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事例:三宝興隆会様


会員管理の基盤をkintone中心とした構成に変更

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三宝興隆会様は、宗教法人・三宝禅に関わる、または三宝禅に直接管理される全ての活動を支援運営する任意団体です。
宗教法人三宝禅は70年以上前から活動を開始しており、禅の精神を世界に伝えるためにさまざまな活動を行っておられます。

日本を発祥とした団体であり、昨今の世界中への禅の広まりによって、世界各国に会員を抱えておられます。その広がりはアジアだけでなくヨーロッパ諸国にも。
今の人類の悩める状況を禅の精神をあまねく広め、人々の悩みに寄り添う。その意思に賛同した世界各国の会員に向け、会報や書籍などによる活動を展開されておられます。

三宝興隆会様は、三宝禅の会員との会費徴収や連絡などを主な業務としていますが、世界各国に散在する会員との会費徴収に課題を抱えていました。
年会費が原則の会費ですが、途中で入会された方や、退会された方に対する月割りの会費徴収業務の煩雑さ。それが改善を要する課題でした。
会員管理にはMicrosoft Accessで作成したデータベースをお使いでしたが、メンテナンス担当の方が年配になっていたことやクラウド連携の必要性など、今後の保守に不安が生じていました。そこでkintoneの導入を判断されました。

正直にいうと、構築までに難航し、予定よりも時間がかかってしまい、ご迷惑をかけてしまいました。
その反省も踏まえて弊社の事例として投稿したいと思います。

kintoneを中心とした構成

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最初にご連絡をいただいたのは2020年の12月です。代表がちょうどCybozu Days 2020 Osakaに登壇するため大阪に出張に行っていた時期だったので記憶に鮮やかです。

ご連絡いただいた時点で、御担当の山田様の脳裏には全体の構成についてのある程度明確な方針が定まっていました。
・kintoneで全世界の会員名簿を管理する。
・WordPressで会員向けページおよび、入金用のページを実装する。
・入金用のページにはStripeを使った決済処理を表示させ、Stripeに処理を任せることで堅固な決済処理を実現する。

あとは会計処理です。それについては弊社より会計freeeをご提案しました。
会員より会費の入金があった場合の仕訳はfreee側に自動的に登録するように実装すれば、会計処理も運用が回るはず。

freeeとStripeはSaaSです。PaaSのkintoneとはRest APIで手軽に連携できるはず。
特にkintoneと親和性の高いfreeeは弊社代表がオンラインハンズオンの講師も務めたことがあり、連携も簡単に実現できるはず。
そこまでできればあとはWordPress内にkintoneから値を表示させ、Stripeの入金画面を表示させるだけで実装は可能。
そう判断して着手しました。

MemberPressとStripeの仕様理解に苦しむ

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ところが、これがとても難航しました。

2020年の12月。初めにご連絡をいただいた際、弊社は翌年の1月に初めてのメンバー二人の雇用を控えていました。
二人のメンバーのうち一人がWordPressに明るいとのことだったので、実装を任せることにしました。

まず、つまずいたのはMemberPressの理解です。
WordPressはCMS(Contents Management System)です。
その拡張機能は多岐にわたりますが、MemberPressはその一つです。
会員管理や会費納入状況によるコンテンツの表示制御ができるため、海外では比較的導入実績があるようです。

ところが、MemberPressはあまり国内で使われていなかったのか、日本語のドキュメントが少なく、有用な情報が見つけられません。
そこでまず、そもそもの機能の理解に手間取ってしまいました。機能の説明を一生懸命理解しようと努めましたが、言葉の微妙なニュアンスがくみ取れず、この機能や処理の制御がどのようになっているのかあいまいなままでした。
機能の理解がおぼつかない上に、APIのレファレンスやサンプルもすべて英語です。その微妙な機能の制御の理解がまったく進まず、ただ時間だけが過ぎていきました。

Stripeも弊社にとっては初挑戦です。
Stripeもドキュメントの多くが英語です。レファレンスはまだわかりやすかったのですが、テスト用の環境と本番用の環境が別だったため、環境構築やテストの実施などに紆余曲折がありました。

初めに任せていたメンバーは、頑張って実装に向けた作業を行ってくれました。
WordPressのログイン制御など、MemberPressだけで実現できない部分も実装してくれました。

が、時間はあっという間に過ぎていきます。
そうこうしているうちに、そのメンバーはCybozu Days出展を巡る価値観の違いもあって退職してしまいました。

初めて雇用に踏み切った代表にとっても挫折に苦しんだ時期でした。

メンバー交代で実装が前進する

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メンバーの退職の少し前から、開発の遅れは顕著になっていました。
ところが当初の山田様のご要望では、2021年の年末にはリリースしたいとのことでした。その理由は、会費徴収の切り替わりのタイミングです。年末だと切りがよいので、この時までに実装したいとのことでした。

ところが、この時点で実装は間に合わないことが明らかでした。
そこで、弊社に専任で関わってもらっている技術顧問に実装に入ってもらいました。

そして、11月末でメンバーが退職してからは、弊社の技術顧問がバリバリと実装を進めてくれました。

引き継いだ時点で退職したメンバーががんばって仕様の理解を進めてくれていました。それもあって、MemberPressやStripeの仕様の理解も進み、実装のめどがみえました。

さらにはWordPressに表示する文字列もシステムによって切り替える部分を簡単に切り替えられるような仕組みも実装できました。

ただし、年末には間に合わず、運用は後回しをお願いしました。
ご迷惑をお掛けしてしまいました。

なお、kintoneについては早い時期に実装は終えており、
こちらについてはあまり修正の必要がありませんでした。
この時、WordPressのデータベースを使わずにkintoneを使う実装にしていたことが、
データベースを整備する手間を省いてくれました。

会費のほかにも寄付金の入金もできるように

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連携のほとんどはphpを使っています。
kintoneで処理が行われればWebhookでMemberPress(=WordPress)にユーザーを作成すると同時に、Stripeにもアカウントを作成し、さらにfreeeの取引先にもデータを追加します。
WordPress内で入金処理が行われれば、StripeのWebhookを通してfreeeに仕訳登録の処理を行い、kintoneにもその旨の情報を更新します。

それらの仕組みのほとんどは2021年の年末までに実装にめどをつけ、年明けからテストに入りました。
その結果、2月頭には本番環境にプログラムをリリースできました。
なお、山田様と弊社のやりとりは全てオンラインで完結しました。一度もお会いしていません。コロナの中だからこそ、このような複雑な実装がオンラインだけで実現できたことでも
印象に残っています。

結果、今回の一連の仕組みについては、
このような連携となっています。

その後、追加で機能の拡充のご要望もいただきました。
会費だけでなく、任意の金額の寄付金も入金できるようにする機能です。
そちらも無事に納品ができました。

とはいえ、反省点は無数にあります。
今回の遅れについてはメンバーのアサインや指導方法など、ありとあらゆるところで代表である私に非があります。
任せるべきところとフォローすべきところのツボがずれていたこと、英語のドキュメントを通した仕様理解についての見通しが甘かったことです。

あらためて、遅れてしまったことについては三宝興隆会様にはおわびします。
そして、それにもかかわらず事例記事のアップのご快諾をいただいたことに感謝を申しあげます。ありがとうございました。

今後の展開

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これからも会費徴収や税処理、経理処理にあたっての国の制度変更もあり、
改修は発生するとみています。

まずは、現時点で運用に乗っていることに油断せずに行きたいと思います。

そして、弊社にとっても貴重な経験値が得られた結果を無駄にせぬよう、
StripeやMemberPressとkintoneやfreeeとの連携に向けたご要望に対応できるようにしたいと思います。

まとめ

弊社にとって三宝興隆会様はkintoneとStripeやMemberPressの連携など、英語ドキュメントとの戦いでした。これはとても貴重な経験値となりました。それもあってとても印象に残っています。

まずは今後の運用も油断せずにいきたいと考えています。ありがとうございました。

三宝興隆会様のご紹介

名前 三宝興隆会
ウェブサイト http://www.sanbo-zen.org/

kintone Café 神奈川 Vol.12を開催しました


2022/6/21に今年に入ってから二回目のkintone Café 神奈川を実施しました。

会場は東戸塚駅そばの横浜市東戸塚地区センター会議室です。

kintone Café 神奈川は、神奈川のあちこちで開催することを目指しています。今までに関内、新横浜、上永谷、鷺沼、横浜、オンライン限定×3、武蔵小杉/オンライン、向ケ丘遊園/オンライン、茅ケ崎/オンラインと開催してきました。今回は東戸塚/オンラインということで、リアルでは14名の、オンラインでは最大で22名の方に参加していただきました。

告知

昨年の初めに三カ月おきに開催すると宣言してから、今のところ6回目の開催で、何とかペースを保てています。これもスタッフの皆さんのおかげです。

今回のテーマは「あなたの会社のkintone活用事例」としました。
kintoneもすっかりお茶の間に浸透し始めています。さまざまな活用例が多くの記事やブログで紹介されています。
それでは、実際にkintoneを使ってシステムを提供する会社は、自社でどのようにkintoneを使っているのか。それを掘り下げるテーマとしました。正直にいうとこのテーマはすでに何度か、取り上げられています。ですが、私にとってなかなか語ったことのないテーマだったこともあり、やってみようと思いました。

今回も山田さんが司会を買って出てくれました。ありがとうございます。
さらに、渋屋さんが会場を確保してくださいました。他にも当日の配信用PCやスピーカーなどを御用意と、懇親会の会場の手配まで。合間にはカメラマンとして写真撮影も。末尾の集合写真は渋屋さんが写してくださったものです。ありがとうございます。

そしていつもの通り、私が最初にkintone Café 神奈川の理念を。
実は今回もYouTube Liveの配信に失敗してしまいました。YouTubeで事前に配信予約を設定していたはずなのに、なぜかZoomからYouTube Live配信の設
定ができず。これは反省点として次回までに改善しておきます。

まず初めにエミック社の松尾さんより「kintoneと連動したWebフォームの作成」というタイトルで話していただきました。
Form Data to kintoneを使った連携のデモを実施していただきました。
システムに関する問い合わせなど、ウェブフォームで受け付ける会社も多いと思います。が、問い合わせ管理についてはなるべく省力化して、kintoneで管理してしまいたいですよね。
そうした事例を公開してくださった松尾さん、ありがとうございました。


続いてはキンスキ松井さんこと、サイボウズ社の松井さんから「kintone コミュニティ案内板の裏側で使うkintone×Zapierの紹介」というタイトルで語っていただきました。
キンコミはkintone界隈にあまたあるコミュニティのポータルを支えたいとの思いで立ち上げられています。その中には今回のkintone Café 神奈川の開催告知をはじめ、秀逸なブログ、発信などを紹介するページもあります。それらの記事の追っかけと取込の作業は大変です。
そうした作業を松井さんはZapierを使って省力化されています。その実例を紹介してくださいました。その事例は、ノンコーディングでもここまでできてしまう素晴らしいモデルケースだと思います。
私も今のZapier契約プランを上位に切り替えようと思いました。松井さん、ありがとうございました。

続いては休憩をはさみ、私です。

今回は、テーマに沿って「うちの会社のkintoneは三世帯同居・別荘もあり」というタイトルにしました。何を意味しているのか、わからん、という突っ込みもいただきつつ。

スライド

内容については上記のUrlに書いている通りです。アーリーユーザーゆえの失敗といいますか。それがいまだに三世代同居として使い続けている原因になってしまっています。
それでも、あまり使われていないアプリグループの活用事例としては、お役立てていただけるのではないかかと。
あとは松井さんの内容に続いてとなりましたが、Zapierを使った連携事例などもお話しました。

質疑の際に松井さんからは、今のkintoneはアプリの所属スペース間を移動できる機能が実装されたが、当時にその機能があってもアプリグループを使ったか、という質問が。さすがの切り口ですね。

多分、私はこの事例に関してはアプリグループを使ったように思います。機能の更新や外部連携もそれほど頻繁ではないお客様なので、テナントとしてはアプリグループで十分だからです。ただ、今となってはお客様にはスペースを使ってもらっていますけどね。


続いてはオンラインから参加の大竹さんによる「kintoneによるWordPressの表示コンテンツとログ管理」というタイトルです。
kintoneからWordPressの表示コンテンツを呼び出すにあたり、複数カテゴリーが重なった場合の制御を行うことで、kintoneのレコード上に設定したカテゴリーを基にWordPressのページとして呼び出す事例を語ってくれました。
表示ページのデータはkintoneで管理し、それを制御してWordPressのページを入れ替えたいニーズはありそうです。特に自社サイトやオウンドメディアを運営している企業さんには良い事例になりそうですね。大竹さん、ありがとうございました。

さて、最後のトリを飾るのは藤村さんによる「kintone caféでこんなタクラミ始めます」というタイトルのLTです。まさにLightning Takuramiにふさわしい、意表を突いた内容でした。kintone Café メタバース支部の立ち上げ!なんという斬新な。
その一方で、kintone界隈の人にとっては二年前のkintone Hack本選でWillさんが披露された、VR上の振る舞いをkintoneに反映させるセッションでもおなじみです。そのため、kintoneとVR/ARは全く無縁ではないのです。その親和性の高さを知っている私にとって、興味が尽きないテーマでした。
しかも今のVRゴーグルはあまり酔わないそうです。かつて酔っぱらってしまい、苦手意識を感じた私にとっては再び初めて見る良いきっかけとなるかもしれません。藤村さん、ありがとうございました。

最後にオンラインの皆さんとリアルの皆さんとで写真を撮影。うーん、充実!

ちなみに私のセッションの中で、次回の9月のkintone Café 神奈川 Vol.13はSORACOM UGさんと共催する旨も発表しました。これから日程や場所やテーマは決めていきます。

夜の懇親会も10名の方に参加してもらい、とても楽しく飲めました。リアルでやるっていいですよね!

ちなみにその場で次回の開催は鎌倉か逗子、その次は小田原と今年のスケジュールが決まりました。こういう事が決まってしまうスピードもリアルで会える良さですよね。

今回、集まっていただいた皆様と登壇の皆様。ありがとうございました!また3カ月後にお会いしましょう!


事例:株式会社ライライ様


既存システムのコスト削減が喫緊の課題に

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ライライ様は、さまざまな撮影現場で活躍されているスタッフと映像プロダクションの間に立ち、両者をマッチングする業務を主に担っておられます。
映像の撮影現場はさまざまなスキルが臨機応援にスタッフに求められる場です。現場によって必要な作業を見定め、その作業に長じたスタッフを迅速に現場に紹介できるライライ様のビジネスは、映像プロダクションに高い価値をもたらします。
ただし、その分、作業指示や報告や請求書の発行作業に煩雑な事務作業が発生していました。それらを管理するための既存のシステムでは膨大な運用コストがかかっており、今回、kintoneを中心とした仕組みに切り替えることで、コストの削減を実現しました。

コスト削減を踏まえた業務要件のヒアリング

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お客様(映像プロダクション)からのご発注を請け、それを案件として作成する。さらにスタッフの空き状況を見ながら案件にスタッフを割り当てる。スタッフはその案件の現場に入り、作業が終われば交通費や経費や作業内容を報告する。その報告内容を基にライライ社はスタッフの支払い書を発行し、映像プロダクションに対する請求書を発行する。
ご発注から請求までの流れは単純に書くとこのような感じです。

一方、映像撮影の現場の業務は多種多様です。ライライ様はそれらの業務や作業による金額設定を細かく定めています。たとえば、スタッフの習熟度による単価設定も二十種類以上の段階を設けるなど。
そうした業務を基にした金額は支払書や請求書に確実に反映させなければなりません。

ライライ様はそれまで、Salesforce+SVF Cloudを使った仕組みでビジネスを回しておられました。
その仕組みを回すために、各撮影現場に派遣されたスタッフは各々で作業報告を行わなければなりません。作業報告のプラットフォームとして、ライライ様はSalesForceを採用されていました。そのため、Salesforceにスタッフの数だけアカウントを作成し、スタッフはSalesforceにログインして報告を行っていたのです。
すると当然、月々のコストは相当な額にのぼります。
月々の支払額が負担になっていたこと。Salesforceの年次契約の更新日が迫っていたこと。さらにSalesForceの中で多くのカスタマイズが必要になっていて、その費用の見積もりももらっていたこと。それらを考えた結果、システム刷新の判断をくだしました。そこから、弊社へのご依頼につながりました。

この時点でライライ様はkintoneを採用すると決めておられました。まずkintoneを使ってアカウントのコストを減らすこと。それが最優先のミッションだったのです。
もちろん、kintoneの導入によって事務の方の各種計算や発行事務の負担を減らすことも求められていました。

kintoneとWordPressと帳票Onlineを提案

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ライライ様から弊社にご連絡をいただいたのは2021/1/28。すぐにZoomで打ち合わせを行い、さらに2/3には訪問して状況を伺いました。
その際、Salesforce社に年間契約の延長か停止かの連絡期限が3/12に迫っていることを伺いました。そこでSalesforceを解約すると連絡した場合、4/12には契約が終わってSalesforceが使えなくなります。
Salesforceからデータを移行させつつ、kintoneの特性を生かしたアプリを設計する。さらにスタッフが報告できるためのプラットフォームを作る。そしてSVF Cloudで出力していた帳票とほぼ同じレイアウトの帳票を出す。それらをSalesforceの契約が切れるまでの間に作り上げる必要がありました。

そこで弊社は、2月の上旬にはスタッフの報告手段をkinconeにした提案書(42P)を提示し、すぐに着手にかかりました。
その後さらに打ち合わせを進めた結果、スタッフとの連絡手段はkinconeでは難しいことが分かりました。そこでスタッフとの連絡手段をWordPressに切り替えた提案書(44P)を提示したのは2月の中旬でした。その際、帳票発行の仕組みはアイ・コン社の帳票Onlineで提案しました。

弊社にとっては、メンバーを増やしてから初の案件

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ライライ様からご連絡をいただく約4週間前。年明けから弊社は二人のメンバーを迎えました。
ライライ様の案件は二人のメンバーに活躍してもらう良いチャンスです。
まず、前の現場でWordPressを扱ったことがあったメンバーに一連のウェブサイトの構築をお任せしました。さらに帳票Onlineの設計はもう一人のメンバーに携わってもらうことにしました。
また、Salesforceからのデータ移行プログラムは代表が作りました。

今回、スタッフのアカウントはすべてWordPressにまとめました。ライライ様の場合、Salesforceに約100名分のスタッフアカウントを割り当てていたことによる月額コストが経営を圧迫していました。そのため、kintoneにもスタッフのアカウントを持たせず、別のやり方を検討したいというのがライライ様のご要望でした。
当初はkinconeで可能かと思いましたが、連携する情報の多さからWordPressに切り替えました。
WordPress内にスタッフのみが見られるページを設け、そこに作業開始時間、終了時間、交通費や作業内容といったこまごました項目をすべて打刻してもらうようにしました。
スタッフが打刻した瞬間、入力した内容はkintoneの作業報告アプリに取り込まれるよう、phpで開発を加えました。

kintoneの設計にあたり、Salesforceからの移行を考える必要がありました。そのため、案件管理や顧客管理、スタッフ管理などについてはSalesforceのフィールドを連携できるように設計しました。
さらに、作業報告アプリはWordPressからの連携に加え、スタッフの支払書や映像プロダクションへの請求書に出力できるような考慮が必要でした。

帳票発行の一連の仕組みについて、ライライ様がMacをお使いだったことから思わぬ遠回りをしてしまいました。そのいきさつについては
この記事に記載しています。
結論として、何とか帳票も出せるようになりました。

もう一つ苦労したのは、さまざまな計算です。内部の計算ロジックはSalesforceの内部でカスタマイズされていたものを流用しました。
ただ、Salesforceの場合、内部のカスタマイズ言語はAPEXというJavaベースの言語です。私もAPEXはあまり詳しくなく、新たに入ったメンバーも同じ。
彼には帳票を設計しながら、この計算ロジックを読み解き、なおかつ計算ロジックをkintoneのJavaScriptに適用してもらう作業に従事してもらいました。

導入してから

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正直にいうと、Salesforceの契約が終わってすぐの月は、帳票出力の運用がまだ不安定なままでした。その際、ライライ様にはご迷惑をおかけしました。
今では上記のリンクに書いたような帳票発行の運用方法を変え、帳票は出せています。また、スタッフの打刻も順調に動いています。

現在は2ndフェーズの開発の真っ最中です。
他の種類の仕事を担っているスタッフさんの打刻ページや、NaviTimeの実装、Rakumo/Google Calendarとのスケジュール連動を行っています。

三島様より

導入からの日々について三島様はこう語ってくださいました。

「経理作業・スタッフ管理等PC作業の自動化は、弊社の長年の課題でした。
特に、請求・報酬金額のまとめ作業は、チェック項目が細かく時間がかかる上に、手作業だとミスも多くなるので、少しでも負担を減らしたいと考えておりました。
Kintone導入後は、スタッフの打刻から帳票作成までの時間が大幅にカットされました。
弊社の規定はかなり細かいため、まだシステムの確認・改修作業は続きますが、それらが終われば、他業務に人員を割けるようになるので、会社全体としての成長につながるのではないかと考えています。
これからもアクアビット様と打ち合わせを重ねて、より良い形にしていきたいと思っております。」

まとめ

弊社にとってライライ様の案件は弊社メンバーが加わって初めての取り組みだったこともあってとても印象に残っています。

私が帳票発行の設計で迷走しかけた後も、変わらずお付き合いくださっていることに感謝いたします。
三島さんはやり取りのレスポンスが速く、同じテンポを感じています。
まずは2ndフェーズを早く完了させてしまいます。

ライライ様のご紹介

商号 株式会社ライライ
本社 〒105-0021 東京都港区東新橋2-7-3 BIZMARKS 新橋汐留 2F
TEL 03-6874-4642
代表者 代表取締役 中田 平
従業員数 従業員3名 / 請負登録スタッフ70名
設立 2017年7月24日
資本金 100万円
ウェブサイト http://www.rightright.co.jp/

Contact Form 7でCheckboxが効かなくなる場合の対応法


WordPressにプラグインContact Form 7をインストールし、チェックボックスをコントロールに追加したところ、チェックが全く出来なくなるケースの解消方法です。

なお、バージョンは以下の通りです。

WordPress
Contact Form 7
FireFox
Google Chrome
・・・4.6.1
・・・4.5.1
・・・50.0
・・・54.0.2840.99 m

contact_form_7_checkbox_1
起きる事象はこちらの図の通りです。正常にチェックボックスは表示されるのですが、なぜかクリックしてもチェックがつきません。


contact_form_7_checkbox_2
ちなみに、Contact Form 7の設定画面では、この場所はこのように指定しています。


contact_form_7_checkbox_3
なお、対象となるコントロールをdivタグでくくっています。divタグを使っているのは、制作状況のように縦にチェックボックス項目を配置した項目が複数あり、それらの項目同士を横に並べるためです。従ってチェックボックスのチェックがうまく出来ないのはdivタグが原因ではありません。念のためid=”yoursituation”が示すスタイルを示しておきます。


contact_form_7_checkbox_4
これは、図のように<span class=”wpcf7-form-control-wrap”>でposition:relative;が指定されているためです。なので、解消するにはposition:inherit;とすると良いでしょう。


contact_form_7_checkbox_5これでチェックができるようになりました。