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 これは、一昨年の秋口に、代々木上原にある東京ジャーミイで頂いたものです。合間をみて少しずつ目を通していましたが、今はこの本をもう少し読み込む必要を感じています。

 今回のISISによる一連の蛮行を非難します。非難すべきだし、宗教や文化の違いを考えた上でもなお、理解も同情の余地もありません。

 安部首相の演説がISISの凶行の引き金になったことは否めませんが、安部首相は悪くないです。今後も事態収拾に向けた最善を尽くして頂きたいと思っています。

 同様に悪くないと思うのが、イスラム教及び敬虔なイスラム教の信者の皆さんです。ISISの行為は、宗教に関係なく、蛮行だと思います。イスラム教の教えに関係なく。しかし、イスラム教に対する我が国の眼が偏らないか、心配です。日本とは風土・文化の違う地で生まれた宗教は、頭での理解すら難しいところがあります。軽はずみな判断で蔑視したり排斥することのないよう、イスラム教についての理解を深めなければならないと思いました。今までは遠く離れた砂漠地帯の出来事で済ませることができましたが、今後はそうは言ってられないでしょう。

 東京ジャーミイさんにお邪魔した際も、心の底からの理解には至りませんでしたが、宗教施設としての静謐な世界観は感じ取ることができました。私の宗教観は、アニミズムに近い、森羅万象すべてに神が宿るというものです。大多数の日本人と同じ、神仏が混在した、日常の文化面での伝統的な宗教観に影響されたものです。特定の宗教には入信していませんし、今後もするつもりはありません。オウム真理教のように一般人の生命を危機にさらさないかぎりは、その教えを否定も肯定もしません。しかし、イスラム教については、理解がほとんど及んでいないことを告白せざるをえません。今までは、学術的な側面から、神道や仏教、キリスト教には興味を持っていました。それと同じレベルで、日本の風土や文化から遠く隔たったイスラム教についても最低限の理解は持っておかねば、という思いを抱きました。

 今回のお二方は、日本人でした。お二方以外にもISISに拉致された方は多数いらっしゃるとか。ISISに関係なく、アフリカでも東欧でも、沢山の悲劇が今この瞬間に繰り返されています。情報がこれだけ大量に流れ込む時代、勤勉多忙な国民の一員としては、全ての悲劇に対して関心を抱く時間もないのが現状です。

 しかし、これからの日本と日本を取り巻く環境を考える上で、イスラム教について、今までのように無知なままで済ませるのはまずい。後藤さんの殺害写真を見て、そのように思いました。日本において過去現在未来に起こった猟奇事件の数々。ああいった惨劇と同じ違和感を、今回のISISの凶行から感じ取りました。個人の凶行についてはまだ司法の対策で何とかなるかもしれません。しかし相手は少なくとも自称で国を名乗り、ある程度の占領地域を持っている集団です。

 重ねて言いますが、イスラム教に対する無知はまずいと思わざるをえません。甘言に乗ってISISに旅立つ若者を増やさぬためにも。


2 thoughts on “イスラム教に対する理解を深めなければ

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