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チーム応援カフェ Vol.2に登壇しました



前日のサイボウズユーザーフェスティバルに続いて、チーム応援カフェVol.2にも登壇しました。

非営利団体のIT導入の課題を解決するための交流会です。
https://npo.cybozu.co.jp/blog/post/149/

Vol.1の開催前日に今回の登壇依頼をいただきました。

2018/5/16にチーム応援ライセンス開始記念セミナーで弊社代表が登壇しました。
サイボウズ社の記事
弊社の記事

今回はその時に話した自治会のIT化をベースに、現状とその後の課題を含めてお話しました。

当時登壇してから三年。今の世界はコロナウィルスによるリモートワークが普通になっています。
それもあって、非営利団体の運営においても対面ではなくリモートワークによる運営が一般的になりつつある、わけではなさそうです。
自治会は年齢層など、コロナだからと言って簡単にリモートワークに踏み切れない要因があります。

今回はそのあたりも含めてお話させていただきました。
また、kintoneを自治会で活用することについても、前回より踏み込んで書いてみました。

スライドはこちらです。

今回は40名弱の方にご参加いただいていましたが、年齢層が高い方へのIT導入について活発なご質問をさまざまな方からいただきました。
そのほかにもさまざまなご質問が多様な角度から飛び交い、皆様の関心度の高さを感じました。ありがとうございます。

これについては各自治体も課題として挙げておられるようです。代表の方にもそうしたご相談がちょくちょく来はじめています。
そこで今回は提案を含めてみました。

各自治体がセミナーを自治会向けに開催し、その中で弊社がセミナーを開催させていただくのはいかがでしょうか、と。

今の世の中の在り方はコロナによって流動的になっています。ビジネスも業種によっては大幅なダメージを被っています。
自治会についてもあり方や運営について、より変化が求められることは間違いないでしょう。
弊社も引き続きこの方向で何が出来るのかを考えていきたいと思います。

ご参加の皆様、サイボウズ社の皆様、ありがとうございました。


kintoneが今年、拡がるために


はじめに

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

弊社の年頭の抱負はこちらにアップした通りです。
その中で、kintoneを軸にするという項で、今年も弊社はkintoneに注力する旨を書きました。

そんな中、年始の2日に家族とワインを飲みながら団らんしていました。
テレビには家族が観たい「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!! 」が映っていました。
そこに登場したテーマがコロナであり、選択式夫婦別姓であり、リモートワークであり、働き方でした。

私はドラマを観ながら、これってサイボウズさんの打ち出しとるテーマやんか、と目をみはりました。

昨年、弊社にとって顕著にkintone案件が増えました。また、旧システムからkintoneにシステムを移行したいとの案件のご依頼も増えました(ブログ)。
おそらく、その流れは今年も続いていくことでしょう。
それは、サイボウズさんの掲げる理念が世の中に広まったこととkintoneの魅力が世の中に行き渡りつつある証しだと思っています。
もともと、そうした働き方を変えたいとの機運は世に行き渡りつつありましたが、昨年のコロナはそれを促したのだと思っています。

ただ、kintoneはまだ世の中で誰もが知っている存在になっていません。
弊社のレベルでは顕著に案件が増えたとはいえ、それはもともと弊社が受けていた案件数が少なかっただけの話。
弊社の尺度ではなく、世の中全体でのkintoneのシェアを考えると、kintoneにはもっと広まる余地も拡がる伸びしろもあるはずです。
今年はその流れがより速まり、より拡がるはずです。より多様な業種や規模の企業にkintoneが採用されることでしょう。

ただ、それを口で予想するだけで済ませてはなりません。
自らが率先してその流れをより速め、広げていくことがkintoneエバンジェリストの役目であり、サイボウズ・オフィシャルパートナーとしての存在意義だと思っています。

そこで、kintoneに何が必要か。それを年頭に考えてみました。

kintoneの弱点

まず、kintoneに足りないのは、規模でしょうか。
今のところ、大規模案件や中小以上の規模の基幹システム案件に対して、kintoneを勧められる状態にはありません。
というのも、
https://jp.cybozu.help/k/ja/admin/limitation/limit.html
にも書かれているとおり、100万件以上のレコード件数に対しての品質保証が明記されていないからです。

過去データを保存する期間は、法令によると受発注や仕訳だと七年が定められているようです。
月間15000件の伝票が発生するお客様の場合、一年で180,000件。七年で1,260,000件のデータが発生します。
つまり法令上の保存レコード件数をkintoneが満たせないと見なされる可能性があります。

US版のKintoneは完全にAWSが基盤となったそうですから、オートスケールには対応しているはずです。

日本版のkintoneについても、今、サイボウズさんではNecoプロジェクトとManekiプロジェクトが進行中だそうです。


その成果を待ちたいと思います。

kintoneはもう一つ、アカウント管理回りにも改善の余地がありそうです。
例えば、大企業の複雑かつ大きな組織が一斉に組織改編を行う場合を考えてみましょう。周知のとおり、Cybozu.comのアカウント設定では組織の事前設定ができます。とはいえ、なかなか思った通りにいきません。ま、弊社はその部分の作業をお客様に委ねてしまっているのですが。
あと、ゲストスペース内アプリの権限設定の際に組織やグループが使えないのも不便だと思っています。

あと、スペースやレコード上のコメント機能も、ChatWorkやSlack並みの使いやすさをお客様から求められることがままあります。
kintoneの良さは、コミュニケーションとデータの融合にあると思うので、コミュニケーション機能のより一層の拡充は期待したいですね。

技術者としてすべきこと

さて、新年からクレクレマンのような要望を書いてしまいました。
とはいえ、昨年のkintoneに行われたバージョンアップの頻度は私たちの期待を満たしてくれています。
おそらく上に述べたようなことは私が言うまでもなく、サイボウズさんでも考えてくださっているはずです。
となると、こちらとしてはただ要望をいうだけではダメですよね。それだとクレクレマンに堕ちてしまう。
ユーザーや開発者の立場から広めるための働きかけを行わなければ。

例えば、kintoneのキャッチフレーズを考えるというのはどうでしょう。
kintoneを使えば何が良いのか。何が変わるのか。言葉を尽くしてそれを語るのはたやすいと思います。
ですが、一言でkintoneの良さを語るのは難しい。シンプルにズバリと本質をつく言葉を今年は考えたいですね。

また、ユーザーがシステムを作る手段としてkintoneの認知度は相当高まってきました。
また、年末にテレビCMが始まったことで、さらに認知度は上がっていくことでしょう。
とはいえ、技術者に対しての認知度はイマイチです。
さまざまなシステムを作る技術者の皆さんにこそ、kintoneの認知度を上げ、採用してもらわねば。

昨年、kintoneエバンジェリストとしてのインタビューでもその想いは語りました。
そこでも語った通り、わが国のシステム開発の生産性はまだまだ伸ばせる余地があると思います。統制のための統制、仕様のための仕様、ドキュメントのためのドキュメントではなく、設計から実装までの各フェーズが共通のフォーマットで流れるような仕組み。
海外のサービスの開発速度が速いのは、それができているからではないでしょうか。
わが国の場合、ミスが許されない文化性の違いもあるのでしょう。ですが、これからはバグや仕様を恐れない開発手法があってもよいと思います。
kintoneは画面や設計がプラットホームとして共通なので、共通言語で語れる部分も多く、スクラッチ開発よりもやりやすいはずです。

ただ、各アプリの連携やシステム全体の設計についてはkintoneは不得手ですよね。それを自動的に作れるようなツールが作りたいと常々考えています。各アプリを横断したER図や機能連携図を簡単に作れるようなツール。
これができれば、お客様との仕様確認も楽になるし、開発者側でもkintoneを導入する機運はさらに高まるはずです。それがわが国のシステム開発の生産性を上げられればいうことはありません。

弊社も昨年は、土壇場での仕様変更に何度も苦しみました。
ですが、その都度、kintoneの良さを生かしてすぐにリカバリできました。
今年はそのリカバリ手段をより研ぎ澄まし、要件定義に時間をかけずに、なおかつ、バグや仕様変更にもすぐに対応できるような体制を作りたいです。
それには、自社であらゆるパターンに対応できるJavaScriptやプラグインのストックをより多く作ることでしょうね。
その中で汎用的に出せそうなソースコードはブログなどで公開することで、エコシステムに貢献できればと考えています。

あと、今後は大手企業様の事例も増えるでしょう。
サブスクリプションの課金にも抵抗がないお客様には、積極的にサードパーティー製のプラグインを提案していこうと思います。
そのあたりは柔軟に取り組みたいですね。

あとは、ブログやYouTube、SNSなどの手段以外に、どうやって認知度を広めるかですよね。
kintoneにもともと興味を持ってくださっている方は、上記のようなメディアに来てくださいます。
ですが、世の中にはkintoneの存在すら知らない人がまだまだいらっしゃいます。そうした方にどうやって広めていくか。
おそらくkintoneのテレビCMはそうした意図で作成されたのだと思います。

あとは、私たちがどうテレビCMを補完するような発信ができるかですね。
おそらく私の場合は技術者向けのイベントや、SIerさんへの内部発信など、今まで取り組んできたことを深めていくのが良さそうです。
それと、弊社の場合、「自治会 IT」で検索すると一番上に登場しています(サイボウズさんの記事ですが)。

そのアドバンテージを生かし、今年は自治会やNPOにkintoneを告知するような手立てを考えていきたいと思います。
自治会やNPOといえば、比較的年配の方が活躍されています。年配の方は、ブログやYouTube、SNSに触れることも少ないように思います。そうした方へのアピールですね。
例えば市役所と組んだり、広報誌で告知したりといった手段で、実際に赴いてkintoneをアピールするのはどうか、と考えています。
おそらくそうした皆さんにkintoneを説明するには、システム用語を極限まで減らすなどの配慮が必要でしょう。

コロナで果たしてそうした機会がいただけるかどうかは不明です。が、チャレンジしてみたいと考えています。

kintoneが今年、拡がるためにはほかにも思いついた手段があれば試してみようと思います。


2021年の抱負


明けましておめでとうございます。

大晦日にアップした投稿にも書きましたが、昨年度は皆さま、いろいろと有難うございました。
今年も引き続き、よろしくお願いいたします。

一年の計は元旦にあり、といいます。今までも家族には抱負を披露していました。ですが、法人を経営する立場になった以上、公器として抱負を公開することの大切さも感じています。おととしの元日からブログにアップしていますが、当初の目標よりも予想外の方向で成長ができています。
自分を追い込むためにも、自分という器の容積を広げるためにも、目標は高く持ちたいと考えております。
たとえ目標通りに進まないとしても。

今年もまだコロナの影響は残り続けるでしょうし、社会や仕事の在り方もまだまだ変わり続けてゆくはずです。
そんな中、弊社は幸運なことにリモートワークが要請される世の流れに乗ることができました。
今年は昨年の流れをさらに加速し、社会の役に立てるような会社でありたいと思います。なおかつ、公私がともに充実できるようなバランスをとりつつ。そのためにも、昨年にあらわになった課題を解決する努力を惜しまず進みたいと思っております。

1.法人設立から6年目にあたって
(あ)総括・・
5年目の決算は、前年度を上回ることができそうです。

(い)体制のシナジー効果を追求する・・
昨年の8月より顧問技術者に専任で参画してもらいました。また、年末には求人と採用を行い、今年から新たに二名の仲間に加わってもらいます。さらにパートナー企業さんにも私のサポート役をつけてもらいます。
案件増によって代表のリソースが枯渇してしまった反省を次につなぎたいと思っています。
体制の強化によって、弊社の案件増に伴う品質の低下を防げると考えています。私が作業者になるのではなく、営業や要件定義、そして上流設計を担うことで案件に対応したいと考えています。
ただ、そのためにはしばらく対面で教える必要があります。そのため、私は固定の場所で仕事することは好まないのですが、サテライトオフィスに通う回数を増やさねばならないと思っています。

(う)SES業務はなるべく請けない・・
SES業務に頼るのは経営の上でよろしくないと考えています。SES業務がはらむ問題はおととしの年末にアップしたまとめにも書きました。
自社の要員をSES業務の要員に派遣するならまだしも、弊社の場合は自社の要員がおりません。つまりSESで得た業務のノウハウが弊社に蓄積できません。
正直にいうと、SES業務に頼った方が経営の観点では得策なのはわかります。ですが、弊社はSES業務に頼るのはやめようと思います。技術者の作業が技術者や派遣先のノウハウにならず、自社の技術者の作業は自社の全体のノウハウになるような体制をとりたいと思っています。

(え) 業務請負の案件に注力する・・
SES業務に頼らないとすると、業務請負か自社サービスの展開を業務の軸にすることが考えられます。
ただ、自社サービスの提供に取り組むには時期尚早だと思っています。それにはさらに体制を増やさなければ。
業務請負であれば、従来のノウハウで業務が回せるはずです。体制も強化したので。
その際、外注費はなるべく下げる。外注費比率を下げつつ、同時に弊社で雇用した方の人件費に充てられるだけの資金も用意する。それには売上の単価を上げるしかありません。今まで弊社代表が個人事業主として独立してから犯し続けていた過ち。それは、単価を低く設定しすぎたことです。
もともと代表がユーザー側からIT業界に入ったため、ユーザー側の立場での単価設定を心掛けていました。ですが、それは継続したサービスの提供にとっては逆効果でした。ここ数年、その考え方を矯正しようと、少しずつ単価ベースでは上がってきているように思います。

(お)kintoneを軸にする・・
2019年の11月よりCybozu社のオフィシャルパートナーとして活動し、kintoneエバンジェリストとしての任期も7年目を迎えています。
年を重ねるごとにkintoneの認知度が増しており、弊社にとっての追い風となっています。昨年の時点でkintone案件は弊社の案件の9割になっています。簡単にシステムが作れるkintoneの良さやそれを運営するCybozu社の理念が世間に受け入れられた結果だと思っています。
ただ、お客様のご要望を満たすためにはkintone単体だけでなく、周囲のSaaSとの連動や業務要件の分析なども含めた提案が必要です。そうした業務を体制の増強効果を生かして進めていきたいです。また、昨年は開発の進捗後の仕様変更に振り回されたので、お客様との情報連携、社内での情報連携の方法を追求していきます。
去年はkintoneのパートナー、エバンジェリストとしても実績が積めたと思っています。今年も引き続き、発信や登壇、セミナーや出展などを追求していきたいです。

(か)外注パートナー・・
外注パートナーは昨年と引き続き、限定した企業様と続けていくつもりです。三期前にむやみにパートナーを増やして自由意思に任せた失敗は繰り返しません。お客様と弊社、弊社内、そして弊社とパートナー。その間でどこまで工数を掛けず、なおかつ確実に仕様情報を伝達するか。
ただ、業務パートナーとの協業だけでは弊社としての体力がつかないこともわかってきました。そのためにも弊社の体制を強化しつつ、代表ではなく、弊社全体として外部パートナーとの協業体制をとりたいと考えています。そのためのドキュメントツールやコミュニケーションツールは引き続き試していくつもりです。そして仕様変更の際にどうやって工数を掛けずにお客様のご要望を実現するか。また、そもそも仕様変更を起こさないような要件定義の方法。それらの工夫に時間を掛けるつもりです。

(き)社会貢献・・
昨年は、町田市の地域活動にも関わらせていただきました。
自治会やNPOなどの案件は積極的に提案したいと考えています。
多くは登壇による認知度拡大を図っていくつもりです。「自治会 IT」で検索すると代表がトップに登場するアドバンテージは生かさねばならないと考えています。
コロナによってあらゆる社会の仕組みが見直されようとしている今だからこそ。

(く)事業計画・・
正月にやるべきこと。それは経営の軸がぶれないような事業計画の策定です。
コロナがひきおこしたような大きな社会の変革があっても、経営が揺るがないような経営理念。それを見据えた体制。
リモートワークの流れは今後も揺るがないでしょう。ですが、それに安心していると思わぬところで足をすくわれかねません。
弊社にとってのリスクとは、未知の病気や少子化やよりもむしろ自然災害だと思っています。それも地震や火事や台風ではなく、富士山の噴火を一番のリスクと考えています。火山灰が都心を襲った場合に情報機器がダメになる可能は、弊社として考慮しておきたいです。そのための体制も含めて考えたいと思います。

(け)主催するイベント・・
昨年は弊社としての露出が増やせました。kintone Café神奈川の主催、Cybozu Days 2020 Tokyoの出展、Cybozu Days 2020 Osakaの登壇などにおいて。他にもfreee Open Guildの運営やfreee BizTech Hackの登壇なども実現できました。
今年もオンライン・イベントが主流になると思いますが、主催ならびに登壇を増やしたいと思います。
特に、kintone Caféについては、もう少し回数を増やせないかと思っています。

2.話す技術、書く技術、システムの技術
(あ)話す技術、書く技術・・
昨年に引き続き、この3つは精進していきたいです。去年、しゃべる方もリアルで登壇を果たしたことで、多少の自信にはなりました。
あとは、書くスキルです。そろそろいい加減、本の一冊でも上梓しなければならない年齢にも差し掛かっています。昨年末に現役のライターで活躍している方とサシで飲む機会がありました。本気で本の出版を目指さなければ。
もちろん、それを目指しながら、弊社サイト内の各種ブログは書いていきます。今年は読む読むブログのアップの速度を少しだけ上げて100本を越えられるぐらいにしたいです。

(い)システムの技術・・
システムの技術ですが、今年は体制増強もあるため、あまり新技術の習得は考えていません。欲張らずに体制の整備に充てる方を優先します。ただし、kintoneとつなげるAPIの連携は多々必要になるでしょうから、そのノウハウの蓄積は引き続き求められると考えています。むしろ、プログラミングよりもCI/CDやソース管理のやり方を追求したいと思っています。
あと、今年の後半にkintoneエキスパート試験が新設されると聞いています。その合格はエバンジェリストとして必達事項だと思っています。それと、時間があれば昨年に申し込みすらしなかったAWS系の試験を取得したいですね。

3.ブログ
(あ)全体・・
昨年に続いてFacebook(法人/個人)、Twitter(法人/個人)の使い分けを行います。
今年も引き続きSNSは発信のみを中心にし、SNS巡回作業にはあまり時間を使わずに行こうと思っています。
また、SNSの発信内容は、あまり反響を狙っていなかったのですが、今年は営業につなげることを意識した内容にしようと思っています。
その他の書評・劇評・映画評・時評や旅行紀・技術ブログは引き続き2020年並みを維持します。それとともに、上にも書いた通り、本の上梓について真剣に考えたいと思います。

(い)音声入力・・
すでに発信のスピードはこれ以上上げられません。一日に与えられている時間は24時間しかありません。その中でインプットの時間を捻出する方法。それらを求めて引き続き情報収集をするつもりです。
ブログのいくつかはすでに音声だけで下書きのほとんどが出来上がるようになりました。それでもさらにスピードアップはできるはずです。

5.個人の抱負
(あ)全体・・
体力はこれからどんどん落ちてゆくことでしょう。老後、引退してからやりたいことをしたくても、行きたいところに向かいたくても、体力が落ちて叶わない可能性は高いでしょう。
そのためにも今のうちから個人でやりたいことは時間を作って行わねば。それとともに、老後に少しでも自分の望むことができるよう、体力は維持しなければ。
コロナによって旅や外出は自粛すべしとの通念があります。ですが、今年も可能な限り山や滝めぐりはしたいと思っています。

(い)山と滝・・
日本の滝百選に選ばれた滝は8カ所を目指します。具体的には、ニッカ宮城峡蒸留所に行きたいので、秋保大滝と三階の滝を。岡山蒸留所に行きたいので、神庭の滝を。維新152年の山口を旅したいので寂地峡五竜の滝を。阿波の土柱を見学に行きたいので大釜の滝を。尾瀬を再訪したいので三条の滝を。それと娘たちから家族で長野のカムループスさんに泊まりたいとのリクエストをもらっており、近くの惣滝を。あと、可能であれば九州の滝に伺いたいですね。
それと、2019年に上った至仏山が忘れられないので、尾瀬を挟んで対極にある燧ケ岳には上りたいと思っています。

(う)旅・・
仕事も絡めての旅をどうやって行うかについて、昨年は貴重な知見がたまりました。
今年は四国への仕事を絡めた旅がしたいですね。それと東北へ。2020年は福島へ三回仕事で訪れましたが、それ以外の東北にも訪れたいと思っています。
あと、家族では結婚20周年のおととしにハワイに行かれずじまいでした。今年はコロナが落ち着いていれば、ハワイに一度は行こうと思っています。

(え)文化活動・・
昨年はコロナもあって映画館に一度しか、それも大晦日にしか行けませんでした。
今年はミニシアター系の作品も含めて、もう少し映画の観劇機会を増やしたいと思っています。家ではどうしても仕事モードになってしまうので、帰り道に新百合ヶ丘のミニシアター館に寄るなどして。
また、読書量もここ二、三年で減ってきているのが気になっています。これも増やさないと。

私は結構、自分の目標は何度も読み返していますが、これを黙読だけでなく、音読することで一層実現に近づけたいと思います。

引き続き本年度もよろしくお願いいたします。


2020年上半期弊社の抱負(実践版)


 弊社サイトのSSL対応

現レンタルサーバーは引き続き最低限のプランで継続する予定です。
継続した上でレンタルサーバー内のプランでSSL化に対応するサーバーに移管する作業を行います。
WordPressの移転作業はすでに経験済みなので大丈夫でしょう。
1月中に必達でやってしまいます。
3月には非SSLサイトが軒並み遮断される見込みが高いので。

 売上額

2019年度の1.25倍を目指します。粗利は今年度の実績を維持します。

 事業計画

すでに正月の三が日に4月以降の第6期の経営計画は作成しました。(公開はしない予定です)
あとは五年後の中期計画を4月までに立てます。

 新規のkintone案件

新たに10本の受注・検収を目指します。
それによってサイボウズ社とのオフィシャルパートナー契約をさらに継続します。
あわせてkintone エバンジェリストとしても来期につなげる成果を示します。

 モバイルアプリ

MONACAを使った案件を一本受注・検収します。

 自治会・町内会・PTAなど地縁団体のIT化へ尽力する

昨年の冬になって成果が出始めました。
今年はさらに深くかかわっていきます。
年間で5団体の案件を納品したいと思っています。

 交流会への参加とそこでの受注率向上

昨年は技術系のイベントで生まれた交流からはほぼ受注がつながりました。
一方で他業種や経営者の交流会では全く受注につながりませんでした。
その原因もほぼ分かっているので、今年は他業種や経営者の交流会での受注を目指します

 そのほかのお客様案件

ここには詳しくは書きませんが、納期を守るよう最大限の努力を払います。

 技術者の雇用

3月までに4月以降の雇用を行うかを判断したいと思います。
昨年、サテライトオフィスを開設したことから、今年はパートナー企業との協業に向けてかなりの力を割こうと思っています。
なので、雇用については行わない可能性が高いです。

 kintone Café の実施

昨年は神奈川ではなくkintone Café 東京を二回主催しました。
今年もkintone Café 東京は多摩地区を拠点に開催しようと思っています。町田、府中あたりを念頭においています。
町田ではすでに候補をいくつか挙げていて、あとは実行するだけです。
kintone Café 神奈川は去年、準備を進めていましたが、とうとう実施できませんでした。
ですが、昨年、武蔵小杉、鎌倉で開催場所につながるご縁ができました。
人数は最低限でもよく、体裁は問いません。まずは実績を作ります。

 freee Open Guildの運営

今年から運営側で関わることになりました。
freee Open Guildは地方開催も含め、6回は行われると思います。
そのすべてに運営で関わることを目指します。
また、そこで生まれたご縁を生かし、freee案件を二本は納品にまでもっていきたいと考えています。

 英語の睡眠学習開始

昨年、早々に挫折してしまった英語学習に再チャレンジしようと思います。
まず、Devrel Conference Tokyoで英語漬けの一日を送る予定です。
そこでモチベーションを満たして勉強に振り向けようと思います。
海外のカンファレンスにいつ行くことになってもよいように。

 LinkedIn、Eightの活用

仕事関係のSNSはFacebook、Twitterの二本を軸とします。
Twitterについては、代表が書くこともあれば、中の人が書くこともあります。
Facebookは今と同じ頻度にし、主に自社、他社の記事をシェアするのに使います。
その他、LinkedInとEightにも弊社および代表の仕事上の活動報告をアップします。

 AWSの資格試験の合格

まずはクラウドプラクティショナーとソリューションアーキテクトアソシエイトの合格を目指します。

 関西大学東京経済人倶楽部の参加率を増やす

昨年早々に加入したこちらの倶楽部ですが、イベント参加は1度にとどまりました。
こちらへの参加頻度を増やします。具体的には年間で3回。

 当抱負のアラート表示

昨年は下半期の抱負をアップし忘れたので、この抱負が書きっぱなしにならぬようにします。
毎月末に通知やアラートで自分にリマインドを投げます。
なおかつ、毎月末に書くまとめでは、計画の進捗も含めて書きます。
また、下半期に入る前に、下半期用の抱負(実践版)を書きます。


2020年の抱負


新年明けましておめでとうございます。

大晦日にアップした投稿にも書きましたが、昨年度は皆さま、いろいろと有難うございました。
今年も引き続き、よろしくお願いいたします。昨年の流れをさらに加速し、なおかつ、あらわになった課題を解決する努力を惜しまず進みたいと思っております。

自分を追い込むためにも、自分という器の容積を広げるためにも、目標は高く持ちたいと考えております。

1.法人化6年目にあたって
 あ)総括・・
 5年目の決算は、前年度を上回ることができそうです。弊社の認知度が上がってきていることが実感できました。

 い)kintoneを軸にする・・
 ようやくkintoneが弊社の売上の軸になってきました。年間売上の7割がkintone案件から生まれています。昨年はそれまでは手がけたことのなかった大手企業様からのご依頼も増え、金額でも社会の認知でもkintoneが案件として認められるようになりました。kintoneの大きな案件に上流工程から参画することも増えてきました。
 そのためには弊社代表がkintoneエバンジェリストである点は打ち出させていただこうと思います。引き続きエバンジェリストとしての発信が求められるでしょう。そしてkintone単体ではなく、kintoneと他の言語やソリューションの組み合わせで新たな価値をお客様に提供する。その心意気が大切です。
 新たな分野に飛び込むことを自重した昨年ですが、いくつかの開発言語の新たな習得にチャレンジしました。ソリューションについてもさらなる勉強が求められることはもちろんです。
 ノンコーディングだけであらゆる業務をこなすことができるようになるには、二、三年の時間がかかるでしょう。それまではコーディングスキルをベースに、使えるところはためらわずにどんどんノンコーディングツールを提案していきたいと思います。
 そうあり続けるには、ブログによる発信や登壇はもちろん、イベントの主宰などを通じた弊社および代表の認知の拡大が重要だと思っています。お呼ばれいただければ各地のセミナーにも顔を出したいと思います。

 う)体制の変革・・
 そのためには弊社にとっての弱点を克服しなければ。一つは個人事業主時代から続く財務の脆弱さ、もう一つは経営と作業を代表が兼任している現状です。
 財務の脆弱さは昨年、いろいろと施策を打ちました。それが実を結ぶまでは、まだまだ時間が必要です。そうしたことに煩われずに業務に邁進できるよう、重くみて進めていきたいと思います。
 昨年、サテライトオフィスを開設し、技術者と対面で教えられる場所は確保しました。昨年、数人の技術者を面談しましたが、残念ながら雇用にはつながりませんでした。具体的に3月までに雇用するかを決めたいと思います。

 え)外注パートナー・・
 外注パートナーは昨年に引き続き、限られた企業様と続けていくつもりです。数年前、むやみにパートナーを増やし、自由意思に任せた失敗は繰り返しません。
 サテライトオフィスをパートナー企業様と共有している環境をどう活用するか。どれだけの外注費を支払い、そのためにはお客様にはどれだけの売上が必要か。お客様と弊社、弊社内、そして弊社とパートナー。その間で工数をかけず、なおかつ確実に仕様情報を伝達する。
 クラウドサービスを活用し、飛び回る代表の私が技術者に対して要件やスキルをどうやって円滑に伝えるか。そのためのドキュメントツールやコミュニケーションツールは引き続き模索していかなければ。この工夫に時間を掛けるつもりです。

 お)自治会との関わり・・
 自治会やPTAなど非営利活動の団体様からのご要望は積極的にご協力したいと考えています。昨年末にもPTA様、自治会様からご相談をいただきました。そうした地域活動のお手伝いを行う上でとてもよいご縁をいただきました。
 今年も登壇による認知度拡大を図っていくつもりです。「自治会 IT」で検索すると代表がトップに登場する。そんなアドバンテージは得ようにも得られません。今のうちに自治会の業務は形にしたいと考えています。
 その結果が各地の訪問につながれば良いと思います。代表の個人的なライフワークである地方訪問と地方創生への何らかの貢献へと。

 か)事業計画・・
 もう一つやるべきこと。それは経営の軸がぶれないような事業計画の策定です。
 この三年で、弊社が目指すべき方向性がかなり定まってきました。それはこの先の日本が直面する大きな課題にも関わっています。具体的には地方創生、少子高齢化、一極集中の弊害です。その中でPTAや自治会などの地縁団体様のIT化が喫緊の課題であり、弊社にはそれができるノウハウが溜まってきています。これを軸に据えていこうと思っています。
 いよいよ2020年です。かねてから言っていた、2020年が過ぎればシステム案件は減っていくとの予測はおそらくエンタープライズ開発の現場で顕著に実現するでしょう。つまり技術者が大量に余るのです。それを見据えた計画が求められます。
 具体的には今年の売上額は、2019年度の1.25倍を目指します。事業計画は3月までに今年分を、4月までには5年後の計画が書かれたものを作りたいと思います。これは確実に履行するために、太字にしました。
 新規のkintone案件は10本受注することを目指します。そのためにはkintoneの案件で実績を作り、それをブログなどでアピールするしかないでしょう。ここ三年であちこちにまいた種が育っています。これらを実のある実績にすることが今年前半のミッションだと思っています。実績を作って行けば、自然と年末のkintone Advent Calendarや登壇の場でご披露できるネタはたまるはずなので。

 き)主催するイベント・・
 昨年は8回の登壇と2回の主宰イベントを行いました。多数の人を巻き込む発信力は、代表にまだまだ足りない課題だと思っています。引き続き、身に着けていきたいです。

2.話す技術、書く技術、システムの技術
 あ)話す技術、書く技術・・
 昨年に引き続き、この2つは精進しなければと思っています。去年、書くほうは量的には残念な結果に終わりました。書くための時間が取れない分を、音声認識でしゃべって補おうと思ったのですが。
 書くほうは、昨年、二人の著者の方から著書うけとりました。私も出版という形で私の人生の一部でも形に残したいと思っています。
 今年の読読ブログは100本アップすることを目標とします。また、技術Blogは去年の二倍の量を目指します。
 弊社代表が独立して法人を立ち上げるまでを描く「アクアビット航海記」も月2本の連載を行います。

 い)システムの技術・・
 システムの技術ですが、AWSの中身についてさらに勉強を行うつもりです。2つは資格を取りたいと思います。
 また、kintoneのエキスパート試験があらたに設置されると聞いています。これも受かりたいですね。苦労するでしょうが。

 う)弊社サイトの刷新・・
 それにあたって弊社サイトのhttps化は必須です。もう、これは一刻の猶予もありません。1月にhttps化を行う予定です。

 え)リモートワーク・・
 一昨年知り合った弁護士の方は海外をあちこち訪問しながら仕事をこなし、成果を上げています。弁護士の業務と同じレベルを開発で行うのは難しい。それは分かっていますが、少しでも近づきたいと思っています。
 昨年はワーケーションも試し、実践できるだけの目途がたちました。
 今年は各地でワーケーションを実施し、個人としての思いと仕事の両立をさらに図っていきたいと思います。

3.ブログ
 あ)全体・・
 昨年に続いてInstagram、Facebook(法人/個人)、Twitter(法人/個人)の使い分けを行います。
 SNSについては、一昨年末にライフログについての考えをまとめました。今年も引き続きSNSは発信のみを中心にし、多分、SNS巡回作業には時間を割かないと思います。
 書評、劇評、映画評、時評や旅行紀、技術ブログは2019年並みの量を維持します。それと同時に、技術的な記事はもう少し増やしたいです。昨年に引き続いて、私にしか書けないブログにしていきたいと思っています。ブログのスタンスは昨年と変わりません。実名で責任から逃げない。押し付けにならぬよう私から友だち申請をしない。仕事もプライベートも三六〇度カバーする。これらを成し遂げつつ、質を落とさずに仕事でも成果を上げる。それはかなりの難関です。どこまで生産性を上げられるかにかかっています。

4.体力と魅力増強
 あ)滝と山・・
 痛めた腰は、だいぶ良くなってきました。今年も山や滝めぐりはしたいと思っています。日本の滝百選に選ばれた滝は8カ所を目指します。具体的には、去年この抱負で挙げた滝はどこも行けなかったので引き続き。ニッカ宮城峡蒸留所に行きたいので、秋保大滝と三階の滝を。岡山蒸留所に行きたいので、神庭の滝を。尾瀬に行って三条の滝を。維新152年の山口を旅したいので寂地峡五竜の滝を。阿波の土柱をみに行きたいので雨乞の滝と大釜の滝を。下北山村に再訪したいので中の滝や双門の滝、七ツ釜滝を。それと娘たちから家族で長野のカムループスさんに伺いたいとのリクエストをもらっており、近くの惣滝を。他はどこか一カ所、九州の滝には行きたいですね。それと、昨年は至仏山を登りました。今年もどこか一峰は登りたいです。燧ケ岳とかいいですね。

 い)訪問・・
 海外は一カ所、国内は12都道府県の訪問を目指します。私の人生で日本の滝百選、近畿/関東/中部/東北の駅百選、名水百選、日本100名城、続日本100名城のコンプリートは最低限の目標です。それらが実現できるよう、引き続き旅に旅を重ねていきます。

私は、まとめについてはほとんど読み返しませんが、自分の目標は何度も読み返しています。これを黙読だけでなく、音読することで一層実現に近づけたいと思います。

引き続き本年度もよろしくお願いいたします。


kintone Café 広島 vol.12 @福山に登壇しました


3月1日に開催されたこちらのイベントに弊社代表である私長井が参加し、登壇して参りました。

昨年秋のkintone Café Japanの懇親会で結ばれた今回のご縁。今年に入ってから示されたCaféのお題は「小さい組織でのkintone活用術!」だとか。
https://kintone-cafe-hiroshima.connpass.com/event/119652/

であらば、私が話すべきテーマは自治会しかあるまい、と思いました。昨年六月、サイボウズ社においてチーム応援ライセンスの記念セミナーに登壇しました。その際に取り上げた主な話題はCybozu LiveからCybozu Officeへの移行。kintoneにはわずかしか触れられませんでした。ところが、自治会業務にとってkintoneは欠かせないサービスなのです。ならば、今回のkintone Café 広島は私が思い描くテーマを深める良い機会となるはず。

今回、参加者の中にはkintoneを触った事のない方もいらっしゃるとか。であるなら、私は技術に深入りすまい。kintoneを導入するにあたっての前提だけを語ろうと思いました。自治会の業務は、他の小さい組織のモデルケースにもなるだろうし。技術的な観点や実際のkintoneの使用デモは、他の登壇者久米さん、山川さんが触れてくれるはず、との期待をこめて。

そんな思いで資料をまとめ始めたものの語るべきことは多い。チーム応援ライセンスの概要にも触れておきたい。そして私に与えられた時間は二十分。なのにスライドの枚数はどんどん増えてゆき、ついには六十枚を突破。

福山駅から久米さん夫妻とタクシーに乗り、会場である猪原歯科さんについたのは開演15分前。入るなり、中の洗練された様子に感嘆することしきり。私の妻も歯科診療所を経営しているのですが、規模が違いすぎます。副院長である猪原健先生が自らご案内してくださるという光栄にも恵まれまして、私たちは数名で院内を見学させていただきました。ただただ感嘆しながら。

うちの妻の歯科診療室はユニット一台。妻が受付と医師も兼ねています。ところが猪原歯科さんはパーティションで区切られた四つのユニットと三つの個室診療室を擁しています。さらには内科診療室や言語療法室なども備わっており、そのすべてが駐車場から完全バリアフリーというのがすごい。入り口の待合室のソファーも素晴らしいし、何よりもオープンキッチンの存在が異彩を放っています。このオープンキッチンは「摂食・嚥下リハビリ中の患者様・ご家族様に対して、嚥下食や高カロリー食の調理方法等をレクチャーするキッチン設備」と謳われています。私は今までも妻の関係からあちこちの歯科医院に訪れましたが、オープンキッチンが備わった歯科診療所は初めてみました。さらに、最新型のデジタル印象採得からセラミックの最終修復物まで作り上げてしまうという優れモノの機械が鎮座し、私はただただ感嘆の言葉しか出ません。歯科技工士さんも院内で常駐されており、猪原歯科さんが院内の管理にkintoneを活用されている理由がわかった気がします。

猪原歯科さんは1946年に設立してから70年以上の歴史を持っているとのこと(サイト)。妻の実家の歯医者も借地にさえしていなければ60年の歴史は誇れていただろうに。とその解体を見守った私に、複雑な思いが去来しました。

さて、kintone Café 広島 vol.12の開催です。安藤さんの司会によって始まり、トップバッターは私。安藤さんが今回の参加者の皆様にkintoneの認知度を伺ってくださったところ、技術面で深入りしないほうがよい、との判断は当たったようでした。ところが、しゃべっているうちに話し始めた時間を忘れてしまい、なんとか60枚近くのスライドを語ったものの、時間を超過するという凡ミス。冒頭のアンケートでkintoneをほぼ使ったことのない方が多かったため、予定していなかったアプリのデモにまで話を広げたのはやりすぎでした。

まあ、笑ってもらいたいところで受けがとれたのは自分の中で認めてもよいかも。あと、昨年のチーム応援ライセンスの記念セミナーで登壇した際も思ったのですが、自治会というネタは刺さる人とそうでない人に分かれます。今回は数人の方が熱心にうなづいてくださっていました。ただ、そうでない方は反応が薄い。私の反省点として、自治会という対象は中小企業にも通ずる、という論点をもう少し強調するべきでした。
https://slides.com/yoshikazunagai/kintonecafe_hiroshima_vol12/fullscreen

私の後に登壇してくださったのは福岡からご参加の久米さん。スペースの使い方、というテーマで、マルチアカウントを操りながらのコメントや通知のやりとりの実例を披露していただきました。コミュニケーションこそが重要との私の主張を深めてもらい、皆さまもよりご理解が進んだのではないかと。私自身、今後の登壇では一人で全部こなす可能性もあります。そのためにもマルチアカウントを駆使したデモは習得しないと。
https://www.slideshare.net/jkume/20190301-kintone-caf-hiroshimavol12

さらに続いては岡山からご参加の山川さんによるウェブ連携のデモ。kintoneの内容をwordpressなどのCMSに表示させる実例をシンプルな例で説明してくださいました。実はデータベースだけの導入でもkintoneは業務改善に大きな効果を発揮します。それがシンプルな実例として見られたのは良かった。私も実装経験はあり、記事にも書いた事があります。サイト内のカタログが簡単に修正できるデモは、参考になりました。
https://www.slideshare.net/secret/9hlG9PwUCFI2cM

私が伸ばしてしまった時間を後のお二人がきっちり時間内に収めたのはさすが。とっても感謝です。

最後に質疑応答の時間では、私が触れたポータルのカスタマイズなどにご質問を頂戴しました。ポータルの整備こそ、リテラシーの壁を越えてkintoneを広めるための要点という私の見込みに自信が持てました。
https://www.kintonecafe.com/activities/4327!

夜の懇親会では、広島といえば海の幸、という事で楽しい会話においしい料理とお酒に癒やされました。kintone Caféの懇親会は毎回、楽しみなのです。

ご参加の皆様、運営の皆様、猪原歯科の皆様、誠にありがとうございました!


2019年の抱負


新年明けましておめでとうございます。

大晦日にアップした投稿にも書きましたが、昨年度は皆さま、いろいろと有難うございました。
今年も引き続き、よろしくお願いいたします。昨年の流れをさらに加速し、なおかつ、あらわになった課題を解決する努力を惜しまず進みたいと思っております。

今までは新年の抱負を胸の中で徐々に温め、個人的な抱負は家族のみに披露していました。ですが、昨年からこの場で具体的に書いてしまおうと思います。自分を追い込むためにも、自分という器の容積を広げるためにも、目標は高く持ちたいと考えております。

1.法人化5年目にあたって
 あ)総括・・
 4年目の決算は、前年度を上回ることができそうです。その中にはSES業務が含まれていますが、それを除いても平年と変わらぬ額を確保できそうです。

 い)SES業務はなるべく請けない・・
 SES業務に頼るのは経営上よろしくありません。SES業務がはらむ問題は昨年末にアップしたまとめにも書きました。自社の要員をSES業務の要員に派遣するならまだしも、弊社の場合は自社の要員がおりません。つまりSESで得た業務のノウハウが弊社にたまりません。それはSES業務が「人貸し業務」と揶揄されるゆえんでもあります。かといって弊社代表がSES業務の現場に入る訳にもいきません。代表は他の業務にも目を配らねばなりません。管理する時間も削られます。そもそも、代表自身の単価がSESの一般的な相場単価では賄えません。代表の技術についてはそうした評価もいただくようになりました。

 う) SES業務に頼らない・・
 SES業務に頼らない場合、業務の軸として考えられるのは業務請負か自社サービスの展開です。前者はお客様から業務を請け負い、弊社リソースで足りない部分は外注する形態です。その際、外注費はなるべく下げねばなりません。そして外注費比率を下げつつ、同時に外注パートナーの労力に見合った外注費を支払うことが肝要です。そうするには売上の単価を上げるしかありません。今まで弊社代表が個人事業主として独立してから犯しつづけていた過ち。それは、単価を低く設定しすぎたことです。ユーザー側からIT業界に入ったため、ユーザー側の立場での単価設定を心掛けていました。ですが、それは継続したサービスの提供を行う上で逆効果だったようです。

 え)kintoneを軸にする・・
 粗利率をあげるため、弊社代表が関わる作業はなるべくなじみのスキルで賄えるようにしました。今年もその路線を突き詰めていこうと思います。kintoneは大手会社でも開発基盤に採用されつつあります。そこからも多数の案件を請けられるようになってきました。弊社の今後の軸になり得るソリューションだと思います。そのためには弊社代表がkintoneエバンジェリストである点は活用するのが吉です。もちろん、引き続きエバンジェリストとしての発信が求められるでしょう。そしてkintone単体ではなく、kintoneと他の言語やソリューションの組み合わせで新たな価値をお客様に提供する。その心意気が大切です。新たな分野に飛び込むことを自重した昨年ですが、いくつかの開発言語の新たな習得にチャレンジしました。ソリューションについてもさらなる勉強が求められることはもちろんです。業務効率の追求と新たな勉強を両立する。そしてコーディングだけではなく設計からの上流工程にも絡めるような一年でありたいと思います。そうあり続けるには、ブログによる発信や登壇はもちろん、イベントの主宰などを通じた弊社および代表の認知の拡大が重要だと思っています。お呼ばれいただければ各地のセミナーにも顔を出したいと思います。

 お)体制の変革・・
 そのためには弊社にとっての弱点を克服しなければ。一つは個人事業主時代から続く財務の脆弱さ、もう一つは経営と作業を代表が兼任している現状です。それらを克服するため、今年は4月に二つの変革を行うつもりです。一つは出先の事務所を増やすこと。本拠は変えませんが、出先の事務所を設けます。出先の事務所には常駐しませんが、打ち合わせに活用します。これはすでに場所もほぼ確定しています。これによって家庭と事務所の分離を促進します。もう一つは人の雇用です。昨年末、お世話になっている会社様の忘年会に呼ばれました。弊社と同時期に法人化したのに、すでに5名の優秀な技術者を雇用し、売上を拡大しています。とても刺激を受けました。弊社も昨年末、とあるご縁から技術者の面談を行いました。その方とどういう形で仕事をしていくのかは年明けから決めていきますが、技術者さんの希望に寄り添いながら慎重に決めていこうと思います。

 か)外注パートナー・・
 外注パートナーは昨年に引き続き、限られた企業様と続けていくつもりです。おととし、むやみにパートナーを増やし、自由意思に任せた失敗は繰り返しません。お客様と弊社、弊社内、そして弊社とパートナー。その間で工数をかけず、なおかつ確実に仕様情報を伝達する。どうやればあちこち飛び回る代表の時間を割いてスキルが円滑に伝達できるのか。どうやればお客様の業務要件を開発に落とし込めるのか。そのためのドキュメントツールやコミュニケーションツールは引き続き模索していかなければ。この工夫に時間を掛けるつもりです。

 き)自治会との関わり・・
 弊社が関わる業務に制限は設けないつもりですが、自治会関係の案件は積極的に取っていこうと思っています。コーディングや設計にも携わりますが、主には登壇による認知度拡大を図っていくつもりです。「自治会 IT」で検索すると代表がトップに登場する。そんなアドバンテージは得ようにも得られません。今のうちに自治会の業務は形にしたいと考えています。その結果が各地の訪問につながれば良いと思います。代表の個人的なライフワークである地方訪問と地方創生への何らかの貢献へと。

 く)事業計画・・
 もう一つやるべきこと。それは経営の軸がぶれないような事業計画の策定です。その方法はこの二年でヒントをいただきました。2020年はすぐにやってきます。そして2020年が過ぎればシステム案件は減っていくでしょう。それを見据えた計画が求められます。具体的には今年の売上額は、2018年度の1.25倍を目指します。事業計画は3月までに今年分を、4月までには5年後の計画が書かれたものを作りたいと思います。あと、新規のkintone案件を8本受注することを目指します。そのためにはkintoneの案件で実績を作り、それをブログなどでアピールするしかないでしょう。実は一昨年、昨年とあちこちにまいた種が育っています。これらを実のある実績にすることが今年前半のミッションだと思っています。実績を作って行けば、自然と年末のkintone Advent Calendarや登壇の場でご披露できるネタはたまるはずなので。

 け)主催するイベント・・
 昨年の反省の一つとして、主催イベントが公私ともにゼロだったことが挙げられます。これは今年最低限解消しないと。最低でも三回は行うつもりです。多数の人を巻き込む発信力は代表に足りない課題なので身に着けていきたいです。

2.話す技術、書く技術、システムの技術
 あ)話す技術、書く技術・・
 昨年に引き続き、この2つは精進しなければと思っています。去年、書くほうは量的には目標を達成できました。しゃべる方も自信がつきました。今年は主宰イベントもからめ、しゃべる機会を増やしたいと思っています。代表の脳の回路の癖ですが、話さないとすぐにスキルが衰えてしまいます。ただ、書くほうもそろそろ目に見える成果として世に問いたいと思っています。今年も読読ブログは100本アップすることを目標とします。また、技術Blogは去年の二倍の量を目指します。弊社代表が独立して法人を立ち上げるまでを描く「アクアビット航海記」が案外読まれています。続きを望まれることさえもあります。発表媒体がないのは言い訳に過ぎません。まずは、今まで連載していたメディアの担当者に弊社内での転載の許可を得、続きを弊社内サイトで書いていくことも考えています。

 い)システムの技術・・
 システムの技術ですが、言語はGoを。さらに、AWSの中身についてさらに勉強を行うつもりです。AWS Loft Tokyoという格好の場ができたことですし。また、MONACAを活用したモバイルアプリを一本、形にしたいです。

 う)弊社サイトの刷新・・
 それにあたって弊社サイトのhttps化は必須です。松の内が明けてすぐ、弊社サイトを載せているレンタルサーバーの更改が迫っています。当面は今のレンタルサーバー上で動かしますが、それだとhttps化ができません。なのでなるべく早いタイミングでkusanagiを使い、AWS上に乗せ換える予定です。

 え)リモートワーク・・
 昨年知り合った弁護士の方は海外をあちこち訪問しながら仕事をこなし、成果を上げています。弁護士の業務と同じレベルを開発で行うのは難しい。それは分かっていますが、少しでも近づきたいと思っています。リモートワークしながら開発するスキルと設備を増強する予定です。

3.ブログ
 あ)全体・・
 昨年に続いてInstagram、Facebook(法人/個人)、Twitter(法人/個人)の使い分けを行います。それに関して昨年末にライフログについての考えをまとめました。今年も引き続きSNSは発信のみを中心に、あまりSNS巡回作業には時間を使わずに運用する予定です。また、ライフログでいうと、Google Mapへの投稿でGoogle本社のイベントに招待されました。昨年は英語動画がアップできず、Google本社には行けませんでしたが、今年は逃さぬようにしたいです。
 書評、劇評、映画評、時評や旅行紀、技術ブログは2018年並みの量を維持します。それと同時に、技術的な記事はもう少し増やしたいです。昨年に引き続いて、私にしか書けないブログにしていきたいと思っています。ブログのスタンスは昨年と変わりません。実名で責任から逃げないもの。また、押し付けにならぬよう私から友だち申請をしないことも同じです。これらを成し遂げつつ、質を落とさずに仕事でも成果を上げる。それはかなりの難関です。どこまで生産性を上げられるかにかかっています。

 い)音声入力・・
 すでに書くスピードをこれ以上上げるのは難しい。今の自分に無駄な時間はまだあります。どうやって無駄な時間をインプットの時間として活用するか。引き続きそのための情報収集をするつもりです。公共の場でスマホにしゃべりかけず、なおかつ正常にインプットできる方法を求めて。

5.体力と魅力増強
 あ)滝と山・・
 昨年の春に痛めた腰は、結局一年近く治らないままです。今年も山や滝めぐりはしたいと思っています。日本の滝百選に選ばれた滝は8カ所を目指します。具体的には、去年この抱負で挙げた滝はどこも行けなかったので引き続き。ニッカ宮城峡蒸留所に行きたいので、秋保大滝と三階の滝を。岡山蒸留所に行きたいので、神庭の滝を。維新151年の山口を旅したいので寂地峡五竜の滝を。阿波の土柱をみに行きたいので雨乞の滝と大釜の滝を。JR三江線が3/31で廃止になったので常清の滝を。それと娘たちから家族で長野のカムループスさんに伺いたいとのリクエストをもらっており、近くの惣滝を。他はどこか一カ所、九州の滝には行きたいですね。無理そうなら阿寺の七滝か養老の滝、または霧降の滝、常布の滝か早戸大滝のどれかを。それと、ここ二年、日本百名山に一峰も登れていません。どこか一峰は登りたいです。そのためにはまず腰を直さないと。

 い)訪問・・
 海外は一か所、国内は12都道府県の訪問を目指します。私の人生で日本の滝百選、近畿/関東/中部/東北の駅百選、名水百選、日本100名城、続日本100名城のコンプリートは最低限の目標です。それらが実現できるよう、引き続き旅に旅を重ねていきます。

私は、まとめについてはほとんど読み返しませんが、自分の目標は何度も読み返しています。これを黙読だけでなく、音読することで一層実現に近づけたいと思います。

引き続き本年度もよろしくお願いいたします。


チーム応援ライセンス開始記念セミナーに登壇しました


5月16日にサイボウズ社27階で開かれた
「チーム応援ライセンス開始記念セミナー」(https://npo.cybozu.co.jp/blog/post/53/)
に弊社代表が登壇者として参加させて頂きました。

今回は、どちらかといえば自治会の元総務部長としての肩書きが主です。

直前に開かれた自治会の役員会で自治会名の実名を出すことが否決されました。
なので、実際の活用事例を写真や具体例で示しませんでした。
そのかわり、サイボウズLiveをサイボウズOfficeに切り替えるにあたり、
どういういきさつで選考を行い、どういう基準で採用したかの観点でお話ししました。
また、予算の限られた任意団体において、どれだけチーム応援ライセンスが重要かということも。

もちろん、最後にはkintoneエバンジェリストとして、
kintoneが自治会や他の組織にこれだけ効きますよ、ということも交え。
スライドはこちら(https://slides.com/yoshikazunagai/for_residents_association)

私は話し終わった後には、隣に座っていた方からお褒めの言葉も頂き、
懇親会でも様々な方からご挨拶や好意的な反応も戴きました。
サイボウズOfficeとkintoneのどちらを採用すればよいか、
との質問も数名の方から頂きました。
また、参加されていた当の自治会の方からも好意的なコメントを頂きました。

逆に反省点もあります。

・スライドに一切具体例を出せず、聞き手の皆様に抽象的な印象を与えたかもしれないこと。
・話の途中で質問してみたところ、自治会の役員経験者が聞き手の1割もいらっしゃらず、
 自治会を経験していない方には、私の話の意図が伝わらなかった可能性があること。
・質問の時間を取れなかったこと。
・kintoneを勧めておきながら、アプリのデモの時間をとらなかったこと。

実際、サイボウズ社より聞き手の皆様から頂いたアンケート結果(個人情報は省いたもの)を見せて頂きましたが、
反応がわかれています。
他の講演者より私の講演に高評価をつけて下さったかたもいれば、逆の評価をした方もいました。
サイボウズLiveの代替をOfficeにする決意がついたと仰って下さった方もいましたし、
懇親会でもそのような評価も頂きました。

そこも含め、どうすればうまく伝えられるか、私の方でも自治会や町内会、任意団体の方々に提案を行う上で、
とてもよい勉強になりました。

最後になりますが、ご出席くださったかた、サイボウズ社のみなさま、ありがとうございました。


命を守る東京都立川市の自治会


数年前に、地元自治会の総務部長を務めたことがある。総務部長の仕事はなかなかに面白く、やり甲斐があったことを思い出す。とはいえ大変な仕事でもあった。日が替わってから仕事を終えて帰宅した後、深夜に一人で四十数軒をポスティングして回ったこともあった。職場の状況がきつきつで連日帰宅が深夜になっていた中、よくも一年自治会の仕事をやり遂げたと今更ながらに思う。貴重な経験をさせて頂いたし、自分の人生にとって非常に大きな経験だったと思っている。当時の役員の皆様や支えて頂いた自治会員の方々にはとても感謝している。

一年間の活動を通じて得たことは他にもあった。それは、自治会の存在意義が単なる住民互助会ではない、との知見だ。それは、一住民として自治会に加入しているだけでは決して理解できなかったと思う。自治体によって温度差はあるが、今の日本の自治会は良くも悪くも行政の末端組織として機能している。小さな政府の必要性が叫ばれ行政のスリム化が一層求められている今、自治体の重要性は無視できない。行政の末端組織として実質機能しながら建前上では行政の管轄外である自治会は、却ってそれ故に行政にとっても住民にとっても不可欠との知見。この視点を疎かにしたまま、時代の流れに任せて自治会を衰退させていくことは、今後の日本にとって良くないと思うに至った。

むろん上に書いたような知見は、私が一年の任期を終えた後に考えたことである。任期中は無我夢中のまま、あっという間に過ぎ去ったというのが正直なところだ。一年間、私なりに出来うる範囲で全力を出して自治会活動にあたり、悔いはない。悔いは無いが、本書を読むとまだまだやるべきことや次代に引き継ぐべきことが多々あったことに気付かされ、忸怩たる思いでいる。

本書の著者は、東京都立川市の大山団地にある大山自治会の会長である。その活動において、大山自治会または著者は様々な表彰を受けている。そればかりか、本書という形で書籍出版まで成し遂げている。

大山自治会の何がそんなに凄いのか。その答えは本書の中で縷々に述べられている。それは、総務を経験した私から見ても感心するレベルだ。

例えば加入率。本書によると大山団地は1300世帯が入居しているが、大山自治会への加入率は百%なのだとか。これは信じられない数字である。もっともこれには理由がある。大山団地への入居時に自治会加入を義務化しているからだそうだ。しかし、加入率だけでなく、会費納入率も百%なのだとか。私が総務を担当していた自治会は、大山自治会の半分ほどの世帯数である。しかし、私の在任時でも未加入世帯が3~4%はあったように記憶している。

さらに凄いのは役員会の出席率。これも百%だという。私の在任中、月一回の役員定例会を催していた。私の記憶では、百%の出席率を達成した役員会は1回あったかなかったか。そもそも私自身が毎月の定例会に出席することすら、家族からの不平不満にさらされていた。なので、大山自治会の役員全員が皆勤であることの凄さがなおさら実感できる。

また、大山自治会は孤独死がゼロだという。孤独死は痛ましいことだが、今の日本では起こりうることだ。実際、私の在任中にもお一人孤独死された方がいらっしゃった。お亡くなりになられてから十日余り寂しい想いをさせてしまったのだ。役員会でもお年を召された方に対し、責任感を持った民生委員さんと協力体制を取っていたが、それでも孤独死は防げなかった。大山自治会が孤独死ゼロということが本当であれば、様々な表彰も納得であり、活動内容が本書として書籍化されるだけのことはあると思う。

もちろん、上に挙げた数字は自治会の加入世帯の構成によって変動する。そのことは承知の上だ。役員出席率が百%の件にしても、役員が全員子育てを済ませた引退世代であれば、それもたやすいだろう。また、本書の著者は平日の日中に自治会の活動にかなりの時間を掛けても、支障のない境遇にあるようだ。それだからこそ、これだけの成果を挙げられたともいえる。私自身、総務部長としての在任中は平日の日中の対応は精々メールの返信がいいところだった。その点を含めて、最も精力的に動くことの出来る人々が自治会に時間を割けない自治会の在り方は、深く考えねばならないだろう。

また、大山自治会が成果を上げた理由として大きいと思うのがもう一つある。それは著者を会長として、同一体制の下、長期にわたって同一方針で運営できたことである。私が総務を担当して思ったのが、一年で成果を出し尽すのは困難ということ。本来ならば私も引き続き総務部長の任務を遂行し、定着させるべきだったのだろう。しかし連日帰宅が深夜に及ぶ状態で2年連続の総務部長に就くのは体力的にも時間的にも限界だったし、家族の不満も限界まで溜まっていた。また、そもそも私の自治会は、私が就任する数年前にとある事情があって長期政権がタブーになった経緯があった。そのために一年毎に全役員交替の慣習が続いていた。しかしそれらの事情を差し置いても、一年交代ではなかなか自治会の活動を継続的に発展させ続けることは難しいだろう。

ただ、私の場合は幸いにして私の次々代の総務部長がIT化を促進して頂き、その縁もあって私も再び自治会にIT業者として関わらせて頂くことになった。私は職業柄、自治会の運営改善の即効薬として、IT化による効率化を推進した。しかし本書で取り上げられる大山自治会ではほとんどIT化は進めていないらしい。では、どうやって日々の運用を行っているのか。それは専属の常勤事務職員の雇用を行っているからだという。

結局のところ、善意のボランティアだけで自治会活動を継続させることは、かなりの労力がかかる。それは私の経験からも深く実感している。大山自治会のように常勤事務員を雇うか、IT化の推進以外の道を見つけない限り、自治会の役割は蔑ろにされていく一方だと危惧している。

しかし今の日本に元気がないとすれば、それは地域の衰退も理由の一つにあると思う。地域の交流が衰えるとひいては日本も衰える。それを挽回するには地域の、自治会の力は必要ではないだろうか。

私はまだ、自治会をIT化で活性化せるという事業目標は捨ててはいない。クラウドが普及し、IT化が安価になりつつある今はチャンスである。自治会をITで元気にする。これは私の当面の課題でもある。

‘2015/3/28-2015/3/28