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今週末に迫った都知事選ですが、政見放送ようやく視ました。特に後藤氏のアレ。

昨年の千代田区議選での全裸ポスターで、選挙芸人として一躍脚光を浴びた後藤氏。今回は放送禁止用語を連発し、音声ミュートを休まる暇もなく発動させるという芸風で勝負に出た模様です。

選挙をなんと心得るか、と、こういった選挙芸人の出現を苦々しく思う方もいらっしゃることでしょう。公共の電波や掲示板を自己顕示の場として利用しているだけではないか、と。

古くは内田裕也氏のそれが有名です。ロックについて滔々と語る芸風で政見放送の新時代を切り開きました。まあ、この方は芸風がそもそもロックンロールなのでよいのですが。他にも東郷氏の政見放送は、放送禁止用語でカットされたはしりではないかと思います。ほかにも外山氏や又吉氏、松下氏、赤尾氏、中松氏。近年ではマック赤坂氏が選挙芸で名を売っています。ここに来て参戦を果たし、選挙芸人として新風を吹きいれたのが後藤氏という構図でしょうか。

単なる税金の無駄、目障り。そういった批判もあることでしょう。でも、私、こういう方々って必要だと思うのですよね。

彼らは三百万円の供託金をきっちりと支払った上で選挙芸を披露しているわけです。しかも、一定の得票数が得られなければ、公費で認められる筈の諸費用も自腹。実は、彼らが立候補することで、都民の懐ってそんなに痛まないのではないか、と思うのです。

選挙掲示板は、彼らが興行ポスターを貼ろうが貼るまいが一定枠用意されています。政見放送は彼ら選挙芸人の晴れ舞台ですが、これも事前に放送枠が設けられているはず。彼らが何人いようとも、人気投票所の数は一定なら、立会人の数も一定。精々、投票用紙記入用の氏名等掲示の作成やチェック、集計の手間が増えるくらいではないかと。あとは、選挙広報のスペース増による印刷代が増えることくらいでしょうか。

彼らが選挙芸を披露することで税支出が増えるのであれば問題です。が、彼らの興行はそれほど都民の懐を痛めていないのではないか、税金にとって負担になっていないのでは、と思うのです。まあ政見放送の視聴者の時間を浪費させることに変わりないのですが。

選挙広報には、それぞれの想いが書かれています。大マスコミに取り上げられているお三方はともかく、取り上げられていない候補者の中には泡沫候補と呼ぶのも失礼な経歴をお持ちの方も想いを書かれています。もちろん、我らが選挙エンターテイナーの面々は言うまでもなく。

広報に書かれた内容は、是非読まれた方がよいと思います。今の世相が見えます。選挙プランナーによる大政党、今回でいうとお三方のそれはマスを相手にしているので、いわば今の東京を語るサマリー。一方、真面目に選挙に臨む方々の内容にはそれぞれの候補者の想いが書かれています。それらを読むと、視野が広がります。都知事選で天下国家を語る。よいではないですか。自らの得意分野からの視点で都政を語る。参考になることも多いです。案外読み捨てるには惜しい視点が見受けられます。まあ、たまに電波系の書き込みもあるのですが、そこは娯楽の一環としてご笑覧頂ければ。と私が弁護してもしょうがないですが。

でも、今回の都知事選では、電波系の広報はあまり見受けられませんでした。冒頭の後藤氏は興行ポスターこそ時代を巻き戻したかのような軍服姿で芸人としての矜持を示しましたが、広報には案外まともなことを書いていました。あくまで芸風に比べてまとも、という意味ですが。あとは、某テレビ局への批判一辺倒の広報や政見放送で目を引いた立花氏。都政に私憤を持ち込むという芸風にはそれほどの新鮮味はありませんし、都政とNHKがどう関係するのか、私のような凡夫にはさっぱりですが、広報としての体裁は守っていました。他の候補者の方々の広報も、マック赤坂氏も含めまともに見えました。そう見えたのは私だけでしょうか。もちろん突っ込むべき点は多々ありました。都政と国政の混同は普通に見られましたし。でも、公示の全てをじっくり読むと、政治家による大上段に構えた都政とは違う視点での東京都の課題が浮き彫りになった気がします。

公示も政見放送も、結構読み物として面白い視点で問題提起して下さっています。大マスコミが取り上げるお三方だけしか注目しないのはもったいないですよ。政見放送や演説の書き起こしであれば、http://politas.jp/ にも載っていますので、是非観てみてください。

今回の都知事選は、週刊誌による情報操作ともいうべき報道合戦が目立ちました。介入と言っても良いほどの。第三者による解説や憶測記事はもう良いでしょう。そもそも週刊誌で取り上げられるのは政党がバックについた有力候補ですし。まずはマスコミ経由ではなく、直接の候補者による直接の声を聞くべきでしょう。マスコミの報道に振り回されるのは避けたいところです。

一説には東京都知事選を行う度に四十億の金がかかるそうです。泡沫候補や選挙芸人の皆様はその費用の一部を負担し、なおかつ新たな視点と旬の娯楽を提供して下さる訳ですから、これからも是非、ご活躍をお願いしたいところです。特に今回の都知事選には、お亡くなりになった秀吉公やご高齢の中松氏の姿がなく、寂しさを感じるのでなおさらです。

え?
誰にいれるのか、って?

それは秘密です。実は私はすでに投票済なのです。投票日前日に、期日前投票で投票しました。本稿は投票後に書いたものです。全員の公示を読み、全員の政見放送の書き起こしを読んだ上で判断し、投票しました。

残念ながら、選挙芸人の方には一票を投じていません。彼らの選挙芸は娯楽として楽しませてもらいましたが、投票となると別です。そこは冷静に判断しないと。先日の参院選では三宅氏による選挙フェスという言葉が注目されました。選挙フェス大いに結構。何にせよ選挙に注目が集まるのは良いことです。選挙が厳粛で厳かなものでなければならない道理はありません。公平性が担保されるのであれば選挙がフェスティバルでも良いのではないでしょうか。ただ、選挙フェスの雰囲気に流されることは避けるべきでしょう。マスコミの報道に流されないようにする事と同じく。そのためにもリアルな候補者の中に散見する虚構の選挙芸人は有用である、と私は思います。

自分の意思の表現としての一票は、何も選挙結果のための一票に止まりません。自分の人生をどうしていくかという一票でもあるのですから。一票の行使は大切にしたいですね。


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