著者の作品を読むのは「私の男」について2作目。

こちらの作品は、私が好むラテンアメリカ諸作家ののマジックリアリズム的な感じが強いとのことで、期待していました。

山陰という場所を選んだのも絶妙で、戦後からの日本の近代史にマルケスのような世界を築き上げるのは無理でしょうと思っていたらそれを成し遂げてしまっている。うーむ。。すごい。

大江健三郎氏の「同時代ゲーム」はもっと神話的な感じが強いので、リアリズムというよりは小説世界として没入できたけれど、こちらはリアルな日常を小説に取り入れつつ物語を進めている。

ただ、そういう風に読み進めていくと、最後の章で期待を裏切られてしまう人もいるかも。私は推理小説も好きな人なので、却ってマジックリアリズムを超えた、という印象が残ったかも。(もちろんどちらがより優れているかとかいうことではなく)

’11/10/14-’11/10/15


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