合は、拠点が帯広に集中してしまうため、帯広から少し離れた場所の宿泊施設はそう多くありません。ところが、広大な十勝では、帯広から離れた場所にも宿泊施設は求められています。
また、地元の方に向けた施設を運営する方も必要です。
丸正田中様の取り組みは、十勝南部の観光需要を満たすために重要なのです。

昔から丸正田中の田中社長とご縁のある株式会社シードプラスの前嶋様より、丸正田中さんの旅館運営業務を助成金を使ってシステム化したいとのご相談をいただき、弊社の方で設計と構築を担わせていただきました。
シードプラス社のホームページ

助成金の対象範囲の揺れ

  Topへ↑

今回、この話をいただいてからも、どの助成金を利用するかについては紆余曲折がありました。
とかち財団の「とかちビジネスチャレンジ」に応募すると助成が取れそうに思えたので、弊社代表が説明会に参加した上で応募をお勧めしたのですが、残念ながら、最終審査で不採択となってしまいました。
が、前嶋様のご尽力によって、無事に北海道庁が運営する別の助成金に採択されました。

その際、新たな助成金の内容に即して、もう一度実装内容を検討する必要がありました。

当初ヒアリング時のラフ構成図案(クリックで拡大します。ブラウザの戻るで戻ってください)

検討した結果、kintoneを軸にし、スマレジで売店や受付のレジをスマレジに換え、freeeを使って全体の経理処理を任せることになりました。

ところが、実際は丸正田中様から経理業務を依頼されている税理士法人さんで使っているのは別のシステムであることが後日発覚したため、間にfreeeを無理矢理かませて実装するなど、後になるまで仕様の揺れが大きく影響しました。

また、今回の実装対象にはかつら旅館も含まれていましたが、助成金の準備期間とかつら旅館の事業譲渡の準備期間が重なったため、仕様が最終的に固まる前に、助成金の申請や実装のヒアリングを進めざるを得ませんでした。

また、晩成温泉の運営を軸に業務を設計しましたが、経理や指定管理者としての報告事務を担っていたスタッフがかつら旅館の運営準備に移ったため、十分なヒアリングができず、これが後に仕様の漏れにつながりました。
これらは、我々側のヒアリングが及ばなかった点として反省すべき点です。

晩成温泉側の業務フロー

詳細はこちら

かつら旅館側の業務フロー

詳細はこちら



kintoneの使用方法を伴走支援によって説明しつつ、スマレジについての実装を行う

  Topへ↑

晩成温泉の既存のデータ管理はExcelのみをお使いでした。
そもそも晩成温泉には、大きく分けて三つの業務があります。列挙すると、入浴・宿泊者の受付と、その横の売店での販売、さらに施設の中にある「お食事処・MAMO」の運営です。

券売機

入浴・宿泊者の売上は券売機によって集計し、お食事処・MAMOの売上は別の券売機によって集計し、売店の売上はPOSレジで管理していました。それらは全てバラバラで、毎晩、締め処理を行う際に一つの日計表としてExcelにまとめていました。さらに日計表を月単位でまとめ、大樹町に指定管理者の業務報告として送付していました。

それらの複雑な業務を一つの処理として集約させるため、kintoneとfreeeとスマレジをデータ連動させる案を策定しました。

その実装を進めるため、弊社から提案した案はいくつかあります。
まずkintoneの使い方に慣れていただくため、伴走開発によってkintoneをご理解いただくことに努めました。

初回訪問時に田中専務と将棋を一局。負けました


弊社が伴走するのは、晩成温泉の中で様々な実務を行っておられた高田様です。
まず、高田様にkintoneの使い方をお伝えしながら、様々な業務改善のヒアリング、対象物などをまとめていきました。
その際、別の方が担当されていた一部の報告業務についてヒアリングが漏れていた事は上に書いた通りです。

ただし、高田様のkintoneへの理解がとても速く、次々とアプリを作ってくださった事は、今回の一連の実装においてとても助かりました。

初回訪問時にコテージで作業中の代表

弊社は東京にあります。前嶋様も埼玉に拠点があります。つまり、晩成温泉に頻繁に行かれません。
そのため、オンラインミーティングで何度か打ち合わせを重ねながら、kintone側の実装を進めました。それらが上手くいったのも、高田様のおかげだと思います。ありがとうございました。

我々としては、kintone以外の準備は以下のように進めました。
スマレジ側の機器(ドロワー、iPad、レシートプリンター等)の手配は前嶋様に行っていただくと同時に、スマレジの運用手順の周知やマスタ整備も前嶋様に進めていただきました。

それと並行して弊社側では、スマレジのデータを夜間にkintoneに連動するためのバッチ処理を実装しました。
ここで苦労したのは、売店売上とお食事処売上と入浴・宿泊者の売り上げを全てスマレジ内で統合して管理すると同時に、売上データを細かく分類するための商品設計です。
たとえば、指定管理者としての業務報告にあたっては、町民様の優待券、一括購入の回数券、さらにクーポンの使用などがあります。それに加えて入湯税に関しても別に徴収する必要がありました。それら全ては大樹町に対して報告する義務があるため、データをきちんと分類して設定する必要がありました。

kintoneから日計表を出すにあたっては、スマレジからkintoneにデータを連携する必要があり、その連携に当たっても、どのような形が最も望ましいのか、何度も検証およひ実装の調整を行いました。連携に当たっても、商品ごとの調整変更や部門の調整等が必要となり、ここが今回最も苦労した点です。

ただ、弊社はスマレジとkintoneの連携事例をいくつか手掛けていた経験があり、連携にあたっての仕様調査はほぼ不要でした。そのため、実際のデータ連携の設計についてのみ注力することができました。

freeeの連携方法を変更するとともに、かつら旅館の運用によって追加の実装が必要に

  Topへ↑

ここで問題となったのは、freeeとの連携をどうするかです。上にも書いた通り、当初はfreeeとkintoneをAPIで連携させるつもりでしたが、実装の途中になって、税理士法人の方が別の経理システムを使っていることが発覚しました。
丸正田中様の別事業を含めた財務・経理仕訳は別の経理システムを使っておられたのです。

そのため、freeeへのAPI連携は行いませんでした。
その代わりに採用したのは、kintoneからfreeeに対してデータを渡す際は、kintoneの標準機能を使ったファイルで連携する方法です。
お渡ししたデータをfreeeに取り込む作業は税理士法人の方に行ってもらい、freeeから別の経理システムへの連携も税理士法人の方に行っていただく処理フローで落ち着きました。
もちろん、基幹システムとの連携もfreeeがかかわっています。

今回、難しかったのは、丸正田中様の別事業との兼ね合いです。
その兼ね合いは、何回にも及ぶ仕様の調整を必要としました。

かつら旅館にて説明を行う様子

上にも書いた通り、全体の仕様の調査と並行して、かつら旅館の事業譲渡の話を進めていただいていました。そのため、全体の仕様が曖昧なまま、設計と実装を進めるしかありませんでした。

晩成温泉とかつら旅館で大きく違ったのは以下の三点です。
1.
晩成温泉には売店やお食事処がありますが、かつら旅館にはそれらがありません。

2.
晩成温泉は大樹町からの指定管理者制度による受託運営だったため、町への報告が義務付けられていました。

3.
晩成温泉は、来店客に占める個人客の割合が高く、企業や団体の一括利用による売掛金の割合が低いことでした。一方、かつら旅館は企業や団体の一括利用による売掛金の割合が高いことでした。

三つの点で実装すべきアプリや機能が大きく違っていたため、売掛金を提供するための請求書発行の出し方をはじめ、晩成温泉とかつら旅館ではシステム構築上で大きく違いました。
それでいながら、スマレジとfreeeとkintoneを一つの仕組みとしてどう構築するかに工夫が求められました。

ただ、その際にアジャイル開発の手法をとったのが功を奏しました。今回の一連の開発にあたり、仮にウォータフォール型の開発手法をとっていたら、助成金の受給に失敗したか実装自体が破綻していたはずです。
これらが全て実装でき、運用に移行できたのも、kintoneの良さを存分に活かしたアジャイル開発の手法をとり、各機能ごとに分けて実装を行ったからだと考えています。

おかげで、かつら旅館の実装は、最後の方になって仕様のズレも含めて全て修正できました。

なお、今回kintoneはRICOH kintone Plusを導入しました。
そのため、帳票発行プログラムは、RICOH kintone Plusに標準で付いてくるRICOH 帳票作成プラグインを利用しました。その実装にあたってもかなり工夫が必要になりましたが、その工夫についてはこちらの記事に記載しています。

予約管理業務についても連携のための工夫を行う

初回訪問時に拝見した予約表

もう一つ、スマレジやfreeeのアプリ連携とは別で実装する必要があったのは、晩成温泉の予約管理の効率化です。

元々、晩成温泉では予約管理にRESERVAを使っていました。ですが、いくつか問題がありました。問題の一つは、RESERVAで管理される予約状況を各スタッフに連携することできませんでした。また、予約データに基づいた効率的なシフト管理が必要でした。そのため、kintone側で一括管理することが望まれました。
ところがRESERVAにはkintoneと連携するためのAPIが公開されておらず、Googleカレンダーとのみ連携されていました。

これらの予約管理の改善については、助成金の対象業務に当初から含まれていました。

そこで弊社からは、Googleカレンダーとkintoneをつなぐ合同会社ぱんだ商会様のプラグインを提案しました。さらに、kintone内では、カレンダーPlusの利用をお勧めしました。
これらの組み合わせによって、月額利用料を抑えた助成金の範囲内での実装が可能になりました。

まとめ

今回は、遠距離のお客様のフォローをどう進めるかについてと、現在進行形で仕様が変わる運用をどうとりまとめて仕様に落とし込むかが難点でした。

もともとkintoneはアジャイル開発に向いています。また、弊社が培ってきたノウハウもアジャイル型を志向してきました。
それがうまくはまった事例だと思います。

kintone Café 帯広 Vol.3に登壇する高田様

その成果は、kintone Café 帯広で高田様が登壇していただいた内容にすべて書かれています。
弊社代表及び前嶋様としても報われた瞬間でした(二人とも登壇をその場で拝聴していました)。

SEEDPLUS社ならびに弊社もご紹介いただきました

そして、弊社として伴走型のやり方に手ごたえを感じるとともに、どの点を重点的に開発すればうまく進むのか、一つの成功事例となりました。

引き続き、他の施設にも業務を拡張されると伺っています。
また十勝に伺える日を楽しみにしています。
丸正田中の皆様、ありがとうございました。

丸正田中様より

導入までの日々と現在を丸正田中社の田中社長はこう語ってくださいました。

kintoneを業務システムの中核に置いてから、複数の店舗の経営状況がどこにいても把握できるようになりました。
それだけでなく、決済や必要なコミュニケーションや意思決定がよりタイムリーに行えます。
社員の事務の負担を減らしつつこれらのことを達成できたことは、今後の経営にとって大きな一歩です。

丸正田中社の高田支配人はこう語ってくださいました。

スマレジと連携したkintoneのおかげで、業務完了と同時に日報が自動で作成可能になりました。
エクセルでデータを手入力していた大樹町に毎月提出する書類も、現在では日々の運営データから自動で作成されるようにり、業務時間が大幅に削減されました。
いまでは社内でもアプリの作成や改善が行われ、日々改善が続いています。

SEEDPLUS社の前嶋社長はこう語ってくださいました。

非常に複雑で多岐にわたった社内業務を kintone とスマレジ で 省力化できたことで、お客様に非常に 満足いただけたと感じております。

株式会社丸正田中様のご紹介

社名 株式会社丸正田中
所在地 〒089-2131 北海道広尾郡大樹町松山町8番地19
代表者 代表取締役社長 田中正一
URL https://www.bansei-onsen.jp/about-marusyo

2024年4月のまとめ(法人)


令和六年四月。

さて、新年度です。昨年度は苦しんだものの、今年に入ってから希望が持てる兆しが少しずつ増えました。

その兆しがますます形になってきたのが今月です。
昨年度、苦しんだ割には売り上げとしては過去最高を出しましたが、途中から新たな単価体系に切り替え、新たな単価での受注が増えはじめたからです。

そうした案件のいくつかが始まったのが今月でした。
そのため、今月に入ってから忙しくなってしまいました。例年の三月は、年度末で作業にひと段落ついていたのですが、今月は冒頭から始まった案件の対応でかなり忙しい毎日を過ごしました。

達成度5割。達成感5割。満足感6割。それが今月の代表自身の自己採点です。

弊社とご縁をいただいたすべての方々に感謝します。ありがとうございました。

●弊社の業績

§ 総括 四月度の売上は目標を下回りました。

というのも。今月から始まった案件が多かったからです。
伴走案件が増えてきたとはいえ、まだ月額でご請求できる契約になっていないものもあります。そのため、売り上げはそこまで好調ではありません。それは、経営上のリスクでもあります。

また、伴走開発が増えたことによる代表へのリソース集中が顕著なりつつあるのも、今後に向けた改善点です。

ただ、引き合いや受注が途切れないことは、本当にありがたいことです。

ありがたい状態であるうちに、弊社メンバーのスキルと体制を整備しないと。
今が弊社が私のみの会社から脱却するチャンスです。
実際、kintoneの伴走案件をこなしていると、お客様からのご要望に対してすらすら解法が答えられる私がいて、そういう私の価値が求められていることを感じます。
ただし、それをやっている限りいつまでたっても私一人の会社から脱却できないことも確かです。
私以外のメンバーが前に出て、存在感を発揮してもらうにはどうすれば良いか、試行錯誤しています。
コミュニティで露出してもらうのが最も効果的なのですが、それには消極的なメンバーが多いので。

そこも含めて、どうすれば会社と皆のために良いか、昨期の反省を生かしてじっくりと考えます。

今月は弊社にとって以下のようなトピックがありました。
・弊社代表が「八重桜を愛でる会」に参加しました(4/13)。
・弊社代表が「スナックジョイゾー」に参加しました(4/1)。
・弊社役員と総務経理担当代表が「山梨県活性化プロジェクト」に参加しました(4/25)。
・弊社代表が「kintone Café 山梨 Vol.2」に運営として参加しました(4/27)。

ここにはまだ載せられないトピックもあります。告知できる段階になれば記載します。

実績を出しつつ、日常も充実させる。ワークライフバランスの軸は堅持しつつ、成長もさせていきます。引き続きよろしくお願いいたします。

§ 業務パートナー 今月は九割五分の開発案件がkintoneがらみでした。

弊社が手がけるkintoneがらみの案件に占める伴走開発の割合を増やしています。
とはいえ、伴走開発はまだメンバーにはハードルが高いと判断しています。そのため、今の時点では代表のみが伴走開発に携わっています。
伴走開発以外でも、開発案件はたくさん抱えています。そうした案件はメンバーに渡しています。ただ、複数案件を並行で任せるとメンバーの心理的な負担が増すため、あまり案件は渡さぬようにしています。
すると、こぼれ落ちた開発案件は代表が担わざるを得ません。つまり、開発でも代表に負担がかかります。
その場合、代表のリソースがどこまで確保できるかと言う問題が付いて回ります。実際、四月からの私の予定はかなり逼迫しています。

そんな状況ですが、今月も今までにいただいた多数の案件の実装作業が続いています。いくつかの案件では検収に至ることができました。本当に感謝します。

昨年の師走から、今までの開発のやり方について、抜本的に変える決断を下しました。

・代表が伴走担当としてお客様に入る。代表が行う作業は、お客様にアプリ構築の実装作業を行ってもらうためのアドバイス。手は動かさない。
・その作業を通じて要件についての理解を双方で深め合うことができる。お客様自身にとってもkintoneの手法を習得することで、よりシステムへの主体性が持て、かつ、要件の揺れが最小限に収められる。
・お客様がアプリを構築する作業と並行して、kintoneの標準機能では難しい機能を可能な限りプラグインや連携サービスを推奨し、カスタマイズ作業が最低限で済むように導く。
・お客様によるアプリ構築が終わった時点で、どうしてもカスタマイズが必要な場合のみ、弊社メンバーにカスタマイズを割り振る。弊社メンバーのカスタマイズ難易度は少し高くなるが、複数の案件を同時にこなす必要が減る。
・同時に他のSaaS/PaaSとの連携作業は、弊社メンバーが専任して実装を行う。
・上記作業により、代表は様々な場所を訪れて商談をこなし、手は動かさずに済む。営業力も維持できる。メンバーは要件が絞られた状態でのカスタマイズに集中できる、メンバーのスキル上達と同時に、複数の業務を円滑にこなすことが可能となる。

昨季まで安すぎた単価設定も大幅に上げました。
上げた単価をベースに受注も取れるようになりました。それが自信にもつながっています。

伴走開発による案件の獲得や実装も手ごたえを感じています。
既に今年に入ってから要件定義フェーズの形、今月に入ってから、伴走開発の形でも案件も始まっています。

ただし、伴走開発はかなりの集中力と労力が求められます。上に書いた通り、まだメンバーには任せられませんが。
そもそも、私自身が伴走開発への切磋琢磨もさらに求められます。
その上で、私以外にも伴走開発ができるよう、努力をメンバーにも求めていきたいと思います。

昨年に出したGO! DO! with-Uとアビットリンク、さらにk-Report帳票統合サービスも併せて、弊社の価値をより世間に訴えていく必要があると思っています。

代表のトーク力も連日の伴走案件や商談の中で磨きつつ、私自身がまず手本を見せます。
年齢が上がっても成長し続ける気概と手本を示したいと思います。

弊社に期待してくださっている方は多くいらっしゃるようです。
皆さんのご期待に応えるためにも、弊社としての体制をきちんと整えていきます。


§ 財務基盤の堅牢化 財務をきっちりすること。前からの課題です。
弊社としては問題ないのに、家計が絡むととたんに脆弱になる。
この点は弊社の長年の課題でした。

今年の一月、大きな荒療治を行って状況をリセットしました。
おそらく来月あたりから、ようやく歪な状態が解消されるはずです。

まだまだ、経営者としての未熟を痛感させられることも多いです。財務改善には単価アップから。
まずはそこがうまくいきそうなので、その後にコストカットや生産性向上に舵を切ります。
弊社への期待の高さを感じ、耳にするにつけ、頑張らなければと思っています。


§ 社内体制 三年前の師走に、社是、企業理念、経営理念やスローガンを見直しました。その直前に弊社のメンバーが一人、弊社を離れた理由に、肝心な部分の価値観のずれがあったためです。
そこで2022年の年始にあたり、その時に属していた三人でもう一度忌憚のない意見を交わしながら、各種理念を練り直しました。
この正月にあらためて内容を見直し、細部を作り込みました。

企業理念
「一期一会の儲けよりお互いが継続して協業できる幸せを」

経営理念
「最新技術をお客様、地域に提供し、メンバー、家族、パートナーと輪になって幸せになる」

経営方針
①システムを継続してもらえる品質と対応を行います
②技術に偏らず、お客様ビジネスの現場を尊重します
③経営を継続するための自社サービスを生み出します
④社員・協力社・技術者・家族の事を大切に考えます
⑤顧客とともに一期一会でない継続の関係を築きます
⑥技術の進化に先手を打ちながら、自社も進化します
⑦世の中の働き方改革に貢献する手本となり続けます
⑧地域の非営利組織・団体のために技術で貢献します

2020年の暮れにメンバーの募集を出した時から、代表の考え方の軸はぶれていません。たた、顧客のためにと思い単価が安すぎただけで。

弊社の活動内容に、地域活動やNPOやkintoneエコシステムへの関与と営業活動の両立を組み込みますが、それが元でメンバーに過度な負担をかけないように配慮しなければ。

昨年の4月より弊社に正式に加わってもらった代表の長女に人事・総務・経理の作業を任せました。
さらに、今月から名前のみの役員だった代表の妻にもチーム作りの担当として加わりはじめてもらっています。

今後とも、なにとぞ弊社をよろしくお願いいたします。


§ 人脈の構築 今月は外出や打ち合わせを何度も行い、リアル商談を数多く行いました。
お客様とのリアル商談は約25回です。オンライン商談はざっと数えたところ約42回ほどです。
今月、頂戴した名刺は約37枚です。

今月は様々な場所で商談を行い、交流を深めました。
案件に関わる部分なので、ここにはすべて書きませんが、いろいろと楽しみなご縁ができました。


例えばコロナ禍以来、参加できていなかった「八重桜を愛でる会」に久々に参加しました(4/13)。
もともと、kintoneのβテスター同士のご縁からはじまった「あるじさん」とのご縁もkintoneのβテスターが始まった時期ですから、もう十三年ですか。
こういうご縁は大切にしたいし、お誘いがあったので、参加させていただきました。楽しい会話ができました。お酒もおいしかった。お花も動物も。

そして、スナックジョイゾーに参加しました(4/19)。今回も、楽しいひと時が過ごせました。美味しいお酒と会話にいつも感謝です。
今回は日本酒ナイトということで、お酒も楽しめました。
また、年間パスポートの申し込みもさせてもらいました。

また、別の日にはkintone Café 山梨 Vol.2を開催しました。今回は登壇も司会・進行もせず。運営のみに徹したkintone Café でしたが、参加された皆さんからとても喜んでもらいました。
今回も高知・大阪からの遠方のゲストお二人を筆頭に、長野や埼玉・神奈川・東京と多くの方のご参加と皆さんとの交流が楽しめました。

その翌日には、お仕事やkintone Caféでもお世話になっている方が所属するゴスペルグループのコンサートということで、家族で参加させてもらいました。
皆さんとの熱いつながりが次の案件につながり、お互いが望むビジネスと人生が広がる。それこそ、まさに弊社が望むあり方です。

弊社が経営で苦戦していても次々と案件を頂けているのはこうした出会いがあるからです。

引き続きよろしくお願いいたします。


§  対外活動 今月はこちらのイベントに参加しました。「お客様歓送迎会」(4/12)。「八重桜を愛でる会」(4/13)。「スナックジョイゾー」(4/19)。「山梨県活性化フォーラム」(4/25)。「kintone Café 山梨 Vol.2」(4/27)。


こうした対外活動こそは経営者としてやるべきことであると同時に、弊社メンバーにこの方向性を理解してもらう必要があります。
今年の年始の抱負として、登壇回数を36回と定めました。4月の時点で13回の登壇が果たせています。

もくもくと開発するだけの会社では、今後の展開が見込めません。さらには私自身のやりたい方向とずれていきます。
そのための対外活動であることを弊社内部にも理解してもらうようにつとめなければ。

外の皆様と交流を深めたいと思っています。
今月に行った活動からそのことを強く感じました。

まずは今月の弊社と関わっていただいた皆様、誠にありがとうございました。


§ 執筆活動 以前に連載していたCarry Meさんが運用する本音採用サイトの「アクアビット 航海記」の続きを弊社サイトにアップする作業ですが、今月はアップできませんでした。

今月、書いた本のレビューは0本()。
今月、書いた観劇のレビューは0本()。
今月、書いた映画のレビューは1本(
オッペンハイマー
)。
今月、書いた抱負は0本() 。
今月、書いた旅日記は0本() 。
今月、書いた「物申す」は0本() 。
今月、書いた弊社の活動ブログは0本()。
今月、書いた弊社の技術ブログは0本()。

なお、一昨年のはじめから毎営業日にnoteに書き始めた記事ですが、今月は以下の内容をアップしました。

3月28日 3月28日 身を持ち崩さないように気をつけないと。
3月29日 3月29日 雑談力を噺家に学ぶ
4月1日 4月1日 絶望ではなく、希望に満ちた未来を歩むために
4月2日 4月2日 リニアは断念も、ちいクラは実現します。
4月3日 4月3日 期初に初心に戻るため、人形町へ
4月4日 4月4日 失言しないためには、自分の中の偏見を自覚する
4月5日 4月5日 オッペンハイマーの冷静さに学びたい
4月8日 4月8日 弊社にとってきっかけになる春吉兆その1
4月9日 4月9日 経営者目線という言葉の罠
4月10日 4月10日 技術者に必要な言葉を操る力
4月11日 4月11日 kintoneとAIの連携もデータ構造を理解してこそ
4月12日 4月12日 介護ロボットに慣れておく
4月15日 4月15日 kintoneを知らない方にも提案したできる力を。
4月16日 4月16日 自己暗示の効果
4月17日 4月17日 事故から学ぶ組織の維持
4月18日 4月18日 わたし商店から会社へと。
4月19日 4月19日 インプットの場として図書館は有能
4月22日 4月22日 ブリリアント・ジャークについて
4月23日 4月23日 たまり場と居場所作りの難しさ
4月24日 4月24日 伴走開発のための業務の可視化について
4月25日 4月25日 電車の定時運転は見直される時期なのかも。

§ 年表

 ・四月お仕事

末広町で商談、二俣川で商談・作業×5、府中で伴走開発×5,関内で伴走開発、横浜桜木町で商談、町田駅前ドトールコーヒーで作業、小田原ちゃんぽんミナカ小田原店で打ち合わせ、真鶴で商談×2、Tully’s Coffee茅ヶ崎駅前店で作業、北の味紀行と地酒 北海道横浜駅店で歓送迎会、くいもの屋わん 横浜西口駅前店で二次会懇親会、アクアビット サテライトオフィスで作業、寒川で商談、コメダ珈琲店寒川店でオンライン会議、呉服橋で商談、喫茶室ルノアール呉服橋店で商談、竹橋で商談、新宿で商談、マクドナルド東府中でオンライン会議、府中市立 中央図書館で作業、デニーズ湘南台店でオンライン会議、立場で商談、イトーヨーカドー立場店でオンライン会議、スナックジョイゾー、いなぎ発信基地ペアテラスで作業、カフェ・ベローチェ厚木店でオンライン会議、ミスタードーナツ小田原店で作業、Tully’s Coffee小田原店でオンライン会議、ぺぺコーヒーで商談・オンライン会議、CAFé KALDINO アコルデ代々木上原店でオンライン会議、品川で商談、Tully’s Coffee経堂店でオンライン会議、御茶ノ水で商談・作業、Tully’s Coffee星川店でオンライン会議、浅草で商談、山梨県ボランティアセンターでkintone Café 山梨 Vol.2、居酒屋友四郎で懇親会、麺処 火の車で二次会、戸塚で事前調査

§ ツイートまとめ
・四月ツイート
https://togetter.com/li/2358496


2024年の抱負


明けましておめでとうございます。

昨年末にアップした投稿にも書きましたが、昨年度は皆さま、本当にいろいろと有難うございました。
今年も引き続き、よろしくお願いいたします。

今年も抱負を書きます。
本稿の内容は年末にある程度まで考え、元旦に熟慮しました。

一年の計は元旦にあり、とはよく言ったもので、忙しくなってくるとこの言葉の意味がよくわかります。もう正月ぐらいしか計画をゆっくり考える時間がありませんから。
この抱負を仕上げた後は、詳細の内容についてより考えを深めます。そして、昨年末にアップした投稿にも書いた反省を生かし、改善する一年にします。

昨年は案件の増加に備えて3月に1人、4月に3人のメンバーを増やしました。また、既存の外注メンバーの二人には正社員になってもらいました。
ところが、増える一方の案件をこなす速度が釣り合わずにメンバーは疲弊し、増やしたメンバーのうち3人が去ってしまいました。研修計画や教育体制やその他の基盤が未整備なまま採用を急いだ焦りが招いた失敗です。

そうした経験を通して痛感したのは、弊社の企業としての基盤が未整備であることです。各自が個々に動いてしまいがちの弊社で、チームとしてのまとまりがとうとう持てませんでした。

その理由がフルリモートワークの弊害であることは確かです。また、フルリモートワークを遂行するにあたり、統一した事務手続きや研修資料、そして開発にあたっての各種のガイドラインがないことも致命的でした。

あと、もう一つ、うまく行かない理由として挙げられるのは、私の目指す会社の方向とメンバーのそれがずれていたことです。方向だけでなく、そこにいくための手段についても。

まず抱負として挙げるべき当面の目標。
それは、この正月にガイドライン(アクアビット蒸留書)のドラフト版を作り上げることです。
それと同時に、経営理念や企業理念を考え直し、業務計画を作り直すことです。

まずやるべき事を以下に書きます。

1.ガイドライン作成

昨年5月の連休に集中して作ったガイドラインを仕上げます。少なくともドラフト版として内部に出せるレベルには仕上げるつもりです。

昨年作った版は、案件の引き合いから商談、そして契約に至るまでは現状の運用の七割程度は盛り込めたはずです。ところが、開発ガイドラインに着手したところで連休が終わってしまい、そのあとは業務の多忙にかまけて全く進められずにいました。

そのあと、経営が苦しくなると、ますますガイドラインの整備に時間を使う余裕はなくなりました。
また、経営のやり方を変えなければと思うとともに通常の開発のやり方の限界を悟り、伴走開発やサービス提供に舵を切りました。それによって開発のやり方自体に変更が生じ、ガイドラインの必要性がはますます増しています。

今の弊社に足りないのは生産性です。
各自の作業を細かく見ていると、既存のロジックを再度作り直すか、既に作成したコードを構築しなおしているケースが散見されます。
各個人単位ではそうしたことはないはずです。が、別のメンバーが既に作っているコードを再発明したり、すでにある調査結果を再度読み直したり、といったことが起こっているようです。
そうした無駄や重複の部分を弊社内できちんと整理し、業務手順として作り上げる必要があります。それがガイドラインの目的です。

いうまでもなく、マニュアルは読むためにあるのではありません。各自が作り上げていくためのマニュアルです。その点については、昨年の師走に参加した「CHALLenGERS」の中で紹介されていた『無印良品は、仕組みが9割』の中に書かれていました。
作業そのものをまねるためにやり方が逐一書かれたマニュアルは必要ありません。
それよりも、誰がなんのために、いつやらなければならないのか。何故それをするのか。そうした作業の目的を明確にし、個人に視点が固定されないためのガイドラインが必要なのです。

そのガイドラインを(アクアビット蒸留書)と名付けます。

アクアビット蒸留書に盛り込むべき内容は、弊社のありとあらゆる作業です。引き合いから商談、契約に至る作業。経理の上で重要な記帳に関する作業。また、人事・労務に関する手続きや総務に属する作業。
そして、アクアビット蒸留書は永遠に未完成です。常にドラフト版でありながら、全員でこれを研修計画や教育体制が整っていない間に磨き続け、少しでも正規版に近づけるよう努力します。そして全員が遵守します。

そのため、アクアビット蒸留書は月一度、定期的に更新していきます。個人のノウハウややり方がアクアビット蒸留書に書かれているよりも優れているのなら、それを無理にやめさせるのではなく、むしろアクアビット蒸留書に取り込んで全員で共有します。
アクアビット蒸留書がその純度を増すごとに、余分な作業で時間を使うことが減り、案件の実装が円滑にいき、納品までの速度が増えるはずです。

2.弊社の業務の五分割

弊社の業務を大きく五つに分割し、担当者と目的を整理します。

昨年の反省として、代表の私の拡大・新規志向と、メンバーの会社や仕事に対するモチベーションの違いを埋められなかったことが挙げられます。
メンバーの立場からすると、既存の案件がまだ終わっていないのに、次々に新しい案件が飛び込んでくることで既存案件が積み残され、心理的にストレスになっていました。
また、あちこちを飛び回って新たな案件や考えや技術を持ち込んでくる代表についていけない事もストレスになっていたはずです。
新たな案件もいいけど、それよりも既存案件を単価を上げてしっかり維持する。そして案件の数は少なめにし、メンバーのフォローをしっかりすべき。そんなメンバーの不満を感じました。

それももっともで、一番ひどい時にはあるメンバーが十個強の案件を抱えていました。これは改善しなければ。

ただし、まず前提として考えておかなければならないのは、固定の案件ややり方を墨守していては会社の成長が見込めないことです。このAI時代にそんなやり方で会社が続くはずがありません。ましてや弊社のような零細企業が。
また、代表の性格的にも同じ案件ややり方を続けることはできません。そんな苦痛さえ感じるやり方では経営意欲にすら影響を与えます。

その相反する矛盾を解消するため、弊社の業務を五つに分けます。

一つ目は、既存の大型継続kintone案件です。
大口でかつ継続のお客様は単価を上げてもらいます。その上で、既存のカスタマイズ手法を踏襲したまま、引き続き開発にあたります。案件によっては伴走に近い形でやっているものもありますし、半常駐でがっつりやっている案件もあります。
これらのお客様は、弊社の経営の安定に欠かせません。が、それ以上にお客様から信頼をいただいていることが一番重要です。今年はこれらの案件を優先し、引き続きお客様のために力を尽くします。別紙に書いた案件が該当します。

二つ目は、既存のkintone開発案件です。
これらの案件は、伴走開発のやり方も取れないまま、既存のJavaScriptカスタマイズによるやり方で追加スポット保守や追加開発を続けています。別紙に書いた案件が該当します。
これらの案件は徐々にJavaScriptカスタマイズからプラグインやサービスを利用する形に変えていきますが、当面はJavaSctiptカスタマイズが必要になるでしょう。
また、この後に述べる三つ目の伴走開発の中で開発が必要になった作業も、随時この既存のkintone開発案件に加えていきます。

まず弊社メンバーにはこの一つ目と二つ目に集中してもらいます。
多くても一人当たり四つの案件に絞り、集中して当たってもらいます。

三つ目は、新規の伴走開発案件です。
これらは代表の私が主に携わります。
伴走案件の場合、アプリ構築やカスタマイズはお客様が行います。
カスタマイズを行う際はJavaScriptはなるべく使わず、既存のプラグインやサービスを積極的に活用します。
新たな案件が増えても、うちのメンバーには作業を振りません。一旦、代表の私の方で要件定義や伴走開発を行います。別紙に書いた案件が該当します。

四ッ目は地域活動やコミュニティーです。
代表の私は今年もまだkintoneエバンジェリストを続ける予定です。また、今年は弊社役員の妻が地域クラウド交流会のオーガナイザーとして本格的に活動を始めます。

代表はkintoneエバンジェリストとして、引き続きkintone Caféや各種のセミナーに積極的に登壇します。昨年の登壇回数は18回でした。そこで今年は登壇の回数を増やし、25回を目標にします。
そうした活動からは、地域活性化など、いくつかの案件の種も芽生えつつあります。今年も引き続きそうした活動に関わっていきます。
別紙に書いた案件が該当します。

また、オーガナイザーの妻も6/29に予定されている山梨での地域クラウド交流会を必ず成功させ、山梨県で弊社の基盤を構築します。

三つ目と四つ目に代表の私が当たることにより、私の持つ拡大・新規志向を満たすとともに、新規案件の創出も実現させます。

五つ目は新規サービスの開発です。
昨年、3つの新規サービスをリリースしました。
今年はそのサービスをより拡充していきます。そしてサービサーとしての認知度を上げていきます。

弊社の強みは、外部のSaaS/PaaSとの連携実績が多数あることです。そこに弊社の価値を打ち出し、アピールしていきます。

今年11月にはCybozu Daysが開催されることが発表されています。
そこに焦点を当て、当日は新規サービスをベースにブースを出展する事を目指します。
別紙に書いた案件が該当します。

3.評価制度・賃金テーブル・人事計画

弊社の業務を再構築した結果を基準にし、もう一度弊社の経営計画を作り直します。そこには評価制度・賃金テーブル・人事計画のそれぞれを改定し、盛り込みます。

すでに作成したビジョン・ミッション・バリューや人材育成や課題に加え、5年先の財務計画や人員構成計画や、評価制度・賃金テーブル・人事計画も全て作り直します。

弊社は、そもそもKPI(重要業績評価指標)設定が全くできていませんでした。評価制度以前の問題です。そのため、何を目標とし、個々のメンバーは何をすれば達成感や成長を感じられるのかがあいまいになっていました。
メンバーのモチベーションが極めて持ちにくい状態になっていた状態を改善します。

今年からは人事評価について、アクアビット蒸留書に書かれた内容をベースに考えていきます。
アクアビット蒸留書の中では、KPIの設定とその基準について詳しく決めていきます。

もちろん、決めていくにあたっては引き続き外部の力が必要です。ただし、自社で決めていくしかない事も分かっています。

4.コミュニティ・出展

コミュニティへの関与やCybozu Daysをはじめとした展示会への出展は弊社にとって大きなアピールの機会です。

今年のCybozu Daysの開催日は11月7-8に決まっています。今年も弊社は出展する予定です。
出展にあたっては、弊社の役員や経理人事担当が企画から当日まで積極的に関わります。また、代表の私も企画や出展までの準備を任せきりにせず、社運を賭けて準備にあたるつもりです。そのため、ここ数年のやり方を変え、自社のみで出展する事を念頭に準備にあたります。

出展にあたっては、上に書いた五つに分けた弊社業務のうち、新サービスをメインに打ち出します。また、代表の私のネームバリューは最大限に利用する予定です。

代表の私のネームバリューを有効に活かすためにも、代表のコミュニティへの関与の頻度を上げていきます。登壇回数は25回を目標にしますし、それも5分程度のLTではなく、より長尺(20-60分)の登壇についての回数で25回を目指します。
そのためにも、自ら積極的に登壇の機会を増やします。今までのように頼まれたり、依頼を受けたりした後に動き出す受け身の登壇ではなく、積極的に登壇機会を作ります。
また、地方でのセミナーや勉強会出席も引き続けます。

昨年の師走に弊社は山梨で独自イベント二つの創出に関わりました。そのうちの一つは弊社主催です。今年もすでに栃木でのkintone Café開設に関わっています。それだけにとどまらず、コミュニティの創出にさらに関わっていきます。

また、役員の妻が地域クラウド交流会(ちいクラ)のオーガナイザーとして山梨での開催を準備しています。
各地で開催されるちいクラにもなるべく代表の私も参加するようにします。それによってkintoneエコシステムの一員として貢献し、認知度も上げます。

また、各地の地域創生や活性化にも関わる予定です。
今までは単なる参加者でしたが、今年からは違う関わり方を模索します。

まずは一月の城崎と糸魚川から。
そして、一月の戸田市での新年会での展示から始めていきます。

5.ビジョン・ミッション・バリュー

代表の私の拡大・新規志向と、メンバーの会社や仕事に対するモチベーションの違いを埋めるため、もう一度弊社の目指す方向性を定めます。

企業理念

「一期一会の儲けよりお互いが継続して協業できる幸せを
最新技術をお客様、地域に提供し、メンバー、家族、パートナーと輪になって幸せになる」

・うそはつかず、でも失敗は認める会社であるべきです。

目標

「2027年3月までに
・正社員8名 外注パートナー10名に
・社員一人当たりの粗利を 150万円に
・サイボウズパートナーの賞を受賞
・他SaaS/PaaSでももう一つ今のkintone並みの知名度を得る」

価値

①システムを継続してもらえる品質と対応を行います
②技術に偏らず、お客様ビジネスの現場を尊重します
③経営を継続するための自社サービスを生み出します
④社員・協力社・技術者・家族の事を大切に考えます
⑤顧客とともに一期一会でない継続の関係を築きます
⑥技術の進化に先手を打ちながら、自社も進化します
⑦世の中の働き方改革に貢献する手本となり続けます
⑧地域の非営利組織・団体のために技術で貢献します

上記に書いた内容のうち、目標と価値はあまりいじりません。ただ、企業理念と経営理念はもう少し練り直します。
また、それらを基にしたより具体的な経営計画をこの正月に作り込む予定です。

6.ワークライフバランス

代表の私の拡大・新規志向と、メンバーの会社や仕事に対するモチベーションの違いを埋めるためにもう一つ必要なのはワークライフバランスへの考え方を整理することです。

公私の充実を両立させたいとする私の価値観はいささかも揺らぎません。
ただ、昨年は残念ながら私の日常は全て仕事にとられてしまいました。それは誰の責任でもなく、私の招いた因果です。

弊社のメンバーには無理な残業や休日の仕事はさせずに済んだはずです。ただ、それでもストレスを感じさせてしまったとすれば、それが今の働き方の標準なのでしょう。
昭和どころか、平成に若手だった私の働き方すら、今の若い人から見ると異次元であることを認めます。

ただ、私自身が仕事の苦しさや経営の辛さに負け、会社の統制を強化したり、ブラックな働き方をメンバーに強いたりすることは厳に慎まねばと自戒しています。
案件をどれだけ受けてもこなせるだけの仕組み作り。これが今までの弊社に欠けていました。仕組み作りをきちんと整備し、代表の私も含めてワークとライフのバランスがとれるようにします。
先ず隗より始めよ。その言葉通り、私から率先してワークライフバランスを整えます。

私のワークライフバランスが整うときは、弊社の経営も軌道に乗った証しです。

7.事業継続のためのその他の施策

経営を継続させるため、BCP計画(事業継続計画)も定めます。
ちょうど本稿を書いている最中、元旦に能登で震度七の地震が発生しました。
弊社も富士山噴火や首都圏直下型地震が起こった時に備えておかなければなりません。

事業を継続するための山梨に拠点を設ける計画も今年中にはめどがつくはずです。

もう一つ必要な施策は、発信を継続的に行うのが代表のみであることです。それは弊社の弱点だと認識しています。
個人商店ではなく、会社としてのアクアビットのためには、代表以外にも定期的に発信を行う必要があります。
弊社メンバーも思い立った時はイベントの時には発信をしてくれます。ですが、それをもっと自発的かつ随時やってもらうように働きかけます。

8.個人的な抱負

ここからは6.で触れたとおり、個人的な抱負を書きます。
私は遠方に出張することによって、旅への欲求を満たしてしまうきらいがあります。そして、ワークライフバランス目標への飢餓感が薄れてしまう可能性があります。そのため、プライベートの目標をこの場できちんと書こうと思います。
2023年は個人的な目標をどこにも書かなかったことが失敗の原因の一つでした。

以下に書くのは代表の私の個人的な抱負です。
・家族で宮崎と鹿児島に旅行します。これをもって全47都道府県を制覇します。
・今年は結婚25周年ですので、家族でハワイに行きます。
・次女の彼氏のご両親に挨拶するため、韓国にも行く予定です。
・私自身の個人としてのアピールポイントをkintoneエバンジェリスト以外にも打ち出します。
 ・ウイスキー検定二級合格です。三級に受かってから数年間、ほったらかしになっているので酒知識を貯めます。
 ・もう一つ、新たな趣味も作ります。そのためには苦手意識のある習い事に通って師匠に付くことも厭いません。
・共同著者でもよいので、今年は本の出版のための具体的な一歩を踏み出します。
・訪れる場所や読んだ本や観た映画の数は、昨年と同程度をめざします。

ただ、そのワークライフバランスの実現は、アクアビットの経営が継続できるための基盤を確立してこそです。
私のワークライフバランスが整うときは、弊社の経営も軌道に乗った証しです。
そのバロメーターとして個人的な抱負の達成を目指します。

上記、1ー8までが2024年の抱負です。
ガイドライン(アクアビット蒸留書)を整理し、そのためにも弊社の業務を五つに分割します。ビジョン・ミッション・バリューも定め、コミュニティや出展の目標も掲げました。これらを実現させるために今年一年、懸命に努力します。

これらが実現した暁には、弊社の経営は好転するはずです。

ただし、それまでにも決めるべき事、やるべきことはたくさんあります。

ですが、今はAIがあります。
弊社でも使っていますし、サービス運営者やAIの開発者とも密につながっています。
AI元年に遅れをとらないよう、抜かりなく準備を進めていきます。