Cybozu Days 2024が無事に終わりました。
アクアビットは5年連続5回目のブース出展を果たしました。今は余韻をかみしめているところです。
事前に掲げたミッションと振り返り
今年はnoteにも書いた通り、私の中でミッションを掲げていました。
・アクアビットが私の個人商店から、次のステップに進む良い機会にしてほしい。特にバックオフィスを担うメンバー兼家族が、これからどう会社を歩むかを考えるきっかけにしてほしい。
・私自身がkintone界隈では技術寄りの人として知られていますが、伴走支援、弊社で言う共遊開発ができる能力を示すこと。
・売り上げやリードのKPIはとらない。
・案件獲得よりも、求職者へのアピールを。
今回の出展にあたっての成果を、一つ一つ振り返りながら、私自身の感想も含めて書きます。
・アクアビットが私の個人商店から、次のステップに進む良い機会にしてほしい。特にバックオフィスを担うメンバー兼家族が、これからどう会社を歩むかを考えるきっかけにしてほしい。
個人事業主だった私がその延長で立ち上げたアクアビットがこれからどうなるのか。私の個人商店のまま終わるのか、それともチームとして次のステップに進めるのか。
その施策の一つとして、昨年の春から役員である妻に深くコミットしてもらうため、様々な場所に参加してもらうようにしました。また、長女にも昨年の4月から経理総務人事として関わってもらうようにしました。
昨年は私が未熟だったため、一時期は本当に会社をたたむかと思い詰めるまでになりました。
約半年、私も含めた家族に給与を払えず、苦しい時期が続きました。
なんとかしのげましたが、時には喧嘩もしながら歯を食いしばってついてきてくれました。
今年になって、妻も娘もそれぞれにコミュニティーに顔を出して人との交流を増やしてくれるようになりました。今では私抜きでも多様なイベントに積極的に出るようになっています。
そして今年。私はほぼCybozu Daysの準備に関わっていません。
弊社の場合、まだ規模が小さいので、家族に経理や人事、外向けの広報やマーケティングなどの事務方を担ってもらっています。
今年の出展テーマを決める際にも、2012年から歯科診療所を経営する妻が医療とkintoneのテーマを推しました。そして、それに向けてブースの企画や当日の準備を進めてくれました。娘もそれを手伝ってくれました。
私は二人に対して、失敗してもいいから全部任せると伝えていました。
開発を担ってくれているメンバーも事前の出展物の準備や二日間のスタッフに進んで協力してもらいました。
また、Cybozu Daysの合間には、妻がうちのメンバーに対して自主的に1on1を行ってくれました。
今回のCybozu Daysの出展によってどういう反響がいただけるか。私はそれによって今後の弊社のあり方を判断しようと思っていました。
結果、企画や準備は私抜きでやれることを示せたと思っています。
私の個人商店から次に進めるかどうかは、私が経営者として表に立つべきところとそうでないところを分ける判断にも関わります。
今はまだ、経営者と言いながら、一部の案件に関わっています。私が案件に入らずに回せるほど、弊社の体制はまだ固まっていません。
妻や娘がコミュニティーにより深く関与できるようになり、弊社が組織として体を成してきた今、「私がいないと回らない会社」から抜け出せる手応えはつかめたと思っています。
アクアビットは次のステップに進むべきだと考えます。
・私自身がkintone界隈では技術寄りの人として知られていますが、伴走支援、弊社で言う共遊開発ができる能力を示すこと。
弊社のブースはここ三年、特定の業種とkintoneのペアをテーマにしています。今年は医療とkintoneでした。
弊社は医療だけではありません。むしろ、医療も含めたほぼ全業種に対してkintoneの提案や構築を行っています。
ですが、Cybozu Daysであえて業種を絞る理由は、並み居るブースの中でアクアビットの存在感を出すためです。
アクアビットのメンバーは、全員白衣を着用。私は患者の格好をして応対していました。それによって、今年も何人かの方に弊社ブースを尖っているという評価をいただきました。ありがたいことです。
実は、それだけやっても医療関係者が弊社ブースに来ることはほぼないのではと思っていました。
アクアビットが何年も前から業務支援しているお客様は別として、せいぜい、1、2社くらいだろうと。ところが実際は、20数社の医療関係者にお越しいただきました。
では、私は医療関係者の来訪を期待しないかわりに何を期待していたか。
それがまさにDX推進のための共遊開発です。いわゆる伴走支援。
共遊開発に関して、新たなご縁ができることを期待していました。
実情を話すと、実は初日にこうしたご依頼をかなりいただけました。
各出展者からのご紹介なども含めてです。その意味では、初日の時点で私の狙いは満たされました。また、私自身が共遊開発もできる人と認識していただけた証しなのかなと思っています。
・売り上げやリードのKPIはとらない。
アクアビットのブースは、例年リードや売り上げ数、案件数などのKPI(重要目標)を設けていません。
今年は、上に書いた通り、まずは私を除いた弊社メンバーだけでブース立ち上げから運営まで完結できるかどうかが一つの指標でした。
結果としてはそれはクリアできたと思っています。
さらに、予想もしていなかった多くの医療関係者に来訪いただけた成果もありました。
また、弊社はもともと5年前からある医療法人のバックオフィスのkintone開発支援を続けています。
また、弊社役員である妻は、13年前から歯科医院を経営しています。私自身も診療所運営の管理すべき点や、医療システムに必要な内容は把握しています。
今回はそれをお披露目できる機会として位置づけていたので、目標は達せられました。
私自身がCybozu Daysに期待することは、kintoneに関わるエコシステムの一員として、kintone界隈の盛り上がりにあります。kintoneエコシステムが衰退すれば、弊社はそもそも存続できなくなりますから。
そのため、二日間のCybozu Daysの来場者数やブースの数が今までより大幅に増えたことで、弊社としては目標数値を満たせたと考えています。
・案件獲得よりも、求職者へのアピールを。
私が他に考えておきたかったのは、案件獲得よりも、案件が増えたときに業務を担ってくれる、未来の弊社メンバーへのアピールです。
独特の存在感を発揮しているアクアビットにはどんな人がいるのか。
今年はうちのブースのスタッフは約8割が弊社メンバーでした。8分の6。この割合はアクアビット史上最高です。
今後も弊社のメンバーだけでブース出展ができる日を目指し、少しずつ採用活動を進めたいと思います。
Cybozu Daysが終われば、次は事務所開設に向けての準備です。
そうした活動を進める上で、私自身が経営者として未熟なのは、私が一番わかっています。
ただ、それを補ってくれるメンバーが揃ってきたことに、私は手ごたえを感じています。今回の出展によって、それが確信へと変わりました。
そして、アクアビットや私自身の知名度も、私が思っていた以上に大きいことに気づきました。
そろそろ私も経営者としての自覚を持つべき時期にきたようです。
もう、個人事業主のノリでやっていられる会社ではなくなってきたことも感じています。
そこで以下の施策を打ちたいと考えています。
今後の取り組み
1. 来年に向けてCybozu Days出展の準備を開始します。
来年も私は準備に関わらないつもりです。うちのメンバーが好きなようにやってくれればいいと思っています。私は引き続き弊社ブースに関する全責任を負いますし、それでいて、来年の会場でも目を惹く奇妙な格好で商談していることでしょう。
2. 弊社として共遊開発、いわゆる伴走支援の業務を追求していきます。
これからも引き続きお客様専用のプラグインやJavaScriptをたくさん作成し、お客様に提案します。それとともに、今回のCybozu Daysの会場でもたくさん出展されていた他社さんのプラグインやサービスを提案します。
お客様に対して示すべき最終的な価値はなにか。それを突き詰めていきたいと思っています。
うちのメンバーには限定された業界での開発を担ってもらい、私自身は、業界を問わずに共遊開発の担当として、お客様に価値を届けるべく切磋琢磨したいと思います。
3. 弊社Webサイトを改修します。
今のWebサイトは十数年前に私が作ったWordPressベースのものをずっと使っています。コンテンツの中には、私の趣味に等しい旅行記や、読書ブログ、映画ブログ、演劇鑑賞ブログが存在しています。
そろそろ、私の個人活動と会社活動が混在する状況を見直すべき時に来ました。
コンテンツが混在していることは、メンバーを雇い始めた数年前から私自身でも意識していました。いずれ誰かに突っ込まれるだろうと覚悟をしていました。
今年のCybozu Daysでは、とある方よりまさにその点を強く指摘され、お説教もいただきました。これで決断がつきました。
具体的には私の個人活動は別にWebサイトを立ち上げ、そちらで管理します。
新たに作るWebサイトに含まれるのは、私の個人的な趣味に加え、kintoneエバンジェリストとしての活動もです。各地のkintone Café登壇や主催についても、私個人が関わるレポートや告知については、全てを新たなWebサイトに移します。
弊社Webサイトはデザインを一新した上で、弊社の活動にのみ焦点を当てる予定です。
事例記事や技術記事はそのまま残します。
そう決断できたのも、上に書いてきた通り、今回のCybozu Daysの出展を通じて、私の個人商店から次のステップに進めると判断できたからです。
私自身、アクアビットのWebサイトに技術ブログや事例記事の寄稿は今後も続けるでしょう。
4. kintoneエヴァンジェリストとしては、引き続き続けます。
実は2年前、50歳を機会に引退するつもりでいました。
ですが、弊社メンバーからの意見も募った結果、今の弊社の組織基盤が弱いことも踏まえて引退を先延ばしにしています。
企業を存続させるためには、企業の存続のために利益や売り上げに意識を割かねばならないのが現実です。
その一方で、私自身の人生を変えてくれたkintoneエコシステムのこれからを見届けたい、貢献したいという思いも強くあります。そこに利益や売り上げは不要です。
以前にもnoteに書きましたが、ユーザー向けのコミュニティー活動が企業の利益に直結してはならないと強く思っています。それをすればエコシステムが壊れてしまうからです。
この思いは今も変わりません。
そのように考えながらも、会社経営の現実と個人の思いに引き裂かれている最近です。
願わくば、将来的には私が会社から引退し、地方を行脚しながら、地縁団体やNPOに対してkintoneの使い方を教える活動に従事できればと思います。
もう趣味と言えるほど楽しいのですよね。コミュニティー活動って。お金なんて全然いらないんですよ。個人として生きていくだけであれば。
その将来目標に向け、私自身、どういう活動にしていくかはもう一度考えたいと思います。その時の肩書がkintoneエバンジェリストでなくても構わないと判断したら、潔く引退しようと思っています。
もちろん、それも他の方からのご了承あってのことです。辞めてほしいといわれれば、その時点で引退に向けて動き出すことでしょう。
実際、今年の出展の手ごたえもあります。おかげさまで多くの企業様からも案件をご依頼いただけるようになったこともあります。アクアビットとしては、私がいなくても回り始めたのではないかとの実感もあります。
まずはその一歩として、上に書いた通り、弊社の活動と私個人の活動を別ホームページに分けます。
また、私自身、個人事業主の延長の意識がまだ残っていたのを改めます。利益誘導を目的とした活動と誤解を受けないよう、厳しく区別しようと思っています。
Cybozu Days当日について
今年は速報値で7500人を超えた来場者数の増加率がアクアビットブースにも及びました。その結果、私はほぼブースから動けませんでした。
セッションで聞けたのは、初日のProduct Keynoteとkintone show+case unlimitedのTEAM K.F.C.の登壇シーンのみ。
本当にたくさんの方がブースに足を運んでくださいました。
今までであれば、弊社ブースに訪問して下さらなかった方が何人も。これは嬉しかったですね。本当に皆さんには感謝です。
他社さんのブースを訪問できたのは、2日目の夕方の15分ほど娘とうろついた時と、閉場ギリギリにうちのブースの方とふらりと会場を回った時くらいです。
ブースに伺えなかった皆様、本当に申し訳ございません。
最後に今回来てくださったたくさんの方との弊社ブース内での写真を挙げさせていただきます。
写真に対して特にコメントは書きませんが、本当に多くの方にお越しいただきました。とてもとても感謝しています。ありがとうございました。
運営のサイボウズ社の皆さんやイベンター会社の皆さん、登壇者の皆さん、ブースを出展したパートナーの皆さん、来場者の皆さん、本当にありがとうございました。