イチロー選手の記録達成の話題で世間は盛り上がっていますね。私も毎日スポーツ記事をわくわくしながら見ています。根詰めて作業に没頭しているここ数日はニュースを見ることが一瞬の息抜きといいますか。

イチロー選手の偉大さは今さら書くまでもありません。私もイチロー選手も1973年生まれ。42歳と云えばプロ野球では引退しない方が珍しいぐらい。サラリーマンでも現場から管理職へと配置される年齢です。ですが、彼は生涯一選手として少なくとも50才まで現場でやると公言しています。その姿勢は、私にとって励みになります。励みどころか、私にとって同世代で尊敬できる人といえばまずイチロー選手の名前が上がります。今まで成果を積み上げてきた彼の姿にどれだけ鼓舞されたことか。

さて、これを書いている2016/6/15現在、イチロー選手が日米両国で積み上げたヒットの数は4255本。あのピート・ローズ氏がメジャーリーグで成し遂げた4256本まであと一本と迫っています。そしてその記録をもって通算安打数世界一と見なすかどうかについて、日米であれこれ取り沙汰されています。ピート・ローズ氏もあれこれと意見を述べているようですね。

私の意見としては、4256本の達成よりも3000本の達成を祝うべきだと思っています。3000本というのはメジャーリーグでイチロー選手が打つはずの安打数。今現在、2977安打ですから、あと23本です。私としてはメジャーリーグのみでイチロー選手が成し遂げた3000本安打の達成こそが真に評価されるべき指標なのだと思っています。

日米両国で積み上げたイチロー選手の偉業については誰も異議を挟みますまい。でも、それは参考記録として留めておくべきです。歴代一位というのは文字通り歴代の記録です。かつてとルールが違った時代、例えば19世紀の記録も含んでいます。ルールが違っていても歴代記録として含めて良いのなら、他の国のリーグでの記録も合算してよいのではないかという意見もあるでしょう。でも、歴代記録として認められるのはルールが違う時期を含んでいても、やはりメジャーリーグで成し遂げた記録に限定されるのです。

http://mlb.mlb.comを見れば分かりますが、あのサイトにはありとあらゆる選手の記録が網羅されています。年毎の記録や通算記録すらも。その記録は1876年まで遡って掲載されています。1876年といえば、日本で言うと明治8年。散切り頭や文明開化の時代です。そんな昔から、記録が残っているって凄いと思いませんか。つまりアメリカ人とは記録についてのこだわりも強い一方、記録に対する尊敬の念も人一倍払う国なのです。

アメリカの四大スポーツといえばNFL(アメリカンフットボール)、NHL(アイスホッケー)、NBA(バスケットボール)に加えてMLB(ベースボール)を指すのが一般的です。それらスポーツに共通するのは記録することの執念です。

NFL:http://www.nfljapan.com/stats/
NHL:http://www.nhl.com/stats/
NBA:http://stats.nba.com/
MLB:http://mlb.mlb.com/stats/

上に挙げたのは四大スポーツのサイトに設けられた成績のページです。これらページを見るとわかりますが、とにかくあらゆる角度からチームごと、選手ごと、年ごと、月ごとに成績が網羅されています。それがアメリカ流です。

MLBでいうと、その記録は上にも書いた通り1876年まで遡って参照することができます。1876年というのはメジャーリーグの二つあるリーグのうちナショナルリーグの設立された年です。ストライクに対するアンフェアボールのルールが出来たのは1872年で、それからまだ4年しかたっていません。アンフェアボールというのは、打者に打ちやすい球を投げることが前提であった当時の野球ルールから発生したルールです。つまり当時は圧倒的に打者有利のルールになっていたということです。でも、MLBのサイトにはその時代の記録がきちんと残されています。残されているだけでなく、歴代記録としてカウントまでされています。普通はそういった打者有利のルールの下での記録は参考扱いになってもおかしくありません。でも、メジャーリーグの公式記録として採録されています。

メジャーリーグにあって、記録というのはかくも神聖なものです。そこまで記録に対して敬意を払うアメリカのメジャーリーグに対して、日米両国の合算を世界一として認めてもらうのは出来ない相談です。これはお互いのレベルがどうとかいう以前に、記録に対する文化の違いだと思います。

イチロー選手が4256本を打ったとしても、それは多分王選手の868本の本塁打と同じような参考記録扱いとなるのではないでしょうか。でもそれでいいと思います。それによってその偉業が損なわれる訳ではないのですから。当時王選手が参考記録ながら追い抜いたのはハンク・アーロン選手の755本でした。ですが、今でも王・アーロン両選手は野球大会の開催などで協力しあう関係と聞きます。つまりお互いがお互いの記録を尊重しているのです。お互いの力を認め合った選手同士にとって、記録が参考かどうかは二の次なのでしょう。4257本をイチロー選手が打ったとしてもそれがアメリカの中で世界一の記録として認識されることは多分ないでしょう。でも、それによってイチロー選手の偉業が損なわれるわけではありません。なぜなら、イチロー選手はメジャーリーグだけで3000本を打つはずだから。3000本安打というのは、限られた選手しか到達していない高みです。メジャーリーグの140の歴史でもまだ達成者は30人弱しかいません。

繰り返しますと、メジャーリーグは記録を重んずる文化です。どこの国の選手だろうが、女性だろうが、性転換をしようが、片足が義足だろうが、メジャーリーグの中で成し遂げた記録であれば、メジャーリーグの記録として尊重される。とすれば、イチロー選手の3000本安打こそは、メジャーリーグの中で積み上げた偉業として、正当に評価され尊重される記録となることでしょう。

4256本も素晴らしいことですし、楽しみにしたいと思います。が、それは一つの通過点。それよりもあと23本に迫った3000本を楽しみにしようではありませんか。そしてその後も50歳まで生涯一選手として活躍してくれるよう応援したいと思います。かつてシアトルにイチロー選手を応援に行く機会が間近にあったのですが、それを逸してしまっています。私にとってイチロー選手を見に行くことは念願といっても良いです。アメリカに行ったら行きたい場所は多数ありますが、イチロー選手の活躍を目にすることと、クーパーズタウンの野球殿堂博物館には何を差し置いても行きたいと思っています。それを支えに私も同世代として頑張りたいと思います。少なくとも50歳までは。

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これは昨日うちのワンちゃんと散歩の際に撮った近所の球場。


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