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事例:株式会社ファクティブ様


レンタル農園の会員管理、請求入金管理をkintone、WordPress、SBPaymentを組み合わせた伴走支援+請負開発により構築しました

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株式会社ファクティブ様は四つの事業を展開しておられます。
・農園事業:
 スマート・レンタル農園 「 LOCAL FARM 」
・アウトドア事業:
 旬を楽しむ手ぶらバーベキュー 「 LOCAL BBQ 」
・農地・遊休地活用事業:
 LOCAL 農地活用
・食農領域のPPP・地域活性化コンサルティング事業:

このように、ファクティブ様は一次産業をベースに地域の遊休資産の有効活用を図り、各自治体とも協力体制をとりながら、地域課題の解決に従事されておられます。

今回、ファクティブ様からいただいたご要望は、上記の事業のうち農園事業の改善です。

ファクティブ様は農園事業を「スマート・レンタル農園「LOCAL FARM」」として展開しておられます。
レンタル農園とは、一般市民が農業体験をする市民農園のようなものです。各地の自治体でもそうした取り組みは実施されています。
ファクティブ様は農地を保有し、それを貸し出す業務もされておられますが、自治体が保有する農地の管理を委託され、市民農園として運営管理を行っている業務もあるようです。

ファクティブ様は、LOCAL FARMの運営にあたり、バックオフィスの管理に別サービスを利用しておられました。
そのシステムは、スポーツジムの会員管理や会費徴収を主眼に構築されたもので、レンタル農園にはそぐわない機能がありました。また、売り上げの何%かを利用料として徴収されるため、その金額もファクティブ様にとっては課題となっていました。

そこでそうした仕組みの一式を改善するため、弊社にお声がけをいただきました。

最初にご連絡をいただいたのは2024年10月でした(10/2)。メールでの直接のお問い合わせでした。打ち合わせに先立ち、数度のやり取りを経て秘密保持契約の締結も完了しました(10/5)。
そして、カフェで打ち合わせを行いました(10/10)。

その打ち合わせから、どのように実装をするかについて、弊社側で様々な準備や調査を行いました。

まずは決済です。
ファクティブ様がもともと使われていた管理システムで利用していた決済サービスはSBPaymentでした。今回、別契約に切り替えが必要だったため、別の二つの決済サービス(サブスクペイ、請求管理ロボ)を前提に検討を進めておられました。が、仕様や費用などを鑑みた結果、そのままSBPaymentを用いることで調整がつきました。

弊社は、決済の実装はStripe、Zeusなどで経験済みでした。しかし、SBPaymentを持ちいた実装は初めてのため、さらなる仕様の調査などを行いました。

次にデータ基盤です。
最初に弊社にメールをいただいた時点で、ファクティブ様は裏側のデータ管理をkintoneで構築することを決めており、それもあって弊社にお話をいただきました。

後は決済の入り口となるウェブページと申し込みフォームです。当初ファクティブ様は、引き続きStudioを用いて構築したLOCAL FARMのサービスサイトの中にFormBridgeを用いて構築した入会フォームを想定しておられました。

当初想定した全体構想のパターンA


当初想定した全体構想のパターンB


弊社では上記の前提で、一旦調査を始めました。ファクティブ様ともSushi Tech Tokyoやオンラインなどで何度も打ち合わせを行いました。また、SBPayment社のご担当者様を交えてのオンラインミーティングも何度か行いました。弊社が出展したCybozu Daysにもお越しいただきました。
また、2025年の年が明けてからは、気取らない雰囲気の飲み会も企画していただきました(1/30)。


kintoneの構築から伴走支援でご支援を行う

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ファクティブ様は、既に自社でLOCAL FARMの運営をされています。会員管理や請求・入金管理についてのビジネスフローについては、確固とした経験と知見をお持ちでした。
ただ、もともとのシステムで管理されていた会員データ、請求データ、農園データなどは、kintoneで一から作る必要がありました。

この部分のご支援については、伴走支援を主とした準委任契約を締結しました(2025/1/25)。

会員データ、請求データ、農園データをきちんとkintoneで管理できるようにするため、データ構造やフィールドなど、kintoneデータを管理するため、細かい仕様まで含めて何度も打ち合わせを行いました。

kintone構築にあたっての契約は、準委任契約です。そのため、弊社としては特に手は動かしていません。共に遊びながら構築する共遊開発の形を取らせていただきました。
ただし、項目の設計や発番体系などは、データの性質や流入経路、管理粒度などを想定し、かなり細かい調整を行いました。
時にはあるアプリのあるユニークなフィールド値の桁数を何桁にするかを決めるために数時間以上を費やしました。

弊社はkintoneの構築部分については、その後の運用時に起こりうる様々なパターンについての知見があります。そのリスクも助言しながら、共に作り上げていきました。
また、アプリや項目の設計が曖昧だと、弊社が続いて請負開発として進めるSBPaymentと請求決済データをやり取りする実装に支障が生じます。
ここでkintoneのデータについて、様々なパターンをつぶしていたからこそ、運用開始時にトラブルが最小限に抑えられたと思います。

kintoneのアプリ構成図(検討途中)


同時に、申し込みフォームに関してもファクティブ様と共に検討を加えていきました。
今回、弊社が担当したのは新規入会フォームです。今回の運用の全体では、初期のお問い合わせフォームを始め、多数のフォームがあります。
ただ、新規入会フォームについては、FormBridgeの標準機能だけではうまく実装できないことが想定されていました。そのため、カスタマイズを弊社が行う想定で進めました。

一方で、SBPaymentとの連携に関しては、PHPを用いた開発を提案しました。弊社メンバーが設計と実装を担う体制で進めました。

会費請求の送信、決済結果の受信だけでなく、カード切り替え、カードエラーのデータもうまく矛盾なく取り込まなければ、サービスの運用は回りません。
また、不備の際の再請求のフローも考慮する必要があります。そのため、入会フォームの検討を進める際には、SBPaymentへの導線も考慮しました。そして、kintoneと周辺の整備を進めていきました。

処理シーケンス図


フォームの実装で問題が発生する

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kintoneのアプリ構造やフィールドの構成は固まり、SBPaymentからの連携に関しても実装が可能との目処がつき始めました。そこで、開発フェーズに移行し始めました。
開発フェーズは請負開発として締結を行いました(2025/9/2)。

ところがこの時期、ある問題が生じました。
それはFormBridgeにおいてです。

ファクティブ様の農園はあちこちに存在します。また、各農園の中には多数の区画があります。

新規会員の方に円滑にフォーム上で入力を行っていただくため、フォーム上では農園→区画の順に選んでいただくインターフェースを想定していました。(議論の結果、新規会員様にはパラメーター付きのURLを案内する運用に落ち着きました。その際、農園の初期値は選択されています)

ところが区画マスターのレコードは、区画の数だけ用意する必要があります。つまり、レコード数が多数にのぼります。多数の区画を新規入会フォームに選択肢として全て表示することは、ユーザビリティの観点から避けなければなりません。新規入会者にとってストレスになるばかりか、離脱が発生してしまうためです。
それを避けるため、区画の選択肢は選んだ農園に応じて動的に変える必要がありました。フォームで選んだ農園に一致する区画だけ、動的に絞り込んで選択肢として表示することが必須要件でした。

FormBridgeの旧フォームには、動的に絞り込むための術が用意されていました。FormBridgeに備わっているkViewerルックアップの候補が表示されたタイミングで発動するイベントがあり、開発者はそのイベントの発動後、画面を制御して任意の候補だけに絞ることができました。
ところが、新フォームではkViewerルックアップの選択肢が表示された際に起動するイベントが廃止されました。そのため、動的に選択肢を絞る術がなくなってしまいました。

これはフォームを運用する上で死活問題でした。どうにかして実装できないか、色々と手を尽くし、知恵を絞りました。
旧フォームでは出来たのに、新フォームでできないはずがない、と。

FormBridgeが生成する画面をいじって無理矢理実装することも考えました。ただ、それは難しそうです。また、ノーコードツールの使い方としては、今後のリスクになります。そのため、断念しました。
もちろん、トヨクモ社のサポートにも問い合わせました。ですが、その時点では新フォームで廃止されたイベントの対応予定はないとのお返事でした。

そこで急遽、実装方法を変更しました。
新規入会フォームのみ、FormBridgeの使用を諦めました。そして、Studioとは別にWordPressのサーバーを用意していただきました。
弊社が提案したのは、WordPressのフォーム拡張機能として著名なContact Form 7を用いてフォームを実装することです。そのフォームには、選択肢の絞り込み機能は当然実装します。そして、5つのステップのフォームを通じて、ストレスを感じさせないようにお客様を導きます。その途中では、キャンペーン割引を適用した金額を表示する機能や、最後にkintoneの複数アプリへのデータ登録/更新機能や、SBPaymentへのデータ連携まで実現します。それら全てが弊社のミッションでした。

ところが、このフォームの実装にはとても苦労しました。

まず、Contact Form 7はそもそも基本機能としてマルチステップフォームの機能が用意されていません。それを実装するためには、別の拡張機能をさらにインストールして実装する必要がありました。
マルチステップフォームの実現にあたっては、各フォームを行き来しても、入力したデータがフォームを跨いで保持されなければなりません。
また、ダブルブッキングを避けるため、区画を仮確保することも必要でした。ということは、フォームを開いたまま長時間放置された場合、区画がロックされたままにならないための考慮が必要です。
お客様の利便性は最優先。そして、ファクティブ様の運営も円滑に実装する必要があります。

さらに、入力したデータを同時に複数アプリに登録または更新するための処理も必須です。
結果として、参照するアプリが3つ、登録するアプリが3つ。更新するアプリが1つに決まりました。
対象となるアプリが一つだけであれば、Contact Form 7からkintoneに連携するForm Data to kintoneという拡張機能があり、それだけで処理は実現できます。
ところが、複数アプリの参照と登録と更新を行うためには、PHPによるカスタマイズが発生しました。

また、上記の新規入会フォームの実装にあたり、セキュリティリスクは完全に排除する必要があります。

当初、フォームの実装はこの記事を書いている私が行っていました。ところが当時はCybozu Daysの直前準備に加えて、私から新代表への代表交代の諸作業も控えており、別案件の提案や実装も進めなくてはなりません。その結果、私自身に実装に割ける余裕がありません。その時間を捻出するため、週末や夜にまとめて作業していました。要するに、進捗が芳しくありませんでした。

この時に感じたのは、FormBridgeのノーコードツールとしてのメリットです。FormBridgeなら、かなりのことがノーコードで実現できます。このことについては、年末のAdvent Calendarに個人的な記事として書きました。(なお、その他の様々な入力フォームはファクティブ様によってFormBridgeで実装していただいています)

少しずつ進めた実装によって、この時点で新規入会フォームやkintoneの構成はほぼ固まりつつありました。一方、PHPを用いたSBPaymentとの連携に関しても実装の目処がつき、テストも始まりました。

テストを重ねてリリースに至る

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テストすべき内容は、多岐にわたりました。
まず月額請求処理です。kintoneの契約アプリのレコードをもとに請求データを生成し、それをSBPaymentにバッチ処理で送ります。SBPaymentから帰ってきたデータのうち、決済不能やカードエラー等の問題が起きた時は二度目三度目と再請求をかけます。
さらにカードの変更処理などの実装も必要です。SBPaymentにはそうした処理に対するエンドポイントが多数用意されており、それに合わせて処理を実装しました。
まず、そうした処理のテストにあたり、様々な請求パターンをファクティブ様に考えていただきました。それをもとに当方でもテストデータを整備しました。

2026年の年明けには、新規入会フォームの実装に目処がつきました。ただ、新規入会フォームのテストと改修作業については、私の作業リソースが心もとなく、テストを進めるために弊社のメンバーに引き継ぎを行いました。
引き継ぎにあたっては、Contact Form 7の設定やPHPのプログラムの実装、さらに画面を制御するJavaScriptの実装も伝えました。本格的に引き継ぎ始めたのは3月の上旬からです。
この引き継ぎによって、私のリソース不足がリスクではなくなりました。メンバーが実装内容を完全に把握し、テストから改修までの作業を進められるようになりました。
それもあって4月の頭から始まったテストは、テスト時に発生した障害の解消も含め、順調に進みました。
4月のバッチ処理、入会フォームの修正と新規入会処理のSBPaymentへの連携。
5月にも様々なテストを行いました。

テストを行うタイミングは、月次請求を意識する必要がありました。が、その懸念も設定を工夫し、月の途中であってもテストができるようにしました。それは、テストを進める上でとても効果を発揮しました。

そして6月。いよいよリリースです。
その前にSBPayment社に依頼し、SBPayment内で一連のデータを旧管理システムから新たな環境で使えるよう、データの移行作業を行っていただきました。
また、移行前まで運用に使っていた管理システムからのkintoneへのデータ移行もファクティブ様によって無事に完了しました。

問題が皆無だったわけではありません。一部の処理ではエラーが起こり、修正作業が発生しました。
例えば、入会フォームについては、入力フォームからSBPaymentに制御を渡す直前に数件のiPhoneの処理で決済画面に遷移できない問題が生じました。
こうしたエラーはすぐに対応し、それ以降、エラーは起こっていません。

その後も、あるフィールドのデータ体系を修正する必要が生じました。そのため、PHPで修正作業が発生しました。それらも7月の請求においては問題なく動いています。
なお、バックアップは、開発の途中の段階でcli-kintoneを用いてご支援しました。具体的には、弊社にて一アプリを対象にcli-kintoneの実装を行い、その使い方をファクティブ様にお伝えしました。こちらも問題なく運用されています。

まとめ

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今回の反省は、フォームの要件とシステム側の仕様調査が不十分であったことです。
ここは、我々がきちんと押さえておくべきでした。
そのためにFormBridgeからContact Form 7への実装対象の変更が発生しました。さらに、当初のスケジュールに若干の変更が生じてしまいました。

ただ、それ以外は、弊社とファクティブ様の間では、きちんとしたコミュニケーションができていたと思います。
お互いの業務範囲や役割分担の認識のずれも最小限で済み、ファクティブ様の主導による要件定義書が更新され、詳細な仕様書も矛盾なく作り上げられました。

この辺りのコミュニケーションが丁寧に進められたからこそ、運用開始後の障害は最小限で済んだと思います。

また、弊社としてもStripe、Zeusに続いて、SBPaymentを用いた決済サービスとkintone連携の知見を貯めることができました。

今後も、こうしたサービスの需要はあるはずです。弊社でもkintoneと決済サービスの連携に携わる機会もあるはずです。
ファクティブ様、本当にありがとうございました。

株式会社ファクティブ様より

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導入からの日々をファクティブ社のご担当者様は、こう語ってくださいました。

「今回、kintone を中心に、SB ペイメントサービスとの決済連携、FormBridge、kMailer、WordPress の入会フォーム、Contact Form 7 との連携及び、PHP によるサブスクリプションの決済サービスなど、お客様管理から決済管理までを含めたシステム開発をアクアビットさんにお願いしました。
振り返ると、NDA 締結から 2 年弱。要件定義から設計、実装、テスト、運用研修まで、本当に長い期間ご一緒いただきました。その間、 Cybozu Days でも何度かお会いしながら、少しずつ理想の形を作り上げていったことを思い出します。

アクアビットさんをおすすめしたい理由は、大きく 3 つあります。
まず 1 つ目は、「確かな経験と実績に基づく提案力」です。
システム開発会社を選ぶ際、大手企業では実際に誰が担当するのか見えづらかったり、担当者によって品質にばらつきが出たりすることがあります。また、kintone 界隈でも若い開発者の方が増えていますが、経験不足による不安を感じる場面もあります。
その点、アクアビットさんは、 Cybozu Evangelist でもある長井さんをはじめ、経験豊富なエンジニアの方々が在籍されており、数多くの実績に裏打ちされた提案をしていただけます。
常に「今できるベストな方法は何か」を考えて提案してくださるため、非常に大きな安心感がありました。
2 つ目は、「開発そのものだけではなく、その周辺知識やノウハウも共有していただけること」です。
アクアビットさんが掲げている「ともに遊ぶ開発(共遊開発)」という考え方は、単なる受託開発ではなく、発注者側も理解しながら一緒に作り上げていくスタイルです。
実際に、開発をお願いしていない部分についても、「こういう方法がありますよ」「こういうプラグインがありますよ」といったヒントや知見を数多くいただきました。私たち自身がGPT を活用しながら試行錯誤したり、簡単な部分を自社で実装したりする際にも、多くの示唆をいただけたことは非常にありがたかったです。
3 つ目は、「最後まで粘り強く、良いものを作ろうとするモノづくりの姿勢」です。
長期間の開発では、要件が固まりきらない時期もありますし、途中で方向性を見直さなければならない場面もあります。今回のプロジェクトも決して平坦な道のりではありませんでした。
それでもアクアビットさんは、要件定義の段階から実装前の仕上げ、そして運用開始後の研修まで、一貫して「より良いものを作る」という姿勢で伴走してくださいました。発注者である私たちも悩み、アクアビットさんにもご苦労をおかけした場面があったと思いますが、最後まで粘り強く向き合っていただいたことに感謝しています。
一方で、正直にお伝えすると、すべてをベンダーに丸投げしたい方には、アクアビットさんは向いていないかもしれません。

要件整理から運用まで完全に任せたい、システムの中身は理解したくない、というスタイルであれば、他社のほうが合う場合もあると思います。
しかし、「自社でも運用できるようになりたい」「kintone を活用する力を社内に蓄積したい」「ベンダーと一緒に良いものを作りたい」という会社にとっては、これ以上ないパートナーだと思います。
kintone が目指している『現場が自ら業務改善できる世界』を実現するために、発注者側も成長しながらシステムを作っていく。その考え方に共感できる方には、心からおすすめしたい会社です。長井さんをはじめ、アクアビットの皆さま、本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。」

株式会社ファクティブ様のご紹介

会社名 株式会社ファクティブ
所在地 東京都武蔵野市境2丁目7-1-2F
電話 0422-66-2774
代表者 代表取締役社長 丸山 照彦
資本金 9,500,000円
従業員数 50名(2025年4月末時点。非常勤・アルバイト含む)
設立 2021年2月16日
URL https://factive.jp/

2026年の抱負(長井)


明けましておめでとうございます。旧代表の長井です。

昨年末にアップした投稿にも書きましたが、昨年度は皆さま、本当にいろいろと有難うございました。
今年も引き続き、よろしくお願いいたします。

今年も抱負を書きます。
本稿の内容は昨年末から年始にあらためて考えたものです。

「一年の計は元旦にあり」とはよく言ったものです。連絡も来ず、何にも急かされることのない正月だからこそ熟慮できます。
昨年末にまとめをアップする際に反省した内容を生かし、今年一年、軸をぶらさないための指針とします。

反省と対策


まずは反省です。
昨年初にアップした抱負には以下のような反省を述べました。
「単価を上げたことで、メンバーを維持できるだけの経営基盤はできました。
ですが、雇用しているにも関わらず、今の弊社はバラバラの個人事業主の集まりのようになっています。
肝心の開発の手順や規則の遵守がまったくできていません。また、開発に関するコードレビューもデプロイもコード管理も自己流のままです。
これでは弊社メンバーが他の会社に万が一行くことになっても通用しません。何よりも生産性が低いままです。

昨年の正月に作成した「アクアビット蒸留書」で定めた内容もまだ7割もできていません。その後のメンテナンスも滞っています。」

この反省点ですが、昨年も全くできていません。あまりにできなかったので、代表を交代する決断をしました。

これらの施策を私一人でやりきるのはもう時間的にもスキル的にも無理だと判断しました。新代表曰く、内部向けのブランディングができていない、という指摘をもらいました。
であれば内部向けに内部向けブランディングを担ってもらい、私は案件担当や外向けの広告塔的な動きを行い、技術研鑽に専念しようと決めました。

昨年も単価を上げましたが、単価をあるレベル以上に設定するなら、私も含めたメンバー全員のレベルアップが欠かせません。

抱負


一方で、今後の方針ですが、あえて数値目標は設定しません。

昨年の抱負には、六つの柱を書きました。
一つ目は、既存の大型継続kintone案件です。
二つ目は、既存のkintone開発案件です。
三つ目は、共遊開発案件です。
四つ目は、地域活動やコミュニティです。
五つ目は、新規サービスの開発です。
最後に六つ目として、今年度から追加したいことは教育です。

ところが、代表の交代によってさらに柱は増えました。また、昨年は一気に生成AIの業務利用が爆発しました。それによって開発のあり方にも大幅な見直しが求められ、私もいくつかの軌道修正を行いました。

今年は、開発系においては、以下の六つの柱を据えたいと思います。
一つ目は、既存の大型継続kintone案件です。
二つ目は、既存のkintone開発案件です。
三つ目は、共遊開発案件です。
四つ目は、コミュニティです。
五つ目は、地域活性化のためのシステム案件です。
六つ目は、特定業務特化のシステム案件です。

一つ目は、既存の大型継続kintone案件です
大口でかつ継続のお客様は、引き続き単価のアップを交渉して、少しずつ上げていただいています。
こちらは、引き続き単価の向上をしますが、とはいえ、稼働時間が多いことから、単価が上がるとお客様の支出も増えます。

そこで、こうした案件はメンバーの支援の割合を増やし、私は研修講師としての関与に留めようと思います。

もちろん、こうした継続かつ大口のお客様は、弊社の経営の安定に欠かせません。が、それ以上にお客様にとっての負担にならないことが必要です。継続も考慮に入れつつ、弊社のリソースが流出することにならぬよう、バランスをとっていきます。

また、下にも出てくる特定業務特化のシステム案件として考えたいと思います。

二つ目は、既存のkintone開発案件です。
今後もこれらの案件はご相談をいただき続けることでしょう。なるべく共遊開発にしたいところですが、まだお客様のご要望は開発であることが多いです。
こうした案件は、メンバーも望んでいる節があることもあるため、私は最初の上流工程だけに携わり、完全にメンバーに任せます。私がこうした案件で実装に携わると、他の案件が滞ります。

また、こうした案件の仕様書はすべてAIに任せて作成し、メンバーは開発やお客様の要件をヒアリングし、実装することに集中します。また、積極的に弊社に蓄積されているテンプレートやフレームワークで解決し、可能な限り実装時間を最小限にします。
さらに、原則としてカスタマイズはノーコードかスタマイツールを提案し、JavaScriptによるカスタマイズは極力避けます。

三つ目は、共遊開発案件です。
これらは旧代表の私が主に携わります。
共遊開発案件の場合、アプリ構築やカスタマイズはお客様が行います。
カスタマイズを行う際はJavaScriptはなるべく使わず、既存のプラグインやサービスを積極的に提案します。
新たな案件が増えても、うちのメンバーには作業を振りません。一旦、私の方で要件定義や共遊開発を行います。

昨年は共遊開発で複数の実績を作りました。実績もできました。弊社の経営状況の向上に寄与します。今年も積極的に共遊開発を提案していきます。
それには、共遊開発を担当できるメンバーを育成します。ただ、ここまで到達するには容易ではないことも分かっています。弊社メンバーには、お客様のもとで一人で共遊開発が完結できることをスキルの到達点として伝えます。
もちろん、その過程でkintoneスペシャリスト資格やその上の資格が取れているはずです。

四つ目はコミュニティです。
ここは、私と新代表で担当します。まだ未定ですが、もう一人コミュニティ担当を雇用するかもしれません。この辺りは新代表と相談しながら決めます。コミュニティと地域創生は、新代表が主に担っていく業務と認識しています。

また、kintone界隈でのコミュニティ醸成は、kintoneや弊社だけでなく、国内の生産性の底上げのための裾野を広げるためにも必要と考えています。
そして、ほとんどのkintone界隈のパートナーはコミュニティ運営に割ける要員はいないはず。うちの会社も同じです。つまり、コミュニティ系は私や新代表が担うべきと考えています。

また、今年はkintoneだけではなく、別のSaaS/PaaSや地域活動のコミュニティにも積極的に関与します。後述する通り山梨ではすでに地域コミュニティの運営も行っています。もう一つ別のSaaS/PaaSでも存在感を出していきたいと思っています。これらは下で詳述します。

五つ目は地域活性化のためのシステム案件です。
すでに昨年から山梨での実績を積み重ねています。コミュニティ運営、コミュニティ登壇、コミュニティ司会進行、研修講師、案件提案、案件受注、自治体、民間。

都内から山梨に進出することで、システム会社としての在り方を訴求したいと思います。昨年の師走にもこのテーマで登壇させてもらいました。この1月にもおなじテーマによる対談セミナーの収録が控えています。たぶん今後もこうしたテーマでの登壇依頼をいただくことでしょう。
引き続き、山梨での活動の幅と深みを追求し、システム会社としての展開の可能性を示したいと思います。そして、このような形で地方創生に貢献したいと考えます。

また、今年は山梨だけでなく、昨年から取り組んでいる別の地方への展開も考えています。
一か所は昨年に訪れた島根です。あともう一か所、考えています。まだ未定です。

六つ目は特定業務特化のシステム案件です。
ここ数年のCybozu Daysの弊社のブーステーマは業種特化に振っています。たとえば農業。たとえば医療。
このうち医療については、新代表が歯科医であることから、他の会社様にはないアクアビットの利点だと考えています。

この利点に加え、もともと7、8年前から弊社ではある大医療チェーンのお客様に対し、kintoneを用いたご支援を続けています。このお客様は、上にも書いた一つ目の既存の大型継続kintone案件に属します。

ですが、業種特化に焦点をおき、より深く協力する体制をとるため、昨夏からより上のレベルで協業できないか模索を進めています。
また、業種特化に加え、上に書いた地域特化も絡めることで、弊社として別の提供しうる価値を届けたいと考えます。

この業種特化と地域特化は、二つのリスクーkintone頼りとAIの席巻ーに対する私が導き出した現時点での道筋です。

もちろん、これらが正しいとは限りません。また、仮に現時点で最適解だとしても、すぐに陳腐化してしまう可能性が高いです。
状況の変化に対し、臨機応変に対応し、柔軟に路線を変更します。

もう一つのSaaS/PaaS


弊社はサイボウズさんが展開するkintoneを早い時期(αテスト)から推しています。
「チームワークあふれる社会を創る」とは、サイボウズさんの掲げる存在意義です。

サイボウズさんはこの理念にのっとり、100人100通りの働き方から100人100通りのマッチングへと常に新たな組織の在り方を模索しておられます。また、理念や考え方についても、従来のレガシーなシステム会社の在り方を打ち破る試みをされています。
SESの現場で末端のSEとして既存のシステム開発の在り方に疑問を抱き続けていた私にとって、サイボウズ社はお手本となる会社です。また、kintoneは旧態の非合理なやり方が求められるシステム開発を脱却する可能性のあるツールでした。

私にとって単なる商材やシステムツール以上の存在として長らく応援していました。私がkintoneエバンジェリストとして11年もの間活動しているのも、この可能性に賭けたからです。そして、私もその成長の波に乗せてもらい、個人事業主から法人へ。そして今やプロパーと外注先を含めて9人の組織にまで成長できました。

さて、kintoneはテレビCMの効果もあって認知度を上げています。kintoneのことを知らないという人には出会うことも少なくなりました。が、まだまだ国内でも国外でも無名です。kintoneを名前しか知らず、使ったことがないという人にはまだたまに会うことがあります。特にIT業界の技術者にその傾向が強い印象を受けています。

技術者によっては、レガシーなシステム開発の世界から、RPAやSaaS/PaaS(Software as a Service/Platform as a Service)ではなく、一足飛びにAIによる業務改善に進んでいる方も多いようです。その結果、SaaS/PaaSやノーコードツールの価値に重きを置かない技術者も見受けられます。そして、kintoneが属するSaaS/PaaSの世界に賭けている弊社の今後を危ぶむ方もいらっしゃるようです。巨大PaaSはAIを取り込んでおり、AIに代替されることはなさそうですが、SaaSはAIによって代替されてしまうとの悲観的な見方も散見されます。

こうした風潮を受け、弊社として、kintoneの価値やあり方をもう一度考え直す時期にきたようです。

とはいえ、kintoneが弊社の軸であることは変わりません。
ただ、もう一つ軸となるSaaSは持っておこうと思います。PaaSやノーコードツールについても一つずつ。具体的な対象はまだ選定中です。

対象は、できるだけ国産のSaaS/PaaSベンダーであることが望ましいです。いくつかのコミュニティやユーザーイベントに参加し、それらのツールへの解像度を高めたうえで、関与を高めたいと思います。が、まだこれといった出会いに恵まれていません。ユーザーコミュニティに力を入れているツールであることも選定においては大きな条件にしたいです。
コミュニティ文脈からは、国外のSaaS/PaaSですが決済系のStripeやデザイン系のCanvaには惹かれるものがあります。特に後者はkintoneとは補完しあえる存在ではないかと考えています。

それとノーコードでWebサイトが作れるサービス。例えば、ClickやPlatioなどはノーコード推進協会の関係で比較的身近なこともあって検討しています。それとオンプレミスでノーコードツールが作れるPleasanterの動向は追っておきたいと思います。
あらためて、各SaaS/PaaSのもう一つの軸を何に置くかは、もう少し検討したいと思います。

まとめ


これらの施策はAIの台頭に対する私の今の考えを反映しています。

仮にAIを既存の技術にとっての脅威とみなすなら、その脅威から身を守る術を経営者として考えるべき。それは確かですが、まず私たちは顧客への価値提供を最優先にしたいと考えます。これは、決して建前ではありません。旧来のシステム開発の在り方は、国自体の活力を失わせると考えています。ここでいう顧客価値とは、ユーザー自身がシステム構築を行うことを指します。最近の言葉では市民開発がそれを指します(まだこの言葉に違和感を感じているのですが)。
ユーザー自身がシステムに積極的に関与し、自分事として構築できるツールであることが、私にとっての選定の最優先事項です。また、前述のとおり、ベンダーやメーカーがすべてを握ってしまう経済圏ではなく、ユーザーコミュニティが盛んで、ベンダーやメーカーの周囲をパートナーが固めつつ、ユーザーの自主性を後押しするエコシステムの考えが望ましいと考えています。

アクアビットの売り上げ向上や持続は確かに大切です。でも、その前にIT赤字や我が国の生産性をあげていくことも考えなければ、私たちが拠って立つ土台から崩れてしまいます。

そのあたりも踏まえたツールをもう一つの軸に据えたいと考えます。